古谷一之の発言 (経済産業委員会)
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○古谷政府特別補佐人 令和五年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
公正取引委員会は、以下に申し述べる施策に重点を置いて、独占禁止法等の厳正な執行や競争政策の積極的な推進に取り組んでまいりました。
重点施策の第一は、厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用です。市場分割カルテル事件及び入札談合事件について、排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。なお、当該納付命令による課徴金額については、延べ十九名の事業者に対して、総額一千十七億四千七百五十三万円となっております。このほか、不公正な取引方法に係る事件について三件の確約計画を認定して、令和五年においては、八件の法的措置を行いました。
また、グーグルLLCらの独占禁止違反被疑行為に対して審査開始するなど、社会的ニーズに対応した多様な事件に対処しております。
合併等の企業結合事案については、企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針等に基づき、当事会社との意思疎通を密にしつつ、また、第三者からの情報収集などもしつつ、対象市場の実態に即して、迅速かつ的確な企業結合審査に努めました。
重要施策の第二は、中小事業者に不当に不利益を与える行為の取締りです。市場における公正な競争を確保するため、中小事業者に不当に不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法に該当するおそれのある行為等に、厳正かつ積極的に対処しました。
まず、下請法の運用については、下請代金の減額、返品、買いたたき、不当な経済上の利益の提供要請といった違反行為に対処し、八件の勧告、公表を行ったほか、八千百六十八件の指導を行いました。
また、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分の円滑な価格転嫁の実現に向けた取組を進めております。特に、中小企業の賃上げ実現には、労務費の転嫁が課題となっている中、優越的地位の濫用に関する特別調査を行い、業界ごとの労務費に係る実態を踏まえ、内閣官房とともに、昨年十一月、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を策定、公表しました。
引き続き、関係省庁と緊密に連携して、指針の周知徹底を進めるとともに、労務費の上昇分の価格転嫁について重点的に状況を把握するための調査を行うなどフォローアップを行い、独占禁止法や下請法の積極的な執行を進めてまいります。
さらに、フリーランスに係る取引適正化に関して、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律が令和五年四月二十八日に成立し、翌月五月十二日に公布されました。本法の周知活動を行いつつ、本法施行に必要な政令、公正取引委員会規則等の整備を行い、施行に向け、準備を進めております。
重要施策の第三は、競争環境の整備への取組です。各種のガイドラインを策定し、独占禁止法上の考え方を明らかにするとともに、市場における公正かつ自由な競争を促進する観点から、様々な調査研究などを行いました。
デジタル分野について、モバイルOS等に関する実態調査報告書、ニュースコンテンツ配信分野に関する実態調査報告書をそれぞれ公表したほか、コネクテッドTV及び動画配信サービス等に関する実態調査を開始をいたしました。また、モバイルエコシステムの分野における必要な法整備に関しては、内閣官房と連携しながら、諸外国における情勢を踏まえつつ、検討を進めております。
また、電力分野、使用済みペットボトルのリサイクル、高速道路における電気自動車充電サービスなどの分野について、独占禁止法や競争政策の観点から、取引実態を把握するための調査を行ったほか、温室効果ガスの削減に向けた事業者等の取組を後押しすべく、グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方を策定をいたしました。
さらに、私が議長を務めたG7エンフォーサーズ及びポリシーメーカーズサミットにおいて、デジタル市場における競争を促進し維持するための取組等を示したデジタル競争コミュニケの採択に尽力するなどし、競争環境の整備のための国際的な連携協力にも積極的に取り組んでおります。
以上、簡単ではありますが、業務の概要について御説明を申し上げました。
今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。