宮口治子の発言 (本会議)

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○宮口治子君 立憲民主・社民の宮口治子です。
 会派を代表して、議題となりました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、盛山文部科学大臣に質疑をいたします。
 冒頭、一言申し上げます。
 今朝の一部報道によれば、自民党安倍派がノルマを超えたパーティー券の収入を裏金とし、政治資金収支報告書に記載していない金額が直近五年で何と一億円にも上るとのことです。もはや記載ミスでは済まされません。直ちに説明責任を果たすのは当然で、政治的な責任についても考慮すべきであることを強く申し上げます。
 岸田政権でも政治と金問題は続出しています。柿沢衆議院議員による江東区長選挙での選挙買収疑惑、派閥の政治団体の政治資金パーティーでの政治資金規正法違反、元文部科学大臣の馳浩石川県知事が官房機密費を使用してのIOC委員への贈答品疑惑について説明責任を果たさないことなど、底なしです。
 私の当選のきっかけも大規模買収事件です。盛山大臣は、岸田総理の派閥、宏池会の所属ですね。岸田政権の一員として、この政治と金問題についてどうお考えでしょうか。
 核兵器禁止条約についての岸田内閣の姿勢と、文部科学行政の重要課題である旧統一教会問題についても、申し上げないわけにはまいりません。
 現在、アメリカ・ニューヨークの国連本部では、核兵器禁止条約の第二回締約国会議が開かれています。日本は唯一の被爆国であるにもかかわらず不参加、オブザーバー参加すら見送りました。参加した他国から広島、長崎の惨事が触れられている現状に、国民として、広島県民として到底納得できません。総理大臣が広島県出身だというのであれば、今の国際情勢も鑑み、せめてオブザーバー参加をしていただきたいと思います。
 次に、旧統一教会に対する解散命令請求に係る被害者救済に関し、大臣に質問いたします。
 旧統一教会については、早急に実効性ある財産保全を行わなければ今後資産が散逸する危険性があることは岸田総理も認めています。政府が責任を持って財産保全の立法措置を行わない理由を大臣、教えてください。
 大臣は、旧統一教会に債権を有する者はいつでも民事保全法上の保全命令を申し立てることが可能だと言い、被害者の自己責任に丸投げです。長年にわたる政治の不作為によって財産を失い、家族崩壊、人生破滅の被害に遭った被害者たちに、この先も自ら闘えと言うのでしょうか。裁判や保全命令を申立てできない被害者は見捨てるというのでしょうか。お答えください。
 信者の多くは今もマインドコントロール下にあり、悪質献金等の被害者であることを自認していません。解散命令が出てようやく被害に気付き、返金を求めたとき、既に財産が消えうせていた場合、大臣は責任を取れるのでしょうか。それとも国が救済するのでしょうか。お答えください。
 現在、衆議院で、与党法案と私たちの立憲、維新法案が並行審議されています。被害当事者や弁護団は、与党案では全く救済にならないと強い懸念を示しています。私たちの財産保全法案は、衆議院法制局長が予算委員会で答弁したとおり、憲法上の問題はクリアしています。与党案と立憲、維新案を精査し、より多くの被害者を多面的に救済することのできる立法措置を何としてでも今国会中に成立させるべきです。大臣の見解を伺います。
 国民は、自民党は旧統一教会との関係断絶などできない、だから財産保全を行うことができないのだと見ています。そうではないというのであれば、与党の皆さん、財産保全のための立法措置、これを成立させようではありませんか。そのことを強く申し上げ、以下、法案の質疑に入ります。
 衆議院文部科学委員会では、本法律案の趣旨説明が強行され、野党による対政府質疑は僅か一日しか認められませんでした。そして、質疑を通じて多くの問題点が明らかにされたにもかかわらず、審議が不十分なまま採決となり、参議院に送付されました。熟議の府である参議院においては丁寧な審議が行われることを強く求め、質問に入らせていただきます。
 本法律案提出の基となった昨年二月の総合科学技術・イノベーション会議、システィの最終まとめでは、国際卓越研究大学となる大学に関して、合議体の意思決定機関を設置することとされていました。昨年の法案の質疑においても、政府は明確に、国際卓越研究大学以外の大学については同様のガバナンスを求めるものではないなどと答弁していました。
 しかし、本法律案では、事業の規模が特に大きいものとして政令で指定する国立大学法人について、合議体である運営方針会議を必ず置くこととされました。東北大学、東京大学、京都大学など五つが指定される見込みとのことです。また、それ以外の国立大学法人も、運営方針会議を置くことが可能とされました。現時点で国際卓越研究大学の認定候補とされているのは東北大学一校のみですが、それ以外の国立大学法人にも同様のガバナンスが求められており、これまでの国会答弁とは明らかに異なります。
 国際卓越研究大学となることが見込まれる大学以外についても運営方針会議を置くという重大な方針転換を、一体いつ、そして誰が行ったのですか。明確にお答えください。
 本法律案の内容が広く明らかになったのは、今年九月、システィの有識者議員懇談会においてです。そして、十月末には本法律案が提出され、審議が開始されました。
