徳永エリの発言 (本会議)
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○徳永エリ君 立憲民主・社民の徳永エリです。
ただいま議題となりました令和四年度決算について、会派を代表して質問させていただきますが、その前に、安倍派、清和政策研究会を始めとする自民党五派閥の政治資金パーティーの収支をめぐる疑惑、裏金パーティー事件について問わなければなりません。
安倍派のキックバックの総額が、直近五年間で数億円に上ることが関係者の話で明らかになったということです。次々と安倍派の議員の名前が報じられていますが、一人で五千万円を超えるキックバックを受け取ったとされる議員の名前も挙がっています。総理、キックバックについて、収支報告書に記載せずに裏金として蓄える還流の構造は、自民党の派閥の中だけではなく、地方も含めて常態化しており、そのことは総理も御存じだったんじゃないですか。派閥の点検だけではなく、地方も含めて、自民党の中を総点検する必要があると考えますが、総理に伺います。
総理は松野官房長官の更迭を検討しているということですが、先日の予算委員会の集中審議で、我が党議員の求めに対して、更迭を否定したにもかかわらず、一転、更迭を検討しているのは、やましいことがあったからなのではないですか。なぜ官房長官を更迭するのですか。総理、御説明ください。
また、西村経産大臣、萩生田政調会長、高木国対委員長、世耕参議院幹事長など、安倍派の主要な閣僚や党役員にも疑惑が浮上しており、総理は、内閣改造や党の役員人事を交代することを検討しているということですが、疑惑は安倍派だけではありません。もう内閣総辞職は避けられないところまで来ているのではないでしょうか。場合によっては総理の辞任も避けられないのではないですか。総理のお考えを伺います。
裏金パーティー事件は、政治資金規正法第二十五条の虚偽記入罪などに当たり、また、所得税法違反の疑いもある、つまり脱税です。さらに、派閥からキックバックを受け取った議員はもちろん、そのキックバックに共謀、教唆などで関与した派閥の会長や事務総長ら、同法二十六条の共同正犯、共犯の罪を負うことになります。さらには、パーティー券を購入した個人や団体との関係では、刑法第二百四十六条の詐欺罪やその共同正犯、共犯を犯していることになります。
これまでの国会質疑の中で、総務省、法務省は、一般論として、これらの犯罪の成立を認める法令解釈を示しています。裏金パーティー事件は、捜査の結果によっては刑罰犯罪に当たる大事件だという御認識はあるのでしょうか。総理、官房長官、経産大臣にそれぞれ伺います。
法務大臣に伺います。
検察当局は、ただいま指摘させていただいた刑罰違反について、いかなるときも、誰が対象であっても、法と証拠に基づき、厳正な捜査をしていただかなければなりません。検察は、事実の解明を求める国民の声にしっかり向き合って、期待と信頼に応えていただきたいと思います。小泉法務大臣の明確な答弁を求めます。
インボイス導入、防衛増税で国民に負担を強いて、自分たちは裏金作り。国民の政治家への不信感は、これまでにないほど高まっています。権力の集中、おごり、緩み、慢心から起きたこの裏金パーティー事件について、逃げずに国会や国民に説明責任を果たしていただきたいと思います。疑惑が事実かどうか、また、裏金を何に使ったのかも明らかにしていただきたい。また、重ねて、この問題の責任を自民党総裁としてどのようにしてお取りになるのか、総理にお伺いいたします。
それでは、令和四年度の決算について質問させていただきます。
令和四年度決算ベースの一般会計プライマリーバランスは二十三・六兆円の赤字です。前年度と比べて改善は見られますが、行政サービスを提供するための政策的経費を借金に依存する現状は変わらず、政府は二〇二五年度PB黒字化を目標としていますが、厳しい状況が続いていることは否めません。総理、PB赤字を解消して黒字化を達成することができるのでしょうか。できるとおっしゃるのであれば、具体的にどのようにして達成するのか、お答えください。
