憲法審査会
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会
会議録情報#0
令和六年五月十五日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
山田 太郎君 赤池 誠章君
五月十四日
辞任 補欠選任
松川 るい君 星 北斗君
仁比 聡平君 倉林 明子君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
臼井 正一君
片山さつき君
小林 一大君
佐藤 正久君
吉井 章君
小西 洋之君
辻元 清美君
西田 実仁君
片山 大介君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
赤池 誠章君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
梶原 大介君
古庄 玄知君
田中 昌史君
中田 宏君
中西 祐介君
藤木 眞也君
星 北斗君
松下 新平君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
福島みずほ君
伊藤 孝江君
窪田 哲也君
里見 隆治君
塩田 博昭君
浅田 均君
猪瀬 直樹君
柴田 巧君
礒崎 哲史君
倉林 明子君
山本 太郎君
高良 鉄美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(参議院の緊急
集会について))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
山田 太郎君 赤池 誠章君
五月十四日
辞任 補欠選任
松川 るい君 星 北斗君
仁比 聡平君 倉林 明子君
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出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
臼井 正一君
片山さつき君
小林 一大君
佐藤 正久君
吉井 章君
小西 洋之君
辻元 清美君
西田 実仁君
片山 大介君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
赤池 誠章君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
梶原 大介君
古庄 玄知君
田中 昌史君
中田 宏君
中西 祐介君
藤木 眞也君
星 北斗君
松下 新平君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
福島みずほ君
伊藤 孝江君
窪田 哲也君
里見 隆治君
塩田 博昭君
浅田 均君
猪瀬 直樹君
柴田 巧君
礒崎 哲史君
倉林 明子君
山本 太郎君
高良 鉄美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
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本日の会議に付した案件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(参議院の緊急
集会について))
─────────────
中
中曽根弘文#1
○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について法制局及び憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は一時間四十分を目途といたします。
まず、法制局及び憲法審査会事務局から順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
この発言だけを見る →日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について法制局及び憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は一時間四十分を目途といたします。
まず、法制局及び憲法審査会事務局から順次説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
川
川崎政司#2
○法制局長(川崎政司君) 参議院法制局長の川崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料に基づき、大規模災害等の緊急事態と緊急集会に関しまして、参議院緊急集会の趣旨、位置付け等について改めて確認した上で、緊急事態法制とそこでの緊急集会も含めた国会の関与、さらに大規模災害が発生した場合における災害対策基本法による災害緊急事態への対応の流れと緊急政令に関し参議院の緊急集会が開催される場合の流れを説明し、あわせて緊急集会に関する諸論点等にも言及させていただきます。
まず、参議院の緊急集会制度の趣旨、位置付け等につきまして確認させていただきたいと思います。
表紙をめくり、一ページを御覧ください。
憲法五十四条二項及び三項に規定されている参議院の緊急集会は、衆議院が解散され、衆議院総選挙後の特別会召集までの国会機能の停止期間中に緊急の案件が生じた場合において、これに国会の権能を代行させるため設けられたものです。その措置は臨時のものであり、次の国会で十日以内の衆議院の同意を要する暫定的なものとされております。
この点、旧帝国憲法には行政府による緊急勅令や緊急財政処分などの制度が設けられていましたが、現行憲法にはそのような規定はありません。
これに関連しまして、制憲時の帝国議会の審議において、政府は、民主政治を徹底させる見地から緊急措置に関する規定は憲法の中には多くは設けなかった、国会がいつでも開き得る態勢を備えていなければならないが、衆議院の解散後の七十日というのは開こうにも開けない状況になり、国会制度の趣旨を徹底して実行するための方法として参議院の緊急集会の制度を考えた、国民の代表である参議院の緊急集会という方法をもって予測すべからざる緊急の事態に対して暫定の措置をとり得る方途を規定したなどと説明しております。
