半田滋の発言 (財政金融委員会、外交防衛委員会連合審査会)
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○参考人(半田滋君) ありがとうございます。
恐らく、習近平国家主席は、今回のウクライナ戦争の成り行きというのを息を殺して見詰めていると思いますね。戦争に突入したいきさつというのは様々語られていますが、しかしながら、一方的に武力で侵攻したということ自体、これは誰もが非難に値すると考えているところだと思います。プーチン大統領が一体いつ、この戦争を続けていていつまでこの最高権力者の座で居続けられるかということは自分にとっても非常に参考になることだというふうに見ているのだろうというふうに思っています。
去年の中国共産党大会で習近平国家主席が総書記を続投して、今年の三月の全人代では国家主席を三期目に入ったわけですよね。去年の共産党大会で習近平氏は、台湾の統一について、武力の放棄は約束をしないということを言いました。今回開かれたシャングリラ・ダイアログで中国の国防大臣が同じことを言っているわけですよね。つまり、中国にとってのレッドラインというのは台湾の独立なんだと。また一方で、中華人民共和国が一九四九年に建国されて以来、台湾というのは自国の内政問題であると、そして一つの中国だと、核心的利益なんだということを言い続けていて、将来の統一というものがこれは必ず果たさなければならない中国共産党の責務であるというふうに考えているわけですね。
今、恐らく中国が気にしているのはアメリカの動向だと思います。特に、バイデン大統領になってから、台湾を防衛するかという質問をされて、三回イエスというふうに答えているわけですね。一度などは、昨年の五月の日米首脳会談を日本で行った後、岸田首相と並んで行った記者会見の場で同じ質問を投げかけられて、イエスと言っていると。ということは、アメリカは直接、台湾との関係というのは、いわゆる貿易上の関係及び台湾関係法に基づく防御的兵器の売却というような、いわゆる商売上の関係、そういったものしかないはずなのに、なぜ台湾を防衛すると言っているんだと。そこが今、中国にとって大きな疑心暗鬼になっているということだと思うんですね。
また、アメリカの中では、残念なことに、共和党、そして民主党を超えて対中強硬策というものが支持をされやすい形になっていると。そうなっていくと、中国をますます刺激していくような流れになっていくだろうと思うんですね。
ここで、我が国が取るべき手段として、今、昨年の安全保障関連三文書によって敵基地攻撃能力の保有を決めました。同時に、南西シフトが具体的に強化されることが盛り込まれていて、第一五旅団、那覇市にある陸上自衛隊第一五旅団の師団化であったり、あるいは那覇病院の地下化であったり、そしてもう既に宮古、石垣、そして奄美大島に地対艦ミサイル、地対空ミサイルの部隊ができていて、我が国として、中国が南西諸島に侵攻しようとすると、その意思をくじくための能力は十分今身に付けたというふうに考えている。
しかしながら、今回の敵基地攻撃能力の保有によって、これらの離島に中国まで届く長射程のミサイルが配備されるということになっていけば、これは中国にとっても一段と身構える姿勢が強くなるということ。同時に、これは、台湾有事でアメリカが参戦するときに、アメリカ側に付いて中国と戦う意思を示しているんではないかというふうに誤解をされる可能性があるわけですね。これはそうじゃないですよと、我が国の、攻撃的兵器というふうにあなたたちが言っているものは防御的な兵器であって、これは決して中国を攻撃するものではありませんよということを言葉を尽くして説明をしなければいけないわけですね。
ですから、今回、敵基地攻撃能力の保有という言葉は三文書に書き込まれましたけれども、一体、じゃ、攻撃対象がその敵基地にとどまるのか、あるいは指揮統制機能まで実はやるつもりでいるのか、また、その攻撃の着手のタイミングというのは何なのかということを、これを外交を通じて明らかにして、日本の考えるレッドラインというのはこれなんですと。
したがって、我々は何一つ専守防衛の考えが変わっていませんよということを明確に説明する責任があると思います。そういった外交を展開していく必要がある。いま一つ説明が足りないというような印象を私は持っています。