細谷雄一の発言 (財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会)
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○参考人(細谷雄一君) しばしば今報道でも指摘されているのが、あるいは専門家が指摘しておられるのが、プーチン大統領はもう二〇二一年の夏の時点で侵略の計画を立てていたと。これは第二次世界大戦のヒトラーもそうですけれども、戦争をする側は動員を掛けますから、そういった意味ではいろんな準備が必要になってくるわけですね、あくまでもロシアは特別軍事作戦という言葉を用いていますけれども。したがって、それだけ準備をしていくと、その準備、計画というものを途中で修正するというものが非常に難しくなるわけですね。ですから、ロシアは、私は最初から対話をする意思がなかったんだろうと思います。むしろ、対話をするような姿勢を時に見せながら、軍事侵攻の責任が欧米にある、NATOにあるというロジックをつくることによって自分たちの侵攻を正当化しようとしたんだろうと思います。
重要なのは、相手の意思というものを見抜くということは、決して容易なことでも、場合によっては可能なことでもないと思いますけれども、相手が軍事力行使をどこまで決意しているのか、あるいは相手もまた軍事力行使というものを控えて平和というものを望んでいるのか。第二次世界大戦のときには、ヒトラーの意図というものを間違えていたわけですね。
これは、一九三六年に本格的にドイツがヨーロッパでの戦争計画を進めたときに、あるイギリスの内閣の閣僚はこういうふうに述べているんですね。我々の政策は、依然として、国際協力によって世界の軍備の制限と削減を追求するものである、それは国際連盟規約の下での我々の義務であり、また軍備競争を防ぐ唯一の手段である。
このちょうどほぼ同時期にナチスはもう戦争計画を立てて、もう時間を決めてもう戦争するつもり、そして、後には、この自分の意向が完全に欺く、相手を欺いたことをゲッベルスはある意味では侮蔑して論じているわけですね。我々は戦争計画を立てているのに、イギリスは全くそれを見抜けていなかったということを侮蔑しているわけです。
ですから、我々は、そういった平和の可能性がどこまであるのかということを最後まで諦めてはならないんですが、対話と抑止というもの、そして防衛というものをいかにして組み合わせるか。私は、その意味では、今の東アジアにおいては戦争というものは既定路線だと思っておりません。まだまだ対話というものによって、台湾の問題もそうですけれども、危機は回避できると思っています。
ですので、このウクライナの問題、つまりはプーチン大統領が恐らく前年の夏頃から軍事侵攻を計画していただろうという事情とこの今の東アジアの情勢は私は同様だとは必ずしも思っておりませんので、そういった意味では、この対話と抑止というものの組合せによって未然に私は危機を防ぐということが可能であるからこそ、逆に日本にとっては防衛費というものを増強する、防衛力を増強することが必要になっていると考えております。