植田和男の発言 (財務金融委員会)
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○植田参考人 私ども、三月の決定会合では大規模金融緩和政策の見直しを決定したわけでございますが、その背景としての考え方をもう一度確認させていただきますと、インフレ率、消費者物価の上昇率から一時的な変動による部分を除いたところを基調的な物価上昇率と呼んだりいたしますが、これが、現在ではまだちょっと二%を下回ると見ています。これは、別の表現をすれば、賃金と物価の好循環に根差した物価の動きのところということでございますが。しかし、その会合で、様々なデータを、さらにヒアリング情報等も吟味した結果、この部分が遠くない将来に二%に向けて着実に上昇していく可能性が高いという判断に至りまして、政策の変更に至ったところでございます。
しかしながら、最初に申し上げましたように、現状ではまだちょっと二に届いていないということですので、二に向かって持続して上がっていく動きをサポートするために、当面、緩和的な金融環境が継続するというふうに考えているというふうに申し上げているところでございます。
今後ということで申し上げますと、この基調的な物価上昇率が徐々に二に収束していくという見通しを持っているわけですが、それが本当に着実に実現していくかということを賃金、物価を含みます様々なデータから確認しつつ、今後の緩和的な金融環境の程度がどれくらいであるのが適切なのかということを見極めていきたいと思っております。
最後につけ加えるといたしますと、一部には、恐らく、こうした基調的な物価上昇率が本当にきっちり二%になるまで待って、それから大規模金融緩和を解除した方がよかったのではないかという御意見もあるかとも思います。
ただ、私どもがそういたしませんでした理由は、二%に達したところで動くということをいたしますと、そのときにモメンタムがついている可能性が高いわけですから、基調的物価上昇率を含めて、インフレ率がもっと上に行ってしまうリスクはかなり高くなる。そういたしますと、それを止めるためには、場合によっては非常に急激な金利の引上げをそこで決定しないといけない、進めていかないといけないということにもなりまして、その可能性も出てくる。そのコストも考えた上で、少し手前からという判断になったというところでございます。