永野厚郎の発言 (環境委員会)
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○永野政府特別補佐人 公害等調整委員会は、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、鉱業等と一般公益又は他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。
当委員会が令和五年中に行った公害紛争の処理に関する事務について御説明申し上げます。
第一に、令和五年に当委員会に係属した公害紛争事件は、調停が四件、裁定が七十二件、義務履行勧告が三件の合計七十九件でございます。
主な事件としては、東京都など七都府県の百五十三名の申請人らが、自動車からの排出ガスによる大気汚染により、気管支ぜんそく等に罹患し、健康被害を受けたと主張して、国及び自動車メーカー七社に対して損害賠償を求めた責任裁定申請事件、北茨城市の申請人が、鉄加工工場から発生、拡散された鉄粉により、所有する住宅及び自動車に財産被害を受けたと主張して、当該因果関係の存在の確認を求めた原因裁定申請事件などがございます。
また、令和五年中に終結した事件は、三十件でございます。
主な事件としては、稲敷市の申請人らが、所有地等を産業廃棄物によって無断で埋め立てられたこと等により、土壌や周辺井戸の水質が汚染されたなどと主張して、埋立てを実施した土木会社及び埋立ての許可権限がある稲敷市らに対して損害賠償を求めた責任裁定申請事件がございます。
本事件については、土木会社及び稲敷市らの損害賠償責任を認め、申請を一部認容する裁定を行いました。
また、横浜市の申請人らが、近隣の学校の大規模工事により発生した振動及び騒音により、所有する土地、建物及び道路の損傷や生活環境が悪化する被害を受けたと主張して、当該因果関係の存在の確認を求めた原因裁定申請事件がございます。
本事件については、現地調査等の手続を進めた結果、当該工事と土地等の被害の間に因果関係は認められないとの裁定を行いました。
そのほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状が進行したとして慰謝料等の増額を求める申請が三件係属し、うち二件について手続が終了しております。
当委員会は、社会情勢を反映して、多様化する公害紛争への機動的かつ的確な対応と、利用者である国民の利便性の向上を図ることにより、制度の利用の促進に努めております。
具体的には、手続におけるウェブ会議の活用や現地での審問期日の開催等により利用者のアクセス向上を図ること、事実調査の充実や専門委員の知見の活用等により事案の解明及び判断の精度を高めること、国民や法曹関係者、関係する相談機関への積極的な広報活動により制度に対する周知を浸透させることなどに力を入れており、今後もこうした取組を一層推進してまいります。
第二に、地方公共団体における公害紛争処理の状況についてですが、都道府県公害審査会等における公害紛争事件は、令和五年には八十一件の事件が係属し、同年中に三十九件が終結しております。
また、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の受付件数は、令和四年度は、前年度から約二千件減少して約七万二千件となっております。
当委員会は、今後とも、公害紛争処理制度全体としての適切な解決を実現するため、住民に身近な場での解決を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。
以上が、令和五年中に行った事務の概要でございます。
続きまして、当委員会における令和六年度歳出予算案について御説明申し上げます。
当委員会の歳出予算額は、五億七千万円でございます。
厳しい財政状況の中、事件処理の迅速かつ適正な解決に資するよう、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として二千五百万円などを計上しております。
以上が、令和六年度歳出予算案の概要でございます。
公害等調整委員会としましては、今後とも、迅速かつ適正な紛争解決に向けて、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。