竹内純子の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(竹内純子君) ありがとうございます。
 ただいま御紹介いただきました国際環境経済研究所理事、U3イノベーションズ共同代表等を務めております竹内と申します。
 経済産業省さんの、政府の水素の委員会ですとか、あるいは全体戦略を取りまとめるGX実行会議というところでも委員を拝命しておりまして、ちょっと今日は全体像ということでお話をさせていただければというふうに思います。
 今日、極めて十五分という短い時間でございますので、資料、相当絞りました。申し上げたいことは、おめくりをいただきまして、骨子というところに書かれたペーパーにもう集約をさせていただいております。それ以降、二ページ目以降はもう参考資料ということでございますので、もうこれぺりっと外していただいて、骨子と見比べながらお話聞いていただければというふうに思います。
 私ども、世界はこれ脱炭素化に向けて、脱炭素化を目指すということをパリ協定の下で掲げているわけでございますけれども、これには相当規模のコストが掛かるということになります。ですので、カーボンニュートラル達成するためには、とにかく安い手段から徹底してやっていく、いわゆるロー・ハンギング・フルーツ、手に届きやすいフルーツから手に取っていく、何も木のてっぺんに生えている果物を取りに最初に行かないということが、これは鉄則でございます。
 そうした観点から、技術の進捗の段階に応じてやらなきゃいけないことが変わってくるということで、スライド三ですね、ページ番号三でございますけれども、GX実行会議の資料にも含まれておりましたとおり、もう言わば、省エネですとかそういったものによっては、技術によってはやった方が長期的に見た場合お得になるという、負の削減コストが発生するというふうに言いますけれども、むしろやった方がお得になるという技術もあるわけです。そういったところは、例えば初期投資の投資がやりやすいようなほんのちょっとのサポートをしてあげればいい。ただ、もっとコストの高いもう技術がほとんどということになりますと、そういった技術には普及のための支援でありますとか、研究段階の技術につきましてはその研究開発のサポートといったようなところをしていくという、技術の発展段階に応じてやることが変わってきますということをこのGX実行会議でも確認をしているところでございます。
 ただ、難しいところは、どの技術がどんなコストになっていくかというところが極めて見通し難しいというところでございます。
 おめくりいただきまして、二枚同じような、ちょっとカラフルなグラフが並んでおりますけれども、こちら、試算をされた主体が、左側はコンサルティングのマッキンゼーさん、右側はRITEさんという研究機関なんですけれども、それぞれの技術の一トン当たりCO2削減するのに幾ら掛かるんだということを試算されたデータということになります。
 左側、こういったものは試算の前提条件等が詳細に詰めないとよく分からないというところもございますので、傾向を把握していただくというところくらいで十分かなというふうに思いますけれども、それぞれやっぱり大きく異なる点ございます。細かく見ていただく必要はなく、傾向をつかんでいただければと思いますが、ただ一方で、この二つともおっしゃっていること、この二つから読み取れることというのは、やはり最初、電化、需要側を電化するということ、そして電気のつくり方を脱炭素化していくということ。これ、典型的な例で言いますと、自動車をEVですとかそういった電動車に乗り換えていただく、で、電気のつくり方を原子力や再エネといったCO2を出さない電源に替えていくという、このセオリーが言わば基本になりますということでございます。
 おめくりいただきまして、スライド六のところに脱炭素化に向けたセオリーというふうに書かせていただいておりますけれども、大幅な脱炭素化といったようなところの柱になるような技術、カーボンニュートラルということですと、もうありとあらゆる手を尽くさなければいけないわけですが、柱になるというところは、取組は、電源の脱炭素化と需要の電化、これを同時進行で行うことでございますということが書かれています。
 ちょっとだけここのグラフ、グラフじゃないですね、ごめんなさい、図を御説明をさせていただきますと、皆様から見まして一番左側の現状と書かれている二色の棒グラフ、こちらが、今の私どもが使っている、社会全体が使っているエネルギーの全体像ということになります。
 御覧いただくとお分かりになりますとおり、電気というのは三割程度でございまして、あとの七割はいわゆる化石燃料を使っているということになります。
 この非電力から出るCO2を削減しようと思うと、やり方は高効率化ということになります。それこそ、ガソリン車の燃費を倍、三倍にしていくというようなこと、こういったことをやりますと当然CO2は減るんですが、どこまで行ってもカーボンニュートラル、ゼロにするということは高効率化ではできないということになります。なので、カーボンニュートラルの目標を優先しようとすると、これはもう使用抑制といったようなことになってくる。
