小西洋之の発言 (憲法審査会)

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○小西洋之君 緊急集会について意見を述べます。
 参議院憲法審では、昨年の常会で緊急集会の集中議論を行い、その成果として、緊急集会が大災害などの有事に国会機能を代行させるために創設されたという立法事実、戦前の反省に基づく権力暴走を防ぐためという根本趣旨、衆参同時開催の例外ではあるが、あくまでも二院制国会の趣旨を徹底するという制度趣旨などをほとんど全ての会派が共有することができたものと存じます。
 また、同時に、衆議院憲法審で議員任期の延長改憲のために唱えられている憲法と法の支配、立憲主義に反する緊急集会に関する独自の見解とは異なる見解、言わばそれらを否定、批判などをする見解が示されているのは、良識の府の表れと敬意を表します。
 我が会派は、この間、緊急集会の法制度は累次の国会法改正によって議院規則レベルまで必要な整備がなされていることを確認した上で、内閣、参議院、衆議院の権力均衡、抑制を図り、平時への優れた復元力、レジリエンスを有する緊急集会をより十全に機能させるために、緊急集会で取り扱う議案について、内閣による追加、参議院による追加の促しと、内閣の説明責任などを措置する国会法改正の提案もいたしました。
 今国会では、実際の大規模災害などにおいて緊急集会が十全にその機能を発揮するため、制度面、運用面の更なる具体的検証をしたいと思います。
 まず、制度面の課題として、臨時会、緊急集会とともに憲法の緊急事態法制の一翼を成す憲法七十三条六号の罰則付委任立法、すなわち、法制局資料の三ページにある災害対策基本法、インフルエンザ等特措法などの三つの緊急政令への緊急集会による統制の確保がございます。
 武力攻撃事態等対処法の防衛出動の承認も含めて、これらは全て共通の条文で、「国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないとき」と規定されているところ、衆議院の任期満了時に内閣がこれらの緊急政令などを定めた際に法律の規定に基づき直ちに緊急集会の請求ができるのか、一見明白な書きぶりとまではいかないのではないかと存じます。
 衆議院任期満了の際における緊急集会によるこれらの法律の緊急政令などへの統制は、現実の緊急事態対応として憲法審査会の責任においてその解決を図るべきものと考えます。
 まず、そもそも衆議院の任期満了の際に緊急集会を開催できるのかという憲法五十四条の解釈問題があります。これについては、政府は、国会で議論して決めていただきたいとの内閣法制局長答弁をしていましたが、昨年の常会において、我が参議院憲法審査会のみならず、衆議院憲法審においても全会一致でこれを認めております。これは、衆議院で任期延長改憲を主張する会派における唯一の法の支配、立憲主義に反しない緊急集会に関する正しい解釈ではないかと思いますが、いずれにいたしましても、衆参で、任期満了時も緊急集会の開催は可能との憲法解釈が示されているわけでございます。
 とすれば、あとは緊急政令などの法律レベルの問題となります。これらは、憲法の定める国会中心立法、議院内閣制の下の行政監督の限界制度であることから、まずはこれらの法律を参議院の議員立法によって法改正して、衆議院任期延長の際の緊急集会の統制を明確に条文上も位置付けるべきと考えます。また、万が一その法改正が間に合わない場合に、解釈によって任期満了の際も緊急集会の統制を働かすことができるのか、議論の必要があります。
 実は、災害対策基本法の所管省庁においては、緊急政令の政策的な必要性とその際の緊急集会による統制の必要性の見地から、「国会が閉会中」の文言で衆議院任期満了の事態を読み、任期満了時も内閣による緊急集会の請求は可能との解釈を示しているところですが、こうした解釈の可否について、参議院法制局の見解を求めます。
 最後に、運用面については、首都直下地震特措法に基づき参議院事務局が策定している緊急対策実施計画、BCPに基づきつつ、議員の認否確認、緊急集会の請求に際しての議員への通知、オンライン出席を含む議員の参集方法、耐震性が認められている国会議事堂、議員会館以外の開催場所の確保、議員版のいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を深めることは有意義であるというふうに考えます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 小西洋之

speaker_id: 27444

日付: 2024-05-15

院: 参議院

会議名: 憲法審査会