財務金融委員会

2023-11-17 衆議院 全235発言

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会議録情報#0
令和五年十一月十七日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 津島  淳君
   理事 井上 貴博君 理事 大野敬太郎君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 宗清 皇一君
   理事 山田 美樹君 理事 櫻井  周君
   理事 末松 義規君 理事 伊東 信久君
   理事 稲津  久君
      石原 正敬君  英利アルフィヤ君
      小田原 潔君    越智 隆雄君
      大塚  拓君    鬼木  誠君
      金子 俊平君    木原 誠二君
      岸 信千世君    鈴木 隼人君
      瀬戸 隆一君    塚田 一郎君
      中川 郁子君    中山 展宏君
      仁木 博文君    西野 太亮君
      藤丸  敏君    藤原  崇君
      古川 禎久君    若林 健太君
      階   猛君    野田 佳彦君
      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君
      道下 大樹君    米山 隆一君
      小野 泰輔君    沢田  良君
      掘井 健智君    伊藤  渉君
      竹内  譲君    前原 誠司君
      田村 貴昭君    吉田 豊史君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       鈴木 俊一君
   内閣府副大臣       井林 辰憲君
   財務副大臣        赤澤 亮正君
   内閣府大臣政務官     神田 潤一君
   財務大臣政務官      瀬戸 隆一君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 上野 有子君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  油布 志行君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局政策立案総括審議官)      堀本 善雄君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    伊藤  豊君
   政府参考人
   (財務省大臣官房長)   宇波 弘貴君
   政府参考人
   (財務省関税局長)    江島 一彦君
   政府参考人
   (国税庁次長)      星屋 和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官)     青山 桂子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮本 悦子君
   参考人
   (日本銀行総裁)     植田 和男君
   参考人
   (日本銀行理事)     高口 博英君
   参考人
   (日本銀行理事)     加藤  毅君
   参考人
   (日本銀行理事)     清水 誠一君
   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  前原 誠司君     鈴木  敦君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木  敦君     前原 誠司君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     仁木 博文君
  鬼木  誠君     中川 郁子君
  木原 誠二君     西野 太亮君
  掘井 健智君     小野 泰輔君
同日
 辞任         補欠選任
  中川 郁子君     鬼木  誠君
  仁木 博文君     小田原 潔君
  西野 太亮君     木原 誠二君
  小野 泰輔君     掘井 健智君
同日
 理事井上貴博君同日理事辞任につき、その補欠として大野敬太郎君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
十一月十七日
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(第二百十一回国会閣法第五六号)(参議院送付)
 情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案(第二百十一回国会閣法第五七号)(参議院送付)
同月十四日
 消費税インボイス制度の中止に関する請願(菊田真紀子君紹介)(第二九号)
 消費税率五%への引下げに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三三号)
 同(笠井亮君紹介)(第一三四号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一三五号)
 同(志位和夫君紹介)(第一三六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一三七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一三八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三九号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一四〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一四一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案(第二百十一回国会閣法第五六号)(参議院送付)
 情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案(第二百十一回国会閣法第五七号)(参議院送付)
 金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)
