松江英夫の発言 (経済産業委員会)
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○参考人(松江英夫君) ありがとうございます。
非常に重要な御指摘だと思います。問題意識、私もかねてからそう思っておりまして、私が、なぜ例えば技術で勝ってビジネスで負けると言われる要因になったのかというのは、今日私が申し上げたことの二つのある種組合せだと思うんですが、全体を見るということと長期の時間軸、ここの力が弱かったからだというふうに私は思っているんですね。いろいろ日本というのは技術力が強いというのは、これは今も昔も変わらずに皆さん思っていらっしゃることで、この先も変わらないと思います。非常に重要なところだと思うんですが、ただ、ビジネスというのは、まさに需要というところ、これは全体というのは、世界で全体で見ると、そこの中で、かつ将来的に、目先の三年とか五年だけじゃなくて、先ほど申し上げましたが、十年後、二十年後も含めてですね、世界がどうなってきて、どういうふうな需要が潜在的にあるのかというところから始めると、こういった見方を多くの日本の企業というのはしてこれなかったというふうに思うんです。
よく私はいろんな経営の方々と接点がある中で、日本の企業の特徴は、中期計画というところは非常に重きを置いてやるんですね。この中期って三年とか五年なんです。これがある面で長期的な物の見方を阻害している。政策も骨太というのを毎年やっています。予算も単年度です。したがって、日本全体として時間軸が非常に短いんです。これが本当の意味で産業の競争力を私はそいでいる構造的な要因だと思っています。
したがって、ここのところを短期、中期から長期に、私どもはよくズームイン、ズームアウトという言い方するんですけど、ズームイン、遠くを見て、目先のところを見るという、こういう、ある面、短期と長期を行ったり来たりするぐらい柔軟に長期と足下のところの変化というのを結び付けて考えていくということを、企業もそうだし、先ほどEBPMの話もありましたけれども、政策に関してもそういうふうな見方で、全体感をロングレンジで見るという癖を付けていくことが私は非常に重要だと。
そうしますと、今日申し上げたように、脱自前というのはおのずとできてくるわけですね。例えば、スタートアップ企業の特にシリコンバレーの方々というのは、まさに今申し上げたズームイン、ズームアウトってそういう連中のコミュニティーで出てきた言葉なんですね。最終的なでき上がりを見たときに、自分たちでやるものはここの方が早い、でも、ここはほかの人に渡した方が早い、ここのところはここの国につくらせた方が早いという、全体のでき上がりから逆算して自分たちの強みをフォーカスするところとほかのところに任せるところ、ここの仕分をするんですね。したがって、結果的に脱自前になっていくわけです。本当に強いところを特化していく。
ところが、日本の場合は積み上げで発想するので、今あるものを是とした上で、さあ、あしたどうしましょう、これをまた積み上げていくという思考法なので、なかなか新しいものが生まれないし、ほかと組むということもなかなか発想できないし、積み上げていくとスピードが遅くなるので、あっという間にほかの国がどんどんどんどん新しいビジネスモデルになってしまう。
したがって、長期の時間軸かつ全体を俯瞰して見る、まさにトータルプロデュースと、まさに私もそうだと思いますが、ここを、官民双方課題があるんです。ここのところ超えていくような形をしていくことがまず非常に大事かなと。そのためには、こういった場も含めて、ビジョンをしっかり示しながら、そこに向けた政策というふうな格好を発信していくことも大事だし、民間側もそこを同じ目線でくみすることも大事、そういったところから始めることは大事かなと思います。
以上です。