原子力問題調査特別委員会

2024-05-31 衆議院 全96発言

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会議録情報#0
令和六年五月三十一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 平  将明君
   理事 泉田 裕彦君 理事 大西 英男君
   理事 中村 裕之君 理事 武藤 容治君
   理事 伴野  豊君 理事 山崎  誠君
   理事 小野 泰輔君 理事 平林  晃君
      畦元 将吾君    今村 雅弘君
      上田 英俊君    大岡 敏孝君
      神田 憲次君    木村 次郎君
      小森 卓郎君    佐々木 紀君
      鈴木 淳司君    土井  亨君
      中根 一幸君    古川  康君
      細田 健一君    宗清 皇一君
      山本 左近君    逢坂 誠二君
      菅  直人君    篠原  孝君
      田嶋  要君    野間  健君
      阿部 弘樹君    空本 誠喜君
      竹内  譲君    中野 洋昌君
      笠井  亮君    浅野  哲君
    …………………………………
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会長)
   (政策研究大学院大学名誉教授)          黒川  清君
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会員)
   (わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)代表)
   (株式会社クロト・パートナーズ代表取締役)    石橋  哲君
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会員)
   (国際大学学長)     橘川 武郎君
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会員)
   (原子力コンサルタント) 佐藤  暁君
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会員)
   (長崎大学核兵器廃絶研究センター教授)      鈴木達治郎君
   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      野崎 政栄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  宮澤 博行君     神田 憲次君
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  江渡 聡徳君     山本 左近君
  阿部 知子君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 左近君     江渡 聡徳君
  篠原  孝君     阿部 知子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
     ――――◇―――――
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平将明#1
○平委員長 これより会議を開きます。
 原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として、アドバイザリー・ボード会長及び会員の、政策研究大学院大学名誉教授黒川清君、わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)代表、株式会社クロト・パートナーズ代表取締役石橋哲君、国際大学学長橘川武郎君、原子力コンサルタント佐藤暁君及び長崎大学核兵器廃絶研究センター教授鈴木達治郎君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、御了承をお願いいたします。
 それでは、まず黒川参考人にお願いいたします。
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黒川清#2
○黒川参考人 おはようございます。大変お忙しい方々に来ていただきまして、ありがとうございました。
 実は、大事故が起きてからもう十年以上たちまして、これがありますけれども、ちょうど二年前に、あれから十年という話で、相当、いろいろなところから呼ばれたり、Zoomでやりましたけれども、何が変わったのかと言われて非常に困っているんですね。
 実を言うと、このようなことは、福島の最中ですけれども、立法府の方が法律を作って、私たちにやれよということをしていただいたことで、やはり立法府がイニシアチブを取ったというのは非常に大事なことだと思っておりまして、先生方お一人一人が日本の法律を決めている責任者ですので、そういうところで、大部分が行政府の方から来るようではちょっと困るなという話はしているんですけれども、そういう意味では、両方やるのはそうですけれども、先生たちはやはり立法府の人ですので、こういうことをやっていただいたのは、非常に歴史的にも大事なことだったんじゃないかと思っております。
 そこで、ちょうど十年たって、あれをやったときに、御存じだと思いますけれども、私は、全てのセッションをあらかじめノーティファイしまして、英語でもみんな出しておりましたので非常にいろいろなフィードバックがどんどん来たんですけれども、実際、最終的に規制のとりこというような、政府の失敗ということですけれども、それがあったんだなというのがキーワードになって出したので、すぐさまにいろいろなところからフォワードをいただきました。
 実際に、アメリカとかフランスにも呼ばれてずっと行ってきたんですけれども、ちょうどダニエル・イノウエさんがあそこでトップをやっておられましたので、彼とは二回ばかり会いまして、本当によくやってくれたねということでしたけれども、ああいう人に直接褒められたのは非常にうれしかったんですけれども、日本も民主主義になったのかなという話になったと思います。
 というわけで、ちょうど二年前でしょうか、あれから十年ということで、ここにあるような、いろいろなところから、あれからどうなったんだという話で、今はZoomですけれども、かなり毎日のようにやりました。
 実際、私から見ると、余り変わっていないんだよねということになってしまうんですね。そこが、私がいろいろなことができたのはよかったと思うんですが、そういう意味で、余り変わっていないんじゃないかな。それはなぜなのかということは先生方に考えていただいて。
 大変だと思うんですね。民主主義というのは数の問題がありますし、行政府それから立法府ということがあるので、先生方の一人一人のやはりアクティビティーというのは非常に大事ですけれども、もちろん行政府のサポートとかいろいろなことも大事ですけれども、そうじゃないかなと思います。
 それで、そのほかにもいろいろな講演とかパネルディスカッションもかなりありまして、これはZoomでかなり長々とやったんですけれども、二枚目ですけれども、このようなことがありまして、十年たって何が起こったのかというのは、結構、ここにあるように、ハーバード大学とかUCLAがやっているものとか、あれからどうなったのという話で、いろいろなかなり大きなセッションを二時間ぐらいやったんです。そういう意味では、私としては、あれから日本が何か変わったのかということをはっきり言えないところに問題があると思っております。
 実際に、先生方も御存じだと思いますが、いろいろな意味で、インターネットでどこでも何でも探せるようになっていて、しかも、どこでも外からも見えるわけなので、この点がちょっと、これだけの大事故を起こして日本が余り変わっていないんじゃないかというようなインプレッションがあると思うんですが、この辺に問題があるんじゃないかと思います。
 最近になってロシアとウクライナの話がありますけれども、では、皆さんは、この日本は原発のところをどういうふうにプロテクションしているのかという話ですね、余り書かないですよね、ここに問題があるんじゃないかと思うんです、一つは。
 もしあれが、テロリストが入ってきて、今、プーチンとあそこがやっていますけれども、今、中国の方も非常にそういうリーダーが割合に、勝手なことと言ってはおかしいんですけれども、民主的ではないようなプロセスでやっていますから、日本にある原発はどのようにプロテクションされているのか、これはすごく大事な話だと思うんですね。
 皆さんはこれをやはり明らかにして、法律を作ってきちっとするというのは先生方一人一人の責任でありますので、是非、メディアも余り書いていないんですけれども、その辺をしっかりするのが大事じゃないかと思っています。
 また想定外だなんという話は二度と聞きたくないので、これは行政府もあるかもしれませんけれども、やはり立法府の先生方に、大変だとは思うんですけれども、今のプロテクションはどうなっているのかというのも、不十分じゃないかなと思いますが、私も余り専門ではありませんが、確かに、今のウクライナの話を見ていてもそうだし、中国のところを見ていてもなかなかちょっと心配だし、プーチンさんを見ていてもちょっと心配だしということでは、やはり原発のところは非常にいいターゲットになっているというのは確かですので、この辺を是非先生たちも考えていただきたい。