二ページに参りますが、これまでに緊急集会が行われたのは昭和二十年代の二例であり、このうち、昭和二十七年八月の緊急集会は、衆議院総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査の執行に必要な中央選挙管理会の委員の指名をしないまま衆議院が解散されたことから、中央選挙管理会委員とその予備員の指名のため行われたものです。また、昭和二十八年三月の緊急集会は、衆議院の解散により昭和二十八年度予算の年度内不成立が確実になったことから、暫定予算や法案の処理を行うため行われたものです。
二例とも衆議院の同意がなされておりますが、いずれも政治上の事情から予期せぬ衆議院の解散が行われたことによるものであり、緊急事態時のものではありません。
次に、三から四ページで緊急事態法制と緊急集会の位置付けなどについて見ておきたいと思います。
緊急事態の対応については、制憲時に政府から、行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくし、特殊の必要が起これば臨時国会を召集してこれに応ずる処置をする、衆議院解散中は参議院の緊急集会により暫定の処置をする、同時に他の一面において、実際の特殊な場合に応ずる具体的な必要な規定は、平素から濫用のおそれのなき姿において準備するように法律の規定を完備しておくことが適当である旨の考え方が示されております。
そして、実際に自然災害、感染症、武力攻撃、内乱、テロなどの緊急事態について、順次法律が整備され、これらに対処するため特別な権限や措置が規定されており、これに対し、国民の権利自由の制約となることなどから、あるいは国会による民主的統制を及ぼすため、参議院の緊急集会も含む国会の措置・承認、国会への報告など、国会の関与が規定されています。
これらのうち、四ページとなりますが、自然災害等への対応については、災害対策基本法が制定され、災害応急対策、災害復旧、災害緊急事態の布告・緊急政令等が規定されているほか、これを補うものとして、原子力災害特別措置法、災害救助法なども制定されています。
また、感染症への対応としては、感染症予防法、新型インフルエンザ等対策特別措置法、検疫法などが制定され、新型インフルエンザ等対策特別措置法では、新型インフルエンザ等緊急事態措置として緊急事態宣言、まん延防止措置、医療等提供確保措置、緊急政令等の国民生活・国民経済安定措置などが規定されております。
さらに、武力攻撃等への対応としては、武力攻撃事態等と存立危機事態への対処については事態対処法、武力攻撃の排除等については自衛隊法、武力攻撃により生ずる災害への対処については国民保護法、重要影響事態については重要影響事態安全確保法が規定しているほか、内乱・テロへの対応については警察法、自衛隊法、事態対処法、国民保護法などに規定が設けられています。
それらの中では、国会の事前又は事後の承認、国会への報告などが規定されているものが少なくなく、該当するものには青い星印、その中で緊急集会が規定されているものには赤い星印を付しており、緊急集会について規定する関係条文の概要については三ページの下段に挙げているところです。
そこで、これらを踏まえまして、五から六ページにおいて、大規模災害の発生した場合における災害対策基本法による対応と参議院の緊急集会について目を向けてみたいと思います。
まず五ページで、大規模災害が発生した場合に想定され得る災害対策基本法の災害緊急事態における対応の流れについて確認をしておきたいと思います。
非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持するなど、特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は閣議にかけて災害緊急事態の布告を発することができます。この布告を発したときは、緊急災害対策本部が設置され、対処基本方針が定められるとともに、消防法、医療法、墓地埋葬法などの特例の規定が適用されることになります。なお、災害緊急事態の布告に関しては、二十日以内に国会の承認が必要となり、国会閉会中又は衆議院解散中においては、その後召集される国会での承認を求めなければならないものとされています。
さらに、この災害緊急事態の布告下においては、国の経済秩序の維持及び公共の福祉の確保のため緊急の必要がある場合などにおいて、国会閉会中又は衆議院解散中、かつ、臨時会又は参議院の緊急集会のいとまがないときは、内閣は、物資の配給、譲渡の制限等、物価等の統制、金融モラトリアム、海外支援の受入れについて罰則を含み得る必要な措置を講じるため、緊急政令を制定することができます。
緊急政令を制定したときは、内閣は直ちに臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求め、措置をなお継続する場合には緊急政令に代わる法律の制定の措置を、緊急政令の廃止などその他の場合には緊急政令の承認を求めなければならないものとされています。
そして、それらの措置が講じられたり、緊急政令が廃止されたりすることなく、臨時会の開会から二十日の期間の経過ないしは緊急集会の開会から十日の期間の経過、あるいは臨時会の会期の終了ないし緊急集会の終了のいずれの早いときに緊急政令は失効することになります。
さて、これを前提に、六ページで、災害緊急事態において緊急政令が制定された場合の参議院の緊急集会の流れとともに、緊急集会をめぐる主な論点についても見ていきたいと思います。
この場合に、内閣によって緊急集会が求められるのは衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合ということになりますが、そのほかに、衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われることにより衆議院が不存在の場合に参議院の緊急集会を開くことは可能かということも論点となってきます。
この論点一については、衆議院議員の不存在という点において解散の場合と何ら径庭も認められない、任期満了後の衆議院の不存在の場合にも何らかの形で適用可能などとする肯定的な立場と、明文上認められないとする否定的な立場に分かれておりますが、最近の両院の憲法審査会での参考人の意見や議論を踏まえますと、可能とする立場が有力となりつつあるようにも見受けられます。
