小林史明の発言 (地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)

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○小林(史)委員 自由民主党の小林史明です。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 この間一時間いただいたばっかりなんですけれども、様々な委員会日程の調整の結果、今日この二十分を牧島理事からしっかりやるようにという御指名がありましたので、お許しをいただいて、質問をさせていただきたいと思います。
 前の一時間のときに質問し切れなかった部分を、質問通告をしてありましたので、前日に決まった関係もあって、この通告分を今日は質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、あの質問以降、与野党のやり取りを聞いていてちょっと気になった部分について最初少しお話をした上で、質問に入っていきたいと思います。
 まず、様々な法案や様々な政策を考える上で、一つ一つに対して個別最適の議論をするのではなく、やはり、ありたい社会の姿、向かいたい国の方向性を一本定めて、その方向に対してこの法案やこの予算、政策は適切なんだろうかということで判断していくべきだと私は思っています。
 その点でいくと、私としては、議員になって以来、テクノロジーの社会実装で、多様でフェアな社会を実現する、より多くの個人が、一人一人が、自由に、そして様々な背景を持っていても意欲を持って活躍できる、そして努力や成果がフェアに評価される、そんな社会をつくっていきたいと思っています。そのときに、デジタルというのは大変有効であると考えています。
 それを考えたときに、テクノロジーの部分でも、一般の日常活動を行う上で、いわゆるアプリケーション的に、ソフトの世界で便利に使うという部分と、社会インフラとして全国民が必ず使っていただくことによって社会全体が効率的になったり安全になったりという部分と、ちょっと層が違うと思うんですね。気になっていたのは、やはり、マイナンバーカードと健康保険証の一体化についての議論は、完全に後者のインフラの部分であるということを前提に議論すべきだと私は感じました。
 そこで一つ、立憲民主党の中谷さんを中心にいろいろお話があったのは、やはり全員が持ちたいと思える便利な状況になってからちゃんと持っていただくということが重要ではないか、私もそれはすごく大事なアプローチだと思います。当然、国民の皆さんに使っていただくためには、使ったら便利であるという完璧な状況を用意すべきだ、私もそう思うんですね。
 ただ、インフラとしてむしろ先に全員に使ってもらう必要があるものについては、これは申し訳ないですけれども、期限を区切って、全員持っていただく必要があると思います。
 なぜマイナンバーカードがそうなるのかということなんですが、一つは、先般の質疑でやり取りした社会保障の無駄ですね。今の健康保険証を紙で発行してやり取りし続ける限り、毎年百億円以上の費用が事務手続で無駄になっていく。データを使った社会保障改革まで含めると、もう一桁必ず増えるはずだと思います。それをやはり早く改革をし、保険料をできれば下げていく、抑制していくというところに力を注ぐべきだと思います。
 もう一つ、実は、この議論に抜けているのは国民の安心、安全なんですね。
 健康保険証という身分証明書に顔写真がない、電子的に資格をリアルタイムで確認する方法がないというのは、実は非常に不完全で危険な個人認証の仕組みになっているということです。実際に、一時期、スマートフォンを使った口座開設のときに、偽の口座、成り済ましの口座を開設するときに使われたのが健康保険証でした。様々議論があった結果、今、口座開設等には健康保険証は使えないということになりました。それはまさに健康保険証が個人を証明するのに不完全なものであるということなんですね。だからこそ、早く健康保険証は手放していただいて、完全にリアルタイムに個人の認証ができる仕組みを持っていただきたい。それは政府として提供する義務があると思っています。
 今少し話題になっているのは、マイナンバーカードの券面、表面を偽造したもので、何か、個人を偽る人が出てきているということがあります。これは問題です。
 でも、理想の姿というのは、どうしなきゃいけないかというと、私はマイナンバーカードの券面は全部消せばいいと思っているんですね。何も書いていないマイナンバーカードを用意する、そして、一般の方々、事業者の方々がスマートフォンやタブレットで気軽に読み取ることができる、読み取れば必要な情報が読める。こういうふうになると、番号も表に出す必要はないし、個人の名前や住所も表に出す必要がなくなります。実際に、現在、クレジットカードは、ナンバーレスカードということで番号すらも表に書いていないカードが普及しています。
 ですから、次期カードについてはまだ表記は残りますが、第三期については私は券面の表記をなくすべきだと思います。それによって、電子的にリアルタイムで読み込むことが本当に安心、安全な個人認証を提供することになると思います。
 実際に、今、デジタル庁の中では、マイナンバーカードの電子的な読み取りを簡単にできるようなアプリケーションを開発をして、提供が予定をされています。これが広がっていけば、現在のマイナンバーカードの券面、表面を偽造した詐欺というのも撲滅することができますから、こういったアプローチでまずはやっていくことが重要ではないかと思うんですね。
 そしてもう一つ、アプローチの仕方です。
 先ほどのソフトの世界、アプリケーションの世界であれば、なるべく使いやすくしていって皆さんに使っていただく、促していくことで利用率を上げる、こういうアプローチが適切だと思いますが、インフラ部分についてはどこかで期限を区切ってやる必要があります。
