城井崇の発言 (本会議)
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○城井崇君 立憲民主党の城井崇です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案、略称、子供性暴力防止法案について、こども政策担当大臣に質問します。(拍手)
本題に入る前に、今、大問題になっております、水俣病患者の方々との懇談でのマイク打切り問題について、伊藤環境大臣に質問します。
自公政権は、人の意見を素直に受け止める姿勢が全く不十分です。実際に、今月一日、熊本県水俣市で伊藤環境大臣と懇談した水俣病の患者団体などの発言が、環境省の職員に遮られた後、マイクの音を切られる事件が起きました。明らかに、被害者たちの言論を封殺する許されざる暴挙であります。
昨日、伊藤環境大臣は水俣を訪問し、患者団体の方におわびをし、話を聞かれたとのことですが、短時間ではなく、再度、水俣を訪問し、十分な時間を取り、患者団体の方からヒアリングをし、意見交換をすべきではないでしょうか。また、なぜ、マイクの音が切られ、会議が紛糾したその場で伊藤環境大臣自らがおわびをし、引き続きじっくり話を聞かなかったのか。マイクの音が切られていたことに気がつかなかったという言い訳は信じ難い。なぜ、おわびが昨日、つまり一週間も後になったんですか。当日の意見交換の後、新幹線に乗って移動されたそうですが、その後、どのような公務があり、意見交換を切り上げて、急いでおられたのでしょうか。
事務次官を厳重注意したとのことですが、部下の責任にするのではなく、最も責任が重いのは、大臣、あなた自身です。伊藤環境大臣、お答えください。
それでは、本題に入ります。
立憲民主党は、さきの第二百四国会における教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案の審議に当たり、子供たちを性犯罪被害から守るための基本的考え方を取りまとめました。第一に、子供に関わる全ての職種を対象として対策を行うこと。第二に、再犯防止の観点から、過去に子供に対するわいせつ行為をした者を、原則として二度と子供に関わる職に就かせないようにすること。これが私たちの基本的な考えであります。
さらに、子供と過ごす時間の長い職種に対して子供への性犯罪歴等の情報管理を行い、不適格者でないことを証明した上で採用するよう求める日本版DBS制度を検討すべきであるとして、その趣旨を法案の附帯決議にも盛り込みました。
また、旧ジャニーズ事務所の元社長による所属タレントへの性加害問題について、国会においても再発防止や被害者への救済策に取り組んできました。昨年五月には、地位を悪用した性加害の未然防止や早期発見を行う地位利用第三者児童虐待防止法案を衆議院に提出しましたが、与党は我々の提案を拒否しました。
子供を守り育てる立場にある大人によるわいせつ行為は、決して許されません。政府提出法案は、立憲民主党が求めてきた日本版DBS制度を創設するものですが、子供たちを真の意味で性犯罪から守れるかという点で、懸念もあります。
まず、日本版DBSの制度設計について伺います。
第一に、本法案を議論する大前提となる認識についてです。
子どもの権利条約の理念にのっとり、子供たちの保護、安全を第一にする仕組みとして、最優先で性犯罪等から子供たちを守ること、子供に対する性犯罪等を行った教職員や保育士等、子供に関わる仕事を行っていた人を、原則として二度と子供に関わる職種に就かせないことが重要です。
一方、犯罪歴という、本来は厳重に秘匿すべき情報を、子供の安全という重大な行為のために例外的に利用を許すという制度をつくる際には、現場がそれを適切に管理しなければならないのは当然です。職業選択の自由やプライバシーという重要な憲法的価値に関わる制度をつくり、運用するということへの自覚を、立法する我々国会も、政府も事業者等も持つ必要があります。こども政策担当大臣の認識を確認させてください。
第二に、プライバシー保護について伺います。
日本版DBS制度は、性犯罪歴等の情報を本人以外の者に提供する仕組みであり、当然、プライバシーの問題をはらみます。
昭和五十六年四月十四日の前科照会事件の最高裁判決は、前科及び犯罪経歴(中略)は人の名誉、信用に直接に関わる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するとし、その取扱いには格別の慎重さが要求されると指摘しています。個人情報保護法も、二条三項で、犯罪の経歴や犯罪により害を被った事実については要配慮個人情報と位置づけています。さらに、性犯罪歴等の漏えいには被害者が推測される危険もあることから、性犯罪歴等の取扱いは、被害者のためにも極めて慎重になされなければなりません。
日本版DBS制度におけるプライバシーの保護について、どのように過去の判例や個人情報保護法など既存の法律を踏まえて制度設計されていますか。
第三に、誰が日本版DBSから性犯罪歴等を取得すべきかという問題もあります。