 この辺の問題はすごくあるんじゃないかというので、こういう機会をいただきましたので、先生方、立法府の方々の一人一人がすごく大事だし、そのためには国民のアウェアネスがどのぐらいに上がるかということも非常に大事ですので、先生方に本当に私は期待をしたいと思います。
 いろいろなところでいろいろ聞かれると非常に返事がしにくいところもあったんですけれども、今の世界の様子を見ていると、非常にどこで何が起こるか分からない感じになっていますよね。そこのところが一番心配だなというので、本当に、立法府の先生方に大いに頑張っていただきたいというのが私のメッセージでございます。
 こんな機会をつくっていただいて本当にありがたいと思いますし、こういうダイアログのセッションがいろいろなところであると思うんですけれども、先生方もたくさんの案件があるのはよく知っていますけれども、こんなことでまたやられちゃったなんということがもう二度とないようにしていただきたいというのが私の切なるお願いでございます。
 本当に、今日はありがとうございました。拍手
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平将明#3
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、石橋参考人にお願いいたします。
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石橋哲#4
○石橋参考人 石橋哲です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 国会事故調には、全体工程のプロジェクトマネジメント機能として参加いたしました。二〇一二年から、国会事故調報告を出発点とし、世代を超えて社会のシステムについて考え合う場を共創するということをテーマにして、わかりやすいプロジェクト(国会事故調編)というサークル活動をやっております。それを通じて、高校、大学、日本赤十字社若しくはNPOなどとのコラボを継続しております。
 今、画面が出ましたけれども、先日、久方ぶりに「ソクラテスの弁明」を読み直しました。こんなところがありました。紀元前三百九十九年、約二千四百年前の発言です。読み上げます。
 よき友よ、アテナイ人でありながら、もっとも偉大にしてかつその智恵と偉力との故にその名最も高き市の民でありながら、出来得る限り多量の蓄財や、また名聞や栄誉のことのみを念じて、かえって、智見や真理やまた自分の霊魂を出来得るかぎり善くすることなどについては、少しも気にかけず、心を用いもせぬことを、君は恥辱と思わないのか
 次、お願いします。
 国会事故調は、結論と提言で、問題解決に向けて、多くの犠牲を帰結した人災である福島原発事故を起こした真因、組織的、制度的問題を指摘して、次のように述べています。
 本事故の根源的原因の背景にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録に残さない不透明な組織、制度、さらにはそれらを許容する法的枠組みであった。また、関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット、思い込み、常識であった。
 当委員会は、規制される側とする側の逆転関係を形成した真因である組織的、制度的問題がこのような人災を引き起こしたと考える。この根本原因の解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称を変えるだけでは、再発防止は不可能である。
 次、お願いします。
 国会事故調は、この真因である組織的、制度的問題を解決し、再び、規制する側がされる側の規制のとりこに陥らないよう、国家に対する国民の信頼を再建することを目指して、様々な意思決定プロセスの透明性、公開性を担保、確保することを目的として、七つの提言をしています。
 提言一は、国民の安全に対する責任を国会、国会議員が負うこと、すなわち、原子力安全規制当局に対し様々な規制のとりこの力を及ぼし、事故を帰結した行政府、電気事業者の動き全体を、立法府が監視するべきと提言しています。監視対象は、行政府、電気事業者の動き全体です。
 本特別委員会は、提言一に基づいて設置されたと聞きましたが、当委員会設置当初の与野党申合せでは、当委員会の監視対象を原子力規制委員会とするとされています。
 この申合せは、監視対象を行政府、電気事業者全体とする提言一の趣旨とは全く異なります。提言の趣旨とずれた申合せをいつ、どこで、誰が、どのような理由で行い、また、それがなぜそのままなのか、理解に苦しみます。前回、二〇二二年五月十日の意見陳述の際にも申し上げたところでございます。
 次、お願いします。
 提言にある仕組みをつくるには時間がかかると予想されたことから、国会事故調は、国会に対し、実施計画を速やかに策定し、その進捗を国民に公表することを求めました。夏休みの宿題と一緒です。私は、当委員会で発言の機会をいただくたびに申し上げておりまして、先生方におかれては、既に十二分に御承知のことと思います。
 次、お願いします。
 今日は、三月十一日から四千八百三十日目です。
 国会事故調は、事故から九か月後、当時の衆参満場一致で成立した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法に基づいて設置されました。七つの提言を含む報告書を国会の先生方に提出したのは、二〇一二年の七月の五日。それから約百三十八か月。少なくとも前回、私が発言の機会をいただいてから丸々二年、七百五十二日が経過いたしました。
 次、お願いします。
 前回参上した二〇二二年五月十日以降の本特別委員会の審議を、衆議院のホームページから勉強させていただきました。
 昨年四月十九日に行われた経済産業委員会、環境委員会との連合審査会を含めて、委員会の開催は計二十回。時間数は千八百九十九分です。手続的な開催は除き、実質的な審議が行われたのは九回、時間は千七百十七分でございます。
 今、私の資料としてお手元にお配りさせていただいておりますA3のこんな表がございます。こちらを御覧いただければと思います。今、画面で見ていただいていますのは、それをやっています。集計の字が細かくて、申し訳ございません。先生方には、別紙としてお配りしています。この表は、敬称略、発言時間数順で上からソートをかけています。
 実質審議は九回、千七百十七分で、御発言の委員は四十名。議事録を確認させていただいたところ、国会事故調提言の実施計画の作成、公表に関連すると私が感じられたのは一か所です。
 次のページをお願いします。
 当該部分は、二〇二二年の十一月の十日。足立委員の御質問のラストの十秒、事故調がまとめた提言がどのくらいできているのか、そういうことをちゃんと精査という言葉を述べておられます。前回参上時からの御審議、千七百十七分のうち、提言実施の計画策定に近い言及を確認できたのは、この十秒のみでした。
 以前、この委員会での意見陳述の際、国会が提言を実行できない理由は何かという御質問をいただきました。私からは、実行しないという判断を与野党の先生が毎日積み重ねてきたことの集積ではないかとお答えいたしました。この二年間、先生方は、提言を実行しないという判断を、一日一回として、さらに七百五十二回も積み重ねてきたのだと確認をいたしました。
 次、お願いします。
 二〇二二年十二月八日の浅野委員の質疑にも注目いたしました。
 本特別委員会設定の際の与野党申合せによる特別委員会の目的と監視対象が事故調提言一の趣旨と異なっているということは、先ほど述べたとおりですが、そのことを述べられた上で、この変更が委員会の先生方の意思で修正可能であるということを衆議院事務局委員部に確認をされていらっしゃいます。その後の、この御検討はどのようになりましたでしょうか。是非、お聞きできればと思います。
 国会事故調は、規制する側がされる側のとりこになっていたことを、規制のとりこというキーワードで指摘をいたしました。この質疑は、指示する側がされる側のとりこになっている、相似形の様相を呈しているというふうに感じました。
 次、お願いします。
 四月下旬、私は、防災士研修を受けてまいりました。テキストには、防災士たるもの、公的機関による具体的で明確な情報を尊重するという記載がありました。理由は、発災後は行政が、災害発生の原因、規模、被害状況、二次被害の可能性、行政による対応の現状、被災地住民の行動指針などについて、できるだけ早く、具体的かつ明確な情報を出すように心がけるものであるとしています。
 次、お願いします。
 災害の際、公的機関から社会に対して共有されるタイムラインは、国民から信頼されるものであることを前提としていると学びました。その信頼は、日々の積み重ねによる構築が唯一の道であると考えます。
 次、お願いします。
 国会事故調は、人災の根源的原因であった制度的問題の解決を目的として、透明性の確保と公開性の担保の確立を提言いたしました。原発事故を含む、災害進展タイムラインが国民に信頼される場面においても、この二つが両輪となることは言うまでもありません。
 原発事故の際の災害進展タイムラインは、地域ごと、原子炉ごと、発災時点の事象ごと、自然状況ごとに、様々に異なると思います。それらタイムラインは、どのように社会と共有されているのでしょうか。
 次、お願いします。
 国会事故調は、調査人員の調達やPC等の備品の調達、報告書の印刷作業も含めて、たかだか半年強の調査期間しかありませんでした。扱えなかったことはたくさんあります。国会事故調で扱わなかった事項に整理して、記載されているとおりです。検討すべき事項は多岐に及びます。
 次、お願いします。
 国会事故調は、提言を一歩一歩着実に実行し、不断の改革の努力を尽くすことこそが、国民から未来を託された国会議員、国権の最高機関である国会及び国民一人一人の使命であると当委員会は確信すると述べています。
 変われなかったことで起こした事故に対し、国権の最高機関たる国会、その国会を構成する国会議員の先生方を代表として頂く国民の一人として、事故から今日までの四千八百三十日、一体自分は何をしてきたのか、深く自問をいたします。
 次、お願いします。
 残念ながら、報告から十二年。えとが一周しました。私たちの代表たる国会は、行動をもってその信念を示しています。できないのではなくて、やらない。国会事故調報告は、このような状況にも使えるよう、提言七、独立調査委員会の活用を提言しています。国会事故調という前例がございます。
 次、お願いします。
 私は、この国が、国民から信頼され、外国から敬意を払われる、国内的に安定した国であってほしいと強く望みます。国民の一人として、使命を担うことに参加したいと思います。「君は恥辱と思わないのか」、二千四百年前の賢人の言葉に思いを致しながら、本日、どのような御議論が展開されるのか、お聞きしてまいります。
 ありがとうございました。拍手
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平将明#5
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、橘川参考人にお願いいたします。
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橘川武郎#6
○橘川参考人 皆さん、おはようございます。国際大学の学長をやっております、橘川と申します。
 私は、国会事故調のメンバーではないということもありまして、実務的な観点から、当面、原子力政策で重要だと思われます三つの論点を、批判ばかりではなくて、ちょっと建設的な提言も含めてお話しさせていただきたいと思います。
 次、お願いいたします。
 取り上げる三つの論点は、柏崎刈羽六、七号機の再稼働の問題、次世代革新炉の建設の問題及び第七次エネルギー基本計画における原子力比率の問題であります。
 次、お願いいたします。
 柏崎刈羽原子力発電所の六、七号機については、一応、再稼働へ向けての法制度上の条件は整いました。昨年十二月に、規制委員会の、凍結が解除されました。そして、株式市場もそれに反応して、東電の株価が千円をつける。多分、経産省のターゲットは千五百円ぐらいだと思うんですけれども、民間に売るときの。そういう意味で、一歩近づいたと言えます。ただし、最後の地元の了解、これは非常に難航しています。
 それを難しくしたのが能登半島沖地震でありまして、新潟市の西区も液状化現象の被害を受けておりますので、避難計画の問題が改めて浮かび上がりました。元々新潟県は東北電力の配電エリアなので、自治体が作った避難計画に東京電力が協力するという枠組みなんですけれども、どこに需要家がいてどこに配電線があるかというのを知っているのは東北電力なので、これで大丈夫かなというような懸念が強まったわけですね。
 さらに、六、七号機が動いて、果たして新潟県内にどういうメリットがあるのか、こういう声も出てまいりました。
 花角知事は、出直し知事選をやることによって再稼働の信を問うと言われていましたけれども、多分、今の政治と金の状況から選挙をやるということを考えますと、まずやらないと思います。となりますと、県議会での同意ということになると思いますが、一番大きな問題は県議会の与党会派が再稼働に対して極めて慎重、この二つの理由からであります。
 私は、避難計画のためもあって、東京電力が東北電力の協力を取り付ける必要があると思います。例えば、KK、柏崎刈羽の電気を地元に売って新潟県内の電気の料金を下げればいいなと思ったんですが、もう既に新潟県は東北電力の電力で供給されております。しかも、女川二号機が動くと、今年のゴールデンウィークには出力制御もやっていますので、この話は余り現実的ではない。
 そうなってくると、一番私が現実的だと思っていますのは、柏崎刈羽の敷地の中に、東京電力と東北電力が共同して水素の発生装置、つまり、水の電気分解を原子力発電で行って、その水素を地元の、今新潟県が取り組もうとしていますグリーントランスフォーメーション、GXに結びつけるというようなことが一つの突破口になるかと思っております。
 次、お願いいたします。
 次世代炉の建設であります。
 岸田政権は一昨年夏に、次世代炉の建設と既存炉の延長、この二つを打ち出しました。その後、進んだのは既存炉の延長だけであります。新法も通りました。これが通るとどういうことになるか。
 次世代炉を造るとしたら美浜四号機であるというのはみんな知っているわけですけれども、関西電力にとってみれば、美浜四号機を造ると一兆円かかるわけです。ところが、既存炉の延長、今、七基動かしていますけれども、これは一基当たり数百億円、二桁違いますので、既存炉が延長できる状況の下では次世代炉は造らない、こういうふうに思います。
 それから、実は、岸田政権は次世代炉をやるやると言っていますが、GXの百五十兆円の官民投資の内訳を示した政府資料、その中では、原子力、次世代革新炉は僅か一兆円、百五十分の一の位置づけであります。これが実際のところだと思います。
 多分、第七次エネ基では、圧倒的多数を占めます原発推進派がいらっしゃいますので、次世代革新炉の建設というのは、言葉上は入ると思いますけれども、ほとんど意味がない。私自身は、危険性を下げますので、次世代軽水炉とそれから水素を作る高温ガス炉は有効だと思いますが、残念ながら、今のところ、現実問題としては頼りにされていない、この現実を視野に入れておかなければいけないと思います。
 次、お願いします。
 そのことと関連して、いよいよ始まりました第七次エネルギー基本計画での原子力の比率です。今度の計画は、非常に重たい前提条件がかかっております。というのは、来年ブラジルで開かれますCOP30に二〇三五年の温室効果ガスの削減目標を持ち込まなきゃいけないわけですが、既に、昨年のG7の前の担当大臣会議あるいはCOP28でも、三五年、一九年比GHG六〇%削減というこの目標がセットされているわけですね。
 これは、今我々が使っています一三年基準、一三年から一九年の間に一四%温室効果ガスは下がっていますから、発射台が一〇〇から八六に下がったところから六〇%削減ですから、一三年からだと六六%削減。かつて、第六次エネ基を作るときに、二六から四六に上げるのにも大騒ぎしたわけですけれども、また二〇ポイント上げなきゃいけない。こういうおもしの中で、新たな電源ミックスを作っていくということになると思います。
 そこに書いてあるのが、三〇年の今の第六次エネ基のミックスですけれども、残念ながら、再エネの目標は高くていいと思うんですが、取りかかりが遅かったので間に合いません。それで、三〇%ぐらいにしかならないと思います。原子力も、二十七基動かないと二〇から二二にいかないので、今十二基でありまして、三〇年は、結構甘く見ても二十基かなと思いますので、一五%程度。
 そういうふうに、今の第六次エネ基が厳しい中で、さっきのおもしがありますので、四〇年ミックスは例えばこんな感じになるんじゃないかと思いますが、再エネが四五%、原子力が三〇%、水素、アンモニアが五%、ゼロエミッション電源が八〇%で、化石が二〇%。この化石は、私は、四〇年までに石炭火力はやめられると思っていますので、アンモニアに替えることによって。ここで天然ガスということになります。
 問題は、この中で、もう既に第六次エネ基のときに、現実離れしているので野心的という言葉が使われたんですけれども、この原子力三〇%という数字は、今の状況から考えますと、野心的を超えて空想的の域に入ります。
 もしこれを本当にやるんだとしたら、たった一つだけ方法があるんじゃないかというのが、原子力をカーボンフリー水素の供給源として使うという考え方です。水素はカーボンニュートラルのキーテクノロジーなんですが、非常に高い。再生可能エネルギーからグリーン水素を作ろうとしますと、太陽光、風力の稼働率に合わせて水の電解装置が動きますので、電解装置の稼働率自体が下がっちゃうわけです。これが原子力ですと、電解装置の稼働率が上がりますので、コストが大幅に安くなります。
 それから、さらに、それでもグリーン水素は海外の方が安いというので、ほとんどのプロジェクトは海外でやることになっていますが、そうすると、海外から日本に水素を運んでこなきゃいけない、この費用がかかる。しかも、エネルギー自給率の向上には寄与しない。ところが、カーボンフリー水素を原子力から作りますと、国産化ということになりますので、こういう問題も解決する。
 そして、もう一つは、例えば、今、柏崎六、七が再稼働しますと、今の枠組みですと、電気が余ってしまいまして、東京電力エリアでも再生可能エネルギーの出力制御が起きると思います。しかし、これを電力市場じゃなくて水素製造のために使えば、再生可能エネルギーの出力制御を最小限に抑えることができる。つまり、原子力と再エネの両立が可能になるのではないか。