 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
 財政及び金融に関する件
     ――――◇―――――
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津島淳#1
○津島委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事井上貴博君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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津島淳#2
○津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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津島淳#3
○津島委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に大野敬太郎君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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津島淳#4
○津島委員長 この際、赤澤財務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。財務副大臣赤澤亮正君。
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赤澤亮正#5
○赤澤副大臣 おはようございます。この度、財務副大臣を拝命いたしました赤澤亮正でございます。
 財務副大臣としての職責を果たすべく、鈴木大臣の御指示を仰ぎつつ、矢倉副大臣とともに、職務の遂行に全力を傾注する所存でございます。
 津島委員長を始め委員の皆様の御指導をよろしくお願いを申し上げます。拍手
     ――――◇―――――
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津島淳#6
○津島委員長 金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁植田和男君、理事高口博英君、理事加藤毅君、理事清水誠一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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津島淳#7
○津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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津島淳#8
○津島委員長 去る令和四年十二月十六日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁植田和男君。
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植田和男#9
○植田参考人 私ども日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 まず最初の、最近の経済金融情勢について御説明いたします。
 我が国経済は、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっております。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は緩やかに改善しています。こうした下で、設備投資は緩やかに増加しています。雇用・所得環境は緩やかに改善しています。個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加しています。先行きは、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化に加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果などにも支えられて、緩やかな回復を続けると見ています。
 物価面を見ると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果などによって、一頃に比べればプラス幅を縮小しているものの、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、足下は二%台後半となっています。先行きについては、来年度にかけて二%を上回る水準で推移した後、二〇二五年度にはプラス幅が縮小すると見ています。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、二〇二五年度にかけて、二%の物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくと見ています。
 先行きのリスク要因を見ますと、海外の経済、物価動向、資源価格の動向、企業の賃金、価格設定行動など、我が国経済、物価をめぐる不確実性は極めて高い状況です。その下で、金融為替市場の動向や、その我が国経済、物価への影響を十分注視する必要があると考えています。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。先行き、グローバルな金融環境のタイト化の影響などには注意が必要ですが、内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有しています。より長期的な金融面のリスクとしては、金融機関収益への下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうおそれがある一方、利回り追求行動などから、金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあります。現時点ではこれらのリスクは大きくないと判断していますが、先行きの動向を注視する必要があります。
 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。