犯罪事実確認書を本人が取得し事業者に提出する方法、本人提出型と、対象事業者が国に照会する方法、事業者照会型が考えられます。本法律案では事業者照会型が採用されました。本人提出型の方が、プライバシーリスクの観点からは、自己情報コントロールをより容易に行い得ると考えられますが、本人提出型ではなく事業者照会型とした理由を具体的にお答えください。
第四に、対象事業者での情報管理の徹底と性犯罪防止策の実施について伺います。
情報管理の徹底を義務づけつつ、採用時の性犯罪歴等の確認や確認の結果を踏まえた性犯罪防止策の実施を事業者に求めることは、実際上、可能でしょうか。学校教育法や児童福祉法上の認可を必要とする学校や児童福祉施設であれば、こうした義務づけは可能だと考えます。しかし、民間教育保育等事業者等では、監督以前に、事業の把握さえ困難な場合もあります。
本法案では、学校等以外の民間教育保育等事業者に対して、内閣総理大臣が、学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている事業者について認定、公表するとされています。この学校設置者等が講ずべき措置と同等のものとは、具体的に何ですか。
第五に、性犯罪歴等の回答方法について伺います。
過去の判例である前科照会判決は、前科回答が許される場合でも、犯罪の種類、軽重を問わず、前科等の全てを報告することには否定的でした。対象事業者に提供する犯罪事実確認書の内容構成について具体的にどうするのか、お答えください。
あわせて、日本版DBSのデータベースにはどのような性犯罪等に関わる情報が何年間載せられるのか、その理由も確認させてください。服役した拘禁刑で刑の執行終了等から二十年、執行猶予判決を受け猶予期間満了した拘禁刑で裁判確定日から十年、罰金で刑の執行終了等から十年とした理由について、こども政策担当大臣から具体的に御説明ください。
また、政府案では、犯歴について、禁錮刑以上なら執行終了後十年、罰金刑以下なら五年の間に再び刑を科されなければ刑の言渡しが効力を失う、刑の消滅という刑法の規定を上回って照会できるようにされますが、その根拠は曖昧です。この根拠についても、具体的にお示しください。
第六に、日本版DBSの対象外のケースの扱いです。
示談で不起訴や起訴猶予のケースを対象外とすると、再犯率が高い子供への性犯罪を本当に防ぎ切れるか疑問が残ります。どのように対策する考えですか。
第七に、対象となる事業者の範囲についてです。
子供と接する職種は幅広くあります。塾講師やベビーシッター、スポーツクラブ、タレント養成所、テーマパークのスタッフなど様々な職種が想定されますが、民間教育保育等事業者にどのような事業者が含まれるか、具体的にお示しください。
また、旧ジャニーズ事務所の元社長のように、事業者トップの地位の特権性を利用して子供への性暴力を行う者に本法案が対応できるのか、規模の小さい事業者への対応も含め、説明してください。
第八に、児童対象性暴力のおそれありの場合の措置についてです。
おそれありの場合に措置を取ることについて、本法案では、どのような場合に労働者が業務を外れる等の措置対象とされるのか。基礎となる情報の範囲も判断基準も法律に示されず、不明確です。このおそれありの措置によっては、性犯罪歴がなくても労働者が職場から排除され得るため、客観的基準を法律に示すべきです。ここで取る措置とは、具体的にどのような内容か。使用者による濫用や行き過ぎた措置をどのように防ぐか。
また、児童対象性暴力のおそれありの場合の措置について、ガイドラインを作成、検討するとのこども家庭庁の説明でしたが、具体的にどのような内容になりますか。
続いて、必要な性犯罪の未然防止及び被害者のための対策について伺います。
日本版DBSの運用を始めとした再犯防止は重要ですが、九割を占める初犯対策と予防策を徹底すべきことは言うまでもありません。本法案では教員等に対する研修の実施を定めていますが、研修の具体的な内容について、こども政策担当大臣よりお答えください。あわせて、空き教室等、学校内等での死角をなくすための人的配置等の拡充と、子供が性犯罪等を認知できるようにするための教育についてもお答えください。
また、被害の拡大防止や未然防止のための、子供が相談しやすい体制を強化すべきであり、ワンストップ支援センターなど、被害に遭った子供や家庭への支援体制を強化すべきと考えますが、こども政策担当大臣の見解をお願いします。
性犯罪に至った原因が性嗜好障害だった場合、どのように対応しますか。性嗜好障害は、いまだ治療法が確立していない状況です。治療法確立へ国は具体的にどのように取り組む考えか、こども政策担当大臣の認識をお示しください。
性犯罪者が社会復帰するためには、加害者更生プログラムなど、加害者更生に向けた取組が社会的にも認められる形で確立することが重要です。更生プログラム研究開発など、加害者更生に向けた国の取組の具体的な部分と、そして今後の見通しについて、こども政策担当大臣の認識を聞かせてください。
質問は以上です。誠実な答弁と充実した審議を求め、私の質問といたします。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇〕