國重徹の発言 (憲法審査会)
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○國重委員 公明党の國重徹です。
今国会では、まず、海外調査の報告がありました。森団長を始めとした派遣委員の報告によりまして、海外調査の内容について大変よく理解ができました。
本日は、今国会の終盤に当たり、改めて、海外派遣の報告を踏まえつつ、緊急事態対応及び国民投票について意見を述べさせていただきます。
まず、緊急事態対応について述べます。
森団長報告によりますと、各国共通して強調されていたもの、それが、緊急事態対応における議会チェックの重要性でありました。また、フランスでもアイルランドでも、法律による緊急事態対応が有効に機能してきたとの評価がありました。法律による緊急事態対応の重要性は、緊急事態において国会の立法機能がフル回転しなければならないことを示しております。
これは、先週、我が党の河西宏一委員が、東日本大震災、新型コロナウイルスの世界的蔓延、この二つの大規模な緊急事態において制定された法律が大幅に増加するとともに、そのうちの多数の法律が議員立法によって制定されていたこと、また、その議員立法の多くが衆法であったことなどを踏まえ、緊急事態発生時にこそフルサイズの立法機能、すなわち、国会の二院制における両院同時活動を行っていくことの重要性を指摘したことにも通じるものであります。
今回調査をしたフランス、アイルランド、フィンランドの三か国以外でも、例えばロシアの侵略を受けているウクライナの議会は今年に入ってもフル回転しておりますし、ウクライナ憲法には議員任期の延長規定があります。緊急時における議会機能を維持するための議員任期延長は、議員任期が憲法上固定されている日本国憲法においては必須であることを海外調査の結果やウクライナの例は示しております。
議員任期延長につきましては、今年の常会の議論を経まして、自民、公明、維新、国民、有志の五会派の間では、方向性や必要性に関し、おおむね一致をしております。
そこで、これまでの議論も踏まえて、たたき台となるような条文案の作成に向けた検討に着手することも大事ではないか、そして、そのような具体的な条文案を基に審査会で議論を更に積み重ねていくことがより建設的なのではないかと考えております。
これは、特定の会派の示した条文案に乗る、乗らないではなく、審査会で幅広い合意が形成されるようにするための意味であることはもちろんであります。具体的な条文案を基に議論をすることで、国民がより具体的なイメージを持ちやすくなり、国民の理解が深まることにつながるでしょうし、また、その条文案に対して懸念が示される場合にも、具体的で真摯な対応が可能となるのではないかと考えます。
次に、国民投票について述べさせていただきます。
国民投票に関しては、偽情報などのインターネット利用に関する懸念についても問題提起がなされてまいりました。このようなデジタル社会の進展に伴う懸念への対策として、海外調査の訪問先からは、法規制などのハードな対策ではなく、ソフトな対策の重要性が強調されていたように思います。
例えば、アイルランドのトリニティー・カレッジのケニー博士は、放送事業者による自主的な偽情報の拡散防止対策、学者によるファクトチェックなどを例に挙げ、アイルランドには様々な主体が偽情報を取り締まってきたという文化があるとし、偽情報の規制に関しては、むしろインフォーマルな文化や慣習、しきたりによるコントロールが大きな役割を担ってきたと指摘をされております。
そのようなソフトな対策の一つとして、憲法改正案を発議する我々国会が正確な情報を分かりやすく発信することも大切であり、そのためにも、国民投票広報協議会の取組を充実強化することが重要だと思います。
実際に、今国会では、広報協議会の組織などを定める規程について幹事懇で議論が始まったと承知をしております。これまでも、いわゆるCM規制や偽情報の問題に関し、広報協議会の役割として追加すべき事項について、各委員から様々な意見が出ているところであります。広報協議会をどのように充実強化していくか、具体的にどのような仕事を担うかという点については、今後一つ一つ具体的に詰めていく必要があると思います。
先ほども述べましたとおり、法規制ではなく、広報協議会が行うソフトな対策は重要です。例えば、ネットCMの広告主の表示について、あるいは、ネット検索をすれば広報協議会の情報発信が一番上に出てくるというような措置について、各メディア事業者の方々に協力をしていただくといった方策を検討し、ガイドラインの策定などによって広報協議会が何らかの役割を担うということは十分に考えられると思います。
先週の審査会で、奥野委員、中谷委員から国民投票法改正に係る立憲の考え方の説明がありましたが、法規制という方法を取るかどうかは別として、今申し上げた内容と類似の内容も提案されていたように思います。広報協議会の充実強化については、総論として賛成している会派も多く、広報協議会の活動内容を具体的に検討していくことを通してCM規制の議論の共通項を見出し、合意形成を図っていくことは、十分に可能であると思います。
いずれにしても、広報協議会について議論を深めていくことは必要不可欠であります。引き続き委員間で真摯な議論をしていきたい旨を申し上げ、私の発言とさせていただきます。