 日本銀行としては、現時点では、物価安定の目標の持続的、安定的な実現を十分な確度を持って見通せる状況にはなお至っておらず、今後、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要と考えています。こうした中、長短金利操作付量的・質的金融緩和の下で粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針です。
 また、日本銀行は、十月に、長短金利操作の運用において、柔軟性を高めておくことが適当であるとの判断に基づき、長期金利の上限のめどを一・〇%とし、大規模な国債買入れと機動的なオペ運営を中心に金利操作を行うことを決定しました。
 日本銀行としては、賃金の上昇を伴う形で二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現することを目指して金融政策を運営してまいります。
 ありがとうございました。
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津島淳#10
○津島委員長 これにて概要の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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津島淳#11
○津島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤渉君。
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伊藤渉#12
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。
 目下、物価高を上回る賃上げを伴う経済の好循環、これを生み出すための正念場にあるという認識の下で、金融政策について、まず幾つか基本的なポイントを改めて確認をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、総裁にお伺いしますが、我が国では物価高が継続をしており、本年の春闘においては三十年ぶりの賃上げ率を達成したものの、賃金の上昇はいまだ物価高に追いついておらず、家計の負担は増しております。
 また、先行きにつきましても、十月三十一日に公表された日本銀行の展望レポートを見ると、生鮮食料品を除く消費者物価指数の前年比は、二〇二三年度と二〇二四年度は共にプラス二・八%となっており、物価高が当面継続する見通しとなっています。御存じのとおり、実質賃金も対前年マイナス傾向が続いております。
 そこで、最初に総裁にお伺いしますけれども、こうした物価見通しの下で、日本銀行の金融政策運営の基本的な考え方、これをまず披瀝いただきたい。
 そしてもう一つは、今般政府がデフレ完全脱却のための総合経済対策を決定したところで、来週から補正予算の審議に入ってまいりますけれども、この政府の経済対策と日銀の金融政策の考え方がどのように整合的か、これについてもできるだけ分かりやすく御答弁をお願いしたいと思います。
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植田和男#13
○植田参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のように、今回の私どもの展望レポートでは、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、来年度にかけて二%を上回る水準で推移するという見通しを示してございます。
 こうした高めの物価上昇率が当面続く背景として、既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響がやや長引いていることや、このところの原油価格の上昇がございます。
 ただし、こうしたコストプッシュによる物価上昇圧力は、起点となる輸入物価の前年比が本年春頃からマイナスとなっているということも踏まえますと、時間を要するものの、次第に和らいでいくと考えております。
 この間、コストプッシュ圧力の影響などを除いて見た消費者物価の基調的な上昇率は、二五年度にかけて、二%の物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくと見ていますが、その際には、賃金と物価の好循環が強まっていく必要があると考えております。
 我が国では、賃金、物価が上がりにくいとの考え方や慣行が社会に根づいてきたことも踏まえますと、好循環が強まっていくかどうかに関する不確実性は大きく、現時点では、物価安定目標の持続的、安定的な実現を十分な確度を持って見通せる状況にはなお至っていないというふうに判断しております。
 こうした判断の下、日本銀行としては、イールドカーブコントロールの枠組みの下で粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく方針でございます。
 政府におかれましては、総合経済対策において、現状をコストカット型経済から三十年ぶりの変革を果たすチャンスと捉えた上で、足下の物価高から国民生活、事業活動を守る対策に万全を期すとともに、賃上げのモメンタムの維持拡大、生産性向上を含む供給力強化等を図るとされています。
 政府と日本銀行との間で、物価情勢に対する基本的な見方について違いはないほか、目指している方向性も一致していると認識しております。
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伊藤渉#14
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 どこまでいっても、一般の方からすると、物価上昇というよりも、やはり賃金が上がる、これを大変期待をされているわけで、総裁におかれましても、賃金を上げていくということを折に触れて訴えていただきたいというふうに思いますけれども、これを実現するために、今粘り強く金融緩和を継続いただいております。
 そして、今答弁の中にも出てまいりましたけれども、コストプッシュからディマンドプルにどう変えていけるか、非常に重要な局面ですけれども、何といっても、こういう経済状況が長いものですから、それ以前のディマンドプルのような状況を知っている人がどんどん世の中から減っておりますし、これを打開していくのはそう簡単なことではない。だからこそ、政府と日銀、粘り強く日銀においては金融政策で取組を進めていただいているわけですが。
