厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
令和六年四月二十三日(火曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長 新谷 正義君
理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
理事 橋本 岳君 理事 三谷 英弘君
理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
秋葉 賢也君 畦元 将吾君
上田 英俊君 勝目 康君
金子 容三君 川崎ひでと君
塩崎 彰久君 鈴木 英敬君
田所 嘉徳君 田畑 裕明君
田村 憲久君 高階恵美子君
中谷 真一君 仁木 博文君
西野 太亮君 堀内 詔子君
本田 太郎君 三ッ林裕巳君
柳本 顕君 山本 左近君
吉田 真次君 阿部 知子君
大西 健介君 堤 かなめ君
西村智奈美君 山井 和則君
柚木 道義君 吉田 統彦君
早稲田ゆき君 一谷勇一郎君
遠藤 良太君 岬 麻紀君
福重 隆浩君 吉田久美子君
宮本 徹君 田中 健君
福島 伸享君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 塩崎 彰久君
参考人
(一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事) 布山 祐子君
参考人
(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長) 村上久美子君
参考人
(東京大学大学院経済学研究科教授) 山口慎太郎君
参考人
(東京大学名誉教授) 佐藤 博樹君
参考人
(日本労働弁護団本部事務局次長) 小野山 静君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
勝目 康君 西野 太亮君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 勝目 康君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案(柚木道義君外八名提出、衆法第六号)
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(柚木道義君外八名提出、衆法第七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時三十分開議
出席委員
委員長 新谷 正義君
理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
理事 橋本 岳君 理事 三谷 英弘君
理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
秋葉 賢也君 畦元 将吾君
上田 英俊君 勝目 康君
金子 容三君 川崎ひでと君
塩崎 彰久君 鈴木 英敬君
田所 嘉徳君 田畑 裕明君
田村 憲久君 高階恵美子君
中谷 真一君 仁木 博文君
西野 太亮君 堀内 詔子君
本田 太郎君 三ッ林裕巳君
柳本 顕君 山本 左近君
吉田 真次君 阿部 知子君
大西 健介君 堤 かなめ君
西村智奈美君 山井 和則君
柚木 道義君 吉田 統彦君
早稲田ゆき君 一谷勇一郎君
遠藤 良太君 岬 麻紀君
福重 隆浩君 吉田久美子君
宮本 徹君 田中 健君
福島 伸享君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 塩崎 彰久君
参考人
(一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事) 布山 祐子君
参考人
(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長) 村上久美子君
参考人
(東京大学大学院経済学研究科教授) 山口慎太郎君
参考人
(東京大学名誉教授) 佐藤 博樹君
参考人
(日本労働弁護団本部事務局次長) 小野山 静君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
辞任 補欠選任
勝目 康君 西野 太亮君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 勝目 康君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案(柚木道義君外八名提出、衆法第六号)
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(柚木道義君外八名提出、衆法第七号)
――――◇―――――
新
新谷正義#1
○新谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案並びに柚木道義君外八名提出、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
本日は、各案審査のため、参考人として、一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事布山祐子君、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長村上久美子君、東京大学大学院経済学研究科教授山口慎太郎君、東京大学名誉教授佐藤博樹君、日本労働弁護団本部事務局次長小野山静君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず布山参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案並びに柚木道義君外八名提出、訪問介護事業者に対する緊急の支援に関する法律案及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。
本日は、各案審査のため、参考人として、一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部参事布山祐子君、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長村上久美子君、東京大学大学院経済学研究科教授山口慎太郎君、東京大学名誉教授佐藤博樹君、日本労働弁護団本部事務局次長小野山静君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず布山参考人にお願いいたします。
布
布山祐子#2
○布山参考人 おはようございます。経団連労働法制本部の布山と申します。
本日は、育児・介護休業法等の一部を改正する法律案に対する経団連の考え方について御説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
改正法案に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、今回の育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の改正は、昨年六月に政府が取りまとめた当時のこども未来戦略方針、これを踏まえたものと理解をしております。
経団連といたしましても、同方針に盛り込まれた共働き、共育ての実現につきましては大変重要と考えております。
そこで、昨年六月には、十倉経団連会長名で、会員企業、団体に対しまして、全ての社員が働きやすい環境整備の推進とともに、特に、男性の育児休業につきましては、政府が掲げる取得率の目標の達成だけではなく、男女がイコールパートナーとして家事、育児を実質的に担うことができる十分な日数の取得に挑戦するよう要請をいたしました。
加えて、本日お手元にお配りしておりますが、春季労使交渉における経営側指針として今年一月に経団連が公表した二〇二四年版経営労働政策特別委員会報告では、賃金引上げのモメンタムの維持強化と併せて、女性に偏っている家事、育児の負担の軽減に向けて、アンコンシャスバイアスを払拭するための研修の実施や、男性による長期の育児休業取得の促進、さらには、性別を問わず、時間外労働の削減、柔軟な就労時間の設定、テレワークの活用、家事、育児支援サービスの利用促進などを広く呼びかけてまいりました。この辺は経労委の報告書の三十六ページあたりに書いてあるところでございます。
その上で、厚生労働省の労働政策審議会における育児・介護休業法の見直しに当たりましては、女性の家事、育児負担が大きい現状の改善や、中小企業における対応のしやすさ、育児期、介護期の社員をサポートする周囲の社員への配慮などを特に重視して議論に臨んでまいりました。
今回の改正法案は、こうした経団連の考え方が反映されており、仕事と育児、介護との両立をしやすい環境整備を大きく発展させるような内容と考えております。
それでは、改正法案に盛り込まれている各措置につきまして、特に重要と考えているものを五点に絞って申し述べます。
まず、子が三歳以降小学校就学前までの間、労働者が柔軟な働き方を活用し、フルタイムで働くことができる措置についてです。
本制度は、従来、育児休業を延長したり、あるいは短時間勤務で就労していた可能性のある女性が、柔軟な働き方により、フルタイムで就労しやすくすることに加え、男性の仕事と家事、育児の両立を促進する観点から、大きな効果が期待できるものと考えております。
設定されている五つの柔軟な働き方につきましては、事業所内の業務の性質、内容に応じて組合せを変えられることのほか、テレワーク等は一か月十日の基準を設けつつも、これを柔軟に運用することが可能とされていること、新たな休暇の付与は、業務の性質、実施体制に照らし、時間単位での取得が困難な業務に従事する労働者について労使協定で除外できることなど、いずれも企業における多様な働き方の実態を踏まえた仕組みと評価しております。
二点目は、子の看護休暇の拡充についてです。
取得事由に入園式や卒園式などの行事参加、感染症に伴う学級閉鎖が追加されること、子の対象年齢を小学校三年生修了まで延長されること、そして、継続雇用期間六か月未満の労働者を労使協定で対象から除外する仕組みを廃止することにつきましては、子供が診療を受けた日数の実態などを勘案した上、多様な労働者のニーズやコロナ禍で生じた学級閉鎖等の状況を踏まえた必要な措置と考えております。
三点目は、子が三歳になるまでの適切な時期に、三歳から小学校就学前までの柔軟な働き方を実現する措置に関する面談等を義務づけること、あわせて、勤務時間や両立制度の利用期間などに関する労働者の意向を確認した上、配慮することを事業主に義務づける制度についてです。
これらの措置は、企業が育児期の全ての従業員の両立を支援する観点から、有効なものと考えております。
各企業の状況に応じて、勤務時間や配置、業務量の調整などについて配慮することが望ましいことが例として示されることになっており、経団連としても周知してまいりたいと考えております。
なお、障害児や医療的ケア児に関しましては、こうしたお子さんを持つ従業員の要望を受けて、短時間勤務や子の看護休暇等の利用可能期間を延長することが望ましいことも指針で示される予定です。
障害児、医療的ケア児につきましては、育児と介護の両面からのアプローチが必要な問題と認識しており、例えば、要介護状態の要件を満たせば介護休暇等の制度を利用可能であることなど、企業に周知してまいりたいと考えております。
四点目は、次世代育成支援対策推進法の見直しについてです。
まず、同法の期限を二〇三五年三月末まで十年延長することにつきましては、急速に進行する少子化に歯止めをかける観点から、不可欠な措置と考えます。その上で、同法に基づく一般事業主行動計画において、男性の育児休業取得率などの状況を把握、分析し、計画を定めること、さらに、行動計画策定指針において、男性の育児休業取得期間に関する目標を設定することが望ましい旨を明示することにつきましては、各企業が自社の状況を踏まえ、男性の家事、育児を促進し、共働き、共育てを実現していく観点から、必要な施策と考えております。
最後に、介護期の両立支援についてです。
家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合、事業主が両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、意向を確認することを義務づけること、また、四十歳のタイミングなどにおいて、事業主が労働者に一律に情報提供を行うこと、介護に関する両立支援制度の利用が円滑に行われるよう、研修の実施、相談体制の整備等の措置を講じることを義務づけることにつきましては、従業員の介護離職を防止し、仕事と介護との両立を支援していく観点から、有効な措置と考えます。
政府におかれましても、自治体等と連携しながら、介護保険制度の更なる周知にお取り組みいただくとともに、中小企業の事業主が周知に活用できるツールの提供などの支援をお願いしたいと思います。
以上が、主な措置についての考え方でございます。
今回の改正法案は、共働き、共育ての実現や介護離職の防止などの観点から大変多くの見直しが盛り込まれており、企業としても、労働組合等と協議しながら準備、対応をしっかりと進めることが求められます。
あわせて、男性の育児休業取得促進や全ての従業員を対象とした長時間労働の是正など働き方改革を継続し、仕事と育児、介護を両立しやすい環境整備に取り組んでいくことが必要と考えております。
経団連といたしましても、引き続き、男性の家事、育児に関する好事例の周知などを通じまして、企業の取組を後押ししてまいる所存でございます。
私からは以上です。ありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →本日は、育児・介護休業法等の一部を改正する法律案に対する経団連の考え方について御説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
改正法案に賛成の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、今回の育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の改正は、昨年六月に政府が取りまとめた当時のこども未来戦略方針、これを踏まえたものと理解をしております。
経団連といたしましても、同方針に盛り込まれた共働き、共育ての実現につきましては大変重要と考えております。
そこで、昨年六月には、十倉経団連会長名で、会員企業、団体に対しまして、全ての社員が働きやすい環境整備の推進とともに、特に、男性の育児休業につきましては、政府が掲げる取得率の目標の達成だけではなく、男女がイコールパートナーとして家事、育児を実質的に担うことができる十分な日数の取得に挑戦するよう要請をいたしました。
加えて、本日お手元にお配りしておりますが、春季労使交渉における経営側指針として今年一月に経団連が公表した二〇二四年版経営労働政策特別委員会報告では、賃金引上げのモメンタムの維持強化と併せて、女性に偏っている家事、育児の負担の軽減に向けて、アンコンシャスバイアスを払拭するための研修の実施や、男性による長期の育児休業取得の促進、さらには、性別を問わず、時間外労働の削減、柔軟な就労時間の設定、テレワークの活用、家事、育児支援サービスの利用促進などを広く呼びかけてまいりました。この辺は経労委の報告書の三十六ページあたりに書いてあるところでございます。
その上で、厚生労働省の労働政策審議会における育児・介護休業法の見直しに当たりましては、女性の家事、育児負担が大きい現状の改善や、中小企業における対応のしやすさ、育児期、介護期の社員をサポートする周囲の社員への配慮などを特に重視して議論に臨んでまいりました。
今回の改正法案は、こうした経団連の考え方が反映されており、仕事と育児、介護との両立をしやすい環境整備を大きく発展させるような内容と考えております。
それでは、改正法案に盛り込まれている各措置につきまして、特に重要と考えているものを五点に絞って申し述べます。
まず、子が三歳以降小学校就学前までの間、労働者が柔軟な働き方を活用し、フルタイムで働くことができる措置についてです。
本制度は、従来、育児休業を延長したり、あるいは短時間勤務で就労していた可能性のある女性が、柔軟な働き方により、フルタイムで就労しやすくすることに加え、男性の仕事と家事、育児の両立を促進する観点から、大きな効果が期待できるものと考えております。
