大森由久の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(大森由久君) 私は、栃木県鹿沼市で江戸時代からずっと麻を栽培している家に生まれまして、私が七代目で、せがれで八代目ということで、これからも何十年かはうちは麻栽培が続いていくわけですが、本日は、資料を使わせて、その説明をしながら短時間のうちに終わらしたいと思いますので、この資料を見ていただければ有り難いと思います。
 まず、最初の、麻の文化を守り育てるというところを見ていただければ分かるんですが、この麻栽培の中で最も重要なのは、この時期、大変きれいに伸びて、これが大体三メートルぐらいの高さに伸びています。その三メートルの高さに伸びてくると、いよいよ、大体梅雨が明けて、麻の刈取り、収穫が始まります。このときには、小さいものとか、虫に、折れたものとか、そういうものはきれいに抜いてありますので、麻が最も美しい姿を現す時期でもあります。
 じゃ、次のページを開いてください。
 麻は、桜の花が咲く時期、それが種をまく時期でございます。ですから、大体、栃木の場合は三月下旬から四月の初めに種まきをし、一週間から十日で発芽をします。発芽をして、大体五月初旬になると十センチぐらいまでになりまして、次に、五月の中旬になると、あっという間に一メーター二十ぐらいまで育ちます。だんだんだんだん温度も上がって湿度が高くなってきますと、五月中旬からは一日に六センチぐらいずつ伸びまして、あっという間に六月初旬までには二メーター近くの高さにまでなります。
 そうしたものを今度は、何ですかね、間引きをして風通しを良くし、七月上旬、黄色くなった麻が写っていると思うんですが、この時期になると、いよいよもって麻が熟したということで、刈取りの時期になりますね。七月上旬、梅雨明けと同時に刈取りが始まります。七月中旬、これは麻切り作業をしている。
 古くからこんなふうにして麻切り作業をし、次は、この切った麻を百九十五センチに、湯かけ束という大きさにして、熱いぐらぐら煮た釜の中で煮ます。最近は、昔は本当に畑の中へ干したんですけれども、今はハウスの中に干して、四日ぐらい干すと、干し上がって真っ白い茎が取れます。これは、九月前ですね、八月の終わりから九月になったら、今度は床伏せといって発酵作業に入るんですよね。それで、これ、せがれがおぶねというところで水につけて、発酵し、そして今度はおはぎ、麻剥ぎと言っているんですけど、この作業で、この茎の部分と表皮の部分を分けます。(資料提示)
 ここで簡単に説明しちゃうと、表皮の部分というのは、その次の麻引き作業というのがあるんですが、それで表皮かすを抜くと、こんなきれいな麻になります。これは神事用とか伝統文化、生活文化で、鼓だ、それから、たこの綱だ、糸だ、太鼓の革張りだ、弓弦だ、そういう伝統文化、それから生活文化のために使われるとして、全国に発送をしています。
 表皮で出たどろどろしたものは、乾かすと、こういうおあかという、あかですね、そのものを水洗いすると、こういう表皮繊維が取れます。これはスライバーにして糸を作ります。そうすると、布に変わっていきます。その布は大変着心地のいい麻布になりますので、これからは多分そういう方向でたくさんの方々がここに挑戦してくれるような法改正になればいいなと思っています。
 おがらの部分は、一つには、日本の花火は世界一きれいと言われているんですけど、それはこの麻炭が作れるからです。麻の炭によって、尺玉だったらば、三百メートル上がって、三百メートル開いて、ぱっと消えるというね。世界一きれいな花火というのはやっぱりこの麻炭を使うことが不可欠なんですね。ですから、私のうちは麻を作るのをやめるわけにいかないんで、ほぼほぼ出荷していますんでね。
 それで、もう一つは、これを、小さなチップの状態におがらをします。そうすると、これヘンプクリートっていいます。ヘンプクリートっていうとおかしいかもしれない。麻で作った、これをチップにしたものと、それと消石灰ですね、それを混ぜて水を加えると、型に入れるとこういうものができます。
 これは、たまたまサンプルとして、これは大きな平面でもできますし、壁材にもなりますし、吸湿性が良く、それから温度を保つような暖房効果もあったりして、今、最近にわかに注目されている麻の、何ですか、素材として、麻由来の素材として注目をされています。これの最も優れたところというのは、環境に優しい、最後は土に戻るという、化学物質を一切含んでいませんので、そういうことでも大変注目をされている素材として、今皆さんにお見せをいたしました。
 そういうことで、大変恐縮ですが、この麻は捨てるところがないんですね。
 今一番問題になっているのは、私、昭和二十三年十二月生まれなんですよ。ですから、私の年を数えると大麻取締法が施行された年になるという。この前、認知症検査も受けてきましたんで、今七十五歳になります。ですから、まだまだ生きている限りは生涯現役で頑張りたいというのが私の思いですから、あした死んじゃうかも分からないんですけれども、生きている限りは頑張りたい。
