重徳和彦の発言 (本会議)

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○重徳和彦君 立憲民主党の重徳和彦です。
 立憲民主党・無所属を代表して、政府提案の水素社会推進法案とCCS事業法案について質問いたします。(拍手)
 先日、与党は、衆議院での当初予算審議を短時間で強引に終結させ、本日、予算関連の法案審議がスタートするわけですが、本来、国会議員は、国民の信あってこそ、国会の場で政策論争に臨めるのであります。裏金、脱税問題で、自民党は国民の信を失っています。
 当事者が説明責任を果たすべく、我々は、衆議院の自民党議員五十一人に政治倫理審査会への出席を申し出るよう求めていますが、いまだ五人しか出席しておらず、岸田総理が言われるとおり、残る四十六人の志ある自民党議員にも出席いただくよう、強く求めます。
 特に、下村博文議員は、自民党安倍派事務総長経験者であり、裏金のキックバックの継続の是非が議論されたとされる令和四年八月の安倍派幹部の会議にも参加した当事者として、同会議でのやり取りについて説明すべき立場の方であります。同会議に参加した議員のうち、世耕弘成参議院議員が参議院政倫審に出席することになれば、残るは下村議員のみになります。御本人は、寺田学筆頭幹事に対し、政倫審に出席する意向を正式に示しておられますが、それでも出席しないとすれば、自民党が御本人の出席を止めているとしか考えられないのではありませんか。
 これまでの安倍派幹部の責任逃れの証言が食い違っていることなどについて真実を明らかにしていただき、自民党の裏金、脱税問題の全容について説明責任を果たしていただくよう、強く求めます。
 さて、法案の質疑に入ります。
 まず初めに、カーボンニュートラルを機に、我が国が国益を懸けて主体的に取り組むべきエネルギーのゲームチェンジの進め方についてであります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルは、持続可能な地球環境と人類共通の利益を目指すものでありますが、各国においては、それぞれの産業構造、資源保有状況、国民生活への影響といった個別事情に応じ、それぞれの国益を守るために、したたかに取り組んでいます。
 日本は資源の乏しい国なので、化石燃料を外国から大量に輸入してエネルギーを賄っている、これが、小中学校でも習う、我が国の従来からの姿です。我が国は、これまで、限られた化石燃料資源を有効に使うため、世界トップクラスの省エネ技術や環境技術を磨いてきたと自負していますが、水素エネルギーや再生可能エネルギーへの取組は、むしろ後れを取っている面があると認識しています。
 世界の中で日本の置かれた現状、日本固有の個別事情をどう認識しているか、齋藤健経済産業大臣の認識をお尋ねいたします。
 世界がカーボンニュートラルという目標に向かって走り始めた今、日本は、これまでの常識を覆し、エネルギーの世界のゲームチェンジ、すなわち、既存のルールや市場の根本的な変革に挑むべきです。経済、環境、そして安全保障の観点から、国益を懸けて、国際社会において優位な立ち位置を取らねばなりません。そのための鍵を握るのが、水素エネルギーと再生可能エネルギーです。
 一方、エネルギーのゲームチェンジの過程では、各国の壮絶な国益のぶつかり合いを想定せねばなりません。我が国の産業が、エネルギーシフトが引き起こす苛烈な国際競争の中で淘汰されないよう、国力を維持発展させなければならぬことは当然です。
 我が国にとって守るべき具体的な国益は何か、国益を守るための戦略をどう考えているのか、お尋ねいたします。
 我が国の国益に資するゲームチェンジのためには、我が国に有利な国際ルールが必要です。欧州では、既に域内で、排出権取引制度、キャップ・アンド・トレードや国境炭素調整メカニズムが進められており、今後は世界のルール作りに乗り出すと見られますが、我が国がその動きに後れを取るわけにはいきません。
 現時点の欧州内での取組状況、米国、途上国を含め、国際社会における政府間のルール作りに向けた進捗状況を御答弁願います。
 経済安全保障の観点からは、サプライチェーン上の重要産業が日本国内に立地し、集積することこそが我が国の国益です。エネルギーの脱炭素化が我が国の産業立地の優位性確保にどう影響すると考えているか、大臣の見通しをお尋ねいたします。
 次に、水素エネルギー社会に向けたビジョンについてです。
 化石燃料から水素エネルギーに移行する中で、我が国が何より目指すべきはエネルギーの自給です。我が国は、エネルギーを外国に依存しているため、地政学的な安全保障リスクを抱えるとともに、毎年、巨額の国富が国外に流出しています。令和四年の化石燃料の輸入額は、三十三兆円を超えているんですよ。国内で賄えるクリーンで持続可能なエネルギーへのシフトに注力し、エネルギーの自給力を高めることこそ、自立した国家としての我が国の存立基盤の強化につながります。ここが、エネルギーのゲームチェンジのポイントであります。
 水素社会への移行はエネルギー自給力の強化にどのような筋道で貢献するのか、具体的なビジョンはあるのでしょうか。外国で製造された水素に依存するのでは、コスト、環境、安全保障のいずれの面でも不十分と考えますが、いかがでしょうか。
 水素社会が持続的に環境に貢献するには、再生可能エネルギーで生成する、いわゆるグリーン水素の比重を高めることが急務であり、政府がそのビジョンを明確に示すべきです。