なお、それぞれの論点ごとの議論や学説の状況については七から十ページに示しております。それぞれの論点ごとに掲載箇所を示しておりますので適宜御参照くださいませ。
また、衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合は緊急集会の求めは義務的となりますが、そもそも緊急集会の要件とされる国に緊急の必要があるときとしてどのような場合があるかということも問題となります。この点については関連論点として示しておりますが、この関連論点については、災害緊急事態等の緊急事態において衆議院解散中に国会の権能に属する案件などが生じた場合がこれに該当するほか、国に緊急の必要があるときについては、緊急事態の場合に限られず、憲法及び法律を施行する上で特別会の召集を待たずに措置しなければならない緊急の必要がある場合も含まれると解されているところです。
そこで、緊急政令が制定された後の参議院の緊急集会の流れを六ページで見てまいりますと、緊急集会を求める主体は内閣に限られており、内閣総理大臣から集会の期日を定め、案件を示して参議院議長に請求すべきものとされています。請求があった場合には、参議院議長から各参議院議員に通知がなされ、議員は指定された期日の午前十時に参議院に集会します。その本会議では、議長からの報告、院の構成の決定後、内閣から提出された案件の審議に入ることになりますが、その際には委員会に付託し、まずは委員会で審査が行われるのが一般的です。
緊急政令の制定については、緊急措置の継続の場合には緊急政令に代わる立法措置、それ以外の場合には緊急政令についての承認が案件となります。これらの法案ないし案件については内閣から提出されますが、このほか、必要に応じ災害対応のための法案や予算が提出されることも考えられます。
この場合に、論点二となりますが、参議院の審議の対象範囲や権能が問題となります。この点、内閣によって緊急の必要のある案件として提案される限り、法律の制定や予算の議決について別段の制限はないと解されておりますが、予算の範囲については特に本予算をめぐり議論がございます。
他方、参議院の緊急集会の権能は広く国会の権能に及ぶとされるものの、案件の性質から参議院の議決のみでは許されないものや緊急の必要性がないものは緊急集会の権能外と解されており、少なくとも内閣不信任決議や憲法改正の発議については緊急集会の権能は及ばないとすることで異論は見当たりません。
また、論点三にあるように、緊急集会で参議院議員が発議できる議案の範囲も問題となりますが、緊急集会では、議員は内閣総理大臣から緊急集会の請求の際に示された案件に関連あるものに限り議案を発議できるものとされており、この点については国会法百一条で規定されているところです。緊急集会における緊急性や緊急の案件の認定は、第一義的には内閣がその責任において行うとの考え方に基づくものとされております。
緊急集会には会期の観念はなく、緊急の案件が全て議決されたときに緊急集会は終わることになりますが、その際、議長はその終了を宣告いたします。
緊急集会において可決された案件については、公布を要するものは内閣を経由して公布奏上され、それ以外のものは内閣に送付されます。
衆議院が解散された場合には、衆議院議員の総選挙が行われることになりますが、憲法五十四条一項により、解散の日から四十日以内に総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に国会を召集しなければならないこととされています。したがって、これらを合わせた七十日については国会を開くことができない場合があり得ることとなり、その間は参議院の緊急集会で対応することとなります。
このことに関連して、論点四となりますが、仮に大規模な災害などにより衆議院の総選挙の実施が困難となっている場合に参議院の緊急集会による対応がいつまで可能なのかという問題があり、この点については基本的に総選挙を経て特別会の召集が可能となるまでの間とされておりますが、その期間をめぐっては、七十日を超えて実施できるとする立場、七十日を超えて実施できないとする立場などがあります。この点については、憲法との関係で、解散後四十日を超えて総選挙をすることも認められるのか、どのような場合が選挙困難事態に当たるのかなどの問題も絡んでくることになります。
いずれにいたしましても、衆議院の総選挙が行われると、その後三十日以内に特別会として次の国会が召集されることになります。特別会では、まず、院の構成を経て、内閣総理大臣の指名が行われます。そして、参議院の緊急集会においてとられた措置については、憲法五十四条三項の規定により、特別会開会後の十日以内に衆議院の同意を得なければその効力を失うこととされており、内閣から当該措置につき衆議院の同意を求めるの件が衆議院に提出されることとなります。なお、この特別会には、内閣から災害緊急事態の布告について承認を求める案件も提出されることとなります。
衆議院では、緊急集会での措置の同意案件の審査のために特別委員会を設けることが先例となっており、委員会の審査を経て本会議に諮られることになります。その場合に衆議院の同意があったときは、緊急集会でとられた措置は国会で議決された場合と同様の効力を有するものであることが確定いたします。他方、参議院の緊急集会でとられた措置について国会開会後十日以内に衆議院の同意が得られなかった場合には、当該措置は失効することになります。その場合の関連論点として、失効の効果の及ぶ範囲が問題となりますが、これについては、失効は将来に対するものであり、過去に遡及するものではないと解されているところでございます。
駆け足の説明となりましたが、私からは以上です。どうかよろしくお願い申し上げます。
この発言だけを見る →私の方からは、お手元の資料に基づき、大規模災害等の緊急事態と緊急集会に関しまして、参議院緊急集会の趣旨、位置付け等について改めて確認した上で、緊急事態法制とそこでの緊急集会も含めた国会の関与、さらに大規模災害が発生した場合における災害対策基本法による災害緊急事態への対応の流れと緊急政令に関し参議院の緊急集会が開催される場合の流れを説明し、あわせて緊急集会に関する諸論点等にも言及させていただきます。
まず、参議院の緊急集会制度の趣旨、位置付け等につきまして確認させていただきたいと思います。
表紙をめくり、一ページを御覧ください。
憲法五十四条二項及び三項に規定されている参議院の緊急集会は、衆議院が解散され、衆議院総選挙後の特別会召集までの国会機能の停止期間中に緊急の案件が生じた場合において、これに国会の権能を代行させるため設けられたものです。その措置は臨時のものであり、次の国会で十日以内の衆議院の同意を要する暫定的なものとされております。
この点、旧帝国憲法には行政府による緊急勅令や緊急財政処分などの制度が設けられていましたが、現行憲法にはそのような規定はありません。
これに関連しまして、制憲時の帝国議会の審議において、政府は、民主政治を徹底させる見地から緊急措置に関する規定は憲法の中には多くは設けなかった、国会がいつでも開き得る態勢を備えていなければならないが、衆議院の解散後の七十日というのは開こうにも開けない状況になり、国会制度の趣旨を徹底して実行するための方法として参議院の緊急集会の制度を考えた、国民の代表である参議院の緊急集会という方法をもって予測すべからざる緊急の事態に対して暫定の措置をとり得る方途を規定したなどと説明しております。
二ページに参りますが、これまでに緊急集会が行われたのは昭和二十年代の二例であり、このうち、昭和二十七年八月の緊急集会は、衆議院総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査の執行に必要な中央選挙管理会の委員の指名をしないまま衆議院が解散されたことから、中央選挙管理会委員とその予備員の指名のため行われたものです。また、昭和二十八年三月の緊急集会は、衆議院の解散により昭和二十八年度予算の年度内不成立が確実になったことから、暫定予算や法案の処理を行うため行われたものです。
二例とも衆議院の同意がなされておりますが、いずれも政治上の事情から予期せぬ衆議院の解散が行われたことによるものであり、緊急事態時のものではありません。
次に、三から四ページで緊急事態法制と緊急集会の位置付けなどについて見ておきたいと思います。
緊急事態の対応については、制憲時に政府から、行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくし、特殊の必要が起これば臨時国会を召集してこれに応ずる処置をする、衆議院解散中は参議院の緊急集会により暫定の処置をする、同時に他の一面において、実際の特殊な場合に応ずる具体的な必要な規定は、平素から濫用のおそれのなき姿において準備するように法律の規定を完備しておくことが適当である旨の考え方が示されております。
そして、実際に自然災害、感染症、武力攻撃、内乱、テロなどの緊急事態について、順次法律が整備され、これらに対処するため特別な権限や措置が規定されており、これに対し、国民の権利自由の制約となることなどから、あるいは国会による民主的統制を及ぼすため、参議院の緊急集会も含む国会の措置・承認、国会への報告など、国会の関与が規定されています。
これらのうち、四ページとなりますが、自然災害等への対応については、災害対策基本法が制定され、災害応急対策、災害復旧、災害緊急事態の布告・緊急政令等が規定されているほか、これを補うものとして、原子力災害特別措置法、災害救助法なども制定されています。
また、感染症への対応としては、感染症予防法、新型インフルエンザ等対策特別措置法、検疫法などが制定され、新型インフルエンザ等対策特別措置法では、新型インフルエンザ等緊急事態措置として緊急事態宣言、まん延防止措置、医療等提供確保措置、緊急政令等の国民生活・国民経済安定措置などが規定されております。
さらに、武力攻撃等への対応としては、武力攻撃事態等と存立危機事態への対処については事態対処法、武力攻撃の排除等については自衛隊法、武力攻撃により生ずる災害への対処については国民保護法、重要影響事態については重要影響事態安全確保法が規定しているほか、内乱・テロへの対応については警察法、自衛隊法、事態対処法、国民保護法などに規定が設けられています。
それらの中では、国会の事前又は事後の承認、国会への報告などが規定されているものが少なくなく、該当するものには青い星印、その中で緊急集会が規定されているものには赤い星印を付しており、緊急集会について規定する関係条文の概要については三ページの下段に挙げているところです。
そこで、これらを踏まえまして、五から六ページにおいて、大規模災害の発生した場合における災害対策基本法による対応と参議院の緊急集会について目を向けてみたいと思います。
まず五ページで、大規模災害が発生した場合に想定され得る災害対策基本法の災害緊急事態における対応の流れについて確認をしておきたいと思います。
非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持するなど、特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は閣議にかけて災害緊急事態の布告を発することができます。この布告を発したときは、緊急災害対策本部が設置され、対処基本方針が定められるとともに、消防法、医療法、墓地埋葬法などの特例の規定が適用されることになります。なお、災害緊急事態の布告に関しては、二十日以内に国会の承認が必要となり、国会閉会中又は衆議院解散中においては、その後召集される国会での承認を求めなければならないものとされています。
さらに、この災害緊急事態の布告下においては、国の経済秩序の維持及び公共の福祉の確保のため緊急の必要がある場合などにおいて、国会閉会中又は衆議院解散中、かつ、臨時会又は参議院の緊急集会のいとまがないときは、内閣は、物資の配給、譲渡の制限等、物価等の統制、金融モラトリアム、海外支援の受入れについて罰則を含み得る必要な措置を講じるため、緊急政令を制定することができます。
緊急政令を制定したときは、内閣は直ちに臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求め、措置をなお継続する場合には緊急政令に代わる法律の制定の措置を、緊急政令の廃止などその他の場合には緊急政令の承認を求めなければならないものとされています。
そして、それらの措置が講じられたり、緊急政令が廃止されたりすることなく、臨時会の開会から二十日の期間の経過ないしは緊急集会の開会から十日の期間の経過、あるいは臨時会の会期の終了ないし緊急集会の終了のいずれの早いときに緊急政令は失効することになります。
さて、これを前提に、六ページで、災害緊急事態において緊急政令が制定された場合の参議院の緊急集会の流れとともに、緊急集会をめぐる主な論点についても見ていきたいと思います。
この場合に、内閣によって緊急集会が求められるのは衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合ということになりますが、そのほかに、衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われることにより衆議院が不存在の場合に参議院の緊急集会を開くことは可能かということも論点となってきます。
この論点一については、衆議院議員の不存在という点において解散の場合と何ら径庭も認められない、任期満了後の衆議院の不存在の場合にも何らかの形で適用可能などとする肯定的な立場と、明文上認められないとする否定的な立場に分かれておりますが、最近の両院の憲法審査会での参考人の意見や議論を踏まえますと、可能とする立場が有力となりつつあるようにも見受けられます。
なお、それぞれの論点ごとの議論や学説の状況については七から十ページに示しております。それぞれの論点ごとに掲載箇所を示しておりますので適宜御参照くださいませ。
また、衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合は緊急集会の求めは義務的となりますが、そもそも緊急集会の要件とされる国に緊急の必要があるときとしてどのような場合があるかということも問題となります。この点については関連論点として示しておりますが、この関連論点については、災害緊急事態等の緊急事態において衆議院解散中に国会の権能に属する案件などが生じた場合がこれに該当するほか、国に緊急の必要があるときについては、緊急事態の場合に限られず、憲法及び法律を施行する上で特別会の召集を待たずに措置しなければならない緊急の必要がある場合も含まれると解されているところです。
そこで、緊急政令が制定された後の参議院の緊急集会の流れを六ページで見てまいりますと、緊急集会を求める主体は内閣に限られており、内閣総理大臣から集会の期日を定め、案件を示して参議院議長に請求すべきものとされています。請求があった場合には、参議院議長から各参議院議員に通知がなされ、議員は指定された期日の午前十時に参議院に集会します。その本会議では、議長からの報告、院の構成の決定後、内閣から提出された案件の審議に入ることになりますが、その際には委員会に付託し、まずは委員会で審査が行われるのが一般的です。
緊急政令の制定については、緊急措置の継続の場合には緊急政令に代わる立法措置、それ以外の場合には緊急政令についての承認が案件となります。これらの法案ないし案件については内閣から提出されますが、このほか、必要に応じ災害対応のための法案や予算が提出されることも考えられます。
この場合に、論点二となりますが、参議院の審議の対象範囲や権能が問題となります。この点、内閣によって緊急の必要のある案件として提案される限り、法律の制定や予算の議決について別段の制限はないと解されておりますが、予算の範囲については特に本予算をめぐり議論がございます。
他方、参議院の緊急集会の権能は広く国会の権能に及ぶとされるものの、案件の性質から参議院の議決のみでは許されないものや緊急の必要性がないものは緊急集会の権能外と解されており、少なくとも内閣不信任決議や憲法改正の発議については緊急集会の権能は及ばないとすることで異論は見当たりません。
また、論点三にあるように、緊急集会で参議院議員が発議できる議案の範囲も問題となりますが、緊急集会では、議員は内閣総理大臣から緊急集会の請求の際に示された案件に関連あるものに限り議案を発議できるものとされており、この点については国会法百一条で規定されているところです。緊急集会における緊急性や緊急の案件の認定は、第一義的には内閣がその責任において行うとの考え方に基づくものとされております。
緊急集会には会期の観念はなく、緊急の案件が全て議決されたときに緊急集会は終わることになりますが、その際、議長はその終了を宣告いたします。
緊急集会において可決された案件については、公布を要するものは内閣を経由して公布奏上され、それ以外のものは内閣に送付されます。
衆議院が解散された場合には、衆議院議員の総選挙が行われることになりますが、憲法五十四条一項により、解散の日から四十日以内に総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に国会を召集しなければならないこととされています。したがって、これらを合わせた七十日については国会を開くことができない場合があり得ることとなり、その間は参議院の緊急集会で対応することとなります。
このことに関連して、論点四となりますが、仮に大規模な災害などにより衆議院の総選挙の実施が困難となっている場合に参議院の緊急集会による対応がいつまで可能なのかという問題があり、この点については基本的に総選挙を経て特別会の召集が可能となるまでの間とされておりますが、その期間をめぐっては、七十日を超えて実施できるとする立場、七十日を超えて実施できないとする立場などがあります。この点については、憲法との関係で、解散後四十日を超えて総選挙をすることも認められるのか、どのような場合が選挙困難事態に当たるのかなどの問題も絡んでくることになります。
いずれにいたしましても、衆議院の総選挙が行われると、その後三十日以内に特別会として次の国会が召集されることになります。特別会では、まず、院の構成を経て、内閣総理大臣の指名が行われます。そして、参議院の緊急集会においてとられた措置については、憲法五十四条三項の規定により、特別会開会後の十日以内に衆議院の同意を得なければその効力を失うこととされており、内閣から当該措置につき衆議院の同意を求めるの件が衆議院に提出されることとなります。なお、この特別会には、内閣から災害緊急事態の布告について承認を求める案件も提出されることとなります。
衆議院では、緊急集会での措置の同意案件の審査のために特別委員会を設けることが先例となっており、委員会の審査を経て本会議に諮られることになります。その場合に衆議院の同意があったときは、緊急集会でとられた措置は国会で議決された場合と同様の効力を有するものであることが確定いたします。他方、参議院の緊急集会でとられた措置について国会開会後十日以内に衆議院の同意が得られなかった場合には、当該措置は失効することになります。その場合の関連論点として、失効の効果の及ぶ範囲が問題となりますが、これについては、失効は将来に対するものであり、過去に遡及するものではないと解されているところでございます。
