阿部弘樹の発言 (予算委員会)
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○阿部(弘)委員 前の法務大臣は齋藤健、今の大臣でございます。
裁判には、公訴であれば、検察、裁判官、そして弁護士、それぞれがいらっしゃいます。それぞれが高潔な、そして高い知識を持って臨む、そのことが法律の前での公平性を担保する。そのことだから、国民はその判決に従う。もちろん、三審制でございますが、裁判は様々受けることができますが、そういう高潔な姿勢というものに今の法治国家の基本があるのではないかと私は考えておるわけでございます。
明治時代の官僚に、副島種臣外務卿、日清戦争のときに外交交渉をつかさどった、あるいは枢密院の副議長をお務めになった方でございます。その方の書というのは大変有名でございまして、明治の官僚を戒めるのに、濯纓濯足という孟子の漁夫の辞の言葉を引用してあります。
濯纓という言葉は、澄んだ水で冠のひもを洗う、常に官僚たるものは濯纓であれということを述べてあります。濯足とは、よどんだ水で足を洗う、さすれば濁った水のごとくになる、そうであってはいけないという孟子の故事を引用しながら、官吏よ濯纓たれというふうにおっしゃってありました。まさに今、官僚や政府に求められるものは濯纓の精神だと私は考えておるわけでございます。
さて、法務大臣でございますから、私は法務委員会の所属であるから法務委員会でこのことを聞けばいいというふうに思っているわけでございますが、法務大臣には、検察庁法に基づき、検察官を指揮する権限がございます。
かつて、造船疑獄のときに、佐藤栄作幹事長を逮捕させまいと、指揮権を犬養健法相が悩んだ末に実施しました。犬養健法務大臣は、御承知のとおり、犬養毅元総理の子息であります。犬養法務大臣自身も、戦前、ゾルゲ事件に関連して警察、検察から逮捕されたことは皆様周知のことでございます。たとえ吉田茂首相が指揮権を発動せよと命令しても、なかなかそれに踏み切れなかった。しかし、結果として踏み切り、翌日辞職をされました。それが遠因となり、吉田茂内閣は四か月後、内閣総辞職をなさった。
その造船疑獄についての見解を、法務大臣、お求めいたします。