 このエネルギーの使用を抑制するということは、これは社会にとって極めて大きなダメージを与えるということになりますので避けなければいけない。じゃ、そういった避けなければいけないことを避けながら便益を享受することはできないのか。これが電化ということで、化石燃料で動いていた機器を電気で動くように変えていく、加えて、電気のつくり方を変えていくということでございます。
 ただ、済みません、ここで骨子の方に戻っていただきますと、電気で全てが解決できるわけではございませんというのが三ポツ目に書いてございます。三つ目の青いポツ、しかし、高温の熱需要など電化の困難である領域や化石燃料を原料として使用する鉄鋼等の素材産業では、水素、アンモニアの活用が鍵となります。
 しかしながら、先ほどの、技術によってのこのコストのグラフをちょっと思い出していただきたいんですが、水素、アンモニアというのは、特に今はまだ初期段階と、技術の黎明期ということで、製造方法、製造場所、そして運搬のコスト、こういったものによってコストが大きく異なるということで、何が競争力を持つのか。この競争力というところは、コストというところの競争力が一番大きいわけですけれども、加えて、量をどれぐらい確保できるかというところも肝になってまいります。これがまだ明らかではないというところ。ですので、制度設計全体、多分法案読んで皆様もお感じになったことだと思いますけれども、かなり柔軟性を担保するということが重要になってくるといったようなところでございます。
 ただ、当面は、実は化石燃料で作ったアンモニアというところが、これは農薬等の使用でも世界的に流通しておりますので、極めて競争力を持つといったところは明らかかというふうに思います。
 こういった観点から考えるということと、こういった日本のエネルギー政策から考えるということと、部分と、産業政策、あるいはエネルギー供給というだけではなくて、エネルギーの安全保障、安定供給といったような観点も加えてトータルでやっぱり評価をするということが必要になってまいります。
 そうしたことから、今日のちょっとポイントでございますけれども、ページ番号が、申し訳ございません、消えてしまっておりますけれども、七スライド目に、水素、アンモニアの大まかな特徴というふうに書かせていただいた一覧表がございます。水素というようなことで、水素やアンモニアということで一言で申し上げても、先ほども申し上げたとおり、いろんなコストがあり、いろんなボリューム感がありというようなところでございますので、大まかな整理をさせていただきました。こちら、基本的には本当に大まかな整理でございますけれども、一つ一つちょっと補足をさせていただければというふうに思います。
 一番左に書かせていただきましたのが、国内の再生可能エネルギーで水を電気分解をして水素、アンモニア、まあ水素等を得るというようなところでございますけれども、基本的にこちらの問題点はコストと供給量ということでございます。
 ただ、これは後の山梨の方のプレゼンにお譲りをしたいと思いますけれども、再生可能エネルギーの導入が豊富な地域で既に活用の事例等もございますし、PEM方式と言われるものは出力制限の抑制に高い効果を持つ。更に言いますと、やはり日本でつくった電気で日本の水を電気分解しますので、エネルギー安全保障上も極めて有効というようなところになります。
 全く同じ文脈で、原子力というものでつくった電気でも当然同じことができる。関西電力さんが敦賀の水素ステーションにおいて電力を供給して、そして要はトレースをして、これはCO2を出さないで作った水素であるということをお示しするといったようなところございます。高温ガス炉という形で、熱によって水を分解することによっても当然水素を作ることは可能ですけれども、そういったことをしなくても、一応電気が大量に供給できればそういったことは可能ということになります。
 こちらのメリットとしては、発電単価がほかの発電方式に比べて安いので、水素価格も安く作れるということは期待ができる。これに加えて、原子力というのはほぼ準国産、純粋の純ではなくて国産に準じるエネルギーというような形でございますので、国富の海外流出ということも抑えられるというところはございますけれども、実は、安定的な脱炭素電源ということにつきまして、日本はまだそんなにリッチな国ではございません。ですので、こうした特に安定的で極めて質の高い電気は電気のまんま使うのが一番正しい方法だというようなところがあります。
 そういったところから考えますと、日本のように、再エネに適したような広い砂漠があるわけでもない、原子力がどんどんこれから建つということもなかなかこれは厳しいという国におきましては、海外から持ってこざるを得ない。これは、運搬コストは掛かりますけれども、そういったことをするということになりますと、海外の再エネで作ったもの、化石燃料で作ったものというようなことが出てまいります。