駆け足の説明となりましたが、私からは以上です。どうかよろしくお願い申し上げます。
中
加
加賀谷ちひろ#4
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) 私からは、法制局長から説明のあった参議院の緊急集会に関し、法規、先例に基づく主な流れについて、お手元の緊急集会参考資料のページ番号一と二の図に沿って御説明いたします。
まず、内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から参議院議長に対し、一、案件を示して、二、集会の期日を定め、三、文書により参議院の緊急集会を求める旨の請求をしなければならないとされております。なお、請求日から集会の期日までの期間について法規の定めはございませんが、過去の例では少なくとも三日前に請求がされております。
内閣からの請求がございましたら、参議院議長から各議員に通知され、議員は、指定された期日の午前十時に参議院に集会しなければならないとされております。各議員への通知方法については規定されておりませんが、参議院公報をもって通知される例であり、官報にも掲載されます。
過去の緊急集会の事例や国会召集の手続に従えば、この後、議院運営委員会理事会が開会され、内閣より緊急集会請求の経緯や提出予定案件についての説明を聴取するほか、緊急集会第一日目の本会議について御協議が行われるものと想定いたしております。
緊急集会の第一日目の本会議におきましては、会議を開くに当たり、議長が内閣総理大臣から緊急集会を求められた旨を告げた後、議席の指定等、院の構成に係る議事を行った上で、内閣が示した案件の審議を行うことも考えられます。
緊急集会で審議される案件は、内閣からの緊急集会の請求の際に示されたものに限られますが、参議院議員は、内閣が示した案件に関連のあるものに限り議案の発議が可能とされております。また、審議手続につきましては、国会法及び参議院規則で条理上緊急集会の本質と相入れないものを除き、全て適用されます。
緊急集会において提出案件の審査が見込まれる各委員会では、理事懇談会等で委員会の開会が協議されるなど、付託案件の審査に向けての動きが想定されます。各委員会で付託案件の審査が終了しました後は、議院運営委員会理事会の協議を経て、本会議において案件の審議が行われることとなります。なお、緊急集会では会期の観念はなく、本会議で案件が全て議決されたとき、議長は緊急集会が終わったことを宣告し、緊急集会は終了となります。
緊急集会において案件が可決された場合には、公布を要する案件は参議院議長から内閣を経由して奏上し、公布を要しない案件は参議院議長から内閣に送付することとされております。緊急集会においてとられた措置は臨時のものであることから、次の国会において衆議院の同意が必要となります。
衆議院議員総選挙を経ておりますので、次の国会において衆議院では、議長及び副議長の選挙、内閣総理大臣の指名等の議事が行われますが、召集日に、内閣から衆議院に対し、参議院の緊急集会においてとられた措置につき日本国憲法第五十四条第三項の規定に基づく同意を求めるの件が提出される例となっております。
委員会、本会議の審議を経て衆議院において同意された場合、緊急集会においてとられた措置の効力は確定的なものになります。一方で、開会後十日以内に衆議院の同意がない場合は、緊急集会においてとられた措置の効力は失われることになります。
なお、過去二回行われました参議院の緊急集会の主な経過と関係する法規、先例につきまして、お手元の資料の三ページ以降に参考資料として添付させていただいております。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から参議院議長に対し、一、案件を示して、二、集会の期日を定め、三、文書により参議院の緊急集会を求める旨の請求をしなければならないとされております。なお、請求日から集会の期日までの期間について法規の定めはございませんが、過去の例では少なくとも三日前に請求がされております。
内閣からの請求がございましたら、参議院議長から各議員に通知され、議員は、指定された期日の午前十時に参議院に集会しなければならないとされております。各議員への通知方法については規定されておりませんが、参議院公報をもって通知される例であり、官報にも掲載されます。
過去の緊急集会の事例や国会召集の手続に従えば、この後、議院運営委員会理事会が開会され、内閣より緊急集会請求の経緯や提出予定案件についての説明を聴取するほか、緊急集会第一日目の本会議について御協議が行われるものと想定いたしております。
緊急集会の第一日目の本会議におきましては、会議を開くに当たり、議長が内閣総理大臣から緊急集会を求められた旨を告げた後、議席の指定等、院の構成に係る議事を行った上で、内閣が示した案件の審議を行うことも考えられます。
緊急集会で審議される案件は、内閣からの緊急集会の請求の際に示されたものに限られますが、参議院議員は、内閣が示した案件に関連のあるものに限り議案の発議が可能とされております。また、審議手続につきましては、国会法及び参議院規則で条理上緊急集会の本質と相入れないものを除き、全て適用されます。
緊急集会において提出案件の審査が見込まれる各委員会では、理事懇談会等で委員会の開会が協議されるなど、付託案件の審査に向けての動きが想定されます。各委員会で付託案件の審査が終了しました後は、議院運営委員会理事会の協議を経て、本会議において案件の審議が行われることとなります。なお、緊急集会では会期の観念はなく、本会議で案件が全て議決されたとき、議長は緊急集会が終わったことを宣告し、緊急集会は終了となります。
緊急集会において案件が可決された場合には、公布を要する案件は参議院議長から内閣を経由して奏上し、公布を要しない案件は参議院議長から内閣に送付することとされております。緊急集会においてとられた措置は臨時のものであることから、次の国会において衆議院の同意が必要となります。
