玉木雄一郎の発言 (予算委員会)
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○玉木委員 総理、これは、私はある種、応援で言っているんですよ。無理、いや、ない、ないと言われたら、総理、総理がおっしゃっている来年度の所得税の原資が出てこないですよ。
だから、これは多分、問題なのは、最後の決算が確定するのが来年の七月なんですよ。その頃は所得税の減税は終わっているんですよね、六月にやるんでしょう。しょぼい減税をして、しょぼいって申し訳ないですけれども、ちょっとしょぼい減税をして、でも、蓋を開けて決算し終わったら、税収が例えば七兆円ありました、九兆円ありましたということにならないように、よく見ておいてくださいということなんです。
だから、今はあれですけれども、ただ、これまでのあれですから、まだ年度後半がありますし、やはり、どういう税収になってくるのか。普通に考えると伸びます、かなり。そのことをどう正確に把握するかというのは、だって、三年連続外しまくっているんですから、税収見積り。二年前は十兆円上振れて、去年は六兆円上振れて、今年も私の計算だと五兆から九兆上振れますから。主税局もしっかりそこは試算しているんでしょうけれども、さすがに数年間にわたって五兆円以上ぶれまくっているのは、もう少し経済の変化を踏まえた税収弾性値とか、そういったことをやらないと、経済政策、全部ゆがみますよ。
これはしっかり、総理、検証とチェックを常にやってもらいたい。これはもう岸田内閣の経済政策の根幹に関わる話ですから、まずこのことを申し上げたいと思います。
次に、所得税減税について、今日もいろいろな議論がありました。
所得税減税については、国民民主党は賛成です。これは、何でこれがこんなに批判ばかり受けているのかがよく分からないんですが、それも、岸田総理が出しているメッセージが、哲学と理念がないからなんですよ。
私、一番決定的だったと思ったのは、ちょっと個人名を出して申し訳ないんですが、やはり宮沢税調会長が、総理がせっかく所得税減税と言ったときに、いきなり一年ぽっきりだと言ったので、あれで国民はさあっと引いたんですよ。私、給付の七万円、今年の三万円で十万円と、一人四万円の減税で、例えば三人家族で十二万円だったら、うわっと思いましたよ、最初。でも、一年で、それも何かしょぼしょぼという感じだったので、急速に私自身の期待も縮んだんですね。
ちょっとこれはパネルを見ていただきたいんですけれども、そもそもの今の現状認識を少し共有したいなと思っているのは、今、そもそも、インフレと賃上げで、分かりやすい言葉で言うとステルス増税状態なんですよ。
物価が上がるということは、例えば消費税で見ると分かりやすいんですが、千円のものが二千円になったら、税率を変えなくても、そこから生じる税収は百円から二百円に増えるんです。だから、緩やかな物価の上昇というのは、何もしなくても税収の増加要因になります。
もう一つには、賃上げで労使が頑張って上げた結果、賃上げになって所得が上がると、いわゆるブラケットといって、税率区分が全員ちょっとずつ右に移っていくんですよ。五%であった税率の人が一〇パーになったり、一〇パーが二二パーになったり三二パーになったりして、ここに書いているのがそうなんですが、総雇用者報酬の伸びが、この間、例えば二年間で、二〇二〇年を一〇〇としたときに一〇四に伸びているんですね、プラス。でも、税収はそれ以上の率で伸びているので、このギャップが実質負担の増加なんです。だから、所得税の減税というよりも、所得税のインフレ調整をしないと手取りが減る一方なんですよ。
このことは実はアメリカでもオーストラリアでもやっていまして、このギャップが生じる現象をブラケットクリープ現象といいます。これを、例えば先週、アメリカの歳入庁、IRSは、インフレ調整で標準控除、日本でいう基礎控除、これを引き上げる、そしてブラケットを少しずらしていく、そういう所得税の調整を発表しています。これは、来年度こうします、二〇二五年度こうしますということを今年、今発表しているんですよ。だから、別に来年のことを今言ってもおかしくないんです。
私は、国民民主党は、経済対策をまとめたときに、日本でもこれをやれと言っている。特に、基礎控除を引き上げろということをまず提案しているんです。基礎控除というのは、皆さん、生きていくために最低限必要なコストを賄う所得には課税しないという原則です。これは、憲法二十五条の最低限の生活は保障するというところから出てきているんですね。
ただ、次のパネルを見てください。
では、この基礎控除に、プラス、給与所得控除を加えた額というのはこの間どうなっているかというと、実は一九七〇年代、八〇年代というのは、物価の上昇に合わせてこの基礎控除は引き上げてきました。生きるコストが上がっているから、物価上昇で。だって、ガソリン代が高くなる、野菜も高くなる、あらゆるものが高くなるので、生きていくコストは上がるんですね。それに合わせて基礎控除を上げてきました。それが、一九九五年を最後に一円も上がっていません。この高さが、いわゆる百三万の壁です。
なぜかというと、この間ずっとデフレが続いてきましたから、上げなくてよかったか、上げる必要もなかったんだけれども、総理がおっしゃるとおり、経済のステージが変わって、デフレからインフレに変わっていくということであれば、生きるコストは今上がっているんですよ。
だから、今やるべき所得税の改革というのは、二万円だ、四万円だとか、一年こっきりでどうかじゃなくて、この経済変化に合わせた本質的な所得税改革をやるべきなんですよ。これをやれば、これに加えて、では、ほかをもう少し累進を高めましょうと、全部整合するんです。配るか配らないか、一年でやめるかやめないか、そういう表層的な所得税の減税の議論になっているから受けないんですよ。
だから、是非、総理、今申し上げたような、インフレ時代に適応した、インフレ調整としての本質的な、筋の通った所得税改革をやるという意味での減税、これをやるべきだと思いますが、いかがですか。