 こういうような議論が、私は、原子力について賛成か反対かという議論をしている時代ではなくて、実務的に前向きに解決策をしゃべる時期だと思いますので、検討していただければと思います。
 以上です。拍手
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平将明#7
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いいたします。
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佐藤暁#8
○佐藤参考人 原子力コンサルタントの佐藤暁でございます。
 今日は、規制行政についてだけでなくて、原子力政策に関する少し大きな話をさせていただきたいと思っております。
 次のスライドです。
 目下、日本には十二基の加圧水型原子炉が稼働しておりまして、二十一基がまだ保留の状態にあります。しかし、それら保留状態の原子炉に対する全ての審査の終了や再稼働を待つ間にも、規制活動として着手すべきことはたくさんあります。今日は、これらをここの二つのカテゴリーに分けてお話しさせていただきます。
 次のスライドをお願いします。
 安全は、もちろん最優先です。新規制基準が適用され、各原子力発電所の耐震性が向上し、津波対策や竜巻対策も行われるようになったのは、安全性を高める意味で有効です。また、万一の原子炉事故に備えて、その抑止と緩和のための対策も追加されています。それらも安全対策としては有効なはずです。
 はずと申しましたのは、そのような安全対策の中身には、多くのマニュアルに沿った人的な対応が含まれていますことから、そのような有効性が発電所の職員の緊張感と技量に依存しており、それらを持続させていくための安全文化と訓練があってこそだということです。これらの点は、原子力規制委員会のスタッフにも強く認識していただいて、審査業務、検査業務に反映していただく必要があります。
 また、国外では、日本では着手していない安全対策としての新技術も開発と導入が進められております。その一つとしまして、福島事故のときには日本の全国民を震撼させた水素爆発を起こした事象、それに寄与した材料を改良した新しい燃料被覆材の開発もあります。
 核テロの脅威は、新たに出現した新種の脅威というわけではありません。
 次のスライドをお願いします。
 しかし、ほかの脅威に対する安全対策が充実してきているのに比べて、核テロの脅威への対策に関しては、依然とその有効性に満足できない問題が幾つかあるように感じられ、諸外国、特にアメリカにおける運用のレベルからは著しく劣っているのが現状です。
 次のスライドをお願いします。
 それらを具体的に列挙しますと、このような項目となります。引き続き検討していかなければならない項目がたくさんまだ残っていると受け止められます。
 次のスライドをお願いします。
 ここから先は、二つ目のカテゴリーとしまして、つまり、原子力発電の経済性向上のために必要なアクションについてです。
 経済性を優先するということは、安全性を犠牲にすることとの一般的な印象もありますので、注意が必要ではありますが、両立は可能です。
 日本の電力事業者の経営者は、欧米と比べて甘やかされてきた環境にあると言えないことはありません。そのためなのか、原子力による発電単価の引下げに対する努力が日本においては著しく緩慢でした。下請企業に対する発注額の査定が厳しいとの声も関係者からは漏れてきますけれども、電力事業者がより努力をすべきことは、そのような瑣末なことではなくて、原子力発電所の安全性を維持しながら、もっと設備を有効的に、効率的に使って、発電量と売上げを伸ばし、発電単価を下げることです。
 この努力の日米差は、既に福島事故以前にも歴然としていました。このまま放置され続けるべきではありません。これは、まずは電力事業者が意欲的に取り組むべき課題ではありますけれども、規制者としても、必要な規制インフラの整備などを用意するべきです。
 次のスライドをお願いします。
 電力事業者が具体的に取り組むべき課題は明白です。既にどれも欧米などで成功の実績があります。
 今見ていただいているスライドの灰色の面積を、稼働中の十二基と今まだ保留の状態が続いている二十一基が、設備利用率六五・六%で、この根拠については後で御説明いたします、四十年間運転を続けた際の発電量を示すものとした場合、発電量は七千二百七十テラワットアワーとなります。今の全国平均の家庭用電気料金がキロワットアワー当たり三十一円ということですので、これで換算いたしますと、このグレーの部分が二百二十六兆円という売上げに相当いたします。
 もし設備利用率をアメリカ並みに九〇%に引き上げる、そうしますと、この絵の緑の部分が増えます。発電容量に対しても、アメリカ並みに、パワーアップレートといいますけれども、出力を元々の、設計の定格よりも上げて、一五%引き上げたというふうにしますと、青の部分になるわけなんですが、さらに、その状態で発電施設の寿命を六十年あるいは八十年と延長した場合には、今度はオレンジ色の部分が増えてくるということになります。このオレンジ色の部分だけで、先ほどの一キロワットアワー当たり三十一円というもので換算いたしますと、六十年に延長した場合で百七十八兆円、八十年にすれば三百五十六兆円というふうになります。
 繰り返しますけれども、これは新しい未来の技術を期待してではありません。今アメリカが実践していることを、日本の電力事業者の関係者、規制関係者、それぞれの役割部分を学んで実行することによって達成できることです。是非ともこのようなことに対しての挑戦を政治の力で進めていただきたいと願います。
 また、このような活動は決して強引に進められるべきではありませんので、合意の形成のために十分議論に時間をかけて決定されなければなりません。
 次のスライドをお願いします。
 原子力発電所を建設するために、一基当たり数千億円ものお金がかかりました。そして、今、再稼働のためにもそれに匹敵するほどの巨額が投じられています。原子力関係者は、その巨額の投資を国民に還元する責任があります。再稼働で満足して、このスライドの黒の線をたどって進んでいけばいいということなのか、米国が進んでいる上の赤い線に近づける努力をするべきなのか、これは議論の余地はありません。
 今の甘やかされた経営環境から目を覚まして、新たな目標をロードマップに掲げて、目指すべきだと考えます。
 次のスライドをお願いします。
 これを御覧ください。このように、日本の原子力は、決して国際的に名誉ある地位にいるわけではありません。より安全にの次は、より経済的にを目標にして努力するべきです。電力事業者と規制者の双方がそれぞれの役割を果たして、次の十年間で達成を期待したいと思います。
 私の意見陳述は以上でございます。ありがとうございました。拍手
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平将明#9
○平委員長 ありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお願いいたします。
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鈴木達治郎#10
○鈴木参考人 おはようございます。
 この委員会に呼んでいただきまして、ありがとうございます。ちょうど二年ぶり、先ほどの話もありましたけれども、皆さんにお会いできて大変うれしゅうございますので、もっと是非頻繁に呼んでいただければと思います。よろしくお願いします。
 私の論点は、これまでも何回もお話ししていますが、どうしても原発の議論というのは賛成、反対で対立してしまうんですけれども、原発の将来にかかわらず、重要な課題というのが山積みであります。是非国会で超党派で取り組んでいただきたい課題について今までもお話ししてきましたが、今日は、ごみの問題、高レベル廃棄物問題についてお話ししたいと思います。
 論点は四つであります。
 まず、現状、このままでは見通しが立たないということをお話ししたいと思います。次に、海外の事例、いっぱいあるんですけれども、脱原発を進めているドイツ、それから推進しているカナダ、両方で少しずつでは進展しているので、まだ実現していませんが、この例をちょっと御紹介したいと思います。三番目に、提案になるんですけれども、やはりもう一度国会で作っていただいた法律に戻る、その原点になっている原子力委員会の処分懇というのがありましたので、この論点を御紹介して、法律改正の必要性についてお話ししたいと思います。
 では、次をお願いします。
 これはちょっと時間軸を見たものなんですが、九八年に処分懇の報告書が出まして、二〇〇〇年に法律が国会で超党派で成立いたしました。二〇〇〇年のときに、目標として二〇四五年頃というのをたしか議論していたと思うんですが、これは、六ケ所村にあるガラス固化体の貯蔵の期間が五十年ということで、二〇四五年頃を目標にしていたんです。最初の東洋町の文献調査の提案が二〇〇七年、受入れ、これは失敗しまして、二〇二〇年にようやく二つ、北海道の寿都町と神恵内村、対馬が去年うまくいかなくて、今年、玄海町が出ました。
 三つ、今、文献調査が出ているわけですが、後でお話ししますけれども、十か所ぐらいというのがどうやら政府の目標らしいんですが、これはいつまで待つのかなと。それから、概要調査から処分場決定まで大体二十年かかるというのがNUMOの見通しなので、もう間に合わないのではないかというのが、この時間軸から見た場合でも分かると思います。
 次をお願いいたします。