 十一月十四日に行われた衆議院文部科学委員会の参考人質疑で、本法律案の内容で国会に提出されることをいつ知ったかという我が党の菊田真紀子議員からの質問に対し、参考人の方々からは、ごく最近、十月の初め、報道を通じて、先週などといった回答が並びました。参考人として呼ばれた現職学長や学長経験者、専門家の方々も本法律案の内容を知ったのはごく最近でした。大学現場の教職員や学生を含むほとんどの大学関係者にとって寝耳に水だったことは想像に難くありません。
 文部科学省は衆議院での質疑において、法制上の検討を進める上で、七月から八月にかけて、国立大学協会や国際卓越研究大学に申請中であった国立大学法人の学長とも意見交換を実施したと答弁しています。しかし、本法律案は全ての国立大学法人に関わる内容にもかかわらず、意見交換の対象はごく一部の関係者や学長にとどまっており、全く不十分です。
 一部の限られた内輪の人間だけで方向性を決定するのでは、法改正の影響を受ける多くの大学関係者、さらには国民の納得を得ることはできないと考えます。現に、十一月二十四日には、国立大学協会が本法律案の内容に関し、強い危惧や懸念を示す会長声明を出しました。国会審議中の改正案に対し、国立大学協会がこうした声明を出すのは極めて異例です。
 拙速に成立させるのではなく、中央教育審議会や有識者会議などオープンな場で幅広い関係者の意見を聞きながら改めて検討し直すなど、丁寧な議論を行うべきであると考えますが、大臣の見解を伺います。
 次に、本法律案の最大の問題である運営方針委員の任命における文部科学大臣の承認について伺います。
 本法律案において、運営方針会議は学長と運営方針委員三人以上により構成するとされ、運営方針委員は学長による任命に当たって文部科学大臣の承認が必要とされました。
 文部科学大臣の承認が必要とされることに対し、多くの大学関係者から学問の自由や大学の自治が脅かされかねないといった不安の声が上がっています。
 私は、昨年の国際卓越研究大学法案に対する反対討論で同様の懸念を示しましたが、今回の改正案においてその懸念がより一層大きなものとなりました。大変残念です。
 政府は、文部科学大臣の承認について、法人側の申出に基づいて承認を行うもので、申出に明白な形式的違反性や違法性がある場合、明らかに不適切と客観的に認められる場合を除き承認を拒否できないなどと説明しています。
 しかし、日本学術会議の会員任命についても、政府が行うのは形式的任命にすぎないと昭和五十八年に中曽根総理から国会答弁があったにもかかわらず、結果として六人が任命拒否されるという問題が生じました。運営方針委員に関する文部科学大臣の承認についても、日本学術会議の場合と同様に、今後、時の政権にとって都合の悪い人間が承認を拒否されないとも限りません。
 学問の自由や大学の自治に、破壊につながりかねない文部科学大臣の承認を必要とする規定は不要と考えますが、見解を伺います。
 次に、運営方針委員の人選についてお伺いします。
 運営方針委員には学外者も委員となることが見込まれますが、外部の運営方針委員が稼げる大学を目指して経営面ばかりを過度に重視した計画や予算の作成を求め、教育研究活動がないがしろにされるということは許されません。
 学外者を運営方針委員として選ぶ際には、大学の自治や学問の自由に対して深い理解のある者を選ぶとともに、万が一にも教育研究活動や現場の教職員、学生の意見を軽視することのないようにしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、大学の統廃合に関連して伺います。
 東京医科歯科大学と東京工業大学の統廃合には意欲的とも感じる一方で、心配な点があります。それは、今後、大学の統廃合が過度に進むことはないかという点です。
 急速な少子化が進む中で、大学経営は国立、公立、私立を問わず厳しさを増しています。地方の大学や女子大の中には廃止されるものも出てきており、大学の多様性が失われつつあります。こうした中、運営が、経営が振るわないからといって安易に統廃合を進めると、大学の多様性はますます損なわれ、子供たちが多様な選択肢の中から進学先を選ぶことが難しくなってしまいます。
 本年九月、大臣は中央教育審議会に対し、高等教育の在り方に関して諮問されています。大学の多様性を確保する必要性について、見解を伺います。
 国立大学法人法は、第一条で、大学の教育研究に対する国民の要請に応えるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図ることを目的として掲げています。
 約二十年前に国立大学が法人化されて以降、政府は選択と集中を進めてきましたが、一部にばかり集中的に資源を投下して、そのほかは切り捨てるという発想で、我が国の研究力は向上しませんでした。それなのに、過去の反省も総括もないまま、拙速な法改正により運営方針会議を設置する仕組みを創設し、一部の稼げる大学ばかりを大学ファンドで支援したとしても、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。
 世界と伍する研究大学を実現することの重要性は十分に理解できます。ただ、教育の現場では、小中学校における不登校児童生徒数は過去最高の約三十万人に達し、小中高等学校等でのいじめ認知件数と重大事態の件数も過去最多、自殺者も増えているという悲しい現実があります。その現実をしっかりと胸に刻み、国民が十分に納得できる議論がなされるということを切に期待して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121215254X00820231201_004

発言者: 宮口治子

speaker_id: 34493

日付: 2023-12-01

院: 参議院

会議名: 本会議