村上久美子の発言 (厚生労働委員会)
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○村上参考人 御質問ありがとうございます。
処遇改善につきましては、法人の経営状態が厳しい場合、具体的には、キャッシュフローが不足をしていて事業が継続できないとか、あと、長期的に赤字が継続している、こういった問題がある場合には、処遇改善加算を取得しても、特別な事情に係る届出書というのがあるんですが、これを出すことによって、それを職員に配分しなくてもいいことになっているんです。ただし、その経営状況が改善されたら速やかに配分することということになっているんですけれども、こういった、経営上の課題がある場合に処遇改善加算をいただきながらも配分しなくてもいいというルールがあるわけなので、当然、厳しい経営状況、特に訪問介護事業所は四割近くが赤字だというデータがありますので、その事業所が処遇改善加算を配分していないということは当然あることだと思っています。
今回の訪問介護事業者に対して基本報酬を下げて処遇改善加算をアップしたという方法を取ったことに関してなんですけれども、先ほど申し上げた仕組みがある限りは、基本報酬を下げたことによって赤字になれば、たとえ処遇改善加算を上積みしていても、その上積みして得た分を職員に配分しない特別な事情があるんだということを法人が訴えれば、まあそういう法人が増える可能性が今後出てくると思うんですね、処遇改善加算分のアップ分がそのまま職員に行き渡らないということが更に増えるということが懸念されています。
一方で、処遇改善加算の対象者であるにもかかわらず、支給されたかどうかが分からないという人が、私どもの調査でも一定程度います。その理由は、支給ルールが分かりにくいということなんですね。これは制度の仕組みの問題だと思います。
加算が創設されたときから、制度そのものが、これは加算分というように、明確に分けて支給するようにというふうになっていなかったんですね。ですので、加算を処遇改善手当という名称で支払っているところとか、あと、定昇に使っているところ、それとか、両方のやり方で支払っているところとか、既存の手当に積み増ししていっているところ、いろいろあって、使われ方が多様化していて、複雑な配分になっているんです。ですので、給与明細の中で加算分を切り分けて記載するということができなくなっています。ですので、制度そのものが明確に分けて支給するようにとなっていればこのような声は出てくることはなかったというふうに思います。
それからあと、二月から始まりました支援補助金なんですけれども、まず、六千円ということが言われているんですが、六千円というのは平均額であって、必ずしもその金額だけもらえるわけではありません。
数字にすごくインパクトがあって独り歩きをしてしまうということがこれまでにもありました。一番大きなインパクトがあったのが、二〇一九年十月からの特定加算ですね。こちらで、勤務年数が十年以上の介護福祉士に八万円程度の処遇改善を行うということだったんですが、この八万円が独り歩きをして、それで私どものところにも毎日電話がかかってきて、私は八万円もらえるんでしょうかとか、勤続十年以上なんだけれどもどうなんだとか、すごい多くの問合せがあったんです。
ですので、実際にその数字どおりの金額がもらえなかったときに現場の人たちのモチベーションにかなりの影響を与えるということは、御承知おきいただきたいと思います。
現時点で、支援補助金分だけで大体平均すると四千円ぐらい、まだ交渉真っただ中なので全ての数字は出そろってはおりませんけれども、四千円ぐらい。施設に関しましては、介護職員を法定人員以上に職員を配置しているところがほとんどですのでもちろんその六千円にはなりませんし、訪問介護についても、時給制の方が多いので常勤換算すると六千円にはならないというところでございます。
以上です。