 その中で、この十月、金融政策決定会合で、イールドカーブコントロールの運用を変更されております。これについても総裁にお伺いします。
 一つは、運用を変更した背景はどういうものなのか。そして、もう一つは、今回の措置を受けて長期金利が上昇する可能性があります。これは、普通の人の暮らしからいきますと、住宅ローン金利が上がるのではないか、あるいは、特に中小・小規模企業の事業者の経営者から見ると、企業向けの貸出金利に影響が及んでくるのではないか。こうした点についても総裁の見解をお伺いしたいと思います。
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植田和男#15
○植田参考人 御指摘いただきましたように、日本銀行としては、イールドカーブコントロールの枠組みの下で、粘り強く金融緩和を維持する方針でございます。
 そのイールドカーブコントロールですが、具体的な運用については、これまでも、効果と副作用のバランスを勘案して随時見直してまいりました。
 十月の私どもの会合では、従来は厳格に適用してきた一%の上限を、長期金利、十年国債の金利ですが、一%の上限をめどとし、その下で大規模な国債買入れと機動的なオペ運営を中心に金利操作を行うことにいたしました。
 この背景としましては、内外の経済や金融市場をめぐる不確実性が極めて高い現在の状況において、長期金利の上限を厳格に抑えることは、強力な効果の反面、副作用も大きくなり得ると判断したことでございます。
 なお、長期金利の厳格な上限は設定しませんが、こうした調節運営の下で、長期金利に上昇圧力がかかる場合でも、一%を大幅に上回るとは見ておりません。
 その上で、住宅ローンへの影響ですが、大半を占める変動金利型については、短期の政策金利を現状維持としてございますので、影響はないというふうに考えております。
 新規の固定金利型住宅ローン金利については、長期金利とある程度連動する面がありますので、昨年来の長期金利上昇を受けて、若干上昇してきております。
 企業向けの貸出金利ですが、約半分を占める変動金利型については、やはり短期政策金利を現状維持としていることから、影響はないと見られます。
 新規の固定金利型の貸出金利ですが、中長期の金利とある程度連動する面がございます。ただし、固定金利型の貸出しについても、金利の更改、新たな期間に入るまでの期間が短いものが多いということから、これまでのところ、長期の新規約定平均金利の上昇幅は比較的小幅にとどまっていますが、住宅ローン金利、企業向け貸出金利の動向については、引き続き丹念に点検してまいりたいと思っております。
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伊藤渉#16
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 物価高で家庭も企業もコストが増大をする中で、大変苦しい状況に陥っている方もみえる。そこにおいて、今回の金融政策の変更が新たなコストとしてのしかからないように、慎重にマーケットの状況を見ながら、引き続き、金融政策のかじ取りをお願いをしたいというふうに思います。
 次に、多角的レビューについて、これも担当の理事にお伺いします。
 日銀は、今年四月に、一年から一年半程度時間をかけて金融政策運営の多角的レビューを行うと発表されておりますが、現時点での進捗状況について御教示をいただきたいと思います。
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清水誠一#17
○清水参考人 お答え申し上げます。
 金融政策運営の多角的レビューでは、過去二十五年間に実施してきました各種の非伝統的金融政策手段の効果について、それぞれの時点における経済、物価情勢との相互関係の中で理解するとともに、副作用を含めて金融市場や金融システムに及ぼした影響も分析する方針としてございます。
 現在、その方針に沿いまして、日本銀行内部での分析に加え、日本銀行以外の方々との意見交換も進めているところでございます。
 内部での分析につきましては、日本銀行内の関係部署が分析を進めておりまして、その分析の一部については、学界や専門家の方々との議論を開始したところでございます。
 一例を申し上げますと、今週開催された東京大学との共催コンファレンスでは、多角的レビューの視点を意識し、国際経済環境の変化の日本経済への影響について討議を行いました。
 また、来月には、非伝統的金融政策の効果と副作用をテーマとしたワークショップを開催し、日本銀行のスタッフの報告について、専門家、学者の方々から意見をいただくこととしてございます。
 このほか、日本銀行の本支店のネットワークを生かす形で、企業や金融機関の方々との意見交換も進めております。
 各地で実施しております金融経済懇談会では、日本銀行の政策委員自ら、地域経済を代表する方々と意見交換を行っております。
 また、この冬には、幅広い業種、規模の企業の皆様を対象に、一九九〇年代半ば以降の企業行動等に関するアンケート調査を実施することとしておりまして、この間の企業行動の変化や金融緩和の効果、副作用などについて、御意見を頂戴できればと考えております。
 多角的レビューにつきましては、様々な取組を通じまして、多様な知見を取り入れつつ進めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
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伊藤渉#18
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 今の金融政策の取組は、将来においてきちんと検証しておくことが、今後の日銀の金融政策運営においても非常に重要な内容だと思います。丁寧な検証を重ねて、記録をしっかり残していっていただきたいというふうに思います。
 残り時間僅かになりましたので、中央銀行のデジタル通貨について二問ほどお伺いしようとしておりましたが、総裁にお伺いして終わりにしたいと思います。
 このデジタル通貨、欧州など海外先進国で検討が進んでいるという報道がございます。中央銀行にとって、通貨の安定供給、これは重要な責務でございます。そのため、デジタルな形態での通貨供給についてお伺いをします。
 総裁には、この海外での検討を理事にちょっと答弁いただこうと思っていたんですが、時間の関係でそれを省きまして、様々な海外での検討を踏まえて、日本銀行での現在の検討状況、また今後の展望を御答弁いただいて、私の質問を終えたいと思います。