 やっぱり、それも麻がなせる業ですよね。毎朝毎晩、麻を世話させていただくことによって、やっぱり麻の伸びる姿を、ぐんぐん伸びていく姿を見ていると、自分も何か元気をもらえるというんですかね。そんなことで、麻というのはお世話をしないと駄目な作物です、それは自然の中で育っていますから。
 そういうことで、麻は、日本の伝統文化、生活文化の中ではなくてはならないものです。それに最近は産業用として、こういうものを、例えば実を取る、それから油を絞る、それは、何というんですかね、化粧品にもなるし食物にもなるし、そういう利用の仕方をすると、衣食住全てにわたって、麻は日本の、何というんですかね、栽培をもってすると、最も適している国だということですね。
 ですから、そこをうまく皆さんに御理解をいただいて、今、だんだんだんだん、私のうちは全然厳しい取締りも知らないでずっと来たんですが、最近は、写真を撮らせちゃいけないとか、やっぱり作っている場所を見せちゃいけないとか、いろいろなことになっていますけれども、これ、栃木県で作っている「とちぎしろ」はほぼTHCの成分はゼロなんですよ。
 そういった産業用として認めてもらうような方向性で、全国共通も、今はばらばらです。知事が承認、何というんですかね、免許を許可する立場ですから各県ばらばらですが、そういうところは統一してもらって、やっぱりきちっとした審査をして許可を出してもらえればいいかなと。
 その許可は、やっぱり、一つ、雑誌の中で、大変私は、それじゃ、俺らはばかなのかなと思うような、肥料は要らない、連作障害はない、病害虫は発生しないというのを堂々と本の中に書いて、それで十アールで幾らになりますって書いちゃうんですね。ところが、そうじゃないんです。まくときも神経使うし、育っていくときも神経使うし、切る時期もきちっと見極めなきゃいけないし、全てその範囲の中で、技術に対するやっぱり信頼というんですかね、自分はここでやっていこうという、そういう技術をしっかり持っている者。そして、それは、じゃ、いつ切ったらいいかなというのは自然界見ながら決めていくことで、やっぱり黄色く熟成した九十日以上たったものを切るということで、ここにまた見極めが必要で、決して、ばかでもチョンでも、こういう言い方しちゃいけないのかな、そういうものじゃないんだよという話をよくするんですけど。
 やっぱり大事なのは、豊かなやっぱり知識力、豊かな経験、それに裏打ちされた対応能力ですね。この三つがそろわなければできないですから、そういうことをよく勘案し、今は研修制度というのが全くできなくなっていますので、意欲のある人は三年ぐらい研修しないと全くできるようにはなりませんので、まいたから育って、まいたから切って、まいたから製品になるということではないんでね。そういうものをきっちり守っていただくことによって、何というんですかね、SDGs、舌かみ切りそうですが、そういう、今大変世界で注目されていますけど、そういう分野でも大変この精麻は必要とされているものだということを私は痛感させられたことがあります。
 これ、日本の麻じゃないんですけど、これプラスチックです、麻由来のプラスチック。これは外国の麻で、ある大学の教授が作ったものです。私のところへ来て、日本でも是非これをやるべきだと。非常に耐久性の高い、車でいえば外装もできるような品物ができるそうです。将来できるであろうと言われています。その場合、軽量化が約束事のようになっているEV車なんかには最適のやっぱり素材がこれかなというふうに言われていますので。
 是非とも皆さんにお願いしたいのは、取りあえずいろいろなことを言う人がたくさんいます。確かに、私も、大麻を使う人たちが捕まって、テレビで、新聞で報道されるとやっぱり白い目で見て、ある教育委員会から私のところに電話掛かってきて、あなたは大麻を作っていて恥ずかしくないんですかという非常に厳しいお言葉をいただいて、いや、私ら江戸時代から作って、俺七代目なんだけどという、そういう話をしてもなかなか分かってもらえない。
 やっぱり報道も、やっぱり有効性のある、人間にとって有益、そういうものであるんだということも是非とも報道してもらうような、そういう一面もきちっと報道してもらうことが大事かなと私は思っていますので、是非ともそういうことも踏まえて、委員長始め委員の皆さんには、是非とも産業用大麻の、現行法でも可能だと思うんですけれども、未来が開けていただければいいと思っています。
 そして、意欲のある人たちには、きちんと法令を遵守して、マリファナとかそういうものには本当に私らもひどい目に遭っているので、正直な話は、いい気持ちで語るのも嫌なくらいなんですよ。だから、そういうものも含めて、法律改正のときに是非とも産業用大麻の項も一項いただけたらば、全国の麻を栽培して何とか日本国のため、国民のための役に立ちたいという人たちもたくさんおりますので、そういう方向性をお願いして、私の話は、拙いですけど、これで終了させていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 大森由久

speaker_id: 3515

日付: 2023-11-30

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会