鈴木達治郎の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○鈴木参考人 おはようございます。
この委員会に呼んでいただきまして、ありがとうございます。ちょうど二年ぶり、先ほどの話もありましたけれども、皆さんにお会いできて大変うれしゅうございますので、もっと是非頻繁に呼んでいただければと思います。よろしくお願いします。
私の論点は、これまでも何回もお話ししていますが、どうしても原発の議論というのは賛成、反対で対立してしまうんですけれども、原発の将来にかかわらず、重要な課題というのが山積みであります。是非国会で超党派で取り組んでいただきたい課題について今までもお話ししてきましたが、今日は、ごみの問題、高レベル廃棄物問題についてお話ししたいと思います。
論点は四つであります。
まず、現状、このままでは見通しが立たないということをお話ししたいと思います。次に、海外の事例、いっぱいあるんですけれども、脱原発を進めているドイツ、それから推進しているカナダ、両方で少しずつでは進展しているので、まだ実現していませんが、この例をちょっと御紹介したいと思います。三番目に、提案になるんですけれども、やはりもう一度国会で作っていただいた法律に戻る、その原点になっている原子力委員会の処分懇というのがありましたので、この論点を御紹介して、法律改正の必要性についてお話ししたいと思います。
では、次をお願いします。
これはちょっと時間軸を見たものなんですが、九八年に処分懇の報告書が出まして、二〇〇〇年に法律が国会で超党派で成立いたしました。二〇〇〇年のときに、目標として二〇四五年頃というのをたしか議論していたと思うんですが、これは、六ケ所村にあるガラス固化体の貯蔵の期間が五十年ということで、二〇四五年頃を目標にしていたんです。最初の東洋町の文献調査の提案が二〇〇七年、受入れ、これは失敗しまして、二〇二〇年にようやく二つ、北海道の寿都町と神恵内村、対馬が去年うまくいかなくて、今年、玄海町が出ました。
三つ、今、文献調査が出ているわけですが、後でお話ししますけれども、十か所ぐらいというのがどうやら政府の目標らしいんですが、これはいつまで待つのかなと。それから、概要調査から処分場決定まで大体二十年かかるというのがNUMOの見通しなので、もう間に合わないのではないかというのが、この時間軸から見た場合でも分かると思います。
次をお願いいたします。
今後、どこまでこの文献調査の候補地を待つのか。十か所、本当にすぐ見つかるのか。三か所だけでは足りないし、その三か所でさえ、概要調査にいけるかどうか分からない。
林官房長官が、ついこの間、記者会見でお話をされたんですが、多い場合には十件程度の関心地域から順次絞り込んでいくというのは海外の例にあるということで、これを多分考えておられるのではないかと思うんですが、明確には今の日本の計画には書かれていません。
もう一つ、政府が文献調査の申入れを行うように変えたんですけれども、今回も、一応玄海町には政府から申入れをしたことになっているんですが、なぜ玄海町に申し込んだかの理由は説明されていないです。外から見ると、どうやら受け入れてもらえそうなところに申し込んでいるのではないか。これは、やはりちょっと透明性に欠けるのではないかと思います。
最後に、文献調査の受入れ前に十分な合意形成ができていないので、どうしてもその調査の受入れ、手を挙げたところで分断が起きてしまう。この分断を理由に、対馬市の市長さんは受け入れないということを決断されたわけですが、本来は、文献調査を受け入れても次の概要調査に進む必要はないので、分断が起きない制度になっているんですけれども、残念ながら、文献調査を受け入れると次も受け入れなきゃいけないんじゃないかというふうになってしまって、分断が起きてしまうということですね。
次をお願いします。
これは、経産省が出している科学的特性マップと、現在の文献調査の候補地を見たものなんですが、どれも必ずしも適しているというところではない。玄海町は、ほとんどグレー、好ましくない特性があると推定される地域です。寿都町は、比較的グリーンでいいんですけれども、黄色い部分、これは断層があるのではないかと言われている地域が含まれている。神恵内にしてみたら、ほとんどが黄色でございます。
これを見ると、一応方針としては、概要調査を選定できる見込みがない場合以外はやるとなっていますので、これはやらなきゃいけないわけですね。そうすると、私が心配しているのは、ほかにいい場所があるにもかかわらず、手を挙げたところは全部やるということになってしまいますので、大変時間がかかるのではないか。
次をお願いしたいと思います。
この高レベル廃棄物地層処分への国民全体の理解なんですが、これは日本原子力文化財団が毎年やっている世論調査なんですけれども、一番最新のものを見ても、改善はしているんですが、まだ十分に賛成が得られていない。