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植田和男#19
○植田参考人 委員おっしゃいましたように、ヨーロッパ中央銀行が少しこの分野では先に進んでおりますが、私ども日本銀行では、今年の三月までに技術的な検証の基礎的な部分をかなり終えております。その中身としましては、CBDCの発行、還収などの基礎的な機能、それから、予約送金などのユーザーの利便性を考慮した様々な周辺機能、あるいは保有額への上限設定などの検討でございます。
 また、こうした検討の進捗を踏まえまして、四月から、次のステップとしてパイロット実験へ移行してございます。民間事業者の有用な技術や知見を活用するために設置しましたCBDCについても、第一回目の会合を開催したところでございます。
 その上で、今後、我が国でCBDCを導入するかどうかでございますが、これは、内外の情勢も踏まえ、今後の国民的な議論の中で決まってくるものと考えてございます。日本銀行としては、その前提となるものとしまして、CBDCに関する技術面及び制度面の検討を引き続きしっかりと進めてまいりたいと思っております。
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伊藤渉#20
○伊藤(渉)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
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津島淳#21
○津島委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。
 次に、野田佳彦君。
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野田佳彦#22
○野田(佳)委員 皆さん、おはようございます。立憲民主党の野田佳彦でございます。
 今日は、植田総裁に主に金融政策のお尋ねをしようと思っていたんですけれども、この委員会の冒頭に新しい財務副大臣の御発言がございましたので、これはやはりどうしても触れなきゃいけないだろうと思って、急遽質問をさせていただくことになりました。
 適材適所という言葉がこれほどおとしめられた事態はないと思っておりまして、一々申し上げませんけれども、文科大臣政務官、そして法務副大臣に続いて、前任の財務副大臣が事実上更迭をされるという事態になりました。しかも、まさかと思いましたけれども、税理士資格を持ちながら、税金滞納と差押えの常習犯だったということでありますので、この事態が明らかになった時点で、本来はすぐ辞めさせるべきだったんだろうと思うんです。
 先週の週刊誌のゲラが出た段階は、まだ週半ばだったじゃないですか。機敏に対応していればよかったのに、十一月十一日から今日まで、税を考える週間ですよ、しゃれにならないんですよ。まさに国民の皆様に税の意義を啓発をして集中的に広報広聴をやっているときの月曜日に財務副大臣が替わる事態というのは物すごく重く受け止めなければいけないし、その信頼の回復は大変だと思うんです。
 という中で、先ほどの御挨拶、御発言の中にはその辺の含みがなかったんですけれども、これを引き受けるということは相当重大な覚悟と決意を持って臨まれていると私は思うんですが、まず、その点をお尋ねをしたいというふうに思います。
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赤澤亮正#23
○赤澤副大臣 神田前副大臣の辞任、そしてただいまの野田委員の御指摘も含めまして、様々な御指摘や御批判があることは承知をしております。今般、財務副大臣を拝命することとなりましたが、私としても、本当に身の引き締まる思いで重責をお受けした次第です。
 私自身、これまで与党の立場から、足下の物価高から国民の暮らしを守り、賃上げや国内投資を後押しするための今般のデフレ完全脱却のための総合経済対策の策定や、税制の議論などに参画をしてまいりました。
 今般、鈴木大臣から、予算編成、財政投融資、国債、国有財産、金融政策関係の担当との御指示をいただきましたので、こうした分野を通じて信頼回復を図る、そしてまた課題の解決を図る、そのことで国民経済や国民生活に明るさと自信を取り戻し、国民の皆様が安全、安心と思えるように全力を尽くすことにより、信頼の回復、重ねて申し上げますけれども、鈴木大臣の御指示を仰ぎつつ、しっかり職責を果たしてまいりたいというふうに考えてございます。
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野田佳彦#24
○野田(佳)委員 適材適所というのは本当に、よく私も使った言葉ですけれども、言うはやすく行うは難しであるということは私もいろいろ経験して承知しているんですけれども、今回の場合は余りにも真逆だったので、本当に、どん底に落ちた信頼を回復するというのは大変だろうと私は思います。
 私も財務副大臣経験者なんです。担当も今初めて聞きましたけれども、主計局と、そして理財と官房を担当していました。というように、副大臣も役割分担しながらやりましたけれども、私のときは、リーマン・ショックの直後で税収が九兆円も落ち込んでしまって、やりくりが物すごい大変なときでしたので、予算の査定も、本当に親しい友達をどんどん失っていくような厳しい環境で仕事をさせていただきました。
 財務副大臣は私はとてもやりがいがあると思うんですが、ただ、一言、せっかく来たから申し上げたいんですが、さっき、税を考える週間でこういう副大臣交代でしょう。最近、税について深い洞察もなく物事を決めている傾向が強いと思うんです。防衛費がいきなり二倍だといって増税といって、じゃ、いつ決めるのかと思ったら、いつまでも決まらない。国民はお品書きが時価しか書いていないようなそんな怖い店に入った感覚のときに、今度は急に減税という話が出てくる。
 減税も、この間、階委員とのやり取りで、財務大臣が、財源論としては還元ではないということを認めたじゃないですか。自民党の税調会長も同じようなことを言っていますよね。税を決めるときに、党の責任ある立場の人と政府の責任ある立場の人とキーワードのすり合わせもできないで税を語るなんてことは考えられないと私は思うんですよ。税は国家なりです。
 その辺のちょっと自覚が欠けているような中で政務三役のお一人が替わるわけですから、その空気を是非変えていただきたいと思います。いかがですか。
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赤澤亮正#25