 実際に地デジ化のときはそれをやっていますね。アナログ放送を停波します、それに当たって皆さんの御自宅の受信設備を全部デジタル対応にしていただくということを、当時、総務省が、ボランティアも募り、様々な機関と連携して、複数年かけてやり切っています。でも、それによって、この社会のインフラは圧倒的に前に進み、利便性が高まり、そしてコストは抑制された。
 同じようなアプローチを今回マイナンバーカードと健康保険証でやろうとしているということですから、我々は、それを国民にちゃんと説明をして、そして、持ったときにはやはり便利だったと思える瞬間をつくる、これでいくしかないと思いますので、その考え方は、是非、立憲民主党やその他の政党の皆さんとも共有しながら、そこの丁寧さとか便利さが余りにも低いんじゃないか、こういうところで改善していくというところで議論ができればと思っています。
 加えて、私、とても大事な気づきをいただいたのは、中谷さんの質疑の、もう一つは性別の表記の話ですね。国際基準ではもうちょっと違う、男女以外の表記もあるので、そういったことも政府として考えるべきではないかという提起がありました。これは大事な話だと思うんです。
 ただ、ベースレジストリーというのは、もう永久に残る、国として責任を持って保管する唯一のデータベースになりますから、生まれた瞬間の遺伝子的な性別とかこういったものがここで分からなくなると、場合によっては、国際的なスポーツ大会とかはどうするんだっけみたいなことが起こってくると思うので、あくまで、住民基本台帳や戸籍、これはベースレジストリーですから、性別はちゃんと取っておく。
 一方で、もう一層上に、自分が申告したい性別であったりとか、もしかしたら別姓の情報であったりとか、あわせて、先般の質疑でやり取りさせていただいた、何か自分にあったときの連絡先とか遺言の内容、こういったものを保管をしておくデータベースを一層設けて、何か、必要な証明書として表に出すものについてはこの情報を引っ張り出せるということになれば、政府として唯一のデータベースは持ちつつ、国民として使いたい情報、表に出したい情報を随時引き出すことができるということは、利便性高くできるんじゃないかと思うんですね。
 こういうふうに、少し層を切り分けて構造的に整理をしていけば中谷さんの提案も私はできるんじゃないかと思っていまして。これは、党派を超えて、このシステムの在り方であったりとか、そもそも政府が持つべきベースレジストリーの情報とは何か、これは共産党の高橋さんとも是非御相談したいと思いますが、本当はもうちょっと、独居老人の話とか孤独、孤立の話も含めて、政府側が統一的に持った情報を増やした方がいいんじゃないの、福祉のために必要なんじゃないの、何で携帯電話番号を持っていないんだっけ、連絡がつかなくて困るよね、こういうことも解決に導けるのではないかと思いましたので、これまでの野党の皆さんの質疑を聞いて少し思ったこと、御提案をちょっと共有させていただきました。
 その上で、このような国民の利便性、そして安心、安全を守るためには、政府がつくっていくシステムというのが非常に重要になってまいります。だからこそ、丁寧につくる、きちっとつくるということがずっと続いてきたわけですけれども、結果として非常に高い費用のかかるシステムがたくさんでき上がってしまったというのが現在であります。それをやはり改善をし、利便性は高いけれども値段は低く、そして複数の省庁が共同で使えるような、場合によっては自治体が独自でシステムを調達しなくても業務を簡単にシステム化できるような、そんな状況をつくろうということでデジタル庁ができ上がったわけです。
 そこで、デジタル庁に提案及び質問をしたいと思います。
 とにかく、システムをつくるときに、私もワクチンの仕事をやったときにも思いましたけれども、何か新しい業務をやるときに、システムをつくろうと思うと、ゼロから調達をかけてつくろうということから検討が始まるんですね。
 でも、本来は順番が逆で、今ある政府のシステムで相乗りして使えるやつはないんだっけというところから本来は考えるべきではないか。それが難しかったら、民間事業者が既に提供している、いわゆるSaaSと呼ばれる、一般企業も使えるようなクラウドのサービス、これを使えないのかと本当は考えるべきだ。次の順番はいわゆるPaaSですね。プラットフォームサービスを提供していて、その上に簡単に、プログラミング言語を書かなくてもシステムがつくれるツール、これはローコードツールと呼ばれていますが、これを使えないんだっけというふうに考えて、それでも駄目だったら独自でシステムをゼロからつくろう、こういう思考の順番になった方がいいと思うんですね。
 そう考えたときに、厚生労働省は、コロナ対策の病床の確保や検査数など、病院の調査をするためにG―MISというローコードのツールを使ってつくった仕組みがあって、これを現在ではどんどん使途を広げていって、全ての医療機関向けに多数の法定調査をするときもこの仕組みでやるとか、部署ごとに調査事業をやっていたんですけれども、それももうシステムを使わなくて、このG―MISでアンケートを取っちゃう、調査も全部やっちゃうということで、もう完全に相乗りを増やしていっているんですね。これはすごくいい事例だと思うんですね。
 こういう事例を横展開して、何か既存の仕組みでできそうなんだけれども、ちょっとだけこの制度があるからできないんだよねみたいなのは、むしろ制度を変えてシステムに載るようにしちゃうというふうにした方が、確実にアプローチとしてはいいと思うんですね。それに合わせて業務を見直すということが的確なのではないかと思います。
 それを他省庁にもちゃんと求めていくということに、デジタル庁が持っている、伝家の宝刀である勧告権を私は使うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 小林史明

speaker_id: 9056

日付: 2024-05-08

院: 衆議院

会議名: 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会