紙智子の発言 (農林水産委員会)

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○紙智子君 やっぱり答えていないんですよね。だから、二十年でどうしてできなかったのって聞いているのに、今、これからどうするという話じゃないですか。やっぱり答えになっていないなというふうに思うんですよ。
 結局、自給率目標を定めても、実効性のある政策が出せなかったんじゃないかと、これが実態なんじゃないかというふうに思うんですよ。出した政策が果たしてかみ合っていたのかどうかという検証、これ、この間何回か聞いているんですけれども、一度も答えられていないなというふうに思うんですよ。やっぱり、歯止めなき自由化路線によって国内産業が打撃を受けても、それを支える対策というのがどんどんなくなってきたんじゃないかというふうに思うんですね。
 カロリーベースの食料自給率の問題、これ、日常生活を営む上で必要最低限のカロリーがどの程度国産で確保されているかを示した数字ですよね。よく食料安全保障を表す数字とも言われるわけですけれども、現在のこの基本法というのは、なぜカロリーベースの食料自給率を軸にしているのかということについてなんですが、これ、生源寺眞一さん、農業経済学やられてきた先生で、この委員会でも参考人で来ていただいたことありますけれども、この方が「日本農業の真実」という本の中で述べられているんですね。
 一九九七年、当時、橋本内閣の下で、首相の諮問機関として食料・農業・農村基本問題調査会が発足した。大きなテーマが食料自給率だったとして、食料自給率目標を設定するとすれば、計算式の分母ですね、分母のところは、消費量を左右する国民の食生活にも政府が積極的に関与する必要が出てくると。しかし、それは困難だと。一人一人の食べ方にお上が文句を言うべきではないというわけであると。経済学の分野では、この消費者主権というのは尊重されるべきという姿勢が大多数であったというふうに言っているんです。しかし、当時、食料自給率目標の設定に当たって、かなり説得力のある考えが対置された。つまり、現代の食生活には健全とは言い難い要素が含まれており、それが医療費など社会の負担につながっている現実を直視するなら、食生活の改善の働きかけを行うことは当然だという考え方であると。栄養学や公衆衛生の専門家からすれば、この方が常識だということかもしれない。自給率目標が設定されることで経済学の立場の人は譲歩したわけだけれども、悪くない譲歩だったというふうに言っているんですよね。
 そういう議論があったんだなということを改めて思ったんですけれども、今回、この栄養学や公衆衛生の分野からの意見というのは聞かれているんでしょうか。

発言情報

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発言者: 紙智子

speaker_id: 14955

日付: 2023-11-16

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会