令和四年度決算検査報告では、令和二年、三年、両年度のコロナ関係予備費五十事項、七府省等の五十六事業が検査の対象となり、予備費使用額は十二兆六千五億円となっています。憲法上、予備費は予見し難い予算の不足に充てるための費用と規定されており、緊急時のための予算措置であるべきです。新型コロナウイルス感染症の流行という想定外の事態に見舞われ、予算の適切な見積りが困難な状況に直面した直後ならともかく、その後も巨額の予備費を計上し続けていることは問題ではありませんか。また、令和二年度のコロナ関係予備費が四兆七千九百六十四億円も翌年度に繰越しになったことも憲法の趣旨から逸脱しているのではありませんか。総理の御所見をお伺いいたします。
また、会計検査院の検査の結果、実際に予備費を使った時期が使用決定日より一か月以上も先だった支出が四府省二十八事業あることも判明しています。使用決定日から支出負担行為までの期間の短さが緊急性の目安であり、剰余金として国庫に戻さなくて済むよう未消化の予備費を使い切るために駆け込みで支出を決めたと見られても仕方がないような現在の予備費の状況は大変に問題だと思います。今後、予備費の計上に当たっては、抑制的に額を切り詰めること、また、予備費は国会のチェックが十分に行き届かないことから、執行状況はより透明性を高めて公表するべきです。
会計検査院は、事業ごとに予備費使用相当額の執行状況を公表することや、予備費使用相当額を他の用途に流用した場合その状況を、予備費使用相当額を翌年度に全額繰越しした場合は経緯を、それぞれ丁寧に示すことなど、大幅な改善を求める複数の指摘をしています。これらの指摘を真摯に受け止め、実行していくお考えがあるのか、総理にお伺いいたします。
持続化給付金を二〇二〇年末までに受給した個人事業者は二百六十三万人です。そのうち受け取った給付金を収入として計上していないと思われる二〇二〇年分所得税申告者の割合は四・八%。未申告者が数十万人に上ると推定されます。岸田政権では、国民に納税をお願いする立場にある財務副大臣の滞納が発覚し、税務行政への信頼が揺らぐ事態も起きました。会計検査院は、納税者に適正な申告を促すことに加え、給付金の収入計上の有無を確認する効果的な方策を検討する必要性なども指摘いたしております。課税の公平性の観点からもこの問題に取り組まなければならないと思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
日本政策金融公庫などが実施した新型コロナ関連資金繰り支援、無利子無担保のいわゆるゼロゼロ融資の貸付実績は、二〇二三年三月末までに百三十一万件、二十一兆円となっています。コロナ禍では、ゼロゼロ融資によって企業の倒産件数は歴史的低水準に抑えられておりましたが、融資が終了した今年の九月以降、倒産が増えています。コロナ関連融資の返済資金が用意できず、事業を畳まざるを得ない企業は、今年に入り二百件から三百件の間で推移しています。
日本政策金融公庫による貸付けで貸付けを申し込んだ企業の状況や貸付け後の財務状況、債権回収が見込めず、焦げ付きとして処理する場合の根拠などを十分に把握せずに実施したなどの課題を会計検査院は指摘していますが、こうした貸付けは、必死で資金繰りをして事業継続を模索する事業者の皆さんには命綱のような施策です。会計検査院の指摘を踏まえつつも、いまだコロナの影響が一定残っている中で、事業の継続と再生に向けて必死で努力する皆さんを今後どのように支援し、施策の適正化と両立していくのか、総理にお伺いいたします。
原油価格高騰に伴う燃料油の卸価格の上昇を受け、小売価格の急騰を抑えて、消費者の負担を軽減することを目的に実施されている燃料油価格激変緩和対策事業について、同一の燃料油に二重で補助金を交付するミスがあり、また、ガソリンを販売するサービスステーションなどに電話を掛けるなどして価格を聞き取ることで、価格抑制の実効性を確保するために六十二億円の経費を掛けて行われたモニタリング調査の結果は非公開で、さらに、資源エネルギー庁は、小売価格の上昇が適切に抑制されたかモニタリングの報告を分析しておらず、価格抑制に寄与したかどうかも不明確です。
