斎藤アレックスの発言 (本会議)
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○斎藤アレックス君 教育無償化を実現する会の斎藤アレックスです。
日本維新の会との統一会派を代表して、ただいま議題となりました民法等の一部を改正する法律案及び同修正案に対して、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
離婚は、ありふれたことになっています。今日の日本では、三組に一組の夫婦が離婚し、そして、離婚の増加に応じて、父母の離婚に直面する未成年の子供の割合も増えています。親の離婚を経験した子供は、非同居親と関係が希薄化し喪失感を抱えたり、経済的にも一人親になることによって困窮したりする割合が多くなっています。離婚による子に対する悪影響を減らしていきたいという思いを、本議場の議員の皆様は共通して持たれていると思います。
本民法改正案は、このような問題意識の下で、子の最善の利益を確保していくために、父母の責務として、子の人格の尊重と養育、扶養の義務が明記され、同時に、父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子の利益のため互いに人格を尊重し協力しなければならないと規定しており、これらの規定に示されている本法が目指すところは評価されるべきと考えます。
共同親権を導入する本民法改正案に対しては、単独親権制度を維持することが望ましいとする立場、そして共同親権を導入するべきとする立場からも、不安の声や反対意見が寄せられました。
衆議院法務委員会での質疑で指摘をされた不安点などを踏まえて、自由民主党、立憲民主党、公明党、そして我々日本維新の会・教育無償化を実現する会の四会派で法案の修正協議を行い、お互いが一致点を見出し、それらの不安点に一定の手当てをする修正案を生み出すことができました。
国会審議を通じてよりよい法案、政策を実現していくことは我が会派の一貫したテーマであり、我々の修正協議に応じ真摯な議論をしていただいた各党の皆様、そして家族法の改正という大変重要で困難な任に当たっていただいた法務省や専門家の皆様、そして様々な情報提供をしてくださいました各種団体の皆様に感謝を申し上げるとともに、心から敬意を表します。
一方で、本法案に対する衆議院法務委員会での四月十二日の質疑において、立憲民主党の質疑者から、自民党や維新に好き勝手させないために、苦渋の判断だが修正案に賛成するという趣旨の発言があったことは大変残念です。
この民法の改正案に関しては、各党が党内に様々な意見を抱えています。だからこそ、修正協議では、真摯に議論を重ね、お互い譲るべき点は譲り、何とか協議を妥結させたのにもかかわらず、その直後に、交渉を行った相手方である我が会派などを一くくりにして切り捨てるような姿勢には強い不信感を抱きます。
我々国会議員は、国民の持つ様々な利害や意見を調整して、一定の方向性を導き出すためにこの場にいるはずです。意見が異なるからこそ、お互いに敬意を持って議論に当たることが必要なはずです。そのことを申し添えた上で、以下、賛成理由の説明として、合意された修正内容について、その意義を順次申し述べます。
まず、附則第十七条として、子の監護について必要な事項を定めることの重要性について啓発活動を実施する旨が規定されました。
離婚に至る夫婦は、夫婦間の葛藤が高まっていることがほとんどです。もしその葛藤が離婚後も収まらず、子に関する親権行使に関して父母間の意見調整ができないと、進学や長期休暇の過ごし方など、子にとって重要な事柄がなかなか決まらず、子の不利益になる事態が生じかねません。
そのような事態を防ぐためには、あらかじめ子の監護に関して必要な事項を定める、つまり、監護に関する計画を父母間で定めるようなことが有用であるという意見が、我が会派を含む複数の会派から提起をされました。
追加をされたこの附則第十七条にのっとって監護に関する計画を策定することが、父母の離婚後の子の親権行使を円滑に行い、子の利益を実現する上で重要であることが理解されるよう、法務省を中心として適切に広報啓発がなされていくことを求めます。
次に、本法案では、第八百十九条に関して、例えばどのような基準で裁判所が共同親権あるいは単独親権と定めるのか、また第八百二十四条に関しては、共同親権の場合でも、父母どちらか一方だけで重要な親権行使が行える急迫の事情とは具体的にどのような場合を指すのか、また同様に、常に親権者の一方だけで親権行使が行える監護及び教育に関する日常の行為とは具体的には何かなど、重要な判断基準が現時点で不明な規定が多岐にわたっており、本法施行後の離婚後の子の養育に係る具体的な運用に関しては、速やかに必要な周知を図っていくことが必要です。
そのため、附則第十八条として、このような項目に関して、本法の円滑な施行のため、国民への周知を政府が図る旨を規定しました。
三点目に、附則の第十九条として、協議上の離婚の場合における親権の定めに関して、父母の双方の真意に基づくものであるかを確認する措置についての検討項目が追加をされました。これは、父母間の力関係やDV等を背景として、一方が親権に関して適切に意見表明などを行えず、合意を強要させられる場合があるとの懸念から盛り込まれた内容です。
そのような事例が生じないように、政府には本附則にのっとった対応を求めるとともに、我が会派としても、DVの防止策の強化や被害の救済、被害者の保護など、更なるDV対策に取り組んでまいります。
最後の修正項目は、同じく附則第十九条に、本法の施行五年後を目途とした、制度の再検討を規定した点です。
この民法改正案は、本日、衆議院の採決を迎えますが、既に述べてきたような理由から、その内容に関しての懸念や意見対立が収まっているとはとても言えず、残念ながら、その状況は参議院の審議を経たとしても継続していくでしょう。だからこそ、本法が施行された後、実際の運用を見ながら、適時適切に制度の見直しを行うことが肝要である。我が会派が特に強く主張し盛り込まれた五年を目途とした再検討を定めたこの条項は、共同親権を推進する立場、そして共同親権に不安を抱える立場の双方にとって有用な規定となるはずです。
なお、この附則では再検討の時期の目途を施行後五年と定めているとおり、必要な制度の再検討や見直しは五年を待たずに行っていくということが、子の最善の利益につながることは論をまちません。政府においては、本附則にのっとって適時適切に所要の措置を講じていくよう求めます。
教育無償化を実現する会と日本維新の会は、本院において、子の利益のために何が望ましいのかという観点から、本法案の審議や修正案の協議に取り組んでまいりました。その中で、様々な立場から発せられた不安の声に触れてきましたし、もっと審議を尽くして慎重に決めるべきだという意見が出ることも十分に理解できます。しかし、両親から愛情をもって育まれる当然の権利を行使できていない子供たちが今大勢います。切っても切れないはずの親子の縁を断ち切られるとともに、経済面でも困難を抱えることになってしまった子供たちがたくさんいます。そのことを思えば、どこかで議論に一旦の区切りをつけ、法を実践する中で、しっかりと当事者を含む国民の懸念にも寄り添いながら、より効果的な制度の構築を進めるという段階に歩みを進めていくことが必要です。
政府、特に法務省と裁判所には、修正案の内容も含めた本法の趣旨のみならず、法務委員会の附帯決議の内容、そして委員会の質疑の内容にも真摯に向き合っていただき、本法に関する適切な運用の構築に向けて不断の努力を続けていただくことを重ねて求めるとともに、我が会派としても、子の最善の利益につながる親権制度の確立に向けて、引き続き全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、賛成討論の結びとさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)