衆議院議員総選挙を経ておりますので、次の国会において衆議院では、議長及び副議長の選挙、内閣総理大臣の指名等の議事が行われますが、召集日に、内閣から衆議院に対し、参議院の緊急集会においてとられた措置につき日本国憲法第五十四条第三項の規定に基づく同意を求めるの件が提出される例となっております。
委員会、本会議の審議を経て衆議院において同意された場合、緊急集会においてとられた措置の効力は確定的なものになります。一方で、開会後十日以内に衆議院の同意がない場合は、緊急集会においてとられた措置の効力は失われることになります。
なお、過去二回行われました参議院の緊急集会の主な経過と関係する法規、先例につきまして、お手元の資料の三ページ以降に参考資料として添付させていただいております。
以上でございます。
中
中曽根弘文#5
○会長(中曽根弘文君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局又は憲法審査会事務局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
片山さつき君。
この発言だけを見る →これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局又は憲法審査会事務局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
片山さつき君。
片
片山さつき#6
○片山さつき君 自由民主党の片山さつきです。
ただいま参議院法制局や憲法審事務局から御説明がありましたが、参議院の緊急集会は、災害対策基本法などで、我が国が大災害等に見舞われた際の緊急的な措置の枠組みの中に、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、両院同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度として組み込まれております。
これまで緊急集会は災対法などが成立する以前の平時での開催しか事例がありませんが、今後、大規模自然災害等が発生したときに機能しないということが万が一にも絶対にあってはいけない、そういうことは回避させねばなりません。
あらゆる事態を想定しながら、参議院の緊急集会がしっかりと機能するよう、法制面や実効面などから検討すべき事項を全て洗い出す必要があり、そのためにシミュレーションを通して早急に確認すべきと考えます。
その上で、参議院の緊急集会が衆議院議員の不存在時の大規模自然災害時の事態に迅速に対応するためには、参議院法制局長からただいま御説明のあった論点について、参議院としての考えを明らかにしておく必要があります。
そこで、これまでの議論の中で出された各会派の意見を整理し、それを踏まえて参議院憲法審査会としての考えを明確にして、議論を前に進めていく段階に今やあると考えております。
同時に、参議院の見解を明らかにした上で、これらの論点について、緊急集会は参議院の機能、権能であるのだから参議院だけで解釈を確定し得ると考えてもよろしいのか、あるいは、参議院の見解を示して、衆議院、さらには内閣とも解釈をすり合わせる必要があると考えるべきなのかという点がございます。
また、その際、協議などによって法的な解釈を一致させればよろしいのか、あるいは法律の制定や改正、憲法改正による条文の整備などが必要となるのかという点についても考えをまとめなければならないと思いますが、これらにつきまして、まず参議院の法制局長にお考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →ただいま参議院法制局や憲法審事務局から御説明がありましたが、参議院の緊急集会は、災害対策基本法などで、我が国が大災害等に見舞われた際の緊急的な措置の枠組みの中に、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、両院同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度として組み込まれております。
これまで緊急集会は災対法などが成立する以前の平時での開催しか事例がありませんが、今後、大規模自然災害等が発生したときに機能しないということが万が一にも絶対にあってはいけない、そういうことは回避させねばなりません。
あらゆる事態を想定しながら、参議院の緊急集会がしっかりと機能するよう、法制面や実効面などから検討すべき事項を全て洗い出す必要があり、そのためにシミュレーションを通して早急に確認すべきと考えます。
その上で、参議院の緊急集会が衆議院議員の不存在時の大規模自然災害時の事態に迅速に対応するためには、参議院法制局長からただいま御説明のあった論点について、参議院としての考えを明らかにしておく必要があります。
そこで、これまでの議論の中で出された各会派の意見を整理し、それを踏まえて参議院憲法審査会としての考えを明確にして、議論を前に進めていく段階に今やあると考えております。
同時に、参議院の見解を明らかにした上で、これらの論点について、緊急集会は参議院の機能、権能であるのだから参議院だけで解釈を確定し得ると考えてもよろしいのか、あるいは、参議院の見解を示して、衆議院、さらには内閣とも解釈をすり合わせる必要があると考えるべきなのかという点がございます。
また、その際、協議などによって法的な解釈を一致させればよろしいのか、あるいは法律の制定や改正、憲法改正による条文の整備などが必要となるのかという点についても考えをまとめなければならないと思いますが、これらにつきまして、まず参議院の法制局長にお考えをお伺いしたいと思います。
川
川崎政司#7
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
参議院の緊急集会は、参議院の権能ではありますけれども、緊急集会を求める主体は内閣であり、その措置について衆議院の事後の同意が必要とされていることを踏まえますと、事柄にはよりますものの、緊急集会をめぐる論点に関する解釈を確定するには参議院、衆議院、内閣の間で解釈が基本的に一致していることが必要ではないかと思われます。
したがいまして、先ほど先生がおっしゃられましたように、その三者間での調整ということが必要になってくるということではないかと思います。その上で、解釈が確定されたような場合には、場合により法律改正や憲法改正によって明確にするようなこともあり得ることではないかと思われます。