さらに、モニタリングの実施体制は、基金設置法人の全国石油協会から事業全体を企画立案する株式会社博報堂に委託されていますが、支援期間の延長で、二〇二三年三月の末時点で、委託費の上限は、当初の二十四億円から百二十六億円に増加しています。そして、百二十六億円のうち、博報堂の人件費等に相当する額を除いた百八億円は、審査やモニタリングを実施する別の会社に対する再委託費となっています。博報堂の人件費は、何のために何人分の人件費が必要だったのかが不透明で、いわゆる中抜きが疑われています。
また、再委託費も、当初は上限額が十九億円、それが六十二億円に引き上げられ、更に引き上げられて、今は百八億円となっています。しかも、再委託費の業務内容は、博報堂の子会社等による補助事業をアピールするためのポスターやチラシ作成などの広告費、一日に数件しか問合せのないコールセンターの開設、運営となっています。
本当に必要な業務なのか、取引内容の適正性をどのように確認しているのか、経済産業大臣にお伺いいたします。
農林水産省は、生産の増大、輸入及び備蓄を適切に組み合わせて食料が安定的に供給されるよう、食料・農業・農村基本法等に基づいて各種施策等を講じています。二〇一七年度から二〇二二年度までの食料の安定供給に向けた取組に係る事業の執行額は、計五百五十四事業、十六兆四千六百五十四億円。生産の増大、輸入、備蓄の取組別に見ると、大部分が生産の増大に関わるもので、執行額全体の七八・一%、十二兆八千六百九億円です。五年ごとに基本計画を見直していますが、二〇二〇年策定の基本計画では、二〇三〇年度の食料自給率目標を四五%としています。
しかし、これまで、食料自給率はほぼ三八%で推移し、一%も上がったことがありません。食料自給率の目標やその前提となる基本計画等に示された指標を会計検査院が検証したところ、食料自給率と家畜の飼料自給率は政策評価の指標に設定されていないことが分かりました。また、目標年度において未達成のもの、目標と対比可能な実績が把握されていないものなどが見受けられ、農林水産省は、指標の進捗状況は検証していますが、基本計画の目標年度における達成状況はこれまで検証していませんでした。
会計検査院は、食料の安定供給に向けた取組について、効率的、効果的な施策の実施に資するよう、基本計画等に示された指標に係る目標の達成状況等の検証を農林水産省が適時適切に行う重要性を指摘しています。検証を行い、その結果を次の計画に反映させなければ、目標は達成することはできません。会計検査院の指摘について、宮下農林水産大臣の御見解を伺います。
来年は、農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法が二十五年ぶりに改正となります。物価高による生産コストの増大による経営不振や高齢化で離農が相次ぐ中、また、世界情勢の変化や地球温暖化の影響もあり、持続可能な農業、食料安全保障を守ることは重要かつ喫緊の課題であります。その御認識は総理にはおありなんでしょうか。
また、来年の法改正は、我が国農業の大きな転換点となります。方向性を間違えると取り返しの付かないことになりかねません。総理には是非、農協法改正案の審議のときと同様に、農林水産委員会に御出席いただいて、我が国農業の未来について直接議論させていただきたいと思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
決算を重視する参議院では、充実した決算報告の審査を行うべく、十分な時間が確保されるよう、また決算審査で指摘された課題を各省庁が真摯に受け止めて改善を図り、次年度の予算編成にしっかり反映できるよう、これまで様々な改革に取り組んでまいりました。
しかし、残念ながら、令和四年度決算では、税金の不適切な支出や無駄遣いが指摘された国の事業は三百四十四件、金額にして前年度比二七%増の五百八十億二千万です。
来年度予算の編成に向けて、会計検査院の指摘をどのように反映していくのか、国家の財政が厳しく、物価高で苦しい経営や家計をやりくりしながら収めていただいている国民の血税の無駄遣いをどうなくしていくのか、総理の決意を最後にお伺いして、質問を終わります。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