設定されている五つの柔軟な働き方につきましては、事業所内の業務の性質、内容に応じて組合せを変えられることのほか、テレワーク等は一か月十日の基準を設けつつも、これを柔軟に運用することが可能とされていること、新たな休暇の付与は、業務の性質、実施体制に照らし、時間単位での取得が困難な業務に従事する労働者について労使協定で除外できることなど、いずれも企業における多様な働き方の実態を踏まえた仕組みと評価しております。
二点目は、子の看護休暇の拡充についてです。
取得事由に入園式や卒園式などの行事参加、感染症に伴う学級閉鎖が追加されること、子の対象年齢を小学校三年生修了まで延長されること、そして、継続雇用期間六か月未満の労働者を労使協定で対象から除外する仕組みを廃止することにつきましては、子供が診療を受けた日数の実態などを勘案した上、多様な労働者のニーズやコロナ禍で生じた学級閉鎖等の状況を踏まえた必要な措置と考えております。
三点目は、子が三歳になるまでの適切な時期に、三歳から小学校就学前までの柔軟な働き方を実現する措置に関する面談等を義務づけること、あわせて、勤務時間や両立制度の利用期間などに関する労働者の意向を確認した上、配慮することを事業主に義務づける制度についてです。
これらの措置は、企業が育児期の全ての従業員の両立を支援する観点から、有効なものと考えております。
各企業の状況に応じて、勤務時間や配置、業務量の調整などについて配慮することが望ましいことが例として示されることになっており、経団連としても周知してまいりたいと考えております。
なお、障害児や医療的ケア児に関しましては、こうしたお子さんを持つ従業員の要望を受けて、短時間勤務や子の看護休暇等の利用可能期間を延長することが望ましいことも指針で示される予定です。
障害児、医療的ケア児につきましては、育児と介護の両面からのアプローチが必要な問題と認識しており、例えば、要介護状態の要件を満たせば介護休暇等の制度を利用可能であることなど、企業に周知してまいりたいと考えております。
四点目は、次世代育成支援対策推進法の見直しについてです。
まず、同法の期限を二〇三五年三月末まで十年延長することにつきましては、急速に進行する少子化に歯止めをかける観点から、不可欠な措置と考えます。その上で、同法に基づく一般事業主行動計画において、男性の育児休業取得率などの状況を把握、分析し、計画を定めること、さらに、行動計画策定指針において、男性の育児休業取得期間に関する目標を設定することが望ましい旨を明示することにつきましては、各企業が自社の状況を踏まえ、男性の家事、育児を促進し、共働き、共育てを実現していく観点から、必要な施策と考えております。
最後に、介護期の両立支援についてです。
家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合、事業主が両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、意向を確認することを義務づけること、また、四十歳のタイミングなどにおいて、事業主が労働者に一律に情報提供を行うこと、介護に関する両立支援制度の利用が円滑に行われるよう、研修の実施、相談体制の整備等の措置を講じることを義務づけることにつきましては、従業員の介護離職を防止し、仕事と介護との両立を支援していく観点から、有効な措置と考えます。
政府におかれましても、自治体等と連携しながら、介護保険制度の更なる周知にお取り組みいただくとともに、中小企業の事業主が周知に活用できるツールの提供などの支援をお願いしたいと思います。
以上が、主な措置についての考え方でございます。
今回の改正法案は、共働き、共育ての実現や介護離職の防止などの観点から大変多くの見直しが盛り込まれており、企業としても、労働組合等と協議しながら準備、対応をしっかりと進めることが求められます。
あわせて、男性の育児休業取得促進や全ての従業員を対象とした長時間労働の是正など働き方改革を継続し、仕事と育児、介護を両立しやすい環境整備に取り組んでいくことが必要と考えております。
経団連といたしましても、引き続き、男性の家事、育児に関する好事例の周知などを通じまして、企業の取組を後押ししてまいる所存でございます。
私からは以上です。ありがとうございます。拍手
新
村
村上久美子#4
○村上参考人 皆さん、おはようございます。私は、UAゼンセン日本介護クラフトユニオンで副会長を務めております村上でございます。
本日は、参考人としてお招きいただきまして、ありがとうございます。
私ども日本介護クラフトユニオン、略称NCCUと申しますが、企業の垣根を越えて、全国の介護従事者で組織しております、日本では珍しい職業別労働組合です。現在、組合員数は約八万七千名、労使関係のある法人が六十四法人です。
本日は、介護従事者、労働者の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、育児・介護休業法の、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充についてです。
私も共働きで子供を二人育ててきて、その間、一番大変だった時期が、子供を保育所に預けて職場復帰した生後六か月から、子供が小学校に上がって自分で自分のことが何とかできるようになった小学校三年生までの間でした。
今回の改正法案を見てみると、柔軟な働き方の中にテレワークが入っていることはありがたいと思いました。ただ、子供は小さければ小さいほど病気になることが多いので、三歳までの施策については、努力義務というだけではなく、より多くの企業が導入できるように工夫していただければ、今より一層働きやすくなるのではないかと思います。
また、小学校では学童保育のお世話になりますが、受入れを小学校三年生まで、時間は十八時までとしているところが多いです。しかし、学童は保育所より預けられる時間が短いということから、いわゆる小一の壁というものが立ちはだかっています。この壁を乗り越えることができなくて、仕事を辞めてしまう親がいます。それを考えると、所定外労働の免除については、子の看護休暇と同様、小学校三年生まで延長していただき、壁を乗り越える手助けをしていただきたいと思います。
次に、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援の強化についてです。
両立支援制度等に関する情報の周知が事業主に義務づけられるということです。私どもも介護離職防止についてお話しさせていただく機会がありますが、両立支援制度自体を知らない方がとても多いです。また、お手元の資料がございますけれども、一ページを見ていただきますと、仕事を辞める理由となった勤務先の問題で最も多いのは、勤務先に介護休業制度等の両立支援制度が整備されていなかったとなっています。このようなことから、周知を義務化することによっておのずと自社の制度を整備しなくてはならなくなりますので、介護離職防止にとても有効だと思います。
また、先が見えない介護期の対応としてテレワークが選択できることはとてもありがたい措置ですが、努力義務となると対応は企業の裁量に委ねられることから、要件を加えた上での義務化が望ましいと思いました。
一方で、資料二ページを見ていただきますと、こちらは施設入所できるまでの期間が載っています。三か月以内が最も多いのですが、次いで、二年超が一七・九%となっています。介護休業は法律で九十三日、三分割で取れることになっていますが、法律の範囲内では足りません。
入所できるまで在宅で切り抜けようと考えたとしても、資料の三ページにありますように、在宅での重度者が多く利用している看多機、定期巡回の事業所数は、全国の自治体数にも満たない状態です。地域包括ケアシステムは二〇二五年を目途に構築を目指すとしていますが、このように地域によって整備の仕方にばらつきがある状態では厳しいと思います。結果として、仕事を辞める理由となった介護サービスの問題として、利用待ちが発生していて利用できなかった、希望する介護サービスが地域で提供されておらず利用できなかったということです。
つまり、仕事と介護の両立を支援するために法律を整備することはすばらしいのですが、実際に両立しようとした場合、介護サービスが充実していなければ仕事に戻れないことになるのです。
ところが、今、介護現場は疲弊しています。資料の四ページですが、私どもが毎年行っている調査での組合員の記述内容です。幾つかピックアップしました。最も多い内容が人手不足、次が賃金の低さです。
また、介護サービスの中でも在宅サービス、そして訪問介護サービスは要であると言っても過言ではなく、仕事との両立、そして家族のレスパイトの観点からも欠かせないサービスです。しかし、その訪問介護のサービスの求人倍率は、資料五ページにあるとおり、十五倍を超えています。その結果、資料六ページを見ると、介護を必要としていても介護員がいないため断らざるを得ないというような状況になっていて、いわゆる介護難民が発生することになっています。
そのような中、本年四月から、介護報酬の改定によって処遇改善加算率が大幅アップされるとともに、訪問介護サービスの基本報酬が切り下げられました。もちろん、私ども働く者にとって、各種処遇改善加算が一本化され、加算率も大幅アップしたことについては大変感謝しております。ですが、加算率のアップと基本報酬の引下げとは別の話です。それは現場の従事者もよく理解しています。
資料の七ページのデータを御覧ください。基本報酬の引下げには九九・二%が反対。処遇改善加算の加算率を高く設定したため、事業収入全体では影響がないという説明に納得できるとした割合が僅か五・八%。そして、加算率を高くするだけでは人材は確保できないとした割合が九〇%。
確かに、私たちは、人材の確保、定着のための最も有効な処方箋は処遇改善であるということを言い続けておりますが、雇用される事業者が安定した運営がなされているということが大前提です。
その事業者ですが、ある法人では既に四月になる前に、継続の見込みが立たないと判断した事業所を数か所廃止しました。また、これまでやってこなかった訪問事業所の統廃合に踏み切る考えがある、現行の給与を下げることも視野に入れなければいけないという声も聞かれています。
訪問介護員の賃金は、処遇改善加算だけで支払われているわけではなく、そのほとんどは基本報酬から支払われています。基本報酬が引き下げられ事業収入が落ちても、賃金を下げることなく、そして引き上げていこうとしたら、事業運営に支障を来します。先行き不安な事業所に、果たして人は集まるのでしょうか。
このようなことから、次期改定を待たずに訪問介護事業者が需要に応じて安定的に提供できる体制を確保する観点から、補助金の支給が必要だと考えております。
また、介護人材の不足ということから、厚労省は介護経営の大規模、協働化を図っていく方向であるのは承知していますが、特に地方で暮らす高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしく最後まで暮らすことができるように、通所介護のように規模別に分けて単位数を決め、小規模事業者に手厚くするということも必要なことではないかと思います。
介護離職防止のためには介護サービスの利用は必須なのですが、それを担う介護従事者が充足していなければサービスを提供することができません。介護従事者の確保、定着のためには、処遇改善が重要です。
岸田総理も全産業平均との格差是正や構造的賃上げについておっしゃられていましたが、資料八ページを見ていただくと、介護従事者の平均賃金と全産業平均との格差は五万五千円。そして資料九ページ、昨年の賃上げ率、一般企業では過去最高の三・五八%でしたが、介護分野では一・四二%。今年の春闘は、四月二日現在、五・二四%、介護分野は二〇二四年度分が二・五%の賃上げ見込みとなっています。これでは、国が行っている処遇改善加算によって縮まりかけていた格差は広がるばかりです。したがって、介護従事者の賃金と全産業平均賃金を同水準にするべく、更なる処遇改善をお願いしたいと思います。
育児・介護休業法が改正され、育児、介護の両立支援体制が強力に推進されることはすばらしいと思いますが、一方で、この法律だけではカバーできない両立支援の問題があり、それを解決していかなければ、労働力人口減少への対策にはならないのではないでしょうか。
以上で、私からの意見陳述を終了いたします。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、参考人としてお招きいただきまして、ありがとうございます。
私ども日本介護クラフトユニオン、略称NCCUと申しますが、企業の垣根を越えて、全国の介護従事者で組織しております、日本では珍しい職業別労働組合です。現在、組合員数は約八万七千名、労使関係のある法人が六十四法人です。
本日は、介護従事者、労働者の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、育児・介護休業法の、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充についてです。
私も共働きで子供を二人育ててきて、その間、一番大変だった時期が、子供を保育所に預けて職場復帰した生後六か月から、子供が小学校に上がって自分で自分のことが何とかできるようになった小学校三年生までの間でした。
今回の改正法案を見てみると、柔軟な働き方の中にテレワークが入っていることはありがたいと思いました。ただ、子供は小さければ小さいほど病気になることが多いので、三歳までの施策については、努力義務というだけではなく、より多くの企業が導入できるように工夫していただければ、今より一層働きやすくなるのではないかと思います。
また、小学校では学童保育のお世話になりますが、受入れを小学校三年生まで、時間は十八時までとしているところが多いです。しかし、学童は保育所より預けられる時間が短いということから、いわゆる小一の壁というものが立ちはだかっています。この壁を乗り越えることができなくて、仕事を辞めてしまう親がいます。それを考えると、所定外労働の免除については、子の看護休暇と同様、小学校三年生まで延長していただき、壁を乗り越える手助けをしていただきたいと思います。
次に、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援の強化についてです。
両立支援制度等に関する情報の周知が事業主に義務づけられるということです。私どもも介護離職防止についてお話しさせていただく機会がありますが、両立支援制度自体を知らない方がとても多いです。また、お手元の資料がございますけれども、一ページを見ていただきますと、仕事を辞める理由となった勤務先の問題で最も多いのは、勤務先に介護休業制度等の両立支援制度が整備されていなかったとなっています。このようなことから、周知を義務化することによっておのずと自社の制度を整備しなくてはならなくなりますので、介護離職防止にとても有効だと思います。
また、先が見えない介護期の対応としてテレワークが選択できることはとてもありがたい措置ですが、努力義務となると対応は企業の裁量に委ねられることから、要件を加えた上での義務化が望ましいと思いました。
一方で、資料二ページを見ていただきますと、こちらは施設入所できるまでの期間が載っています。三か月以内が最も多いのですが、次いで、二年超が一七・九%となっています。介護休業は法律で九十三日、三分割で取れることになっていますが、法律の範囲内では足りません。
入所できるまで在宅で切り抜けようと考えたとしても、資料の三ページにありますように、在宅での重度者が多く利用している看多機、定期巡回の事業所数は、全国の自治体数にも満たない状態です。地域包括ケアシステムは二〇二五年を目途に構築を目指すとしていますが、このように地域によって整備の仕方にばらつきがある状態では厳しいと思います。結果として、仕事を辞める理由となった介護サービスの問題として、利用待ちが発生していて利用できなかった、希望する介護サービスが地域で提供されておらず利用できなかったということです。
つまり、仕事と介護の両立を支援するために法律を整備することはすばらしいのですが、実際に両立しようとした場合、介護サービスが充実していなければ仕事に戻れないことになるのです。
ところが、今、介護現場は疲弊しています。資料の四ページですが、私どもが毎年行っている調査での組合員の記述内容です。幾つかピックアップしました。最も多い内容が人手不足、次が賃金の低さです。
