國重徹の発言 (本会議)
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○國重徹君 公明党の國重徹です。
私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案に関し、質問をいたします。(拍手)
トラックドライバーの労働時間短縮により物流が滞ることが懸念される、物流の二〇二四年問題。働き方改革関連法に基づいて、来月からトラックドライバーの時間外労働の上限を年九百六十時間とする規制が適用されます。改善基準告示も改正、施行され、拘束時間の制限なども強化されます。
我が国の物流の大部分はトラック輸送に依存しているところ、何も対策を行わなければ、二〇二四年度には輸送能力が約一四%、二〇三〇年度には約三四%不足するおそれがある。これは、民間のシンクタンクの試算です。
日本経済の生命線とも言える物流をいかに維持していくのか。ここで留意すべきは、この議論の出発点が、これまでないがしろにされてきた現場のトラックドライバーの権利や健康状態、労働環境の改善にあるのであって、その切実な悲鳴を踏まえない議論や政策では、結局のところ、担い手不足は止められない、物流危機を乗り越えることはできないということであります。これを乗り越えるためには、一般消費者を含めた、物流プロセスに関わる社会全体の協力が必要です。
公明党としても、党内に物流問題プロジェクトチームを設置し、これまで全国七か所の物流現場の視察を行い、関係者などからのヒアリングを重ね、それを踏まえた政府に対する提言の申入れなどを行ってきました。
一方、政府は、昨年六月に物流革新に向けた政策パッケージ、十月にはその中から即効性の高い各種施策を取りまとめた物流革新緊急パッケージをそれぞれ策定し、取組を進めております。その上での今般の法改正となりますが、これまでの取組から明らかになった本質的な課題と本法案の狙い、期待される効果について、国土交通大臣の答弁を求めます。
物流を維持するために最も重要な鍵になるのが、トラックドライバーの処遇改善、賃上げです。全産業で比較しますと、トラックドライバーの年間労働時間は約二割長いにもかかわらず、所得は約一割低い、つまり、ドライバーの時間単価は極めて低い状況にあります。賃金単価を上げ、残業時間が減ったとしてもそれなりに稼げる仕事にしていかないと、担い手不足は解消しません。
現場のドライバーが適正な賃金を受け取れていない根本的な要因の一つが、多重下請構造です。運送業界において一定の下請が必要なことは理解しますが、余りにも下請構造が多重化し、それぞれの下請業者が手数料を中抜きすることによって実運送事業者が適正な運賃を受け取れない。その結果、現場のドライバーに適正な賃金が行き渡らない。この状況を何としても改善しなければなりません。
今般の法改正では、多重下請構造を明らかにするため、元請事業者に実運送体制管理簿の作成を義務づけるほか、契約条件を明確にするために、荷主、トラック事業者、利用運送事業者に契約時の書面の交付などを義務づけています。
ここで重要になるのは、これらの施策をどう効果的に活用し、多重下請構造の是正と適正な運賃収受につなげるかです。これに関する見解と、実運送体制管理簿に記載すべき具体的な内容について、国土交通大臣に伺います。
さらに、実運送を伴わない、いわゆる水屋は、実運送体制管理簿では管理されないことになりますが、この水屋も多重下請による中抜き構造に関わっています。これらの実態を把握し、対策を講じる必要があると考えますが、国土交通大臣にこれに対する明快な答弁を求めます。
トラックドライバーが長時間労働に陥る大きな要因が、本来業務の運転とは別に、荷物の積卸しのために待機をしたり、実際に手作業で荷物を降ろしたりする、長時間の荷待ち、荷役です。国交省の調査では、ドライバーの荷待ちや荷役の時間を把握している荷主は二割未満。物流の効率化には、物流事業者のみならず、荷主の意識、行動の変革が不可欠です。
この点において、荷待ち、荷役時間の削減や積載率の向上を図るために、本法案ではどのような措置を講じているのか。規制の対象には大企業だけではなく中小企業も含まれるところ、新たな規制に伴う負担を軽減するための支援も必要と考えます。政府としてどのように取り組んでいくのか、国土交通大臣に伺います。
荷主の意識と行動を変革するためには、トラック業界を所管する国土交通省だけではなく、荷主業界を所管する省庁の関与が不可欠です。具体的には、荷主に対し、余裕を持った納品リードタイムの確保や価格転嫁への対応を含む指導をするなどの取組が必要と考えます。荷主業界の多くを所管する経済産業大臣、農林水産大臣の見解を伺います。
本法案の実効性を確保し、物流業界の抜本的な改革を行うためには、実態を的確に把握し、適切に対処するための監視体制の強化が必要です。
この点、昨年七月に発足したトラックGメンが、プッシュ型の情報収集や悪質な荷主、元請事業者に対する勧告、要請等に取り組んでいます。その上で、本法案の施行によって、トラックGメンの役割と効果はどのように変化すると考えているのか。限られた人員の中で悪質な事業者に厳格に対処し、業界の改革を進めるためには、厚生労働省の荷主特別対策チームや中小企業庁の下請Gメン、公正取引委員会の優越Gメンなど、関係機関と有機的な連携を一層強化していく必要があると考えます。国土交通大臣の見解を求めます。
物流の効率化という観点から、将来的には全ての物流がプラットフォーム上でマッチングできるようになることが理想と言えます。しかし、現状、物流業界にはアナログな配車システムが残っており、効率的な運行管理が難しく、復路の積荷も確保できずに積載率が上がらないという課題が生じています。
これを、プラットフォームを活用することで、荷物とドライバーが簡易迅速にマッチングできるようにする、それにより共同輸配送も促進していくことが重要になります。この点、現在も様々な民間事業者が参入し、マッチングサービスを提供していますが、その普及には課題もあります。
そこで、国土交通省としても、こうした課題を取り除き、取組を推進するため、物流情報の標準化を進めるとともに、システム開発や改修、関係事業者間での調整などの支援が必要と考えます。国土交通大臣の見解を伺います。
結びに、物流改革において、二〇二四年は終わりではなく始まりにすぎません。官民挙げての総力戦で対策を講じていく必要があります。抜本的な物流改革に向けた政府の本気の取組を強く求め、私の質問といたします。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