植田和男の発言 (財務金融委員会)
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○植田参考人 お答えいたします。
私ども、物価情勢の評価に当たって、委員御指摘のように、基調的な物価上昇率を重視しております。では、何が基調的な物価上昇率かということでございますけれども、一言で言えば、インフレ率の変動のうち、短期的な変動の部分を取り除いた残りの部分ということになるかと思います。
ただ、これは具体的に何%になるかと言われますと、なかなかきちんと捉えるのは難しい概念でございまして、様々なやり方で推計を行っておりますが、どれか一つが完全にほかよりもいいというわけでもございませんし、そうした加工された物価指標のほか、物価変動の背後にある様々な決定要因、需給ギャップや予想物価上昇率、賃金の動きなど、様々な情報を丁寧に見て判断していくものと考えております。
その上で、為替レートとの関係でございますけれども、私ども、金融政策は為替市場を直接コントロールの対象とは見ておりません。ただ、為替は経済、物価に重要な影響を及ぼす要因の一つであると考えております。円安は、輸入物価の上昇を通じて直接国内物価に影響するというルートもありますし、そのほか様々な経済主体の活動に影響を与えて、例えば総需要から物価に影響するというルートもございます。こうしたことが総合されて、場合によっては基調的な物価上昇率が動くということになってくるかと思います。そうしたことになりましたならば、金融政策上の対応が必要になるというふうに考えております。
この点、ここのところ、企業の賃金、価格設定行動がやや積極化するという動きが見えておりますので、過去の局面と比べまして為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっているという面あるいはリスクがあるということは意識しておく必要があるかと思います。
繰り返しになりますが、為替レートは経済、物価に大きな影響を与えるものでありますし、動向次第で金融政策運営上の対応が必要になると考えております。日本銀行としては、政策運営に当たって、最近の円安の動きを十分注視しているところでございます。