また、介護サービスの中でも在宅サービス、そして訪問介護サービスは要であると言っても過言ではなく、仕事との両立、そして家族のレスパイトの観点からも欠かせないサービスです。しかし、その訪問介護のサービスの求人倍率は、資料五ページにあるとおり、十五倍を超えています。その結果、資料六ページを見ると、介護を必要としていても介護員がいないため断らざるを得ないというような状況になっていて、いわゆる介護難民が発生することになっています。
そのような中、本年四月から、介護報酬の改定によって処遇改善加算率が大幅アップされるとともに、訪問介護サービスの基本報酬が切り下げられました。もちろん、私ども働く者にとって、各種処遇改善加算が一本化され、加算率も大幅アップしたことについては大変感謝しております。ですが、加算率のアップと基本報酬の引下げとは別の話です。それは現場の従事者もよく理解しています。
資料の七ページのデータを御覧ください。基本報酬の引下げには九九・二%が反対。処遇改善加算の加算率を高く設定したため、事業収入全体では影響がないという説明に納得できるとした割合が僅か五・八%。そして、加算率を高くするだけでは人材は確保できないとした割合が九〇%。
確かに、私たちは、人材の確保、定着のための最も有効な処方箋は処遇改善であるということを言い続けておりますが、雇用される事業者が安定した運営がなされているということが大前提です。
その事業者ですが、ある法人では既に四月になる前に、継続の見込みが立たないと判断した事業所を数か所廃止しました。また、これまでやってこなかった訪問事業所の統廃合に踏み切る考えがある、現行の給与を下げることも視野に入れなければいけないという声も聞かれています。
訪問介護員の賃金は、処遇改善加算だけで支払われているわけではなく、そのほとんどは基本報酬から支払われています。基本報酬が引き下げられ事業収入が落ちても、賃金を下げることなく、そして引き上げていこうとしたら、事業運営に支障を来します。先行き不安な事業所に、果たして人は集まるのでしょうか。
このようなことから、次期改定を待たずに訪問介護事業者が需要に応じて安定的に提供できる体制を確保する観点から、補助金の支給が必要だと考えております。
また、介護人材の不足ということから、厚労省は介護経営の大規模、協働化を図っていく方向であるのは承知していますが、特に地方で暮らす高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしく最後まで暮らすことができるように、通所介護のように規模別に分けて単位数を決め、小規模事業者に手厚くするということも必要なことではないかと思います。
介護離職防止のためには介護サービスの利用は必須なのですが、それを担う介護従事者が充足していなければサービスを提供することができません。介護従事者の確保、定着のためには、処遇改善が重要です。
岸田総理も全産業平均との格差是正や構造的賃上げについておっしゃられていましたが、資料八ページを見ていただくと、介護従事者の平均賃金と全産業平均との格差は五万五千円。そして資料九ページ、昨年の賃上げ率、一般企業では過去最高の三・五八%でしたが、介護分野では一・四二%。今年の春闘は、四月二日現在、五・二四%、介護分野は二〇二四年度分が二・五%の賃上げ見込みとなっています。これでは、国が行っている処遇改善加算によって縮まりかけていた格差は広がるばかりです。したがって、介護従事者の賃金と全産業平均賃金を同水準にするべく、更なる処遇改善をお願いしたいと思います。
育児・介護休業法が改正され、育児、介護の両立支援体制が強力に推進されることはすばらしいと思いますが、一方で、この法律だけではカバーできない両立支援の問題があり、それを解決していかなければ、労働力人口減少への対策にはならないのではないでしょうか。
以上で、私からの意見陳述を終了いたします。ありがとうございました。拍手
新
山
山口慎太郎#6
○山口参考人 おはようございます。東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎と申します。
本日は、家族政策、労働政策の実証研究を行う経済学者の立場から、本改正案について意見を述べさせていただきたいと思います。
最初に総論を述べさせていただいて、その後、主要な三点についてお話しさせていただきます。
総論としましては、まず、ワーク・ライフ・バランスの改善で、多くの人が活躍する社会をつくることができるのではないかというふうに期待しております。現在、少子高齢化で、労働力不足が実際に進行しておりますし、これが今後深刻化していくことが見込まれていますが、ワーク・ライフ・バランスが改善することによって、全ての人が労働市場に参加していただくことで、御本人も経済的に収入を増やすことができるし、経済社会の安定にもつながるというふうに考えております。
とりわけ、短期的には女性の労働市場における活躍が進むのではないかという点に特に注目しております。
一方で、育児、介護をしながら働けるようになるということになると、じゃ、女性がもっと育児、介護をやったらいいよねというふうに期待されてしまうのではないかという懸念も同時に抱えております。いわゆるマミートラックに女性が押し込められてしまうのではないかということも重要な懸念点として指摘しておきたいと思います。ワーク・ライフ・バランスの改善、それ自体は望ましい方向だというふうに認識しておりますが、同時に、男性が家事、育児を積極的にやりやすくなるような、より踏み込んだ強い措置についても、今後何らかの施策が講じられる必要があるのではないかというふうに考えております。
では、三つの主要な点について意見を述べさせていただきます。
一つ目、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充についてです。
子供を持つ労働者により配慮した制度になることで、子育てと仕事の両立が一層しやすくなるというふうに期待しております。
また、全ての職種で利用可能なわけではないんですが、可能な方については、テレワークの利用というのも、非常に効率的で有効な取組になるのではないかというふうに考えております。
私たちの研究グループでは、テレワークがどのように労働者、特に男性の中高年の方の家事、育児に影響するのか、働き方に影響するのかという点について研究を行いました。その結果、テレワークが増えることによって、家事、育児時間が延びて、家族と過ごす時間が増えていくという好ましい方向の変化が起こることが分かりました。
同時に、通勤時間が減ることによって、労働生産性を犠牲にすることなくワーク・ライフ・バランスの達成に寄与することも分かっています。特に東京のような大都市部では通勤時間が二時間になることも珍しくありませんので、週一日、二日といった少ない日数でも、家族に対して大きな変化を及ぼすことができる非常に有効な施策だというふうに考えております。
また、育休取得などについて個別に意向聴取を行う、個別に配慮を行うことを事業主に義務づけることも非常に重要な取組だというふうに認識しております。
実は、日本は、育休制度については世界でも最も充実したものの一つであるということが、国際機関、ユニセフによって指摘されております。しかしながら、実際の男性の育児休業の取得率を見てみると、先進国の中でも極めて低水準にとどまっています。この背景にあるのは、やはり、職場で同僚、上司に気兼ねしてしまう、遠慮してしまう、そのために、実際のところ、取得はできない、制度としてはあるんだけれども使いにくいというのが現状になっています。こういった周囲に対する気兼ねを打ち破るための一つの方法として、第一歩として、意向聴取を個別に行う、配慮を個別に行うということは重要な変化になり得るというふうに思っています。
もっとも、それだけで直ちに男性の育休取得が容易になるというふうには考えにくいと思われますので、何らかの踏み込んだ施策が更に必要になってくるというふうには考えています。例えば、一部の民間事業所では行われていますが、育休取得者の代替あるいはバックアップとして入る従業員の方に、仕事量が増えるわけですから、追加の手当を支払う、それに対して行政が補助金をつける、そういった取組も、一つの男性育休取得を促進するための有効な取組ではないでしょうか。
二点目、育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進、強化についてです。
多くの若い労働者は、例えば私のような四十代、五十代あるいはそれ以上の労働者と比べて、ワーク・ライフ・バランスを非常に重視する世代だというふうに認識しています。これは各種アンケート調査にも顕著に表れるものですし、男性の育休取得意向などを見ても二十代、三十代ですと八〇%から九〇%で、もう育休を取るということが基本になっています。
こうした状況を必ずしも上の世代は理解できていないのではないかという懸念があるわけなんですが、企業が育休の取得状況を公表することによって、若い労働者がどういう企業で働こうかと選ぶ際にワーク・ライフ・バランスの重視というのが重要な観点になってくる、この部分の情報を透明化することによって、ワーク・ライフ・バランスを重視しているような企業がより若い労働者に選ばれやすくなってきて、将来的には、社会全体で育休を取りやすいような状況をつくり出せるのではないかというふうに期待しています。
今回の改正法案では三百人以上の企業ということになっていますが、今後は、この適用範囲を広げていくことが望ましいというふうに考えています。
また、数値目標の設定も必要な措置だというふうに考えております。一定以上の規模を持つような企業であったとしても、必ずしも自社の状況を把握できているとは限らないというふうに認識しています。自社の状況が正しく把握できていなければ適切な措置を講じることができないので、こういった形で公表義務ですとか数値目標を設定させることによって、社会がより育休を取りやすくなる、ワーク・ライフ・バランスを重視するような方向に進めていくことにつながっていくというふうに思っています。
そして三点目、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化ですが、先ほども申し上げたように、今後、高齢者人口比率というのが上昇していくわけで、そうなってくると労働者不足が大いに懸念されてくるわけです。また、全体の年齢層が上がってくるということは、介護を行う人が今後増えていくことが見込まれています。
こうした状況で、介護離職で労働力を失ってしまうというのは、企業にとっても社会にとっても大きな損失となり得ます。同時に、介護を行われる労働者御本人にとっても所得の減少、喪失につながるので、介護離職を事前に防げるような措置を講じておくというのは社会にとって非常に重要な取組になってくるというふうに認識しております。
最後に、改めて、まとめとして、今改正法案についての意見を述べさせていただきます。
育児、介護と仕事の両立支援を充実させることは、多くの人材を活躍させるために必要な措置であり、労働力不足を迎える日本経済にとって重要な措置になり得るというふうに考えております。
一方で、育児、介護しやすくなるからといって、女性に育児、介護の責任を期待してしまう、押しつけてしまうといったことにならないように、同時に注意していくことも必要であり、男性が育児、介護でもっと大きな役割を担っていくような措置も同時に取っていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
私からは以上です。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、家族政策、労働政策の実証研究を行う経済学者の立場から、本改正案について意見を述べさせていただきたいと思います。
最初に総論を述べさせていただいて、その後、主要な三点についてお話しさせていただきます。
総論としましては、まず、ワーク・ライフ・バランスの改善で、多くの人が活躍する社会をつくることができるのではないかというふうに期待しております。現在、少子高齢化で、労働力不足が実際に進行しておりますし、これが今後深刻化していくことが見込まれていますが、ワーク・ライフ・バランスが改善することによって、全ての人が労働市場に参加していただくことで、御本人も経済的に収入を増やすことができるし、経済社会の安定にもつながるというふうに考えております。
とりわけ、短期的には女性の労働市場における活躍が進むのではないかという点に特に注目しております。
一方で、育児、介護をしながら働けるようになるということになると、じゃ、女性がもっと育児、介護をやったらいいよねというふうに期待されてしまうのではないかという懸念も同時に抱えております。いわゆるマミートラックに女性が押し込められてしまうのではないかということも重要な懸念点として指摘しておきたいと思います。ワーク・ライフ・バランスの改善、それ自体は望ましい方向だというふうに認識しておりますが、同時に、男性が家事、育児を積極的にやりやすくなるような、より踏み込んだ強い措置についても、今後何らかの施策が講じられる必要があるのではないかというふうに考えております。
では、三つの主要な点について意見を述べさせていただきます。
一つ目、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充についてです。
子供を持つ労働者により配慮した制度になることで、子育てと仕事の両立が一層しやすくなるというふうに期待しております。
また、全ての職種で利用可能なわけではないんですが、可能な方については、テレワークの利用というのも、非常に効率的で有効な取組になるのではないかというふうに考えております。
私たちの研究グループでは、テレワークがどのように労働者、特に男性の中高年の方の家事、育児に影響するのか、働き方に影響するのかという点について研究を行いました。その結果、テレワークが増えることによって、家事、育児時間が延びて、家族と過ごす時間が増えていくという好ましい方向の変化が起こることが分かりました。
同時に、通勤時間が減ることによって、労働生産性を犠牲にすることなくワーク・ライフ・バランスの達成に寄与することも分かっています。特に東京のような大都市部では通勤時間が二時間になることも珍しくありませんので、週一日、二日といった少ない日数でも、家族に対して大きな変化を及ぼすことができる非常に有効な施策だというふうに考えております。
また、育休取得などについて個別に意向聴取を行う、個別に配慮を行うことを事業主に義務づけることも非常に重要な取組だというふうに認識しております。
実は、日本は、育休制度については世界でも最も充実したものの一つであるということが、国際機関、ユニセフによって指摘されております。しかしながら、実際の男性の育児休業の取得率を見てみると、先進国の中でも極めて低水準にとどまっています。この背景にあるのは、やはり、職場で同僚、上司に気兼ねしてしまう、遠慮してしまう、そのために、実際のところ、取得はできない、制度としてはあるんだけれども使いにくいというのが現状になっています。こういった周囲に対する気兼ねを打ち破るための一つの方法として、第一歩として、意向聴取を個別に行う、配慮を個別に行うということは重要な変化になり得るというふうに思っています。
もっとも、それだけで直ちに男性の育休取得が容易になるというふうには考えにくいと思われますので、何らかの踏み込んだ施策が更に必要になってくるというふうには考えています。例えば、一部の民間事業所では行われていますが、育休取得者の代替あるいはバックアップとして入る従業員の方に、仕事量が増えるわけですから、追加の手当を支払う、それに対して行政が補助金をつける、そういった取組も、一つの男性育休取得を促進するための有効な取組ではないでしょうか。
二点目、育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進、強化についてです。
多くの若い労働者は、例えば私のような四十代、五十代あるいはそれ以上の労働者と比べて、ワーク・ライフ・バランスを非常に重視する世代だというふうに認識しています。これは各種アンケート調査にも顕著に表れるものですし、男性の育休取得意向などを見ても二十代、三十代ですと八〇%から九〇%で、もう育休を取るということが基本になっています。