 政府の再生可能エネルギー推進に向けた本気度を示されたい。特に、地勢的な強みを生かせるはずの浮体式風力発電、地熱発電の推進について明確なビジョンを示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 先日視察したJERAの碧南火力発電所では、世界最高水準の技術と言われるアンモニア発電が導入されており、現在二〇%のアンモニア混焼の比率を高め、二〇三〇年には五〇%、将来的には一〇〇%専焼への移行を目指すスマートトランジション、すなわち、できることから着実にやっていく方針を打ち出しておられます。
 石炭火力発電をアンモニア発電に切り替えるゲームチェンジは海外にも波及するのか、アジアなど途上国を含むカーボンニュートラルへの貢献と日本の経済的メリットを両立できるのか、具体的な戦略を問います。そのために必要なコスト低減の見通しはいかがでしょうか。
 カーボンニュートラルに向かう世界で戦う上で、水素エネルギーやCCSの推進は不可欠と多くの産業界が捉える中で、最も裾野が広い基幹産業である自動車産業を取り上げて質問します。
 自動車の脱炭素化は、車の電動化のみならず、電力、製鉄、部品製造などの関連産業、さらにはユーザーの走行時のライフサイクルアセスメントの視点が必要です。自動車のライフサイクルアセスメントの各段階の脱炭素化の現状はどうか、答弁をお願いいたします。
 次に、EV、電気自動車についてです。
 ここ数年、世界で新車の製造、販売を全面的にEVに切り替えようとする動きが目立ちましたが、ここへ来て、各国の状況も変化しつつあるようです。
 私は、かねてより、EVは全面的な普及には課題が多いため、自動車産業のカーボンニュートラルには、EVのほか、ハイブリッド技術や燃料電池、合成燃料等を活用した多様な選択肢を持って現実的に対応すべきと主張してまいりました。
 我が国として、EU、米国、中国など、国際的な自動車産業政策の動向をどう評価しているか、御答弁願います。
 また、国際社会全体が多様な選択肢を視野に入れた現実的な路線を進むよう、日本国政府が国際交渉において国益を懸けてイニシアチブを取るべきと考えますが、現状と具体的な課題をどう認識しているのか、御答弁願います。
 欧州では既に、昨年三月、CO2を排出しない合成燃料、e―フュエルの利用を前提に、内燃機関の存続が合意されました。e―フュエルの開発状況やその特性、実用に向けた見通しをお示しください。
 FCV、燃料自動車も水素社会における有力な選択肢の一つですが、現時点では十分普及しておらず、今後はバス、トラックのFCV化を推進すべきです。今後のFCV普及について、国内と、海外市場への展開も併せ、御答弁願います。
 水素ステーションの設置にも課題があります。政府は、現場を確認し、水素ステーションが普及しない原因と、どうすれば実効性ある事業となるかを検証するとともに、水素利用が社会全体で拡大していくよう、企業や自治体へ支援を強化すべきではないでしょうか。海外市場への展開戦略と併せ、御答弁願います。
 ここまで申し上げた観点から、今回の二法案の内容に沿って質問いたします。
 まず、水素社会推進法案において、低炭素水素等のCO2基準をどう想定しているのか、明らかにしていただきたい。輸送時の排出CO2も加味するなど、ライフサイクル全体のCO2基準とすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 水素サプライチェーンの構築における低炭素水素等への価格差に着目した支援の仕組みや支援対象期間は、事業者の参画に当たっての重要事項であり、政府の考え方を明確にお示しください。また、愛知水素関連プロジェクトのような地域の取組も進められていますが、価格差支援や拠点整備支援によってどのぐらいの需要の掘り起こしを目指していて、利用者となる産業、企業や自治体に対しどのような支援をしていこうとしているのか、具体的にお示しください。
 次に、CCS事業法案に関し、我が国ではCCSのメカニズムが十分周知されておらず、事故リスクや事業所等からのCO2の回収率などについて国民の理解を得る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 これまで、新潟県長岡市や北海道苫小牧市でCCSの事業化に向けた実証試験が行われてきましたが、我が国におけるCCSの適地はどのぐらいあると想定していますか。また、実際の候補地の指定に当たっては、事業者選定、事業内容等について、苫小牧市の事例などを参考に、住民参加による地元への説明や協議の場を確保し、事業や工事による環境負荷を検証する環境評価の仕組みを、鉱業法の制度に倣って制度的に担保すべきと考えます。大臣のお考えをお尋ねいたします。
 CCSも大きなゲームチェンジです。CCSの技術や事業が海外で評価され、受け入れられるだけの経済性や、その際の我が国にとっての経済的メリットがあるのでしょうか。アジアCCUSネットワークの展望も含め、御答弁願います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕

発言情報

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発言者: 重徳和彦

speaker_id: 12153

日付: 2024-03-12

院: 衆議院

会議名: 本会議