山岸尚之の発言 (環境委員会)

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○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。
 三つの視点での御質問、ありがとうございます。順番に端的に、なるべく端的にお答え申し上げたいと思います。
 気候危機の観点で、一つ身近な事例といいますか、ちょっと意外な事例を出させていただきますと、近年、パナマ運河の水位が干ばつによってちょっと下がってしまっていて、そもそもパナマ運河を通れる船の数を減らすという措置がとられています。これは別に気候変動の影響を受けた干ばつのせいだけではなくて、当地での管理の不足といった問題もあるそうなんですけれども、一つ大きな背景として気候変動の影響といったものがあります。パナマ運河を通ることができる船の数が減れば、日本が輸送で使いたい船の数も減ってくるし、そのときに果たして日本を優先してくれるのかどうかといったような問題も、日本向けの輸送を優先してくれるのかどうかといった問題も発生し得ます。
 このような形で、気候変動の危機というのは、一体どのような形で我々の生活に降りかかってくるのかというのはフルでは分かっていない部分があります。我々の経済安全保障自体に対しても大きな影響を与え得る問題ですので、このようなことを考えたときに、なかなか遠回りで恐縮ではございますが、世界全体の削減量をなるべく増やす方向でいかなければいけないと。
 つまり、先ほどからの主張の繰り返しになりますけれども、JCMを国内削減目標の代替としてカウントしてしまえば、世界に対して持っている貢献度合いは、ありていに言えば、四六%削減目標から増えもしなければ減りもしないという状況になってしまいます。これをそのままでいいんでしょうか、足りない足りないとみんな分かっているのに、ここにプラスをしなくていいんでしょうかということだと思っています。これが第一の観点から。
 第二の観点からは、これも難しい問題ではあるんですけれども、気候正義の観点からいいますと、やはり途上国における安い削減機会を奪う可能性もあるということでございます。
 パリ協定の制度上、途上国でJCMをやった場合、その削減クレジットを日本に持ってきたら、少なくともその削減クレジット分は途上国で削減が起きていないということにしないといけないんです。これは当たり前ですけれども、それもし起きているというふうにしてしまったら同じ削減を二度カウントするということになってしまいますので、制度上必要な措置ではございます。
 ただ、それは逆に言えば、途上国における安い削減機会を、ひょっとしたら自分たちの発展の中でできたかもしれない削減機会を持ってきてしまう部分でもあるわけです。そこについては十分注意をして、助けるならいいです、助けるならいいけれども、日本のために使うために持ってくるのだとちょっと問題がある部分も中にはあるかもしれないということは、十分注意をして使う必要があると考えています。現状、その問題が顕在化しているかといえば、そこまでではないと思いますけれども、これからないとも限らないので、十分注意をしていく必要があります。
 ちょっと話が長くなってしまいましたので、三番目について省略をさせていただきます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 山岸尚之

speaker_id: 9457

日付: 2024-06-06

院: 参議院

会議名: 環境委員会