こうした状況を必ずしも上の世代は理解できていないのではないかという懸念があるわけなんですが、企業が育休の取得状況を公表することによって、若い労働者がどういう企業で働こうかと選ぶ際にワーク・ライフ・バランスの重視というのが重要な観点になってくる、この部分の情報を透明化することによって、ワーク・ライフ・バランスを重視しているような企業がより若い労働者に選ばれやすくなってきて、将来的には、社会全体で育休を取りやすいような状況をつくり出せるのではないかというふうに期待しています。
今回の改正法案では三百人以上の企業ということになっていますが、今後は、この適用範囲を広げていくことが望ましいというふうに考えています。
また、数値目標の設定も必要な措置だというふうに考えております。一定以上の規模を持つような企業であったとしても、必ずしも自社の状況を把握できているとは限らないというふうに認識しています。自社の状況が正しく把握できていなければ適切な措置を講じることができないので、こういった形で公表義務ですとか数値目標を設定させることによって、社会がより育休を取りやすくなる、ワーク・ライフ・バランスを重視するような方向に進めていくことにつながっていくというふうに思っています。
そして三点目、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化ですが、先ほども申し上げたように、今後、高齢者人口比率というのが上昇していくわけで、そうなってくると労働者不足が大いに懸念されてくるわけです。また、全体の年齢層が上がってくるということは、介護を行う人が今後増えていくことが見込まれています。
こうした状況で、介護離職で労働力を失ってしまうというのは、企業にとっても社会にとっても大きな損失となり得ます。同時に、介護を行われる労働者御本人にとっても所得の減少、喪失につながるので、介護離職を事前に防げるような措置を講じておくというのは社会にとって非常に重要な取組になってくるというふうに認識しております。
最後に、改めて、まとめとして、今改正法案についての意見を述べさせていただきます。
育児、介護と仕事の両立支援を充実させることは、多くの人材を活躍させるために必要な措置であり、労働力不足を迎える日本経済にとって重要な措置になり得るというふうに考えております。
一方で、育児、介護しやすくなるからといって、女性に育児、介護の責任を期待してしまう、押しつけてしまうといったことにならないように、同時に注意していくことも必要であり、男性が育児、介護でもっと大きな役割を担っていくような措置も同時に取っていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
私からは以上です。ありがとうございました。拍手
新
佐
佐藤博樹#8
○佐藤参考人 おはようございます。東京大学名誉教授の佐藤です。
本日は、人事管理が専門です、その中で、今回の法改正の中で、仕事と介護の両立に絞って私の意見を説明させていただければというふうに思います。
お手元に資料があると思いますので、飛ばしながら、ところどころ説明させていただければというふうに思います。
今日お話ししたいのは、一枚目ですけれども、企業にとって、これから社員の高齢化はますます進んでいきますので、後でお話ししますように、仕事と介護の両立というのはすごく重要になってきます。ただし、企業も社員も、仕事と介護の両立の仕方について誤解が結構あります。仕事と子育ての両立と同じようにすれば仕事と介護の両立ができるというふうな誤解があるということですね。今回の法改正は、その点を解く上で非常に重要だなというふうに思っています。そういう意味で、法改正の評価については、仕事と介護の両立の仕方について、企業や社員に適切に、事前に情報提供するという点で貢献できるかというふうに思います。
三ページですけれども、社員が四十五歳を過ぎると、親御さんは七十五を過ぎてきますので、大体七十代後半から高齢者、要介護、要支援の人がだんだん増えてきますので、そういう意味では、企業からすると、四十五歳、後半以降、つまり四十代後半から定年までの社員というのは、仕事と介護の課題に直面する層だということであります。
それともう一つ大事なのは、本人もですけれども、企業も、誰が定年までに介護の課題に直面するか、これは事前に分からないんですよね。一定の確率で発生する。確かに、今、四十代前半で介護の課題がある社員は、四ページにあるように、このパーセントですけれども、じゃ、この人以外の人たちが来年、再来年、介護の課題に直面しないのかというと、そうは言えないんですよね。
それともう一つは、これはある一定時点で介護している人の割合なわけでありますけれども、結婚している社員でいうと、親御さんは四人いる可能性があるんですよね。一人の親御さんの介護の課題が過ぎると、また別の、別の、場合によっては四人の親の介護の課題に直面する可能性がある。それが介護の課題であります。
五ページですけれども、そういう状況がある中で、企業にとって、社員が仕事と介護の両立ができないと、先ほど、介護離職ということが起きたり、あるいは、離職しないまでも、今日親はちゃんと家で過ごせているかな、そういう心配を持ちながら仕事に集中することはなかなか難しいですよね。やはりモチベーションが下がってしまう。つまり、生産性が下がるということが起きてしまう。企業にとっても、やはり、社員が仕事と介護の両立をうまくマネジメントできないと、離職や生産性の低下という大きな課題を受ける可能性があります。
社員にとっても、確かに仕事と介護の両立は結構大変です。ただ、辞めるともっと大変なんですよね。介護離職した人に調査をすると、六ページにありますけれども、やはり辞めなければよかったという人がほとんどであります。もちろん、ですから仕事と介護の両立が易しいという意味ではありません。ただ、辞めるともっと大変なんですね。そういう意味では、どういうふうに仕事と介護を両立しながら、できるだけそれを円滑にやれるような支援というのがすごく大事な状況にあるというふうに考えています。
八ページですけれども、先ほどお話ししましたように、仕事と子育ての両立と仕事と介護の両立は違うんですよね。
一番大きいのは、事前に、企業であれば、四十五歳以上の社員の誰が介護の課題に直面するか、いつか、いつ誰が、これは分からないです。本人もなんですね。親がいても、七十五だけれども今元気だなと、でも、翌年、庭で転んで腰の骨を折って要介護状態になる、こういうことが起きるわけですね。つまり、事前に予測できない。これがすごく大事であります。そういう意味では、そういう問題が起きる前から、親がいる限り、もし自分の親が要介護の状態になったらどういうふうに両立していいのかということを事前に知っておく、これがすごく大事なんですね。親が要介護になってから、どうしよう、これじゃ遅いんですよね。事前の知識を得ておくというのがすごく大事であります。
それともう一つは、いつまで続くか分からない。これなんですよね。これが子育てとの違いであります。お子さんが生まれた、育児休業を取り、保育園に預けて短時間勤務を取り、すると、お子さんの成長に応じてどういうふうに仕事と子育ての両立をしていいか、ある程度見通しが立つわけであります。企業も、それに応じた支援もできるわけでありますけれども、介護の場合は、いつまで続くか分からないんです。
九ページにありますけれども、平均五十か月ぐらいなんですよね。十年以上かかる人もいるんです。一か月の人もいる。これは分からないんですよ、事前に。
ですので、例えば、自分で介護をしようとすると、介護休業期間が足りなくなるんです。しばしば、だから介護休業を延ばせという議論はあるんですけれども、じゃ、十年以上に延ばせるかという話なんですね。つまり、いつまで続くか分からないというのが介護の課題であります。
そういう意味では、社員が自分で介護しちゃいけないんですよね。介護は、両立をマネジメントする、介護自体は専門家に任せるということがすごく大事になってきます。この点でも子育てと違うんですね。ですから、育児休業というのは、社員が子育てするような仕組みですよね、男性も含めて。介護休業は違うんですね。もちろん介護しなきゃいけないときもあるんですけれども、介護休業を使って介護を続けると、いつまで続くか分かりませんから、仕事を辞めるということが起きるんですよね。
ですので、同じ休業といっても、中身が違う、目的が違うということがすごく大事であります。しかしながら、そのことを知らない社員がたくさんいるんです。
十一ページにありますように、介護休業の制度や介護保険制度、両方についてきちっと説明している企業は半分を下回っていますし、社員も、介護休業や介護保険制度の仕組みについて知らないという人が多いわけであります。十三ページ、十四ページに、介護休業の利用の目的について社員や企業に聞いているんですけれども、社員だけじゃなく企業もまだまだ、介護休業は介護するための制度だと思っている人は結構いるんですよね。この辺を変えていくということがすごく大事だろうというふうに思います。
そういう意味では、十六ページにありますように、社員が、親がいる限りいつかは介護の課題に直面する可能性があるという心構えを持ち、もし親が要介護になったら、自分が介護するのではなくマネジメントする、仕事と介護を両立することを優先するんだということをする。そのためには、介護保険制度の利用の仕方、例えば、地域包括支援センターを知らないという人がいるんですね。介護保険制度は認定の手続を経ないと使えないんですけれども、こういうことを知らないんですよね。
一つは、四十歳のときに介護保険制度の被保険者になりますが、保険証は来ないんですよね。保険証が届くのは六十五歳です。つまり、四十歳になると介護保険料は取られるわけでありますけれども、自分自身が介護保険制度の被保険者というふうに知らない人は結構います。それはそうですよね、保険証がないわけでありますから。
でも、自分は六十五歳の誕生月になると保険証は届くわけですけれども、実は、その前に、親がいる限り、親の介護の課題に直面したときに、子供が、親が要支援、要介護認定を受けたりとか、介護サービスの、在宅であればケアマネジャーを探したり、これは多分子供がやるわけですよね。そうすると、介護保険制度のサービスをどうすれば利用できるかということを知らなきゃいけないわけでありますけれども、そういう知識を欠いている人が多いということであります。
そういう意味で、十九ページのように、社員が介護の課題に直面したときに、自分で介護するわけではなく、もちろん緊急対応はしなきゃいけないんですよ、その後、自分はマネジメントに徹して、仕事に戻れるようにしていく、このことを知っておくということであります。
そういう意味では、介護保険制度の利用の仕方あるいは介護休業の利用目的、こういうものを事前に知っている、そして、自分に親がいる限りいつか親が要介護になるかもしれないという事前の心構えを持っておく、これがすごく大事だというふうに思います。
そういう意味で、今回の法改正の評価でありますけれども、二十三ページに書いてありますように、今回は、社員が親等の介護の課題に直面したら、個別周知します。これはすごく大事だと思います、それまで知らないですし。
あるいは、事前に、四十歳になったとき、これが一つのポイントだと思います、介護保険制度の被保険者になりますから。四十代後半ぐらいから親の介護の課題に直面する社員は増えてきますから。一つは、四十歳になったときに、介護保険制度の仕組みなり、親御さんはまだ元気かもしれないけれども要介護状態になったらこういうふうに両立するんですよというような研修をする、こういうことがすごく大事であります。
そして、介護休業の目的ですよね。もちろん、緊急対応で介護しなきゃいけないこともあるわけでありますけれども、介護はいつまで続くか分からないので、介護休業というのは、両立体制を準備する、そういう体制をつくるための準備のために使う、これをきちっと社員に周知するということが大事であります。そういう意味で、法律上は介護休業という名称ですけれども、企業によっては、介護休業・両立準備休業。これだけでも違うんですね。
今回も、多分、厚労省は、法律が通った後、そういうような情報提供を始めるかと思いますけれども、やはり育児休業にやや引っ張られ過ぎちゃっているということはあると思いますので、介護休業の違いということもきちっと分かるような情報提供も大事だと思います。
最後に、これからますます社員自身が両立をマネジメントしていくときに誰と相談するか。もちろん、企業も大事ですけれども、介護の場合は個別性が高いです。まず在宅から始まるわけですから、そうするとケアマネジャーさんと相談する、これは結構多いんです。ただし、ケアマネジャーさんの仕事は、要介護者の状態をきちっと把握して、要介護者が質の高い生活を送るためどういう支援をすればいいかと考える、これが役割ですよね。でも、要介護者の家族はケアマネジャーに相談するわけですよね、仕事と介護の両立をどうしたらいいか。そういう意味では、ケアマネジャーさんがそういうことのアドバイスもできるようなこともこれからは必要になるのではないかというふうに思います。
実際、ケアマネジャーの団体、ちょっと誤植もありますけれども、二十四ページ、日本介護支援専門員協会が、ワークサポートケアマネジャーという上乗せ資格、ケアマネジャーさんが要介護者家族の両立についても相談できるような仕組みをつくるというようになっていますので、こういうこともこれから必要になるのかなというふうに思います。
あと、最後、家族の役割は何かということはこれから大事だと思います。是非その点も御検討いただければというふうに思います。
どうもありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →本日は、人事管理が専門です、その中で、今回の法改正の中で、仕事と介護の両立に絞って私の意見を説明させていただければというふうに思います。
お手元に資料があると思いますので、飛ばしながら、ところどころ説明させていただければというふうに思います。
今日お話ししたいのは、一枚目ですけれども、企業にとって、これから社員の高齢化はますます進んでいきますので、後でお話ししますように、仕事と介護の両立というのはすごく重要になってきます。ただし、企業も社員も、仕事と介護の両立の仕方について誤解が結構あります。仕事と子育ての両立と同じようにすれば仕事と介護の両立ができるというふうな誤解があるということですね。今回の法改正は、その点を解く上で非常に重要だなというふうに思っています。そういう意味で、法改正の評価については、仕事と介護の両立の仕方について、企業や社員に適切に、事前に情報提供するという点で貢献できるかというふうに思います。
三ページですけれども、社員が四十五歳を過ぎると、親御さんは七十五を過ぎてきますので、大体七十代後半から高齢者、要介護、要支援の人がだんだん増えてきますので、そういう意味では、企業からすると、四十五歳、後半以降、つまり四十代後半から定年までの社員というのは、仕事と介護の課題に直面する層だということであります。
それともう一つ大事なのは、本人もですけれども、企業も、誰が定年までに介護の課題に直面するか、これは事前に分からないんですよね。一定の確率で発生する。確かに、今、四十代前半で介護の課題がある社員は、四ページにあるように、このパーセントですけれども、じゃ、この人以外の人たちが来年、再来年、介護の課題に直面しないのかというと、そうは言えないんですよね。
それともう一つは、これはある一定時点で介護している人の割合なわけでありますけれども、結婚している社員でいうと、親御さんは四人いる可能性があるんですよね。一人の親御さんの介護の課題が過ぎると、また別の、別の、場合によっては四人の親の介護の課題に直面する可能性がある。それが介護の課題であります。
五ページですけれども、そういう状況がある中で、企業にとって、社員が仕事と介護の両立ができないと、先ほど、介護離職ということが起きたり、あるいは、離職しないまでも、今日親はちゃんと家で過ごせているかな、そういう心配を持ちながら仕事に集中することはなかなか難しいですよね。やはりモチベーションが下がってしまう。つまり、生産性が下がるということが起きてしまう。企業にとっても、やはり、社員が仕事と介護の両立をうまくマネジメントできないと、離職や生産性の低下という大きな課題を受ける可能性があります。
社員にとっても、確かに仕事と介護の両立は結構大変です。ただ、辞めるともっと大変なんですよね。介護離職した人に調査をすると、六ページにありますけれども、やはり辞めなければよかったという人がほとんどであります。もちろん、ですから仕事と介護の両立が易しいという意味ではありません。ただ、辞めるともっと大変なんですね。そういう意味では、どういうふうに仕事と介護を両立しながら、できるだけそれを円滑にやれるような支援というのがすごく大事な状況にあるというふうに考えています。