 今後、どこまでこの文献調査の候補地を待つのか。十か所、本当にすぐ見つかるのか。三か所だけでは足りないし、その三か所でさえ、概要調査にいけるかどうか分からない。
 林官房長官が、ついこの間、記者会見でお話をされたんですが、多い場合には十件程度の関心地域から順次絞り込んでいくというのは海外の例にあるということで、これを多分考えておられるのではないかと思うんですが、明確には今の日本の計画には書かれていません。
 もう一つ、政府が文献調査の申入れを行うように変えたんですけれども、今回も、一応玄海町には政府から申入れをしたことになっているんですが、なぜ玄海町に申し込んだかの理由は説明されていないです。外から見ると、どうやら受け入れてもらえそうなところに申し込んでいるのではないか。これは、やはりちょっと透明性に欠けるのではないかと思います。
 最後に、文献調査の受入れ前に十分な合意形成ができていないので、どうしてもその調査の受入れ、手を挙げたところで分断が起きてしまう。この分断を理由に、対馬市の市長さんは受け入れないということを決断されたわけですが、本来は、文献調査を受け入れても次の概要調査に進む必要はないので、分断が起きない制度になっているんですけれども、残念ながら、文献調査を受け入れると次も受け入れなきゃいけないんじゃないかというふうになってしまって、分断が起きてしまうということですね。
 次をお願いします。
 これは、経産省が出している科学的特性マップと、現在の文献調査の候補地を見たものなんですが、どれも必ずしも適しているというところではない。玄海町は、ほとんどグレー、好ましくない特性があると推定される地域です。寿都町は、比較的グリーンでいいんですけれども、黄色い部分、これは断層があるのではないかと言われている地域が含まれている。神恵内にしてみたら、ほとんどが黄色でございます。
 これを見ると、一応方針としては、概要調査を選定できる見込みがない場合以外はやるとなっていますので、これはやらなきゃいけないわけですね。そうすると、私が心配しているのは、ほかにいい場所があるにもかかわらず、手を挙げたところは全部やるということになってしまいますので、大変時間がかかるのではないか。
 次をお願いしたいと思います。
 この高レベル廃棄物地層処分への国民全体の理解なんですが、これは日本原子力文化財団が毎年やっている世論調査なんですけれども、一番最新のものを見ても、改善はしているんですが、まだ十分に賛成が得られていない。
 賛成している意見としては、賛成、反対、原発の利用、廃止にかかわらず処分は取り組まなければいけないというのは、国民の合意があるということですね。これは大変重要だと思います。でも、反対の意見の中には、もちろん、処分場は決まらない、それから地中深く埋めることには賛成、反対が均衡している、それから自分の地域では嫌だというところがまだ十分に多いので、これは何とか改善しなければいけません。
 次をお願いいたします。
 海外のケースなんですが、ドイツは、脱原発を決めたんですけれども、それでもなかなかうまくいっていないので、かなり仕組みを変えました。それで、二〇一三年から法律を変えて、やはり複数の候補から段階的に絞り込んでいく、これは科学的に調べて絞り込んでいくということで、何と最初は九十か所選んでいます。それで、各段階ごとに、最終的には議会で確定するという国会の関与が明記されています。右手の組織図の方もかなり変わって、日本でいう環境省が管轄になっています。国の責任の下で、実施機関が主体として動いているということであります。
 次をお願いいたします。
 カナダの方は、原発を推進しているんですけれども、ここもかなり難しかったんですね。それで、一応ここも見直しをしまして、現在、三十年ごとのタイムスケジュールの下で、サイトをやはり絞り込んでいくというプロセスをつくっているのと、ちょっと見ていただきたいのは、オプションという言葉が入っていますが、今の計画でうまくいかなかった場合の選択肢も用意しておくということですね。
 それから、強調したいのは、右手に書かれている、独立した評価グループによるレビューを段階ごとに作っているということであります。これは、実施主体がやったことについて、専門的な知見を持ったグループが必ずそれをチェックするという仕組みを持っているということですね。
 次をお願いいたします。
 私の提案は、ここから提案になるんですが、原点に戻れということで、処分懇の報告書をもう一度読んでいただきたいと思うんです。
 基本的考え方の頭、一番最初に、今後の原子力政策がどのような方向に進められるにせよ、処分場は必要であるということですね。
 それから、透明性確保と情報公開、ここに公正な第三者がチェックを行う。
 それから、技術と制度についても、社会に受け入れられるような制度にすること、リスクマネジメントの観点、これは選択肢を広げておくということですね。これも書かれています。
 それから、処分地選定プロセスでは、やはりプロセス自体の公正な第三者によるレビューの仕組み、先ほどの第三者のチェックは科学的な面での第三者のチェックですが、処分地選定プロセスの方でもやはり第三者のレビューが必要であるということですね。
 次をお願いいたします。
 現在の法律を見てみますと、第一条が、発電に関する原子力の適正な利用に資するという表現になっておりまして、これは、やはり素直に読めば、推進のためというふうに読めます。発電に関する原子力に係る環境の整備、目的は、発電の環境整備ではなくて、国民のための、環境を守るための整備でなければいけないと私は思います。
 第三条の、経産大臣が基本方針を定めることになっていますので、管轄は経産大臣なので、やはりこれも原子力推進というふうに見られてしまいます、推進のために必要だというふうに見られてしまいます。
 次をお願いいたします。
 これに基づく基本方針、ここでも、国のエネルギー政策を推進していく上でという文章が入っておりますので、これではやはり原発に反対する方はなかなか賛成できない。
 国は前面に立って取り組むとなっていますが、基本的に、今見ていても、NUMOが中心になってやっていて、国がどれだけ説明しているかはよく分かりません。
 それから、先ほど申しました科学的特性マップを作ったのに、基本方針では、そのマップを使って、科学的な有望地を使って国民に理解を深めると書いているんですが、今そういうふうになっていないのではないかということであります。
 最後に、基本方針の中には、やはり選択肢を確保する面から、直接処分、処分方法についても検討となっていますが、今の対象は、再処理工場から出てきたものしか対象になっていないので、直接処分ができないです。これでは多様な選択肢の確保になりません。
 最後のスライドになります。
 ということで、是非国会でもう一度高レベル廃棄物の処分法について検討していただき、超党派で、原発推進、反対にかかわらず取り組んでいただきたい。
 まず第一に、原発の将来にかかわらず、廃棄物処分が必要であることを法律に明記すること、それから、推進でないということを明らかにするために、管轄を経産大臣から環境大臣に移すこと、使用済燃料も最終処分の対象にすること、それから、ここが大事ですね、処分プロセスを評価する第三者機関の設置を法律に書き込むこと、できれば、行政府の中に置いてもいいですが、国会に置かれることも可能かなと思います。最後に、立地プロセスに国会の関与を持たせること、皆さんで是非この問題について責任を持って議論していただきたい。最後の、科学的根拠を基にというのは、これは法律に書かなくてもいいかもしれませんが、今の絞り込んでいくプロセスについて、是非科学的根拠を持ってやっていくということは大事じゃないかと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。拍手
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平将明#11
○平委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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平将明#12
○平委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。細田健一君。
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細田健一#13
○細田委員 皆様、おはようございます。自民党の細田健一でございます。
 質疑の機会をいただきまして、本当にありがとうございました。
 改めて、アドバイザリー・ボードの先生方、お忙しいところを当委員会に御出席をいただき、本当に有益な御知見を披瀝いただいたことに改めて心から御礼を申し上げます。
 また、黒川会長、先ほど、事故からもう十年以上たったということで、十三年たったわけでございますけれども、この十三年、国会事故調の御報告の取りまとめを含めて、原子力安全文化の向上に本当に不断に、また継続的に取り組んでおられることに改めて心から敬意を表し、また感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 二度とあのような事故を起こさないということ、そしてあの事故から謙虚に学ぶということ、これは本当に党派を超えて、国民全体の思いだと思いますし、また、それが実現されるように、先生方のいろいろな御意見を本当に有効に活用しながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 改めて、先ほど何人かの先生からお話がございました国会事故調のレポートに立ち返って考えてみますと、この提言の一の中に、国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会等を設置する、これがこの委員会だというふうに私は理解しております。ですから、主たる目的は規制当局の監視ということになろうかと思います。