 海外の再エネ由来といったようなところ、これは発電単価が、これは地域によっても違いますけれども安くなってきているといったようなところで、水素製造についても安価になることが期待をされるといったようなところもございます。輸送費が、ただ極めて掛かるというようなところ。ただ、アンモニアについて申し上げますと、既存の流通ルートがあるといったところは強みかというふうに思います。
 今、海外では多くの国がこの水素を輸出する。これまで地面の下にあった化石燃料を掘って輸出をしていたという国が、これからはもう地面の上に太陽光パネルを置いて、この作った水素等を輸出に回したいというようなことをいろいろ考えておられます。サウジアラビアですとかチリ、アメリカ、豪州などがもう輸出戦略といったようなところを立てている。こういった中で、ボリューム感ではチリが秀でそうであるとか。
 この前、私、豪州の日豪経済委員会というところで基調講演をしてきたんですけれども、彼らも、日本とのこれまでの友好関係を生かして是非売りたいというようなことをおっしゃっているわけですが、まだ彼らは電気代がちょっとほかの国に比べて高いので、もうちょっと安くならないと日本としては買えないなというような感想は申し上げてまいりました。
 今一番安いのは、やはり海外の化石燃料で作った水素を持ってくるということになりますけれども、ただ、こちらは、一点難点があるとしますと、CCS技術という形でCO2を地下に埋めるというようなことを併用することが求められるわけでございますけれども、当該国の住民感情、国民感情から、言わばこのCO2というごみだけ捨てていくのかといったようなところもございますので、そういったところで安定的に本当に我が国に供給してくれるのかといったようなところ、こういったところを見定めながら付き合っていくということが必要になるところでございます。
 そして、最後のページ、おめくりをいただきたいんですけれども、こちら、よく聞かれることというようなところでお示しをしております。
 その前に、大変申し訳ありません、骨子のところで下から二つ目のポツのところに書かせていただいた点だけ、ちょっと補足をさせていただければと思います。
 先ほどの豪州の点でございますけれども、こういったポテンシャルマーケットとして我が国に水素を売りたいというような国もある一方で、加えて申し上げると、みんな各国は、これを産業構造の転換の契機にしようとしていますというところでございます。
 我が国でも、カーボンニュートラルという言葉からグリーントランスフォーメーションという言葉に変わったのは、より付加価値を付けて経済成長とリンクさせていく、これは成長戦略としての脱炭素戦略を描くということへの決意だというふうに私は認識しておりますけれども、豪州でも言われたことは、いや、最初は水素を輸出したいと、だけれども、我が国には鉄鉱石もある、その上これだけ豊富な脱炭素エネルギーもあるということであれば、鉄鋼業をこちらに持ってくるのが自然ではないだろうかということを言われました。これは当然のことです。どう思うかというふうに言われましたので、それを考えるのは当然のことであるけれども、私は日本の市民であるので、そこにどう対抗していくか、これをやっぱり考え続けなければならないということで、技術の先進性で我々は競っていくということを申し上げて帰ってまいりました。
 最後の一枚目だけ簡単に申し上げて終わらせていただきますが、まず石炭火力について、今、アンモニアの混焼といったようなところの実証が始まっております。こうしたところについて、石炭火力の延命である、この前もG7で石炭火力に対してのコメントが出ております。そういった中で、延命ではないかというような御批判もあるんですけれども、ただ私は、ちょっとこの批判は正当性に首をかしげるところがあるなというふうに思っております。
 というのは、敵は石炭ではなくてCO2のはずであるということで、このグラフを御覧いただきますと、発電時、燃料の燃焼によって出るCO2、確かに石炭も極めて大きいわけですが、例えばアンモニアを五〇%混焼するとこれ半分に減りますということになると、今、ヨーロッパ等が天然ガス火力等に転換をして再エネの調整力にしていこうというふうにしていますが、天然ガスととんとんになるというようなところでございます。
 加えて、やっぱり我が国の発電の調整力を、天然ガスという二週間しか国内に貯蔵が利かないものに対して一本足打法になるということは、これはエネルギー安全保障上極めて大きな課題だというふうに認識しておりますので、こうした御批判はこうしたトータルで考えていただく必要があるというふうに申し上げたいと思いますし、もう一つ、世界全体で考えれば、世界のCO2の半分を排出するアジア、ここの多くの国で、石炭火力、まだ五割以上です。
 こういったマーケットが存在するということも含めてトータルで考える必要があるということを申し上げて終わらせていただければというふうに思います。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 竹内純子

speaker_id: 15478

日付: 2024-05-07

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会