八ページですけれども、先ほどお話ししましたように、仕事と子育ての両立と仕事と介護の両立は違うんですよね。
一番大きいのは、事前に、企業であれば、四十五歳以上の社員の誰が介護の課題に直面するか、いつか、いつ誰が、これは分からないです。本人もなんですね。親がいても、七十五だけれども今元気だなと、でも、翌年、庭で転んで腰の骨を折って要介護状態になる、こういうことが起きるわけですね。つまり、事前に予測できない。これがすごく大事であります。そういう意味では、そういう問題が起きる前から、親がいる限り、もし自分の親が要介護の状態になったらどういうふうに両立していいのかということを事前に知っておく、これがすごく大事なんですね。親が要介護になってから、どうしよう、これじゃ遅いんですよね。事前の知識を得ておくというのがすごく大事であります。
それともう一つは、いつまで続くか分からない。これなんですよね。これが子育てとの違いであります。お子さんが生まれた、育児休業を取り、保育園に預けて短時間勤務を取り、すると、お子さんの成長に応じてどういうふうに仕事と子育ての両立をしていいか、ある程度見通しが立つわけであります。企業も、それに応じた支援もできるわけでありますけれども、介護の場合は、いつまで続くか分からないんです。
九ページにありますけれども、平均五十か月ぐらいなんですよね。十年以上かかる人もいるんです。一か月の人もいる。これは分からないんですよ、事前に。
ですので、例えば、自分で介護をしようとすると、介護休業期間が足りなくなるんです。しばしば、だから介護休業を延ばせという議論はあるんですけれども、じゃ、十年以上に延ばせるかという話なんですね。つまり、いつまで続くか分からないというのが介護の課題であります。
そういう意味では、社員が自分で介護しちゃいけないんですよね。介護は、両立をマネジメントする、介護自体は専門家に任せるということがすごく大事になってきます。この点でも子育てと違うんですね。ですから、育児休業というのは、社員が子育てするような仕組みですよね、男性も含めて。介護休業は違うんですね。もちろん介護しなきゃいけないときもあるんですけれども、介護休業を使って介護を続けると、いつまで続くか分かりませんから、仕事を辞めるということが起きるんですよね。
ですので、同じ休業といっても、中身が違う、目的が違うということがすごく大事であります。しかしながら、そのことを知らない社員がたくさんいるんです。
十一ページにありますように、介護休業の制度や介護保険制度、両方についてきちっと説明している企業は半分を下回っていますし、社員も、介護休業や介護保険制度の仕組みについて知らないという人が多いわけであります。十三ページ、十四ページに、介護休業の利用の目的について社員や企業に聞いているんですけれども、社員だけじゃなく企業もまだまだ、介護休業は介護するための制度だと思っている人は結構いるんですよね。この辺を変えていくということがすごく大事だろうというふうに思います。
そういう意味では、十六ページにありますように、社員が、親がいる限りいつかは介護の課題に直面する可能性があるという心構えを持ち、もし親が要介護になったら、自分が介護するのではなくマネジメントする、仕事と介護を両立することを優先するんだということをする。そのためには、介護保険制度の利用の仕方、例えば、地域包括支援センターを知らないという人がいるんですね。介護保険制度は認定の手続を経ないと使えないんですけれども、こういうことを知らないんですよね。
一つは、四十歳のときに介護保険制度の被保険者になりますが、保険証は来ないんですよね。保険証が届くのは六十五歳です。つまり、四十歳になると介護保険料は取られるわけでありますけれども、自分自身が介護保険制度の被保険者というふうに知らない人は結構います。それはそうですよね、保険証がないわけでありますから。
でも、自分は六十五歳の誕生月になると保険証は届くわけですけれども、実は、その前に、親がいる限り、親の介護の課題に直面したときに、子供が、親が要支援、要介護認定を受けたりとか、介護サービスの、在宅であればケアマネジャーを探したり、これは多分子供がやるわけですよね。そうすると、介護保険制度のサービスをどうすれば利用できるかということを知らなきゃいけないわけでありますけれども、そういう知識を欠いている人が多いということであります。
そういう意味で、十九ページのように、社員が介護の課題に直面したときに、自分で介護するわけではなく、もちろん緊急対応はしなきゃいけないんですよ、その後、自分はマネジメントに徹して、仕事に戻れるようにしていく、このことを知っておくということであります。
そういう意味では、介護保険制度の利用の仕方あるいは介護休業の利用目的、こういうものを事前に知っている、そして、自分に親がいる限りいつか親が要介護になるかもしれないという事前の心構えを持っておく、これがすごく大事だというふうに思います。
そういう意味で、今回の法改正の評価でありますけれども、二十三ページに書いてありますように、今回は、社員が親等の介護の課題に直面したら、個別周知します。これはすごく大事だと思います、それまで知らないですし。
あるいは、事前に、四十歳になったとき、これが一つのポイントだと思います、介護保険制度の被保険者になりますから。四十代後半ぐらいから親の介護の課題に直面する社員は増えてきますから。一つは、四十歳になったときに、介護保険制度の仕組みなり、親御さんはまだ元気かもしれないけれども要介護状態になったらこういうふうに両立するんですよというような研修をする、こういうことがすごく大事であります。
そして、介護休業の目的ですよね。もちろん、緊急対応で介護しなきゃいけないこともあるわけでありますけれども、介護はいつまで続くか分からないので、介護休業というのは、両立体制を準備する、そういう体制をつくるための準備のために使う、これをきちっと社員に周知するということが大事であります。そういう意味で、法律上は介護休業という名称ですけれども、企業によっては、介護休業・両立準備休業。これだけでも違うんですね。
今回も、多分、厚労省は、法律が通った後、そういうような情報提供を始めるかと思いますけれども、やはり育児休業にやや引っ張られ過ぎちゃっているということはあると思いますので、介護休業の違いということもきちっと分かるような情報提供も大事だと思います。
最後に、これからますます社員自身が両立をマネジメントしていくときに誰と相談するか。もちろん、企業も大事ですけれども、介護の場合は個別性が高いです。まず在宅から始まるわけですから、そうするとケアマネジャーさんと相談する、これは結構多いんです。ただし、ケアマネジャーさんの仕事は、要介護者の状態をきちっと把握して、要介護者が質の高い生活を送るためどういう支援をすればいいかと考える、これが役割ですよね。でも、要介護者の家族はケアマネジャーに相談するわけですよね、仕事と介護の両立をどうしたらいいか。そういう意味では、ケアマネジャーさんがそういうことのアドバイスもできるようなこともこれからは必要になるのではないかというふうに思います。
実際、ケアマネジャーの団体、ちょっと誤植もありますけれども、二十四ページ、日本介護支援専門員協会が、ワークサポートケアマネジャーという上乗せ資格、ケアマネジャーさんが要介護者家族の両立についても相談できるような仕組みをつくるというようになっていますので、こういうこともこれから必要になるのかなというふうに思います。
あと、最後、家族の役割は何かということはこれから大事だと思います。是非その点も御検討いただければというふうに思います。
どうもありがとうございます。拍手
新
小
小野山静#10
○小野山参考人 日本労働弁護団本部事務局次長の小野山静と申します。
本日は、日本労働弁護団本部事務局次長として、また、小学生の子供を育てる一人の親としてお話をさせていただきます。
日本労働弁護団としましては、現在審議されている育児・介護休業法等の改正案について、主なものだけでも四点、問題点があると考えております。
まず一点目が、子の看護休暇制度の見直しが極めて不十分だという点です。
今回の改正案は、子の看護休暇を、対象年齢を現行の小学校就学前から小学校三年生修了前まで引き上げるという内容になっていますが、小学校三年生までとする合理的な理由はあるんでしょうか。
お手元に配付しました、子の看護休暇制度に関するアンケートを御覧いただくと、日本労働弁護団が実施し、四月二十一日時点で七百十四件の回答が集まっております。このアンケートにおける、子の看護休暇制度は子供がどのくらい大きくなるまで必要ですかという問いに関する回答結果を御覧いただくと、小学校三年生まで必要であるという回答は僅か三・九%です。小学校卒業までという回答が四五・二%、中学校卒業までという回答が三二・四%となっています。
小学校卒業まで必要であると回答された方の中には、病気の小学生一人では病院に行けないからという意見が多く見られました。また、中学校卒業まで必要であると回答された方の中には、中学生までは小児科扱いで受診には保護者の同伴が必要だから、また、田舎では通院に車が必要なため子供だけでは通院ができないという意見が見られました。実際に子育てをされたことがある方であれば、こうした意見は当然納得されると思います。
国民の声に真摯に耳を傾けていただけるのであれば、子の看護休暇制度の対象年齢は少なくとも小学校六年生まで引き上げていただきたいです。小学校三年生までというのは、はっきり申し上げると中途半端です。
また、今回の改正案は、子の看護休暇の取得日数については何ら触れていません。つまり、現行の日数のままということになります。しかし、一年間に五日、子が二人以上の場合には十日という現行の日数は、十五年も前に改正されたものです。十五年前と比較して、共働き世帯は約三百万世帯も増加しています。それでもまだ、十五年前に改正された日数で足りると思われますでしょうか。
アンケートにおいても、現行の日数では十分ではないと回答した方は実に九二・五%に上ります。現行の日数で足りていると思う当事者なんてほぼいません。アンケートの結果を見ると、子一人当たり年間十日、二人以上の場合には二十日を希望する人は四四・三%、子一人当たり年間十五日、二人以上の場合は三十日を希望する人は四一・七%です。
インフルエンザなどの感染症にかかった場合に、年に一度感染しただけでも五日間の看護休暇を使い果たしてしまうことがあります。子の看護休暇制度の拡充を求めているおかゆプロジェクトのメンバーの方も、既にインフルエンザ、溶連菌、扁桃炎で入院もあって、残り有給休暇五日、子の看護休暇二日ほどしか残っていない状況で、あと八か月、これで乗り切れるとは到底思えないとお話しされています。
こちらに関しても、国民の声に真摯に耳を傾けていただけるのであれば、子の看護休暇の取得可能日数も是非速やかに見直していただきたいです。ちなみに、スウェーデンでは子一人につき百二十日間の看護休暇制度が設けられていて、フランスでも最長四か月の子供に付き添うための休暇というものが設けられています。
さらに、今回の改正案は、子の看護休暇の有給化についても一切触れられていません。しかし、アンケートの結果を見ると、子の看護休暇制度を有給にすべきであるという回答は八二・九%に上ります。
有給にすべきであるという回答の理由を見ると、有給でないと金銭面でも苦しい、子供とお金をてんびんにかけたくないという切実な声が上がっています。親であれば、経済的な心配をすることなく、病気の子供の看護に専念したいです。しかし、残念ながら、子の看護休暇を有給としている事業所の割合は二七・五%にとどまっています。
子の看護休暇制度を本当の意味で労働者にとって利用しやすい制度にするには、法律による有給化が急務と言えます。
二点目は、柔軟な働き方を実施するための措置に関する提案が不十分な点です。
改正案では、柔軟な働き方を実施するための措置として、始業時刻変更等の措置、在宅勤務等の措置、短時間勤務制度、新たな休暇の付与、ベビーシッターの手配や費用負担、これら五つの中から事業主が二つ以上選択して措置を講じる義務を設け、労働者は事業主が選択した措置の中から一つ選べることとなっています。
しかし、はっきり申し上げて、事業主が二つ選択して、その中から労働者が一つ選択することができる、まだそんな次元の議論をしているのかというのが改正案に対する率直な意見です。
始業時刻変更等の措置、在宅勤務等の措置、短時間勤務制度、ベビーシッターの手配や費用負担、これら四つは日常的な働き方に関する措置と言えますが、全部必要かつ重要です。私も、夫と共働きで小学生の子供を今現在育てていますが、これら四つをフル活用して何とか仕事と育児を両立させているのが現状です。
確かに、柔軟な働き方を実施するための措置を講ずる事業主の義務というものが新たに設けられること自体は前進と言えます。しかし、今回の改正はあくまで経過措置にすぎないと考えていただき、将来的には、原則としていずれの措置も労働者が選択できる制度を構築すべきであると考えております。
また、柔軟な働き方を実施するための措置について、改正案では、子の対象年齢が小学校就学の始期に達するまでの子とされています。
この部分を読んだとき、正直申し上げて、私は自分の目を疑いました。小一の壁が社会問題にもなっていて、早朝から出勤する保護者の子供を受け入れるために、大阪の小学校が朝七時に校門を開放することにしたというニュースが先月も報道されたばかりです。それなのに、柔軟な働き方を実施するための措置に関して、子の対象年齢を未就学児までにしようとしている。本当に子育てをしたことのある方がこの改正案を検討されたんでしょうか。
小一の壁のほかにも、小三の壁も言われています。少なくとも子供が小学生の期間は、仕事と育児やキャリア形成の両立を果たすには柔軟な働き方が必要不可欠です。そのため、対象年齢は小学校六年生まで引き上げていただきたいです。
三点目は、男性による育児休業取得に関する目標設定が不十分な点です。
二〇二三年六月に出された、今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会の報告書では、政府において男性の育児休業取得率の目標を掲げる場合には、取得率だけでなく、男性の育児休業取得日数や育児、家事時間等も含めた目標の検討が必要であると記載されていました。ところが、改正案では、男性の育児休業取得率の公表義務の対象が拡大されただけにとどまり、男性の育児休業取得日数や育児、家事時間等も含めた目標の検討という部分が削除されてしまっています。
なぜ、議論がこのように後退してしまうのでしょうか。出産、育児による女性の離職を防ぎ、男女共に育児と仕事やキャリア形成を両立できるようにしていくためには、男性の育児参加は不可欠であるということはもはや誰もが分かっていることだと思います。
しかし、残念ながら、現状は、育児休業を六か月取得したのは、女性が九五・三%であるのに対し、男性は僅か五・五%であり、男性の育児休業は五日未満が二五%、五日以上二週間未満が二六・五%で、半数余りが二週間未満の取得となっています。
男性が育児を手伝うのではなく、男性も女性も育児を共に分かち合うようにしていくためには、速やかに男性の育児休業取得日数の増加や家事時間等の確保も目指すべきであり、それらも含めた目標の検討が現段階から必要です。
最後の点は、長時間労働の是正という観点が極めて希薄であるという点です。
仕事と育児、介護の両立の最大の障壁は長時間労働です。現在の長時間労働による働き方が変わらないままでは、仕事と育児、介護の両立を幾ら掲げても、現実に家庭責任を負わされがちな女性労働者や、配偶者とともに育児や介護を担う責任感のある男性労働者がキャリア形成から阻害されてしまうことになります。また、両立支援に向けた制度をどんなに充実させても、周囲が長時間労働を行っている中では制度を利用しづらいというのが実態です。
育児や介護もそうですが、誰しも、ほかの人と負担を分け合わなければ乗り越えられないような人生のステージがあります。私も、夫と育児の負担を分け合い、両親に支えてもらって、どうにか弁護士として十年以上働き続け、今日ここでお話をさせていただきました。女性労働者だけが育児や介護の責任を感じて勤務の継続やキャリアの形成を諦めるという状況を、もういいかげん打破していかなければいけません。
今まさに育児や介護に向き合っている当事者の声に耳を傾けていただき、異次元と呼べる抜本的な法改正をお願いいたします。
以上です。拍手