賛成している意見としては、賛成、反対、原発の利用、廃止にかかわらず処分は取り組まなければいけないというのは、国民の合意があるということですね。これは大変重要だと思います。でも、反対の意見の中には、もちろん、処分場は決まらない、それから地中深く埋めることには賛成、反対が均衡している、それから自分の地域では嫌だというところがまだ十分に多いので、これは何とか改善しなければいけません。
次をお願いいたします。
海外のケースなんですが、ドイツは、脱原発を決めたんですけれども、それでもなかなかうまくいっていないので、かなり仕組みを変えました。それで、二〇一三年から法律を変えて、やはり複数の候補から段階的に絞り込んでいく、これは科学的に調べて絞り込んでいくということで、何と最初は九十か所選んでいます。それで、各段階ごとに、最終的には議会で確定するという国会の関与が明記されています。右手の組織図の方もかなり変わって、日本でいう環境省が管轄になっています。国の責任の下で、実施機関が主体として動いているということであります。
次をお願いいたします。
カナダの方は、原発を推進しているんですけれども、ここもかなり難しかったんですね。それで、一応ここも見直しをしまして、現在、三十年ごとのタイムスケジュールの下で、サイトをやはり絞り込んでいくというプロセスをつくっているのと、ちょっと見ていただきたいのは、オプションという言葉が入っていますが、今の計画でうまくいかなかった場合の選択肢も用意しておくということですね。
それから、強調したいのは、右手に書かれている、独立した評価グループによるレビューを段階ごとに作っているということであります。これは、実施主体がやったことについて、専門的な知見を持ったグループが必ずそれをチェックするという仕組みを持っているということですね。
次をお願いいたします。
私の提案は、ここから提案になるんですが、原点に戻れということで、処分懇の報告書をもう一度読んでいただきたいと思うんです。
基本的考え方の頭、一番最初に、今後の原子力政策がどのような方向に進められるにせよ、処分場は必要であるということですね。
それから、透明性確保と情報公開、ここに公正な第三者がチェックを行う。
それから、技術と制度についても、社会に受け入れられるような制度にすること、リスクマネジメントの観点、これは選択肢を広げておくということですね。これも書かれています。
それから、処分地選定プロセスでは、やはりプロセス自体の公正な第三者によるレビューの仕組み、先ほどの第三者のチェックは科学的な面での第三者のチェックですが、処分地選定プロセスの方でもやはり第三者のレビューが必要であるということですね。
次をお願いいたします。
現在の法律を見てみますと、第一条が、発電に関する原子力の適正な利用に資するという表現になっておりまして、これは、やはり素直に読めば、推進のためというふうに読めます。発電に関する原子力に係る環境の整備、目的は、発電の環境整備ではなくて、国民のための、環境を守るための整備でなければいけないと私は思います。
第三条の、経産大臣が基本方針を定めることになっていますので、管轄は経産大臣なので、やはりこれも原子力推進というふうに見られてしまいます、推進のために必要だというふうに見られてしまいます。
次をお願いいたします。
これに基づく基本方針、ここでも、国のエネルギー政策を推進していく上でという文章が入っておりますので、これではやはり原発に反対する方はなかなか賛成できない。
国は前面に立って取り組むとなっていますが、基本的に、今見ていても、NUMOが中心になってやっていて、国がどれだけ説明しているかはよく分かりません。
それから、先ほど申しました科学的特性マップを作ったのに、基本方針では、そのマップを使って、科学的な有望地を使って国民に理解を深めると書いているんですが、今そういうふうになっていないのではないかということであります。
最後に、基本方針の中には、やはり選択肢を確保する面から、直接処分、処分方法についても検討となっていますが、今の対象は、再処理工場から出てきたものしか対象になっていないので、直接処分ができないです。これでは多様な選択肢の確保になりません。
最後のスライドになります。
ということで、是非国会でもう一度高レベル廃棄物の処分法について検討していただき、超党派で、原発推進、反対にかかわらず取り組んでいただきたい。
まず第一に、原発の将来にかかわらず、廃棄物処分が必要であることを法律に明記すること、それから、推進でないということを明らかにするために、管轄を経産大臣から環境大臣に移すこと、使用済燃料も最終処分の対象にすること、それから、ここが大事ですね、処分プロセスを評価する第三者機関の設置を法律に書き込むこと、できれば、行政府の中に置いてもいいですが、国会に置かれることも可能かなと思います。最後に、立地プロセスに国会の関与を持たせること、皆さんで是非この問題について責任を持って議論していただきたい。最後の、科学的根拠を基にというのは、これは法律に書かなくてもいいかもしれませんが、今の絞り込んでいくプロセスについて、是非科学的根拠を持ってやっていくということは大事じゃないかと思います。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)