篠原豪の発言 (安全保障委員会)
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○篠原(豪)委員 そうなってきますと、これからやはり、長期契約法の恒久化をすることで政府がこれからこれを本格的に活用するということでやっていこうということでございますけれども、この十年の恒久化というのを機に特定防衛調達を本格活用するということであれば、特定防衛調達を補正予算で行うことをずっとやってきましたけれども、それは後で、後ほど時間があれば聞きますけれども、やはり財政法上そういったことも今までこの日本は繰り返して、安倍政権になってからやってきています。
本来、補正予算というのはそういうことはしないんですよ。装備品を、急に必要になったとかじゃなくて、地震があって、何かあったから大変なことだから補正予算を積むとかいうことであって、そもそも全部計画して調達は考えているはずですから、それが補正に行くというのは財政法上問題があるんじゃないかということはこれまでもいろいろな方が国会で指摘をしているとおりだと思いますけれども。
これをやはり、防衛調達する予算による財政の硬直化をこの十年の恒久化を機に本格活用することによってやっていくということは、財政法は何でそういうことを言っているかというと、戦前の、防衛費を決めてどんどん増やしていって、それで失敗したというこの国のことがあって、それでちゃんと計画を作ってやっていかなければいけないよという話になっていますので、やはりそこのところはしっかり考えていかないと、このまま、全部、長年にわたって、どんどんどんどん予算を決めていって、あのとき決めたからいいでしょうと言って、また新しい時代になって、これが必要になりました、あれも必要になりましたとなっていくと、これはちょっと問題なのではないかと思いますので、ここのところはしっかりと考えていただきたいと思います。
次に、防衛装備品の調達に係る契約の長期化について、少しお伺いをさせていただきます。
財務省は、二〇一八年の四月の財政制度審議会の分科会で、費用対効果に優れている機種への代替も検討するべきではないかということを言っているんですね。イージス・アショアだって途中でやめちゃったじゃないですか。それで代替品をどうするかといって、今、船を造ろうといって、これもどんどんどんどん予算が増えているということになっていますけれども。この中で、防衛省にやはりこれは異例の注文をつけたというのが財務省だったわけです。
その背景には、防衛省が導入する各種システムの入札では、一者による応札が、一者による応札というのはどのぐらいかというと、九七%あるんです。一者です、九七%。これは一六年の納入分ですけれども、これを占め、価格競争が働いていないということがあるわけです。例えば、自衛隊ごとに製品仕様が微妙に異なるため、まさに製造を請け負える企業は限られ、そして競争原理が働きにくいということが、日本はこれまでも、防衛産業全体の構造的な問題なんじゃないかというふうに言われてきたわけです。
ところが、十年の特定防衛調達は、一者応札の随意契約を前提とした制度にほかならないと考えますので、そうすると、何が問題になるかというと、例えば、製品のファミリー化とか、そういったものですら進むのかどうかということ。契約しちゃっていますから、十年間。ですので、進む余地が入ってこないんだと。また、ファミリー化しようとすると、じゃ、どうするんですかという話に多分なっていくんだと思います。なので、将来的には、やはり競争入札も好ましいので、そうした可能性を本来であれば追求しないといけないと思うんですけれども、真逆の制度になってしまうということが心配されるわけです。
調達コストの縮減効果といっても、その価格算定には、材料費や人件費などの原価に企業の利益を積み上げる原価計算方式が取られるものと考えますので、これはこれまでもそうなんですけれども、その割合をどうするかというのは、変えようという話もこの間ありましたけれども。加工費などの原価は、一部メーカーの資料に基づいて実際には算出されるので、企業側に原価を抑える誘因が働きにくくなる。反対に、価格高騰の要因の一つになっていくというふうに考えられます。
もちろん、防衛装備の高性能化に伴って、先ほどちょっとおっしゃっていましたけれども、高価格化が進み、その分、調達数量が減って、ますます取得価格が高騰するという悪循環を長期契約によるまとめ買いである程度軽減できること、これは政府がおっしゃっていることであるので、これは否定しないんですが、それが果たして本当に、問題は、日本の防衛産業の全体を強化することにならないのではないかということであります。
といいますのも、欧米では防衛産業が再編によって集約をされています。日本は再編が遅れて高コスト化につながっています。長期契約の十年延長を恒久化する今回の特定防衛調達制度は、日本は一万社の国内企業がありますので、実際にはプライム企業と呼ばれる主要十五社があって、そして、それを筆頭に下請企業が連なるという構造になっている。
例えば、護衛艦の関連では約八千三百社、F2戦闘機では約千百社、そして、戦車なんかでは、一つの戦車で千三百社ということがありまして、こういった中で、国際的に競争力のある防衛産業に育て上げるのとはこの制度は真逆な方向に働いてしまう。だって、長期契約するわけですから安心しちゃうわけですよ。ということになると、今あるところを前提にやっていくので、再編につながっていかない。日本だけなんです、一万社もあるのは、御存じのとおり。私が大臣に申し上げるまでもないし、皆様に申し上げるわけでもないんですけれども。そういったことになって、この制度が逆の働きをしてしまうと、結局日本の国益に資さなくなるんじゃないかということを心配するわけです。
そういった中で、これを、やはり今の体制を温存させる制度であるということになってしまうといけないと思うので、このことについて、防衛大臣の御見解をお伺いいたします。