○赤澤副大臣 大変な知識と御経験をお持ちの野田委員の御指摘ですので、今日いただいたお話は私自身重く受け止めたいと思っています。
 その上で、実は、私自身、先ほど申し上げたように、税の直接の担当ではございませんので、その範囲で言えることだけ申し上げるということでありますけれども、今般の定額減税については、総理もいつもおっしゃっているように、三十年来続いてきたデフレ脱却の千載一遇のチャンスである、絶対にデフレに後戻りさせないための一時的な措置として行うということや、また、賃金上昇が物価高に追いつかないということで収入の上昇を実感できない国民の御負担を緩和する、さらには、経済全体のデフレマインドからの転換を図り、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げ、消費と投資の力強い循環という大きな経済の流れをつくっていこうということでやったものでございます。
 また、防衛力強化の財源確保についても御指摘いただきましたが、私自身、税調の幹事として昨年の与党税制調査会の議論に参加をしておりました。我が国を取り巻く安全保障環境が非常に厳しさを増す中で、防衛関係費という継続的に必要となる経費の増加に充てるため安定的な財源を確保する、また、行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない部分について対応をお願いするということであり、所得税について実質的に負担増にならないようにするなど、家計や企業への影響に最大限配慮していることも、御案内のとおりでございます。
 これらの諸施策はいずれも、それぞれの目的に沿って、様々な観点から与党において行われた議論、検討を踏まえて、政府としての方針をお示ししているものでございます。引き続き、与党と緊密に連携しつつ、制度の詳細について検討を深め、国民の皆様の御理解をいただけるよう、丁寧な説明に努めてまいりたいと思っております。
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野田佳彦#26
○野田(佳)委員 これ以上、もう副大臣にお尋ねはいたしません。要は、適材かどうかが今問われているのは任命権者である総理御自身じゃないかと私は思いますので、機会があったら総理にそういうお尋ねをしたいというふうに思います。
 今日はこれで結構でございます。ありがとうございました。
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津島淳#27
○津島委員長 どうぞ退室なさってください。
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野田佳彦#28
○野田(佳)委員 それでは、植田総裁にお尋ねをしたいというふうに思います。
 先ほどの通貨及び金融の調節に関する報告書の中で、経済金融情勢について、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも緩やかなペースで着実に増加をしていますという表現をされていましたけれども、一方で、おととい内閣府が発表した七―九のGDPの速報値を見ると、前期比で〇・五%減、年率で二・一%減ということなんですが、これはどう見ても、物価高による節約志向が強まって個人消費が不振である、インバウンドなどは回復してきたけれども個人消費は思った以上に不振であるということが原因と明らかに思われるんですよね。
 通常国会は六月二十一日に閉じられて、今七―九の速報値の話をしましたけれども、七、八、九と国会は長い夏休みだったんです。このときに、物価高に対して危機感を持って、すぐに内閣改造を行って、国会を召集して議論していればもっと対応が早かったはずなのに、七―九のこういう状況を生んでいるときには、国会は長い夏休みで議論すら行っていなかった。
 そして十月には、これは帝国データバンクの数字ですけれども、四千六百三十四品目、飲物、食べ物などの値上げが行われた。今年中に三万一千品目になるだろうというように、何でもかんでも値段が上がっているときに、遅ればせながら二十日から、経済対策の裏づけとなる補正予算の審議が国会では始まるんですよね。物価高対策と、ようやく対策に対して重い腰を上げてきた。
 一方で、先ほど伊藤委員が質問されたとおり、これは整合的かどうか、日銀の政策と。日銀は依然として金融緩和を続けると言っている。緩和というのは物価を上げることじゃないですか。政府がばらまきと言われるぐらいの対策を講じようというときに、一方で、緩和を続けて物価を上げる。これは国民にとっては、何でもかんでも値上がりの状態を経験している人たちにとっては不思議なことなんですよ。ちぐはぐ感は否めないんです。
 先ほどの伊藤さんに対する御答弁では物すごく、まだまだ分かりにくいと思いました。もっと分かりやすく説明してもらえませんか。
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植田和男#29
○植田参考人 お答えいたします。
 私ども、最近の物価上昇は大まかに二つの部分から成っていると考えております。一つは、輸入物価上昇を起点として、それが国内物価に価格転嫁されていくという動きでございます。もう一つは、少しずつ動きが出ているところですけれども、ある程度の内需の支えがある中で、国内の賃金と物価が少しずつ好循環で回っていくという部分でございます。
 その上で、これまでの物価上昇は、そのうちの一番目の部分、すなわち、輸入物価上昇を起点とした価格転嫁によるところが大きいというふうに考えております。言い換えればコストプッシュによる物価上昇でございますが、これが実質所得や収益の下押しという形で家計や中小企業等に負担をもたらしていることは十分認識しております。
 ただし、こうしたコストプッシュの圧力は、輸入物価の前年比が本年春ぐらいからマイナスとなっているということを踏まえますと、時間を要するものの、次第に和らいでいくというふうに見ております。
 こうした下で、今、今年の春闘の賃上げの動きにもありますように、二番目の動きについて、よい芽が出始めてございます。これが続くためには、総需要面からの支持も必要ですので、そこを何とかサポートを続けるためにも、金融緩和を、現状、イールドカーブコントロールの枠組みの下で粘り強く続けているということでございます。
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