青柳仁士の発言 (外務委員会)
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○青柳(仁)委員 まさに今大臣がおっしゃった、信頼関係に基づく情報というのが非常に重要だと思うんです。やはり、信頼関係のない相手にはうそばかり言いますし、相手の利益ではなくて、こちらの利益だけのことを言うでしょうから。そういう信頼関係がこれまでのODAの中でも様々な国で培われてきているということ、このアセットは、余りそれを戦略的にし過ぎると、今度は、日本人と仲よくすると情報を抜かれるとか、中国みたいにされても困るんですけれども、そういうアセットもしっかりあるということを認識して動いていくことが重要じゃないか。
もう一つ申し上げると、例えば、私がアフガニスタンにいたときには、当時のJICA理事長の緒方貞子さんと一緒にお仕事をさせていただいておりました。緒方さんは、アフガニスタンに来ると、アフガニスタンのどんな要人であってもすぐにアポイントメントが取れました。どんなに忙しくても、カルザイ大統領であっても一日でアポイントが取れました。これは、当時のオバマ大統領でも数週間かかったアポイントメントがすぐ取れたんですね。かつてUNHCRの代表をされていたときに、クルド難民の救った方の中にカルザイ大統領の親族の方が含まれていたということを随分恩義に感じておられたようで、そういうこともありました。
先ほどの農業大臣のアドバイザーの件もそうですが、人徳と能力のある方は日本の中にもたくさんおられます。そういった方々が海外で築いていく人脈、そこから得られる情報というのはやはりかけがえのないものだと思いますので、是非、そういうことも踏まえて、生きた戦略を考えていただきたいなと思います。
少し話は変わりまして、もう一つ、グローバルな視点でどういう外交戦略をつくっていくか、これも非常に重要な問題です。
今、気候変動の問題が非常に盛んで、COPも最近行われたばかりですけれども、サステーナビリティーと言われる国際潮流が非常に今大きく世の中を席巻してきております。元はといえば、気候変動もジェンダーも、みんなこの辺から来ている話なんですが。
最近では、IFRS財団がこういったサステーナビリティーの取組に関する企業を測る指標というのを統一しようということで非常に大きな動きを見せていたり、日本のほとんどの大企業ももう既にこういったサステーナビリティーレポートを作成したりして、単にお金もうけではなくて、自分たちのビジネスが世の中にどう役に立っているのか、そういういわゆる社会価値をベースにお客さんに選ばれたり投資家に選ばれたり、こういうマーケットメカニズムが少しずつでき上がってきております。
ですから、まさに今、世界に対して開発援助をやるんだ、あるいは世の中に対していいことをやるんだといったときに、必ずしも、政府とかあるいはJICAとか、そういうところに就職しようとする若者は減っているんだそうです、マイナビとかリクルートから聞いた話なんですけれども。
なぜなら、今、各企業でも、サステーナビリティーという中で、独自のビジネスを通して世の中をよくしよう、世界のために何かをしようということをやっているわけですから、そっちでやっていこうという方がかなり多くなってきた。また、スタートアップでも、ソーシャルスタートアップといって、世の中のためにスタートアップを起こす、こういう若者が増えてきております。
そういった中にあって、日本のODAも開発援助も、今までどおり、ODAはODA、民間のやっているそういうボランティアみたいなものはボランティア、もはやボランティアではないんですけれども、サステーナビリティーはサステーナビリティーという考え方だと、世の中に大きなインパクトを出すことはできないんじゃないかと思うわけです。
そういった中で、昨年、JICAがサステナビリティ・レポートというものをようやく作成いたしました。これは、先ほど申し上げたとおり、民間の大企業であればほぼ全ての企業が作成しているものです。内容を私も拝見しましたけれども、企業が作成しているものに比べると精度等は様々な御評価があろうかと思うんですけれども、こういった取組自体は非常に重要であろうというふうに個人的には考えております。
これらのサステーナビリティーという取組は、日本は、一つの省庁が受けているわけではなくて、少なくとも外務省、経産省、環境省、金融庁にまたがる課題であります。今回のこのサステナビリティ・レポート、あるいは、日本の開発援助というものをサステーナビリティーという文脈で様々な日本の企業あるいは世界の企業とともに進めていく、こういう取組について、各省からの評価を、今の受け止めを教えていただければと思います。