 そこの2)に、この委員会は、最新の知見を持って安全問題に対応できるよう、事業者、行政機関から独立した、グローバルな視点を持った専門家から成る諮問機関を設けるというふうに書かれておりまして、この諮問機関というのがアドバイザリー・ボードという名前になっていますけれども、まさにグローバルな視点を持った先生方にお集まりをいただいて議論をするということだと思っております。
 したがって、この事故調のレポートに立ち返ると、一義的には、私どものミッションは規制当局の監視ということだと私は考えております。
 これはもう黒川先生を始め各先生方には釈迦に説法でございますけれども、あの事故が起こる前までは、いわゆる原子力安全・保安院という組織が経済産業省の中に設置されていたということに象徴されるように、いわゆる原子力の規制と推進が分離というのが曖昧であったという非常に強い批判がありました。これは、IAEA等々からそういう批判があったというふうに記憶しております。
 あの事故の結果、これは一つの大きな成果だと思っておりますけれども、行政府の中においては、推進と規制が完全に分離された、非常に独立性の強い原子力規制委員会、原子力規制庁が設置をされて、国家行政組織法三条委員会という位置づけが与えられて、独立して事業者等々を規制、監視するということになったわけでございます。これは一つの成果であると思っております。
 ただ、一方で、独立性が強いがゆえに、当然、人間は間違いを犯す可能性がございますから、これは規制委員会そのものも、場合によっては間違いがあったり、あるいは行き過ぎがあったりするかもしれない。したがって、独立性の強い規制委員会に対しては、やはり国会を始めとする各機関が、言論の自由というのがありますから、様々な言論空間の中で批判が行われるのは当然だと思いますし、また、それに対して規制委員会、規制庁は本当に謙虚に応えていく義務があるというふうに考えておりますけれども、国会あるいはアドバイザリー・ボードの先生方の御支援をいただきながら、間違いがあれば正していくということをしっかりとやっていくということではないかというふうに考えております。
 ちょっと今申し上げたような観点から幾つか質問させていただきたいと思いますけれども、時間が余りないので申し訳ないんですが、一つは佐藤先生に、このプレゼンをいただいた資料の五ページとそれから六ページになるんですけれども、一つは、五ページで、核テロ対策の課題についていろいろなお話がありました。
 これは、私もちょっと勉強不足で申し訳ないんですけれども、確かに規制委員会の核テロ対策の部分では完全なブラックボックスになっていまして、議事そのものも非公開です。ただ、彼らの言い方というのは、当然、テロリストに攻撃に資するような情報を与えてはならないということで、これは保秘の必要性が非常に高いので一切公開しないということを繰り返し言っていて、事実上ブラックボックスになっているわけですけれども、これは、今お話をお伺いしますと、アメリカでは運用が違うんですか。つまり、例えば設計基準脅威の具体的な明示というようなことも、恐らく日本では非公開というような扱いになっているのかなと思うんですけれども、ここのアメリカと日本の違いというようなものをもう少し具体的に教えていただけば大変助かります。
 それから、もう一つは、次の六ページ、より経済的にというプレゼンの資料の一番最後の部分、改革は発電事業者の主導によるべきだがというところ、これは私も大賛成でございますけれども、規制機関としても、今から必要な規制インフラの整備を検討すべきと書いてありますけれども、この規制インフラの整備というのは具体的にどのようなことを指すのか。
 といいますのは、むしろ、これは立場の違いによっていろいろな意見がありますけれども、今、一般的な意見としては、リスク評価に基づかず、規制委員会あるいは規制庁は過重な規制をかけているのではないかというような批判もあるわけでございまして、ここに、更に規制インフラの整備というのは具体的にどういう意味を示しておられるのかということをもう少し具体的に御教示いただければ大変助かります。
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佐藤暁#14
○佐藤参考人 御質問をどうもありがとうございました。
 今の御質問に対してお答え申し上げます。
 まず最初に、設計基準脅威についての御質問でした。これは、アメリカの場合には、特に二〇〇一年の、九・一一と言っている具体的なテロがあったわけですので、それをきっかけに引き締められたという経緯もありまして、大分エスカレートした内容になっているというふうに見受けられるわけです。
 そういうこともありまして、この設計基準脅威に関しては、具体的に申し上げれば、同時多発テロが、まさに同時多発だったわけです、それから自爆テロだったわけです、こういったことが原子力発電所に対しても行われるのではないか。一か所だけからの攻撃ではなくて、陸からも海からも同時に攻められてくるのではないか。それから、そのテロリストというのは、高度に訓練をされて、武器というよりは兵器の扱いにも慣れていて、人を殺傷すること、自分が殺されること、それを恐れないで攻めてくるのではないか。そういった特性を具体的にうたっているわけです。
 ですので、そういう脅威に対して対抗できなければならない、自然にそうなるわけですので、それに見合った、セキュリティーのスタッフというよりは、むしろ戦闘員と言っていいくらいのチームを、各発電所に百二十人ぐらいの体制、今やアメリカの原子力発電所は、プラントのスタッフの二割ぐらいがセキュリティーに関係する人たちだというふうに言われているくらいです。発電所の敷地の中も、戦場になる場合を想定して、いろいろなところに、高いところから照明を照らして狙撃をしたりだとか、そういう設備ができてしまっている、そういったところが日米の差です。
 その基になっているのが設計基準脅威ということで、これはもう既に明文化されております。それが最初の御質問に対するお答えです。
 次は、経済的に進めるための、経済的に変えていくための規制インフラというのは具体的にどういうことなのかということですが、私の御提示しました資料の八ページを見ていただけると説明しやすいんですけれども、八ページのスライドに、具体的にどういうことをやってアメリカが経済性を高めてきたかということが書いてあります。
 例えば、設備利用率の向上ということの中には、今、日本では、十三か月を超えない頻度で、止めて検査をしないといけない、そうなっているわけですけれども、それも、アメリカでは、大分早い時期に十八か月、二十四か月というふうに延ばして、しかも、止めて検査するばかりでなくて、運転しながら検査をするということ。それから、検査の範囲も決まっているわけなんですけれども、その検査の中には無駄な、必要のない検査までやっていないか、そういうものをリスク評価をして削減をしたりとか、そういうこともやっているわけですね。
 それは、電力会社が自主的に、勝手に、いいことではないわけです。当然、そういったことをするときには、安全上のリスクが高まるという見方もあるわけですので、それをやはり規制としても見ていかないといけない。ですので、それは規制の中に盛り込まれなければなりません。
 あるいは、今、百万キロワットで発電している発電所を百十五万キロワットに引き上げるということをするならば、そのタービンを回すための蒸気流量を増やしたりだとか発電機の能力を上げたりだとか、いろいろなところを変えていかないといけません。蒸気の流量が増えれば、それだけ振動しやすくなるとか劣化が進むとか、そういうこともあります。ですから、そういう場合にはどういったところを見ていかないといけないのか。
 もっといろいろたくさんありますけれども、日本でも、最近、認可更新が四十年から六十年に延長されているわけです。これも、簡単にオーケーしたわけではないわけですね。劣化管理をしっかりやっていくというところを審査をして、それを許可しているわけです。
 こういった規制の活動はたくさんあります。審査をすること、検査をすること、たくさんあります。それを全てシステム化する。システム化されたもの、それが規制インフラであります。
 以上がお答えになります。
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細田健一#15
○細田委員 ありがとうございました。
 規制行政の改善に当たって、大変ありがたい御示唆をいただいたと思っております。本当にありがとうございます。
 先ほどちょっとお話をしましたけれども、典型的な現在の規制委員会あるいは規制庁に対する批判の一つが、審査に時間がかかり過ぎているんじゃないかという議論がございます。
