櫻井周の発言 (財務金融委員会)
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○櫻井委員 短期的にはいろいろな景気の変動の調整とかがあろうかと思いますけれども、これは三十年で見ていますからね。これはやはりちょっと、しかも、先ほど総裁おっしゃられたとおり、労働生産性が向上すれば賃金は上がるというのは、多分、二十世紀の日本はそうだったと思いますし、バブル崩壊以前の日本はそうだったし、少なくとも一九九七年頃まではその相関の強さはあるにしても、そういう傾向はあったんでしょうけれども、それ以降はそうじゃなくなってしまっているということ。世界的に見ても、日本以外の国ではおっしゃられたとおりの関係があると思うんですけれども、今世紀の日本だけ、こんなずれちゃっているわけなんですよね。やはりここに何でこんな問題があるのかということをちゃんと分析しなきゃいけないと思います。
私は、一番、今世紀の日本が独特なのは、派遣労働制度が非常に大きくて、広くなっちゃったというところがあろうかと思います。こういった雇用の不安定化が、こうした労働生産性が上がっても賃金が上昇しない原因の一つなのではないのかな、そのほかにもいろいろありますけれども、そういった日本の間違った政策が原因なのではないのかなというふうに考えておりますので、この点はまた別の場で議論させていただきたいと思います。
結局のところ、金融緩和を続けても、賃金が上がる保証はないわけです。この十年間そうやってやってきましたけれども、賃金は上がらなかった。黒田総裁は二年で二%とおっしゃられましたけれども、できなかった。九年たってようやく物価が上がったと思ったら、これは海外要因だったということで、二年で二%という期限、守らなかったわけですよね、守れなかったわけですよ。
全然ちょっと違う話を引き合いに出しますけれども、小説の「走れメロス」、これは三日間という約束をちゃんと守ったから、あの感動的な話になったわけですよね。ですから、二%、二年以内と言っていたのに、二年どころか、待てど暮らせど来なかったということですので。しかも、その間、こうやって悪い円安を引き起こし、財政出動してしまっているということで、これは、財政出動が物価高を助長するというようなことを続けていれば、更にまた来年、物価高対策で財政出動ということにもなるかもしれない。財政が悪化することによって通貨の信認を損なわれるというようなことで、悪いサイクルがどんどん続いてしまうのではないのかな、こういうふうに心配するわけです。
今日、資料の十二におつけしました。今からちょうど五十年前、大蔵大臣の所信が衆議院大蔵委員会でございました。このときの当時の大蔵大臣、福田赳夫大蔵大臣ですけれども、昭和四十八年度補正予算は、節度ある財政運営に徹することを基本として編成しました、金融面におきましても、引締め基調を堅持する、こういうふうに言われているわけなんです。
ちょうど五十年前、狂乱物価と言われた時代でした。福田赳夫大蔵大臣は、田中角栄内閣の看板政策、日本列島改造論、これを棚上げにして、財政出動を抑制して物価高を抑えようとしたわけです。これは国民に非常に不人気でしたし、福田赳夫大蔵大臣は貧乏神というふうにも言われたりしました。それでも、経済合理性のある政策を実施する、それが国家財政を預かる財務大臣の職責だというふうに考えますが、最後に、財務大臣、この五十年前の福田赳夫大蔵大臣、この姿勢をどのようにお感じになりますか。