この発言だけを見る →本日は、日本労働弁護団本部事務局次長として、また、小学生の子供を育てる一人の親としてお話をさせていただきます。
日本労働弁護団としましては、現在審議されている育児・介護休業法等の改正案について、主なものだけでも四点、問題点があると考えております。
まず一点目が、子の看護休暇制度の見直しが極めて不十分だという点です。
今回の改正案は、子の看護休暇を、対象年齢を現行の小学校就学前から小学校三年生修了前まで引き上げるという内容になっていますが、小学校三年生までとする合理的な理由はあるんでしょうか。
お手元に配付しました、子の看護休暇制度に関するアンケートを御覧いただくと、日本労働弁護団が実施し、四月二十一日時点で七百十四件の回答が集まっております。このアンケートにおける、子の看護休暇制度は子供がどのくらい大きくなるまで必要ですかという問いに関する回答結果を御覧いただくと、小学校三年生まで必要であるという回答は僅か三・九%です。小学校卒業までという回答が四五・二%、中学校卒業までという回答が三二・四%となっています。
小学校卒業まで必要であると回答された方の中には、病気の小学生一人では病院に行けないからという意見が多く見られました。また、中学校卒業まで必要であると回答された方の中には、中学生までは小児科扱いで受診には保護者の同伴が必要だから、また、田舎では通院に車が必要なため子供だけでは通院ができないという意見が見られました。実際に子育てをされたことがある方であれば、こうした意見は当然納得されると思います。
国民の声に真摯に耳を傾けていただけるのであれば、子の看護休暇制度の対象年齢は少なくとも小学校六年生まで引き上げていただきたいです。小学校三年生までというのは、はっきり申し上げると中途半端です。
また、今回の改正案は、子の看護休暇の取得日数については何ら触れていません。つまり、現行の日数のままということになります。しかし、一年間に五日、子が二人以上の場合には十日という現行の日数は、十五年も前に改正されたものです。十五年前と比較して、共働き世帯は約三百万世帯も増加しています。それでもまだ、十五年前に改正された日数で足りると思われますでしょうか。
アンケートにおいても、現行の日数では十分ではないと回答した方は実に九二・五%に上ります。現行の日数で足りていると思う当事者なんてほぼいません。アンケートの結果を見ると、子一人当たり年間十日、二人以上の場合には二十日を希望する人は四四・三%、子一人当たり年間十五日、二人以上の場合は三十日を希望する人は四一・七%です。
インフルエンザなどの感染症にかかった場合に、年に一度感染しただけでも五日間の看護休暇を使い果たしてしまうことがあります。子の看護休暇制度の拡充を求めているおかゆプロジェクトのメンバーの方も、既にインフルエンザ、溶連菌、扁桃炎で入院もあって、残り有給休暇五日、子の看護休暇二日ほどしか残っていない状況で、あと八か月、これで乗り切れるとは到底思えないとお話しされています。
こちらに関しても、国民の声に真摯に耳を傾けていただけるのであれば、子の看護休暇の取得可能日数も是非速やかに見直していただきたいです。ちなみに、スウェーデンでは子一人につき百二十日間の看護休暇制度が設けられていて、フランスでも最長四か月の子供に付き添うための休暇というものが設けられています。
さらに、今回の改正案は、子の看護休暇の有給化についても一切触れられていません。しかし、アンケートの結果を見ると、子の看護休暇制度を有給にすべきであるという回答は八二・九%に上ります。
有給にすべきであるという回答の理由を見ると、有給でないと金銭面でも苦しい、子供とお金をてんびんにかけたくないという切実な声が上がっています。親であれば、経済的な心配をすることなく、病気の子供の看護に専念したいです。しかし、残念ながら、子の看護休暇を有給としている事業所の割合は二七・五%にとどまっています。
子の看護休暇制度を本当の意味で労働者にとって利用しやすい制度にするには、法律による有給化が急務と言えます。
二点目は、柔軟な働き方を実施するための措置に関する提案が不十分な点です。
改正案では、柔軟な働き方を実施するための措置として、始業時刻変更等の措置、在宅勤務等の措置、短時間勤務制度、新たな休暇の付与、ベビーシッターの手配や費用負担、これら五つの中から事業主が二つ以上選択して措置を講じる義務を設け、労働者は事業主が選択した措置の中から一つ選べることとなっています。
しかし、はっきり申し上げて、事業主が二つ選択して、その中から労働者が一つ選択することができる、まだそんな次元の議論をしているのかというのが改正案に対する率直な意見です。
始業時刻変更等の措置、在宅勤務等の措置、短時間勤務制度、ベビーシッターの手配や費用負担、これら四つは日常的な働き方に関する措置と言えますが、全部必要かつ重要です。私も、夫と共働きで小学生の子供を今現在育てていますが、これら四つをフル活用して何とか仕事と育児を両立させているのが現状です。
確かに、柔軟な働き方を実施するための措置を講ずる事業主の義務というものが新たに設けられること自体は前進と言えます。しかし、今回の改正はあくまで経過措置にすぎないと考えていただき、将来的には、原則としていずれの措置も労働者が選択できる制度を構築すべきであると考えております。
また、柔軟な働き方を実施するための措置について、改正案では、子の対象年齢が小学校就学の始期に達するまでの子とされています。
この部分を読んだとき、正直申し上げて、私は自分の目を疑いました。小一の壁が社会問題にもなっていて、早朝から出勤する保護者の子供を受け入れるために、大阪の小学校が朝七時に校門を開放することにしたというニュースが先月も報道されたばかりです。それなのに、柔軟な働き方を実施するための措置に関して、子の対象年齢を未就学児までにしようとしている。本当に子育てをしたことのある方がこの改正案を検討されたんでしょうか。
小一の壁のほかにも、小三の壁も言われています。少なくとも子供が小学生の期間は、仕事と育児やキャリア形成の両立を果たすには柔軟な働き方が必要不可欠です。そのため、対象年齢は小学校六年生まで引き上げていただきたいです。
三点目は、男性による育児休業取得に関する目標設定が不十分な点です。
二〇二三年六月に出された、今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会の報告書では、政府において男性の育児休業取得率の目標を掲げる場合には、取得率だけでなく、男性の育児休業取得日数や育児、家事時間等も含めた目標の検討が必要であると記載されていました。ところが、改正案では、男性の育児休業取得率の公表義務の対象が拡大されただけにとどまり、男性の育児休業取得日数や育児、家事時間等も含めた目標の検討という部分が削除されてしまっています。
なぜ、議論がこのように後退してしまうのでしょうか。出産、育児による女性の離職を防ぎ、男女共に育児と仕事やキャリア形成を両立できるようにしていくためには、男性の育児参加は不可欠であるということはもはや誰もが分かっていることだと思います。
しかし、残念ながら、現状は、育児休業を六か月取得したのは、女性が九五・三%であるのに対し、男性は僅か五・五%であり、男性の育児休業は五日未満が二五%、五日以上二週間未満が二六・五%で、半数余りが二週間未満の取得となっています。
男性が育児を手伝うのではなく、男性も女性も育児を共に分かち合うようにしていくためには、速やかに男性の育児休業取得日数の増加や家事時間等の確保も目指すべきであり、それらも含めた目標の検討が現段階から必要です。
最後の点は、長時間労働の是正という観点が極めて希薄であるという点です。
仕事と育児、介護の両立の最大の障壁は長時間労働です。現在の長時間労働による働き方が変わらないままでは、仕事と育児、介護の両立を幾ら掲げても、現実に家庭責任を負わされがちな女性労働者や、配偶者とともに育児や介護を担う責任感のある男性労働者がキャリア形成から阻害されてしまうことになります。また、両立支援に向けた制度をどんなに充実させても、周囲が長時間労働を行っている中では制度を利用しづらいというのが実態です。
育児や介護もそうですが、誰しも、ほかの人と負担を分け合わなければ乗り越えられないような人生のステージがあります。私も、夫と育児の負担を分け合い、両親に支えてもらって、どうにか弁護士として十年以上働き続け、今日ここでお話をさせていただきました。女性労働者だけが育児や介護の責任を感じて勤務の継続やキャリアの形成を諦めるという状況を、もういいかげん打破していかなければいけません。
今まさに育児や介護に向き合っている当事者の声に耳を傾けていただき、異次元と呼べる抜本的な法改正をお願いいたします。
以上です。拍手
新
新
金
金子容三#13
○金子(容)委員 おはようございます。衆議院議員、長崎四区の金子容三でございます。
今日は、貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。
私も、小学校六年生と四年生の男子を持つ親として、また、昨年までは民間企業で働いていた、そういった経験も踏まえて質問をさせていただければというふうに思います。
まず、育児休業の期間に関しまして御質問をさせていただければと思います。
柔軟な働き方を実現するための措置、これは今回の法改正で就学までというふうなところになっております。加えまして、看護等休暇、こちらも小学校三年生修了時点までというふうなことになりますけれども、私自身、コロナ禍でテレワークで働くことによって、それまで自宅から会社まで片道一時間通勤をしていたんですけれども、まず、その往復二時間の通勤がなくなったということによって、子供たちと一緒に朝御飯が食べられるようになった、それから夜も一緒に晩御飯が食べられるようになった、そういったことで、家族との触れ合いの時間というものが本当に増えたなと。
それによって、今まで、コロナの前までは、遅くまで働いて、夜遅く帰ってきて、子供が寝た後にちょっと妻と話すみたいな、そういうふうな生活が続いていたんですけれども、テレワークの活用によって、私のワーク・ライフ・バランスというものも本当に変わったなというふうに思っております。
しかし一方で、コロナが明けて、企業は徐々に徐々に、やはり出社を原則としていくというふうな形に戻っていったのかなというふうに思っております。
家事、育児というふうに言われますけれども、料理を作ったりとか、洗濯、畳んで、それから皿洗いをするみたいな、これだけが家事というふうなことではない、家事、育児ではない。やはり、子供たちというものは、学校に行って、いろいろなことがあって、心のケアをしたりとか、あるいは、中学に近づいてくると受験勉強が忙しくなって、そのフォローもしなければいけない。そういう子供たちのケアというものは非常に多いものでありまして、これはもちろん、女性だけではなくて、親、両親で育てていかなければいけないというふうなことを最近本当に強く思っているところなのでございますけれども。
まず、期間について、先ほど小野山参考人からは小学校六年生までに延長すべきだというふうな話がございましたけれども、ほかの参考人の皆様方におかれまして、事業者側のやはりニーズというふうなもの、そういったバランスもあると思いますけれども、期間について御意見をいただければなというふうに思います。
この発言だけを見る →今日は、貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございます。
私も、小学校六年生と四年生の男子を持つ親として、また、昨年までは民間企業で働いていた、そういった経験も踏まえて質問をさせていただければというふうに思います。
まず、育児休業の期間に関しまして御質問をさせていただければと思います。
柔軟な働き方を実現するための措置、これは今回の法改正で就学までというふうなところになっております。加えまして、看護等休暇、こちらも小学校三年生修了時点までというふうなことになりますけれども、私自身、コロナ禍でテレワークで働くことによって、それまで自宅から会社まで片道一時間通勤をしていたんですけれども、まず、その往復二時間の通勤がなくなったということによって、子供たちと一緒に朝御飯が食べられるようになった、それから夜も一緒に晩御飯が食べられるようになった、そういったことで、家族との触れ合いの時間というものが本当に増えたなと。
それによって、今まで、コロナの前までは、遅くまで働いて、夜遅く帰ってきて、子供が寝た後にちょっと妻と話すみたいな、そういうふうな生活が続いていたんですけれども、テレワークの活用によって、私のワーク・ライフ・バランスというものも本当に変わったなというふうに思っております。
しかし一方で、コロナが明けて、企業は徐々に徐々に、やはり出社を原則としていくというふうな形に戻っていったのかなというふうに思っております。
家事、育児というふうに言われますけれども、料理を作ったりとか、洗濯、畳んで、それから皿洗いをするみたいな、これだけが家事というふうなことではない、家事、育児ではない。やはり、子供たちというものは、学校に行って、いろいろなことがあって、心のケアをしたりとか、あるいは、中学に近づいてくると受験勉強が忙しくなって、そのフォローもしなければいけない。そういう子供たちのケアというものは非常に多いものでありまして、これはもちろん、女性だけではなくて、親、両親で育てていかなければいけないというふうなことを最近本当に強く思っているところなのでございますけれども。
まず、期間について、先ほど小野山参考人からは小学校六年生までに延長すべきだというふうな話がございましたけれども、ほかの参考人の皆様方におかれまして、事業者側のやはりニーズというふうなもの、そういったバランスもあると思いますけれども、期間について御意見をいただければなというふうに思います。
布
布山祐子#14
○布山参考人 御質問ありがとうございます。
今回の柔軟な措置を小学校就学までということであれば、一応、子供が生まれてから三歳までは、育児休業を取り、その後、例えば育児休業を会社によっては延長したり、あるいは短時間勤務等で三歳まではそれでいく。その後、この法案の考え方、労働政策審議会の中で議論していたときには、三歳以降小学校就学までの間は、むしろ女性に関してもフルタイムで働きたいというニーズもありますし、それから男性については、それよりも前の段階、お子さん、前の段階から通常どおり働きたいというニーズがあると、できるだけフルタイムで働けるような選択肢をメニューとして措置をするという形で考えています。
子の看護休暇について言えば、小学校三年修了時までの延長ということについては、実際に子供の年間の診療日数を見ると十歳以降は減少する傾向が見られて、それから、子の看護休暇自体は、少なくとも御両親がいる場合、男女共に、両親共に取れるような制度でございますので、そうすると、この関係、それから育児期の従業員を支える周囲の従業員との公平性の確保、そういうことを考えると、ケアの必要が高い小学校三年生までということで審議会の中では取りまとめました。
以上です。
この発言だけを見る →今回の柔軟な措置を小学校就学までということであれば、一応、子供が生まれてから三歳までは、育児休業を取り、その後、例えば育児休業を会社によっては延長したり、あるいは短時間勤務等で三歳まではそれでいく。その後、この法案の考え方、労働政策審議会の中で議論していたときには、三歳以降小学校就学までの間は、むしろ女性に関してもフルタイムで働きたいというニーズもありますし、それから男性については、それよりも前の段階、お子さん、前の段階から通常どおり働きたいというニーズがあると、できるだけフルタイムで働けるような選択肢をメニューとして措置をするという形で考えています。
子の看護休暇について言えば、小学校三年修了時までの延長ということについては、実際に子供の年間の診療日数を見ると十歳以降は減少する傾向が見られて、それから、子の看護休暇自体は、少なくとも御両親がいる場合、男女共に、両親共に取れるような制度でございますので、そうすると、この関係、それから育児期の従業員を支える周囲の従業員との公平性の確保、そういうことを考えると、ケアの必要が高い小学校三年生までということで審議会の中では取りまとめました。
以上です。
村
村上久美子#15
○村上参考人 御質問ありがとうございます。
まず、三歳になるまでの子を養育する労働者に努力義務としてテレワークというお話でございますが、私も、子供を育てたことから考えると、これはやはり三歳までというよりは、小学校に入るまで延ばしていただきたいなというのがちょっと感覚としてあります。