 これは、今、新規制基準に対して設置変更許可を各プラントが取ろうとしているわけなんですけれども、行政手続法では、標準処理期間が二年とされています。しかし、二年とされているにもかかわらず、もう七、八年が当たり前みたいな感じになっていまして、これは規制委員会、規制庁の方にも様々な言い分がありますし、私も、ある程度、そういうこともあるのかなというところもあるんですけれども、やはり通常の民間と政府の関係から考えると、それこそ、場合によっては行政訴訟を起こされてもおかしくないようなレベルじゃないかなという気もしないではありません。
 この点について、橘川先生と鈴木先生、審査に時間がかかり過ぎているんじゃないかという批判、また、これを改善するために何かできることはないのかどうかという点について、橘川先生と鈴木先生から御知見をいただきたいと思います。
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橘川武郎#16
○橘川参考人 私は専門ではないので、私の判断では、規制委員会は全体としていい仕事をしていると思います。理由は、賛成派も反対派も規制委員会を批判しているからです。
 以上です。
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鈴木達治郎#17
○鈴木参考人 御質問ありがとうございました。
 アメリカも、スリーマイル島の事故の後、やはり規制が非常に厳しくなって、大変審査が長くなったり複雑になった経緯があって、そのときにどうやって改善したかというと、今、佐藤さんからお話がありましたが、アメリカでは、INPO、原子力発電運転者協会をつくって、合理的にデータに基づくリスク評価をやりましょうということで、時間はかかりましたけれども、機器そのものの事故率とかをいろいろ調べて、データに基づいて、ここの分野は審査はそんなに頻繁にやらなくていい、ここはやらなきゃいけないと重点的に変えていって、それで、リスクインフォームド規制というものを九〇年代に入って、これが大きな転換期になりましたので、日本も、やはり産業界でデータをそろえて、規制当局と話をして、合理的な規制に持っていくのがいいのではないかと思います。
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細田健一#18
○細田委員 ありがとうございました。
 確かに、今お話があったとおり、私自身も、一番いいのは、取りあえずピアレビューといいますか、やはり原子炉のことが一番分かっているのは原子力事業者ですから、例えば、東電のOBの方がほかのBWRをいろいろ審査して、その結果について行政が追認するというような形の規制が一番望ましいのではないかというふうに個人的には考えております。
 やや推進側の議論に入るんですが、先ほど鈴木先生からお話があった、NUMOが適地を指定すべきではないかということ、これも本当に私も大賛成でございまして、国策民営といいながら、やはり今のやり方では、特に地方の首長さんに非常に多大な精神的負担がかかるので、これについても是非きちんと参考にさせていただきたいというふうに思っております。貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 もう時間がなくなりつつあるんですけれども、それでは、最後に黒川先生に、せっかくの機会ですので。
 この十三年間、いろいろな御尽力をいただきまして、本当にありがとうございました。変わらないところもありますし、また、先ほど申し上げたように、例えば、政府の中では推進と規制の分離というのが今明確に行われるようになりましたので、それ自体は一つの成果だと思っています。また、それに基づいて、規制機関、先ほど橘川先生の方から、右も左も規制委員会を批判しているから、正しい道を行っているんじゃないかというのは私も全く同意でございまして、特に、推進側あるいは推進しないということ、これは本当に政治的な立場は様々ありまして、当然のことだと思いますけれども、ただ、双方から批判されるということは、逆に、正しい道を進んでいるのかなという思いもいたしております。
 黒川先生の目から御覧になって、今の規制機関の在り方、あるいは、ここはもう少し何とかしたらいいんじゃないかというような点があれば、是非御教示いただければありがたいと思います。
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黒川清#19
○黒川参考人 ありがとうございます。
 私も、実は、ずっとこのところ考えておりまして、日本は何が普通じゃないのかということですね。今日、見ていても、ほとんど男の人ばかりですよね。普通の民主主義の国、大体二十四ぐらいあると思いますけれども、こんなところはないと思うんですよ。なぜそうなのかということが全部の元にあるんじゃないかと思っています。
 圧倒的に男の人が多いんですけれども、例えば、二世議員はどのぐらいいるか。つまり、民主主義の国で二世議員がどのぐらいいるかというと、どのぐらいだか知っていますか。一番多いのがタイとフィリピンですね、三番目がアイスランドです。分かりますか、どうしてか。四番目が日本なんですよ。なぜなのか。こういうところが全部一緒になっているんじゃないかと思うんですね。
 この間、ちょっと大蔵省の人が三人ぐらい来られて、どうしてこうなのかという話を聞きに来たんですけれども、例えば、ハーバード大学とかケンブリッジ大学というのは皆さん御存じですよね。あそこは、世界ではいい大学だと思いますね。大蔵省にそういうことを言うと、頭で考えさせるというのはすごく大事だと思うので、ああいうところに入るのに入学試験というのはあるかね、こう聞くわけですね。あると思いますか、ないと思いますか。どうやって採ると思いますか。ないですよ。何で日本はあるわけ、そうすると。日本の教育というのは、入試をターゲットにした教育をしているんじゃないですか。
 東京大学の学生の才能はどこに生かされているかなんという話をまた次にするんですけれども、そうすると、みんな考えてから返事をして、どうせ自分たちもみんな東京大学ですから、こうだとは言えないので、何でしょうとしばらく考えてから言うんです。何だと思いますか、東大の学生の才能が生かされているところ、明らかにほかより優秀だ。クイズ番組ですよ。何でも知っていて、すぐ正解を出せるという人でしょう。そんなのがどういう役に立つわけ。それでうまくいっていたんですよ、なぜか。
 皆さん、民主主義だと言うけれども、本当に民主主義になるというのは、歴史的に見ても何かすごいバトルがあるはずですよ、ヨーロッパから始まっているにしても。そうすると、王様なんかは大体どこかですっ飛んじゃうわけですけれども、日本は民主主義になったんでしょうかね。戦争に負けて、マッカーサーが来たわけですよね。これが民主主義だよと言うから投票しているだけなんじゃないかと私は思っています。つまり、それでうまくいったからですよ。
 ジャパン・アズ・ナンバーワンと書いた人はエズラ・ボーゲルさんですけれども、あの人は、若いときからのターゲットは何をしているかというと、中国を勉強しているわけですよね。一九七〇年ぐらいに行くんだけれども、必ず日本に寄らないと中国に行けないわけじゃないですか。日本にそのときにワンストップしているときに、日本が成長し始めたので、一九七五年ぐらいだと思いますけれども、二、三年おられるんですよ。いろいろな人に話を聞いてあれを書くんですね、ジャパン・アズ・ナンバーワンになるような素質があるねと。これがばか売れしたんですね、日本語に訳すと。みんながボーゲル先生、ボーゲル先生と。日本は褒めると売れるんだということが分かったわけですよ。つまり、外から見ると、何が違うのかという理由をずっと考えていると、そこなんじゃないかと思うんですね。
 この三十年、OECDの国で日本だけGDPが増えていないのはよく御存じでしょう。どうしてか、それを考えてくださいよ。
 例えば、いい大学に入って、東京大学でもいいんだけれども、三菱銀行に入るじゃないですか。十年もすれば、それなりのバンカーでしょう。住友銀行に移れますか、移りにくいでしょう。そんな国があると思いますか。その人たちはバンカーなんだから、三菱銀行のものじゃないんですから。
 それでうまくいったのはなぜなのか、この三十年、GDPが増えないのはなぜなのか、そこを考えないと、常にペリフェリーの一つ一つのことで議論をしているのが日本で、すごくまずいんじゃないかなというのが私の最近の考えです。
 それでうまくいった理由を、この三十年、GDPは日本だけ増えていないじゃないですか。何でメディアが言わないわけ。
 例えば、朝日新聞に入って十五年もすれば、朝日新聞のジャーナリストだけれども、ほかの、毎日新聞なんかに移れますか、移れないじゃないですか。だから、紹介するときに、あなたは何ですかと言ったら、私はジャーナリストなんて言いませんよ、朝日新聞の者ですと言うんだから。これがジャパンなんですよね。
 今、ここは皆さん男ばかりだけれども、こういうのはすごくへんてこりんというか、異常ですよね。それで、私が最近言っていることは、男の人と女の人とは基本的に価値観の座標が違うんだという話を結構しているんですけれども、また、私はお医者さんだし、アメリカで十四年ぐらいキャリアをつくっていたので、日本の弱いところというのはよく気になるんですよね、かえって。もう帰れないと思っていると、日本がいろいろなことをやっているのは分かるんだけれども、何かこれはまずいんじゃないのということがよく見えちゃうんですね。
 だから、そういう意味で、すごく変なところで変なことをやっているんじゃないかなというのが私の感想ですよね。やはり女性が考えることというのは全然違うと思うんだけれども、いろいろなものによるから。そういうことです。
