植田和男の発言 (財務金融委員会)
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○植田参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、今回の私どもの展望レポートでは、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、来年度にかけて二%を上回る水準で推移するという見通しを示してございます。
こうした高めの物価上昇率が当面続く背景として、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響がやや長引いていることや、このところの原油価格の上昇がございます。
ただし、こうしたコストプッシュによる物価上昇圧力は、起点となる輸入物価の前年比が本年春頃からマイナスとなっているということも踏まえますと、時間を要するものの、次第に和らいでいくと考えております。
この間、コストプッシュ圧力の影響などを除いて見た消費者物価の基調的な上昇率は、二五年度にかけて、二%の物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくと見ていますが、その際には、賃金と物価の好循環が強まっていく必要があると考えております。
我が国では、賃金、物価が上がりにくいとの考え方や慣行が社会に根づいてきたことも踏まえますと、好循環が強まっていくかどうかに関する不確実性は大きく、現時点では、物価安定目標の持続的、安定的な実現を十分な確度を持って見通せる状況にはなお至っていないというふうに判断しております。
こうした判断の下、日本銀行としては、イールドカーブコントロールの枠組みの下で粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針でございます。
政府におかれましては、総合経済対策において、現状をコストカット型経済から三十年ぶりの変革を果たすチャンスと捉えた上で、足下の物価高から国民生活、事業活動を守る対策に万全を期すとともに、賃上げのモメンタムの維持拡大、生産性向上を含む供給力強化等を図るとされています。
政府と日本銀行との間で、物価情勢に対する基本的な見方について違いはないほか、目指している方向性も一致していると認識しております。