やはり、保育所に預けていると、ほかの子供が熱を出したらすぐに熱がうつってしまうとか、それですぐ呼び出されるんですね。それは男性ではなくて、やはり母親にかなり電話がかかってきて、行かなきゃいけないということがすごくあって、何で父親じゃなくて母親ばかりなんだろうとすごく思っていたことがあるんですよ。
そういうことも考えると、やはり小学校の始めまでは、入るまでは、テレワークというのは結構、コロナ禍でも利用はさせてもらいましたけれども、今もかなり便利なツールだと思っておりますので、テレワークに関しては、言ってみれば努力義務ではなくて義務化していただいて、小学校始期までというのがありがたいかなとは思います。
それからあと、看護休暇なんですけれども、小学校三年生まで延ばされたということなんですが、ありがたいことに、私の子供たちはそんなに病弱ではなかったので、余り看護をする機会というのはなかったんですけれども、やはり小学校に入って三年生くらいまでは、小学校に慣れて過ごしていくのに、ちょうど小学校三年生というのは一つの区切りじゃないかなと思っていて、病気なんかも、やはり三年生ぐらいを過ぎるとかなり安定してくるのではないかと思うんですね。ですので、もちろん、小学校六年生までとしていただければすごく助かるとは思うのですが、一つの区切りとして、小学校三年生までというのはいいのではないかなというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →まず、三歳になるまでの子を養育する労働者に努力義務としてテレワークというお話でございますが、私も、子供を育てたことから考えると、これはやはり三歳までというよりは、小学校に入るまで延ばしていただきたいなというのがちょっと感覚としてあります。
やはり、保育所に預けていると、ほかの子供が熱を出したらすぐに熱がうつってしまうとか、それですぐ呼び出されるんですね。それは男性ではなくて、やはり母親にかなり電話がかかってきて、行かなきゃいけないということがすごくあって、何で父親じゃなくて母親ばかりなんだろうとすごく思っていたことがあるんですよ。
そういうことも考えると、やはり小学校の始めまでは、入るまでは、テレワークというのは結構、コロナ禍でも利用はさせてもらいましたけれども、今もかなり便利なツールだと思っておりますので、テレワークに関しては、言ってみれば努力義務ではなくて義務化していただいて、小学校始期までというのがありがたいかなとは思います。
それからあと、看護休暇なんですけれども、小学校三年生まで延ばされたということなんですが、ありがたいことに、私の子供たちはそんなに病弱ではなかったので、余り看護をする機会というのはなかったんですけれども、やはり小学校に入って三年生くらいまでは、小学校に慣れて過ごしていくのに、ちょうど小学校三年生というのは一つの区切りじゃないかなと思っていて、病気なんかも、やはり三年生ぐらいを過ぎるとかなり安定してくるのではないかと思うんですね。ですので、もちろん、小学校六年生までとしていただければすごく助かるとは思うのですが、一つの区切りとして、小学校三年生までというのはいいのではないかなというふうに思います。
以上です。
山
山口慎太郎#16
○山口参考人 ありがとうございます。
短時間勤務、育休など様々な施策について、対象となる子供の年齢を引き上げていくこと自体は、より子育てに対して時間をかける余裕があるという意味ではプラスの面があると思います。
ただ、同時に懸念してしまうのが、特に女性に起こりやすいのですが、マミートラックに押し込められてしまう、子育てがあなたの仕事の中心であって、家の外で働く部分というのはあくまで副次的なものですよということにされてしまうのではないかという懸念があります。
経済学の研究でも、国ごとによる育休制度の違いがどのように女性の就業に影響を及ぼすのかを見た研究というのが複数あるんですが、例えば、育休ですと、一年程度だったら女性の就業にとってプラスであるんですが、三年ぐらいに長くなってくると今度は就業にマイナスになってくるという側面があります。
したがって、もちろん、子供が大きくなっても短時間勤務が使えるというようなプラスの側面もあるんだけれども、同時にマイナスの面もある。子の福祉を考えた場合には、むしろこれは、病児保育などの制度の充実で対応するという方法もあるかもしれないというふうに考えています。
そして、女性だけに育児、介護がどうしても期待されてしまうというマイナスの側面が大きくなってしまうという点に対して、育児休業の取得と同様に、男性だけが取れる枠というのを設けて、男性の取得を促すというのも一つの解決策かなというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →短時間勤務、育休など様々な施策について、対象となる子供の年齢を引き上げていくこと自体は、より子育てに対して時間をかける余裕があるという意味ではプラスの面があると思います。
ただ、同時に懸念してしまうのが、特に女性に起こりやすいのですが、マミートラックに押し込められてしまう、子育てがあなたの仕事の中心であって、家の外で働く部分というのはあくまで副次的なものですよということにされてしまうのではないかという懸念があります。
経済学の研究でも、国ごとによる育休制度の違いがどのように女性の就業に影響を及ぼすのかを見た研究というのが複数あるんですが、例えば、育休ですと、一年程度だったら女性の就業にとってプラスであるんですが、三年ぐらいに長くなってくると今度は就業にマイナスになってくるという側面があります。
したがって、もちろん、子供が大きくなっても短時間勤務が使えるというようなプラスの側面もあるんだけれども、同時にマイナスの面もある。子の福祉を考えた場合には、むしろこれは、病児保育などの制度の充実で対応するという方法もあるかもしれないというふうに考えています。
そして、女性だけに育児、介護がどうしても期待されてしまうというマイナスの側面が大きくなってしまうという点に対して、育児休業の取得と同様に、男性だけが取れる枠というのを設けて、男性の取得を促すというのも一つの解決策かなというふうに考えております。
以上です。
佐
佐藤博樹#17
○佐藤参考人 今回の、育児休業、短時間勤務、その後の小学校就学までの柔軟な制度、二つ選択ということで、あと、子の看護は小学校三年まで。今、山口委員が言われたように、基本的にはカップルで子育てをする、かつ、女性もフルタイムでできるだけ早く仕事に復帰し、フルタイムで両立できるということを考えると、僕はこれで基本はいいのではないか。
ただし、大事なのは二つあります。
一つは、男性も含めた勤務先の働き方改革ですよね。これが同時に進んでいくという前提だと思います。ですので、ここに書かれていませんけれども、社員全体の働き方改革、つまり、フルタイムでも無理なく仕事と子育てを両立できるような、そういう全体の働き方を用意する。もちろん、保育サービスや病児保育、こういうことも大事ですけれども、それを進めていくということがすごく大事かなというふうに思います。
あと、子の看護休暇をもし延ばす場合は、大事なのは、社員全体とのバランスというのを考えて、僕は、やはり病気休暇などを広げていく中で、本人や家族のという中で入れるというのはあり得るかと思います。つまり、子育て中の人だけじゃなく社員全体の、日本は、病気休暇をきちっと企業の中で制度化していくという中で組み込んでいくというのは、小学校三年の上についてはあり得るかなというふうに思います。
この発言だけを見る →ただし、大事なのは二つあります。
一つは、男性も含めた勤務先の働き方改革ですよね。これが同時に進んでいくという前提だと思います。ですので、ここに書かれていませんけれども、社員全体の働き方改革、つまり、フルタイムでも無理なく仕事と子育てを両立できるような、そういう全体の働き方を用意する。もちろん、保育サービスや病児保育、こういうことも大事ですけれども、それを進めていくということがすごく大事かなというふうに思います。
あと、子の看護休暇をもし延ばす場合は、大事なのは、社員全体とのバランスというのを考えて、僕は、やはり病気休暇などを広げていく中で、本人や家族のという中で入れるというのはあり得るかと思います。つまり、子育て中の人だけじゃなく社員全体の、日本は、病気休暇をきちっと企業の中で制度化していくという中で組み込んでいくというのは、小学校三年の上についてはあり得るかなというふうに思います。
金
金子容三#18
○金子(容)委員 ありがとうございます。
ちょっと時間がなくなってしまっているんですけれども、次に、介護に関しまして佐藤参考人に御質問をしたいと思います。
大体四十代半ばぐらいから介護が発生するというような方が多いと思うんですけれども、実際、今は結構晩婚化が進んでいて、二十代後半とか三十代前半から介護を行うというふうな人も結構増えてきているのではないかなと思います。ただ、その年代だと、まだまだお金が、給料も少なくて、親の介護をするのにちょっとお金が足りないというふうな、そういった切実な課題というものがあったりすると思いますけれども、そういった方に対するあるべき支援制度の在り方について御質問いたします。
この発言だけを見る →ちょっと時間がなくなってしまっているんですけれども、次に、介護に関しまして佐藤参考人に御質問をしたいと思います。
大体四十代半ばぐらいから介護が発生するというような方が多いと思うんですけれども、実際、今は結構晩婚化が進んでいて、二十代後半とか三十代前半から介護を行うというふうな人も結構増えてきているのではないかなと思います。ただ、その年代だと、まだまだお金が、給料も少なくて、親の介護をするのにちょっとお金が足りないというふうな、そういった切実な課題というものがあったりすると思いますけれども、そういった方に対するあるべき支援制度の在り方について御質問いたします。
佐
佐藤博樹#19
○佐藤参考人 どうもありがとうございます。
四十代後半ぐらいから、親がいる限り、介護の課題に直面する人は増えるんですけれども、御指摘のように、二十代、三十代でもいらっしゃる方はいます。ですから、そういう意味では、若い人たちも含めて、仕事と介護の両立支援、すごく大事だと思います。
その上で、お金のことなんですけれども、まず大事なのは、親御さんの介護に要するお金は誰が負担するのか。基本は親のお金を使うんですよね。ここは、結構これも誤解があって、子供が財政的な負担をするのではなく、もちろん、親の経済状況、いろいろでありますので、一律に全て親のというわけではありませんけれども、基本的には、私は、親の年金収入なり貯金等を使って親の介護に関わる、精神的なサポートと両立支援のアドバイスということが子供がやる役割ではないかなというふうに思います。
この発言だけを見る →四十代後半ぐらいから、親がいる限り、介護の課題に直面する人は増えるんですけれども、御指摘のように、二十代、三十代でもいらっしゃる方はいます。ですから、そういう意味では、若い人たちも含めて、仕事と介護の両立支援、すごく大事だと思います。
その上で、お金のことなんですけれども、まず大事なのは、親御さんの介護に要するお金は誰が負担するのか。基本は親のお金を使うんですよね。ここは、結構これも誤解があって、子供が財政的な負担をするのではなく、もちろん、親の経済状況、いろいろでありますので、一律に全て親のというわけではありませんけれども、基本的には、私は、親の年金収入なり貯金等を使って親の介護に関わる、精神的なサポートと両立支援のアドバイスということが子供がやる役割ではないかなというふうに思います。
金
金子容三#20
○金子(容)委員 ありがとうございます。
最後に、中小企業にとっては、大企業よりも負担が多くなる、重くなるのではないかなというふうに思います。中小企業の方が少ない人数で事業をやっておりますので、代替要員が確保できないとか、そういったいろいろな問題があると思いますけれども、中小企業の両立支援制度のあるべき姿について布山参考人と山口参考人に御質問いたします。
この発言だけを見る →最後に、中小企業にとっては、大企業よりも負担が多くなる、重くなるのではないかなというふうに思います。中小企業の方が少ない人数で事業をやっておりますので、代替要員が確保できないとか、そういったいろいろな問題があると思いますけれども、中小企業の両立支援制度のあるべき姿について布山参考人と山口参考人に御質問いたします。
布
布山祐子#21
○布山参考人 ありがとうございます。
育児、介護の支援については、会社の規模にかかわらず、やはり全体的に同じように行うべきだと思っております。
ただ、その中で、先生御指摘のとおり、中小企業の対応というのはなかなか難しい点もありますので、これは、政府の中でやる施策について助成をしていただいたりだとか、あるいは、特に代替要員の確保のところについては、行政の方でもサポートしていただくということが重要ではないかというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →育児、介護の支援については、会社の規模にかかわらず、やはり全体的に同じように行うべきだと思っております。
ただ、その中で、先生御指摘のとおり、中小企業の対応というのはなかなか難しい点もありますので、これは、政府の中でやる施策について助成をしていただいたりだとか、あるいは、特に代替要員の確保のところについては、行政の方でもサポートしていただくということが重要ではないかというふうに思っております。
以上です。
山
山口慎太郎#22
○山口参考人 ありがとうございます。
もちろん、中小企業においては、人数が少ないこともあり、育休で欠員が出てしまうと仕事を進めることが難しくなってしまうという問題があるわけですが、同時に、中小企業の今後の将来的な存続を考えた場合に、育休、介護休業というのをきちんと提供できるような体制にしていなければ若い優秀な労働力を確保することができなくなってしまうため、中小企業であっても、今後は育休、介護休業を取れるような体制にしていくことが必要だというふうに思っています。
その上で障壁になるのは、規模の小ささというのはもちろんそうなんですが、必ずしも効率的な経営がなされていないのではないかという点について懸念しております。
特に、中小企業において男性の育休取得が進んだ企業においては、ある意味、働き方改革、具体的には、IT投資などを行うことによって情報の共有化などを進めることによって、効率的な人員配置を可能にした好事例などが既に報告されておりますので、そういった取組を支援していくことによって、中小企業においても働きやすさというものを高めていけるのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →もちろん、中小企業においては、人数が少ないこともあり、育休で欠員が出てしまうと仕事を進めることが難しくなってしまうという問題があるわけですが、同時に、中小企業の今後の将来的な存続を考えた場合に、育休、介護休業というのをきちんと提供できるような体制にしていなければ若い優秀な労働力を確保することができなくなってしまうため、中小企業であっても、今後は育休、介護休業を取れるような体制にしていくことが必要だというふうに思っています。
その上で障壁になるのは、規模の小ささというのはもちろんそうなんですが、必ずしも効率的な経営がなされていないのではないかという点について懸念しております。
特に、中小企業において男性の育休取得が進んだ企業においては、ある意味、働き方改革、具体的には、IT投資などを行うことによって情報の共有化などを進めることによって、効率的な人員配置を可能にした好事例などが既に報告されておりますので、そういった取組を支援していくことによって、中小企業においても働きやすさというものを高めていけるのではないかというふうに考えております。
金
新
井
井坂信彦#25
○井坂委員 立憲民主党の井坂信彦です。
本日は、前半はまず介護のこと、後半は育児のことについて伺いたいと思います。
まず、村上参考人に介護を伺います。
介護離職の原因は介護サービスが十分に提供されないからだというお話がありました。そして、その介護サービスが足りないのは介護の給料が安過ぎて人手不足だからということであります。
介護職全体で見ると、月給の方の平均賃金に着目しがちなんですが、例えば訪問介護事業所で訪問介護員をされて現場を支えている方は主に非正規雇用の方が多いと認識しています。
そこで質問ですが、訪問介護員のうち非正規雇用の方の平均月収というのは幾らぐらいで、どのような特徴が見られるのか、また、訪問介護員の人材不足対策としてどのようなことが考えられるのか、伺います。