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平将明#20
○平委員長 先生、本質的なお話なんですけれども、時間が来ておりますので。
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細田健一#21
○細田委員 石橋先生には、時間がなくて、失礼いたしました。
 終わります。ありがとうございました。
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平将明#22
○平委員長 次に、田嶋要君。
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田嶋要#23
○田嶋委員 立憲民主党の田嶋要です。よろしくお願いします。
 最後に黒川先生の御高説をいただきまして、ありがとうございます。本当に、考え出すと、そうした日本の状況から全て派生して様々なことが起きているなということは私も毎日感じるわけでございますが、同時に、この国はこういう国の形で、日本のペースでしか変わっていけないのかなという半分諦めのような気持ちもいつも持つわけでございます。
 今日は久しぶりのアドバイザリー・ボードでありますので、今の黒川先生のお話を受けて、これまでの十数年を振り返って、恐らく、石橋先生も大変な御不満をお持ちになって今日発表されておるかと思います。
 改めて、必ずもう一度過酷な事故が起きる可能性がある、そういう仮定に立って、少なくともこの委員会にいる私たちは想像力たくましく考えていかなければいけない。今まで非常に怠惰だった部分もあるし、やるべきことをやってこれなかったじくじたる思いもたくさんあるわけでございますが、改めて、せっかく今、黒川先生からも大所高所のお話をいただきました、このアドバイザリー・ボードと原子力の特別委員会、今後、どういうふうにあるべきか。
 先ほど、鈴木達治郎先生からも、もっと頻繁に呼んでほしいという話もありましたけれども、私もそんな思いでございますが、よろしければ、石橋先生から、具体的にどうしたらいいかという御提言がもしあったら、いただきたいと思います。
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石橋哲#24
○石橋参考人 ありがとうございます。
 今、日本のペースでしか変わっていけないというお言葉がございました。原子力発電所事故というのは、極めてロジカルに、神に近いような力が物すごいスピードで起きていきます。日本のペースでやっていては間に合いません。総合的な見地から広く検討していく、その場その場で対処するというのでは負けます。相手は神です。
 先ほど御質問がありましたけれども、この委員会として何をなさっていくべきかというお話でございました。この提言を差し上げてから十二年間、国会の先生方に提言実行のための計画をお願いしているんですけれども、先ほど申しましたように、御議論いただきましたのはこの二年間で十秒でございます。
 先生方はやらないという御意思を示していると思われますので、是非、この提言七を御活用いただいて独立調査委員会で計画を作る、それに基づいた計画進捗若しくはそれの精査ということをやることによって、ほかの先生方からも御提案がありました、喫緊の課題、待ったなしの課題を着実に実行していくということを世界にも後世の国民にもお示しいただければというふうに思います。
 以上です。
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田嶋要#25
○田嶋委員 私も、アドバイザリー・ボードをスタートさせたときの筆頭理事もやらせていただいたので、本当にじくじたる思いがあります。改めて先生方からしっかりと御指導いただきながら、やれるべき役割を果たしていきたいと思っております。
 鈴木先生、もっと頻繁にというお話もございましたが、本来だったらどうあるべきだというふうに、何か具体的なイメージがありましたら御提示いただきたい。
 私は、先ほどの最終処分の問題などは、本当に、チームを組んで、できれば国会中二回ぐらい、閉会中も含めて年に、四半期に一回ぐらいは先生方の情報をいただきながら、今日も私は知らないこともございました、先ほどのように、原発推進の前提に立った処分のことしか法律に書かれていないのでという話がありまして、なるほどということで合点がいったわけでございます。
 そうしたことを含めて、私たちでは、残念ながら、国会議員の日常を考えますと、知らないことがたくさんあり過ぎると思います。そうしたことをもう少し、ショックな情報も含めていただける機会を増やすべきと思っておりますが、先生は具体的にどういう御提言がございますか、お願いします。
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鈴木達治郎#26
○鈴木参考人 まず、特別調査委員会ですから、毎回国会を開くたびにつくるんですよね。そうじゃなくて、常設の原子力調査委員会をつくっていただきたいのがまず第一。
 その中で、今おっしゃったみたいに、常設の委員会だと多分予算もつくんじゃないかと思うんですが、トピックごとにちゃんと調査グループをつくって、専門家を交えて、これも独立したグループじゃなきゃいけないと思いますが、調査をしていただいて、提言を受けて、それに基づいて法案を作っていただくというプロセスを明確にする。
 先ほど石橋さんからも御意見がありましたが、やはり計画を作って、目標を達成するような仕組みにしていただくと大変ありがたいかなと思います。
 以上です。
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田嶋要#27
○田嶋委員 ありがとうございます。
 是非、そうした具体的な方向に、今日を契機として始められるように頑張っていきたいというふうに思います。
 それでは、佐藤先生にお尋ねをしたいというふうに思います。
 安全性という点と経済性という点の御指摘がございました。少し具体的でございますが、私も国会で取り上げた件でございますが、原発の炉そのものよりも、使用済燃料の保存の部分、水に、プールで冷却を続ける、そちらの方が危ないんだという指摘。特に、日本の場合には原発の立地の場所でそうした水冷をしているんですが、私どもは、何度かの機会に、海外の基準のように、ドライキャスクという方式をずっと提言をしております。
 先ほど佐藤先生からは、アメリカが実践していることを日本でやれば達成できるというお話がありまして、私は、どうも日本というのは、こういうところでも日本らしさが出るんだと思うんですが、都合のいいところだけつまみ食い的に、ほかの国でやっているからというお墨つきを得ながら日本でやっているような感じがして、その一つがドライキャスクを事業者任せにしているということ。
 今、本当に僅かなところしかそれをしていないと思いますが、これは歴代の規制委員長、田中委員長も更田委員長も、明らかにドライキャスクの方が安全性が高いと明言されているんです。されているけれども、せんだっても私が聞きましたところ、基準はクリアできているからどっちでもいいですよ、ただ、補助金をつけて、インセンティブはドライキャスクに与えています、でも、やるかどうかは事業者任せです、これが今のスタンスなんですね。
 私は、こういうことはあってはいけないというふうに思っておりますが、その点ついて、いかがでしょうか。
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佐藤暁#28
○佐藤参考人 御質問ありがとうございます。お答えいたします。
 まず、プールで冷却するという場合には、どの発電所もプールで貯蔵できる容量に限界があります。ですので、本来であれば、日本の場合には、これを再処理施設に持っていって、タイムリーに処理されていくというはずだったわけですけれども、そのように事は進まなかったわけですので、どんどんどんどん各発電所に蓄積していった。
 電力会社としては、一つの発電所の中で使用済燃料を号機間移動したりだとか、あるいは発電所を、別の発電所に持っていったりだとか、そういうやりくりもしてきたわけですけれども、それも限界に達する、それでとうとうドライキャスクの方にかじを切った、それが現状なんだなというふうに見ております。
 燃料プールで水冷にするか、ドライキャスクで空冷にするか、どっちが安全なのかという点に関して言えば、プールの方は水を強制的に循環して冷却します。これに対して、ドライキャスクは一〇〇%パッシブです。つまり、全く何の動力もなしに自然の熱対流で冷却が進みます。ですので、根本的に原理の違いがあるわけですけれども、ドライキャスクの方が安全だ、それを進めるべきだということを主張された方には、そういう技術的な理由もあったものだというふうに思います。
 お答えになっているでしょうか。
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田嶋要#29
○田嶋委員 今おっしゃっているのは、ドライキャスクの方が必ずしも安全性が高いとは言えないというようなお答えなんでしょうかね、私はそういう理解には立っておりませんけれども。私と一緒の考えということでいいんですか、ドライキャスクの方が安全性が高いということをおっしゃっていらっしゃるということで。
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