森まさこの発言 (決算委員会)
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○森まさこ君 自民党の森まさこです。
令和四年度決算について質問をします。
岸田政権は、新しい資本主義の旗印の下、成長と分配の好循環で経済を自律的な成長軌道に乗せることを目標に政策を推進してこられました。具体的には、賃上げ税制等の積極的な税制改革、経済団体や労働組合に対する積極的な賃上げ要請等を行い、そのかいあって、三十年ぶりの高い賃上げが実現しています。しかし、国民は、特に私の地元の福島県などの地方においては、まだまだ賃上げの効果を実感するには至っておりません。もちろん、政府における賃上げ税制の拡充措置も承知しておりますが、さらに、今後は、民間主体で自律的な好循環が実現する制度改革が必要と考えます。
そこで、株式報酬制度に関して質問させていただきます。
まず、現状認識ですが、株高に関して、好業績や成長予測からだけでは説明し切れず、急騰する配当や自社株買いといった資本政策が一時的な株価の高騰に寄与しているとの見方もあります。
資料一の青いグラフで示される売上げは、我が国が八〇年代までの高い成長を続け、バブルが崩壊した後も高い水準で付加価値を生産していることを示しています。しかし、二〇〇〇年代以降はこれが株主に過重に還元されています。新しい資本主義とは、そうした株主第一主義的な傾向を修正し、成長の果実を適正に分配することで更なる成長を企図するものと理解しております。ステークホルダー主義等のグローバルな流れと同様です。
資料二を御覧ください。マクロ政策的に拡大すべきはGDPであり、GDPとは、各企業における付加価値の合計です。資料一では、短期的な利益の最大化のために、付加価値の構成要素である給与や設備投資、税、社会保障費が抑制されるコストカット型の経営が推進され、GDPの成長を阻害してきた可能性が示されておりました。
いみじくも岸田総理は、新しい資本主義の主要政策として、行き過ぎた短期利益最大化を是正するために、一、四半期開示制度の是正と、二、過剰な自社株買いの制限を掲げておられました。実は私は、岸田政権発足直前の党内の新しい資本主義勉強会の事務局長代理もさせていただいておりましたので、この二つの政策はどちらも企業の中長期的な成長を促進するために必要だと確信しています。
四半期開示制度に関しましては、前国会で四半期報告書の廃止が決定され、今年度より施行されることを高く評価します。他方、過剰な自社株買いを抑制するためのガイドラインについては進展しておりません。確かに、安易な自社株買い規制は反株主的な政策と誤解され、せっかく高揚している株価に負の影響を与えかねません。
そこで、今から御提案する方法がいかがか、林官房長官のお考えをお聞かせいただきたく存じます。
まず、自社株買いを全面的には禁止せず、一定の自社株買いを認め、買い戻した自社株は、これを消却しては資本の減少に終わりますので、消却せず、賃上げの一環として現金給付に上乗せして役員や従業員へ付与する株式報酬制度を促して、こうして安定資金を確保した上で役員や従業員の株主化を図れば、実効性の高いガバナンスが促進され、士気やイノベーションが改善され、賃上げによる所得増加はもちろん、配当に伴う資産所得倍増にも貢献すると考えております。
実は、この制度は、米国などの急成長企業で積極的に採用されております。我が国でも、コーポレートガバナンス・コード導入を機に証券業界や日本証券取引所から支持され、伊藤忠商事やソニー等で採用されておりますが、十分な普及はしておりません。
株主報酬制度の推進を目指し、政府内で研究会の設置を検討していただきたく存じますが、いかがでしょうか。