長島昭久の発言 (安全保障委員会)
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○長島委員 おはようございます。自由民主党の長島昭久です。
質疑の機会を与えていただきました委員長、また理事の皆さんに心から感謝を申し上げたいというふうに思います。また、質問時間をお譲りいただきました公明党の先生方には改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。
まず冒頭、先月のオスプレイの事故に関してでありますが、昨日、本当に残念なんですけれども、米空軍が乗員八名全員の死亡を認定したと。米軍関係者並びに御遺族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げたいと思います。また、亡くなった乗員の方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。また、捜索に当たっていただいている自衛隊の関係者の皆さんには本当に敬意を表し、また感謝を申し上げたい、このように思います。
オスプレイは我が国の陸上自衛隊も運用している航空機でありますので、一日も早い原因の究明、そして再発防止策をしっかり日米政府には講じていただきたい、このように考えております。
それでは、質疑に入りたいというふうに思います。
木原大臣とは、日本戦略研究フォーラムという民間のシンクタンクが主催をしたシミュレーションのゲームに去年、今年と御一緒させていただいたわけですけれども、今日はそのシミュレーションのシナリオの一部を皆さんと共有しながら、一番、去年も今年も問題になった事態認定について焦点を絞って議論をさせていただきたい、このように思っています。
まず、皆さんのお手元に、「武力攻撃予測事態・武力攻撃事態・存立危機事態への対処の手続き」という一枚紙を配らせていただきましたけれども、まず手続の確認をさせていただきたいと思います。
事態が勃発した場合に、まず政府としてはどういう事態であるかという事態認定を行います。それに基づいて対処基本方針というものを策定して、それを閣議決定をしなきゃいけない、まず閣議決定が必要だと。そして、防衛出動を下令する場合には国会の承認を求める。これは原則事前の承認ですけれども、間に合わなかった場合には事後でもいい、こういうことになっています。
内閣総理大臣による防衛出動が下令されて初めて、平時の法体系から有事の法体系にがちゃっと替わるわけですね。有事の法体系に切り替わることによって、平時の法体系では自衛隊にもかかっていた様々な法的な制約が適用除外になるということで自衛隊がスムーズに展開できる、フルスペックで即応態勢で動ける、こういうたてつけになっているわけです。
平時の制約というのは何かというと、例えば、緊急通行が普通は、平素はできない、それができるようになる、有事の法制、法体系に替わることによってできるようになる。あるいは、道路交通法によって、大型の装備移動というものが、重量とか幅とか高さとか、これは制約を受けているわけですけれども、その制約が解除される。あるいは、火薬取締法によって武器弾薬などの運搬の規制が平時の法体系ではありますけれども、それも解除される。あるいは、消防法による燃料や危険物の貯蔵、こういったものにかかっている制約も解除される。こういう、平時、有事の法制度のたてつけになっている。
それを前提に、シミュレーションに従って、大臣と議論をさせていただきたいと思っているんですが、当然のことながら、こういった手続はアメリカにもないし、中国にもないし、韓国にも台湾にもないわけですね。日本特有の、ある意味でいうと非常にシビリアンコントロールを利かせるという意味では大事な手続なんですけれども、それが実戦といいますか、本当にこの事態が起こったときにうまく機能するかどうかというのが今日の私の質疑のポイントであります。
まず最初に伺いたいんですけれども、その前に、もう一枚、皆さんのお手元に、政策シミュレーションにおけるシナリオの例ということ。
これは、最大のポイントは、直接我が国が武力攻撃を受けていない、いわゆるグレーゾーンの、危機は高まっているけれども、直接我が国に武力攻撃が起こっていない。現代戦というのは、例えばハイブリッド戦、あるいはグレーゾーン事態、こう言われているように、平時と有事の境目がないというか、非常に分かりにくい、ここが特徴です。
これからエスカレーションしていく可能性がある、例えば大規模なサイバー攻撃を受けているとか、あるいは、ある地域ではもう既に日本の近傍で激しい武力衝突が起こっているとか、あるいは、どこがとは言いませんけれども、軍や準軍事組織あるいは海上民兵とか漁船団とか、こういった動きが活発化している、それと同時に、日本に対して侵害を行おうという相手国としては、最近よく言われるんですけれども、認知戦といって、なるべく日本の政府の意思決定が遅れるように、自衛隊が動けないような、そういう仕掛けをしてくるわけですね。
例えば、沖縄とか南西諸島で反戦運動を盛り上げて、政府がなかなか決定、決断ができないようにする。あるいは、政府要人にスキャンダル、これは本当かうそかも別にして、スキャンダルを流布して、そしてその偽情報も含めて政府に対する不信感をあおっていく。
あるいは、ここまで言うとどこだか分かってしまうんですが、反スパイ法なんかで、国内に在留している邦人を拘束したり、あるいは拘束するぞと警告したり、こういうことをしてくる可能性がある。
他方で、アメリカは、そういうエスカレーションを抑制するために、抑止するために、FDOといって、これはフレキシブル・ディタランス・オプションというんですけれども、一番端的な例は、一九九六年に台湾の総統選挙が行われたときに、中国がミサイル実験、ミサイル発射を台湾周辺で行いましたけれども、そのときにアメリカは空母二隻を台湾海峡の付近に派遣して事態を鎮静化させた、こういうのをフレキシブル・ディタランス・オプション、FDOというんですが、それを日本と一緒にやっていこうというようなことが、そういう呼びかけが起こる。
政府としては、この最後の二行ですけれども、更なる事態のエスカレーションを防ぐ、あるいは、それに備えて例えば南西方面の国民保護というものを行っていく必要性を認識している、あるいは、更なる事態のエスカレーションに備えて南西方面に速く自衛隊の部隊を即応態勢で展開をしていきたい、そういう認識をしている、こういう前提で、以下、お伺いしたいんですけれども。
まず、大臣もシミュレーションに参加されて、我が国が直接武力攻撃を受けていないという、そういう事態において、事態認定が非常に難しい。まだ武力攻撃を受けていませんから、武力攻撃事態は認定できない。
そういう中で、じゃ、予測事態、武力攻撃予測事態を認定するという方法もあるんですけれども、まだ武力攻撃が起こっていない段階で日本が例えば予測事態を認定した場合に、相手国から、あっ、日本は戦争準備に入ったんじゃないかとか、日本側が事態をエスカレートさせているんじゃないかと。
極めてこの事態認定というのは外交的なメッセージ性の高い手続でありますので、こういったことで政府の意思決定や自衛隊の行動というのをある意味でいうと遅らせる、こういう効果があるんだろうと思うんですけれども、こういった非常に難しい、判断に困るような事態、大臣もシミュレーションで経験されたと思うんですけれども、この点の難しさについて、大臣、今どのようにお考えか、伺えますでしょうか。