この発言だけを見る →本日は、前半はまず介護のこと、後半は育児のことについて伺いたいと思います。
まず、村上参考人に介護を伺います。
介護離職の原因は介護サービスが十分に提供されないからだというお話がありました。そして、その介護サービスが足りないのは介護の給料が安過ぎて人手不足だからということであります。
介護職全体で見ると、月給の方の平均賃金に着目しがちなんですが、例えば訪問介護事業所で訪問介護員をされて現場を支えている方は主に非正規雇用の方が多いと認識しています。
そこで質問ですが、訪問介護員のうち非正規雇用の方の平均月収というのは幾らぐらいで、どのような特徴が見られるのか、また、訪問介護員の人材不足対策としてどのようなことが考えられるのか、伺います。
村
村上久美子#26
○村上参考人 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、訪問介護サービスの主力というのは、非正規雇用の時給で働く皆さんです。これはほかの介護サービスとは違います。この方たちの働き方というのは、御自分の自宅から御利用者のお宅へ直接行ってケアをしてまた自宅に戻ってくるという、直行直帰の働き方になります。ですので、例えば、九時から十八時まで拘束されているのではなくて、ケアの時間と、あとは、連続して稼働する場合には移動時間、こちらが拘束になります。
月収は、時間にもよるんですけれども、二〇二三年度の調査では平均十三万円弱、年収が百五十五万ぐらいです。
時給に関しましては、身体介護と生活援助というのが分かれていまして、時給は、身体介護が千五百二十円ぐらいで、生活援助が千二百二十円ぐらい。ですので、時給自体はそんなに他産業と比べて大差ないというか、むしろいいくらいなんですけれども、やはり、この方たちのケアの時間ですね、三十分とか一時間、連続したらその移動時間、こちらの部分に時給が発生するという細切れの働き方になっているので、このような収入になってしまいます。
訪問介護員の人材不足対策について、もちろん処遇改善は必ず必要なんですけれども、働き方の問題というのもあると思います。
介護保険制度が始まった頃というのは、今のように人材不足が深刻ではなかったと思います。ただ、時がたつにつれて高齢者が増えてきて、要介護者も増えてきたということで、そこに訪問介護員の伸びがついていっていないということなんですね。
時給の訪問介護員の方というのは、子供が幼稚園に行っている間とか、日中空いている時間とか、あとは、生活費の足しになれば、そのような感覚で、専業主婦の方が多かったんですね。
ところが、共働き世帯が今増えています。総務省の労働力調査によりますと、介護保険が始まった二〇〇〇年では専業主婦世帯が四九・三%、令和五年では二八・八%と、今はもう七割が共働き世帯になっています。もちろん、その背景には、社会の変化とか、女性活躍推進法とか、あと男女の意識の変化、あと物価高騰、様々な要因があると思うんですけれども、そうなると、この細切れの働き方ですね、専業主婦から転向する方が多かった時給の訪問介護員というのは、もう不足するのは明らかです。
私どもNCCUは、この不安定な働き方をなくして、多様な働き方という観点から、短時間正社員制度の導入というのを推進しています。子育て期で、子育てが終わった方がフルタイムで働けるようになったら正社員になるということであれば、人材も安定してくるのではないかというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、訪問介護サービスの主力というのは、非正規雇用の時給で働く皆さんです。これはほかの介護サービスとは違います。この方たちの働き方というのは、御自分の自宅から御利用者のお宅へ直接行ってケアをしてまた自宅に戻ってくるという、直行直帰の働き方になります。ですので、例えば、九時から十八時まで拘束されているのではなくて、ケアの時間と、あとは、連続して稼働する場合には移動時間、こちらが拘束になります。
月収は、時間にもよるんですけれども、二〇二三年度の調査では平均十三万円弱、年収が百五十五万ぐらいです。
時給に関しましては、身体介護と生活援助というのが分かれていまして、時給は、身体介護が千五百二十円ぐらいで、生活援助が千二百二十円ぐらい。ですので、時給自体はそんなに他産業と比べて大差ないというか、むしろいいくらいなんですけれども、やはり、この方たちのケアの時間ですね、三十分とか一時間、連続したらその移動時間、こちらの部分に時給が発生するという細切れの働き方になっているので、このような収入になってしまいます。
訪問介護員の人材不足対策について、もちろん処遇改善は必ず必要なんですけれども、働き方の問題というのもあると思います。
介護保険制度が始まった頃というのは、今のように人材不足が深刻ではなかったと思います。ただ、時がたつにつれて高齢者が増えてきて、要介護者も増えてきたということで、そこに訪問介護員の伸びがついていっていないということなんですね。
時給の訪問介護員の方というのは、子供が幼稚園に行っている間とか、日中空いている時間とか、あとは、生活費の足しになれば、そのような感覚で、専業主婦の方が多かったんですね。
ところが、共働き世帯が今増えています。総務省の労働力調査によりますと、介護保険が始まった二〇〇〇年では専業主婦世帯が四九・三%、令和五年では二八・八%と、今はもう七割が共働き世帯になっています。もちろん、その背景には、社会の変化とか、女性活躍推進法とか、あと男女の意識の変化、あと物価高騰、様々な要因があると思うんですけれども、そうなると、この細切れの働き方ですね、専業主婦から転向する方が多かった時給の訪問介護員というのは、もう不足するのは明らかです。
私どもNCCUは、この不安定な働き方をなくして、多様な働き方という観点から、短時間正社員制度の導入というのを推進しています。子育て期で、子育てが終わった方がフルタイムで働けるようになったら正社員になるということであれば、人材も安定してくるのではないかというふうに思います。
以上です。
井
井坂信彦#27
○井坂委員 ありがとうございます。
続いて、ちょっと村上参考人に介護の処遇改善の実際について伺いたいと思います。
事業所が処遇改善加算を取っているのに、それが職員の賃上げにつながっていない、加算をもらえていないという声、私も地域を回っていると本当によく聞くんです。そのことについてどう思われるかというのが一つと、それからあと、今年の二月に始まった介護職員処遇改善支援の補助金、月額平均六千円相当の引上げとなっていて、二月、三月は一時金として支払って、四月からは月々払うということになっています。これも質問なんですが、現時点で分かっている範囲で結構ですので、賃金がどの程度上がっているのかということについて伺いたいと思います。
この発言だけを見る →続いて、ちょっと村上参考人に介護の処遇改善の実際について伺いたいと思います。
事業所が処遇改善加算を取っているのに、それが職員の賃上げにつながっていない、加算をもらえていないという声、私も地域を回っていると本当によく聞くんです。そのことについてどう思われるかというのが一つと、それからあと、今年の二月に始まった介護職員処遇改善支援の補助金、月額平均六千円相当の引上げとなっていて、二月、三月は一時金として支払って、四月からは月々払うということになっています。これも質問なんですが、現時点で分かっている範囲で結構ですので、賃金がどの程度上がっているのかということについて伺いたいと思います。
村
村上久美子#28
○村上参考人 御質問ありがとうございます。
処遇改善につきましては、法人の経営状態が厳しい場合、具体的には、キャッシュフローが不足をしていて事業が継続できないとか、あと、長期的に赤字が継続している、こういった問題がある場合には、処遇改善加算を取得しても、特別な事情に係る届出書というのがあるんですが、これを出すことによって、それを職員に配分しなくてもいいことになっているんです。ただし、その経営状況が改善されたら速やかに配分することということになっているんですけれども、こういった、経営上の課題がある場合に処遇改善加算をいただきながらも配分しなくてもいいというルールがあるわけなので、当然、厳しい経営状況、特に訪問介護事業所は四割近くが赤字だというデータがありますので、その事業所が処遇改善加算を配分していないということは当然あることだと思っています。
今回の訪問介護事業者に対して基本報酬を下げて処遇改善加算をアップしたという方法を取ったことに関してなんですけれども、先ほど申し上げた仕組みがある限りは、基本報酬を下げたことによって赤字になれば、たとえ処遇改善加算を上積みしていても、その上積みして得た分を職員に配分しない特別な事情があるんだということを法人が訴えれば、まあそういう法人が増える可能性が今後出てくると思うんですね、処遇改善加算分のアップ分がそのまま職員に行き渡らないということが更に増えるということが懸念されています。
一方で、処遇改善加算の対象者であるにもかかわらず、支給されたかどうかが分からないという人が、私どもの調査でも一定程度います。その理由は、支給ルールが分かりにくいということなんですね。これは制度の仕組みの問題だと思います。
加算が創設されたときから、制度そのものが、これは加算分というように、明確に分けて支給するようにというふうになっていなかったんですね。ですので、加算を処遇改善手当という名称で支払っているところとか、あと、定昇に使っているところ、それとか、両方のやり方で支払っているところとか、既存の手当に積み増ししていっているところ、いろいろあって、使われ方が多様化していて、複雑な配分になっているんです。ですので、給与明細の中で加算分を切り分けて記載するということができなくなっています。ですので、制度そのものが明確に分けて支給するようにとなっていればこのような声は出てくることはなかったというふうに思います。
それからあと、二月から始まりました支援補助金なんですけれども、まず、六千円ということが言われているんですが、六千円というのは平均額であって、必ずしもその金額だけもらえるわけではありません。
数字にすごくインパクトがあって独り歩きをしてしまうということがこれまでにもありました。一番大きなインパクトがあったのが、二〇一九年十月からの特定加算ですね。こちらで、勤務年数が十年以上の介護福祉士に八万円程度の処遇改善を行うということだったんですが、この八万円が独り歩きをして、それで私どものところにも毎日電話がかかってきて、私は八万円もらえるんでしょうかとか、勤続十年以上なんだけれどもどうなんだとか、すごい多くの問合せがあったんです。
ですので、実際にその数字どおりの金額がもらえなかったときに現場の人たちのモチベーションにかなりの影響を与えるということは、御承知おきいただきたいと思います。
現時点で、支援補助金分だけで大体平均すると四千円ぐらい、まだ交渉真っただ中なので全ての数字は出そろってはおりませんけれども、四千円ぐらい。施設に関しましては、介護職員を法定人員以上に職員を配置しているところがほとんどですのでもちろんその六千円にはなりませんし、訪問介護についても、時給制の方が多いので常勤換算すると六千円にはならないというところでございます。
以上です。
この発言だけを見る →処遇改善につきましては、法人の経営状態が厳しい場合、具体的には、キャッシュフローが不足をしていて事業が継続できないとか、あと、長期的に赤字が継続している、こういった問題がある場合には、処遇改善加算を取得しても、特別な事情に係る届出書というのがあるんですが、これを出すことによって、それを職員に配分しなくてもいいことになっているんです。ただし、その経営状況が改善されたら速やかに配分することということになっているんですけれども、こういった、経営上の課題がある場合に処遇改善加算をいただきながらも配分しなくてもいいというルールがあるわけなので、当然、厳しい経営状況、特に訪問介護事業所は四割近くが赤字だというデータがありますので、その事業所が処遇改善加算を配分していないということは当然あることだと思っています。
今回の訪問介護事業者に対して基本報酬を下げて処遇改善加算をアップしたという方法を取ったことに関してなんですけれども、先ほど申し上げた仕組みがある限りは、基本報酬を下げたことによって赤字になれば、たとえ処遇改善加算を上積みしていても、その上積みして得た分を職員に配分しない特別な事情があるんだということを法人が訴えれば、まあそういう法人が増える可能性が今後出てくると思うんですね、処遇改善加算分のアップ分がそのまま職員に行き渡らないということが更に増えるということが懸念されています。
一方で、処遇改善加算の対象者であるにもかかわらず、支給されたかどうかが分からないという人が、私どもの調査でも一定程度います。その理由は、支給ルールが分かりにくいということなんですね。これは制度の仕組みの問題だと思います。
加算が創設されたときから、制度そのものが、これは加算分というように、明確に分けて支給するようにというふうになっていなかったんですね。ですので、加算を処遇改善手当という名称で支払っているところとか、あと、定昇に使っているところ、それとか、両方のやり方で支払っているところとか、既存の手当に積み増ししていっているところ、いろいろあって、使われ方が多様化していて、複雑な配分になっているんです。ですので、給与明細の中で加算分を切り分けて記載するということができなくなっています。ですので、制度そのものが明確に分けて支給するようにとなっていればこのような声は出てくることはなかったというふうに思います。
それからあと、二月から始まりました支援補助金なんですけれども、まず、六千円ということが言われているんですが、六千円というのは平均額であって、必ずしもその金額だけもらえるわけではありません。
数字にすごくインパクトがあって独り歩きをしてしまうということがこれまでにもありました。一番大きなインパクトがあったのが、二〇一九年十月からの特定加算ですね。こちらで、勤務年数が十年以上の介護福祉士に八万円程度の処遇改善を行うということだったんですが、この八万円が独り歩きをして、それで私どものところにも毎日電話がかかってきて、私は八万円もらえるんでしょうかとか、勤続十年以上なんだけれどもどうなんだとか、すごい多くの問合せがあったんです。
ですので、実際にその数字どおりの金額がもらえなかったときに現場の人たちのモチベーションにかなりの影響を与えるということは、御承知おきいただきたいと思います。
現時点で、支援補助金分だけで大体平均すると四千円ぐらい、まだ交渉真っただ中なので全ての数字は出そろってはおりませんけれども、四千円ぐらい。施設に関しましては、介護職員を法定人員以上に職員を配置しているところがほとんどですのでもちろんその六千円にはなりませんし、訪問介護についても、時給制の方が多いので常勤換算すると六千円にはならないというところでございます。
以上です。
井
井坂信彦#29
○井坂委員 処遇改善加算というのはなかなか現場では必ずしもうまく機能していないことがあるということで、我々もやはり本体の報酬引上げが必要だというふうに考えております。
続きまして、今度は、育児のことを山口参考人と、それから小野山参考人に同時にお伺いしたいと思います。
一つは、男性の育児参加についてです。
育児休暇を増やしても少子化は余り改善しない、むしろ、土日も含めて男性が育児、家事を何時間するかの方が少子化には影響するというデータがあったかと思います。
山口参考人は、男性が家事、育児をしやすくなる踏み込んだ施策が必要だとおっしゃいましたし、小野山参考人も、男性の育児、家事時間の目標がないのは駄目だと厳しくおっしゃいました。それぞれ、どのような施策が考えられるのか、先進国の例、アイデアなど、もしありましたらお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →続きまして、今度は、育児のことを山口参考人と、それから小野山参考人に同時にお伺いしたいと思います。
一つは、男性の育児参加についてです。
育児休暇を増やしても少子化は余り改善しない、むしろ、土日も含めて男性が育児、家事を何時間するかの方が少子化には影響するというデータがあったかと思います。
山口参考人は、男性が家事、育児をしやすくなる踏み込んだ施策が必要だとおっしゃいましたし、小野山参考人も、男性の育児、家事時間の目標がないのは駄目だと厳しくおっしゃいました。それぞれ、どのような施策が考えられるのか、先進国の例、アイデアなど、もしありましたらお願いしたいと思います。