いずれにしましても、どのような方法、形式で解釈を確定するかは両院の先生方の御判断になってくるものと考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →参議院の緊急集会は、参議院の権能ではありますけれども、緊急集会を求める主体は内閣であり、その措置について衆議院の事後の同意が必要とされていることを踏まえますと、事柄にはよりますものの、緊急集会をめぐる論点に関する解釈を確定するには参議院、衆議院、内閣の間で解釈が基本的に一致していることが必要ではないかと思われます。
したがいまして、先ほど先生がおっしゃられましたように、その三者間での調整ということが必要になってくるということではないかと思います。その上で、解釈が確定されたような場合には、場合により法律改正や憲法改正によって明確にするようなこともあり得ることではないかと思われます。
いずれにしましても、どのような方法、形式で解釈を確定するかは両院の先生方の御判断になってくるものと考えております。
以上でございます。
片
片山さつき#8
○片山さつき君 ありがとうございます。
非常に重要な御見解が示されたと考えますが、続けて憲法審査会事務局にも御質問させていただきます。
前回の憲法審査会で我が会派の佐藤幹事が御指摘しましたように、参議院全体の業務継続計画のBCPはないということですが、これまでに、参議院において参議院の緊急集会を意識したBCP、あるいは類似計画の策定を議論しようとしたことはあったのでしょうか。これは大震災等もあった今現在ということでございますね。また、参議院事務局にはBCPはそもそもおありなのでしょうか。あるとすれば、いつ頃に、何をきっかけに策定されたものであるのでしょうか。これを事務局にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →非常に重要な御見解が示されたと考えますが、続けて憲法審査会事務局にも御質問させていただきます。
前回の憲法審査会で我が会派の佐藤幹事が御指摘しましたように、参議院全体の業務継続計画のBCPはないということですが、これまでに、参議院において参議院の緊急集会を意識したBCP、あるいは類似計画の策定を議論しようとしたことはあったのでしょうか。これは大震災等もあった今現在ということでございますね。また、参議院事務局にはBCPはそもそもおありなのでしょうか。あるとすれば、いつ頃に、何をきっかけに策定されたものであるのでしょうか。これを事務局にお伺いしたいと思います。
加
加賀谷ちひろ#9
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) 憲法審査会事務局の所管外の事項ではございますが、便宜私からお答えをさせていただきます。
参議院事務局におきましては、東日本大震災の経験等を踏まえ、平成二十四年八月に首都直下地震対応参議院事務局等業務継続計画を策定いたしております。本件BCPが適用される災害時に緊急集会の請求があった場合にも、発災後一週間以内に本会議、委員会等の開会業務が行われることを目標に参議院の業務継続の確保を図るということになります。
他方、参議院事務局のBCPは議員の具体的行動に係る事項を対象としたものではなく、また、これまでに緊急集会を意識した参議院全体のBCPについて具体的な議論が行われたことは承知いたしておりません。
以上でございます。
この発言だけを見る →参議院事務局におきましては、東日本大震災の経験等を踏まえ、平成二十四年八月に首都直下地震対応参議院事務局等業務継続計画を策定いたしております。本件BCPが適用される災害時に緊急集会の請求があった場合にも、発災後一週間以内に本会議、委員会等の開会業務が行われることを目標に参議院の業務継続の確保を図るということになります。
他方、参議院事務局のBCPは議員の具体的行動に係る事項を対象としたものではなく、また、これまでに緊急集会を意識した参議院全体のBCPについて具体的な議論が行われたことは承知いたしておりません。
以上でございます。
片
中
小
小西洋之#12
○小西洋之君 緊急集会について意見を述べます。
参議院憲法審では、昨年の常会で緊急集会の集中議論を行い、その成果として、緊急集会が大災害などの有事に国会機能を代行させるために創設されたという立法事実、戦前の反省に基づく権力暴走を防ぐためという根本趣旨、衆参同時開催の例外ではあるが、あくまでも二院制国会の趣旨を徹底するという制度趣旨などをほとんど全ての会派が共有することができたものと存じます。
また、同時に、衆議院憲法審で議員任期の延長改憲のために唱えられている憲法と法の支配、立憲主義に反する緊急集会に関する独自の見解とは異なる見解、言わばそれらを否定、批判などをする見解が示されているのは、良識の府の表れと敬意を表します。
我が会派は、この間、緊急集会の法制度は累次の国会法改正によって議院規則レベルまで必要な整備がなされていることを確認した上で、内閣、参議院、衆議院の権力均衡、抑制を図り、平時への優れた復元力、レジリエンスを有する緊急集会をより十全に機能させるために、緊急集会で取り扱う議案について、内閣による追加、参議院による追加の促しと、内閣の説明責任などを措置する国会法改正の提案もいたしました。
今国会では、実際の大規模災害などにおいて緊急集会が十全にその機能を発揮するため、制度面、運用面の更なる具体的検証をしたいと思います。
まず、制度面の課題として、臨時会、緊急集会とともに憲法の緊急事態法制の一翼を成す憲法七十三条六号の罰則付委任立法、すなわち、法制局資料の三ページにある災害対策基本法、インフルエンザ等特措法などの三つの緊急政令への緊急集会による統制の確保がございます。
武力攻撃事態等対処法の防衛出動の承認も含めて、これらは全て共通の条文で、「国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないとき」と規定されているところ、衆議院の任期満了時に内閣がこれらの緊急政令などを定めた際に法律の規定に基づき直ちに緊急集会の請求ができるのか、一見明白な書きぶりとまではいかないのではないかと存じます。
衆議院任期満了の際における緊急集会によるこれらの法律の緊急政令などへの統制は、現実の緊急事態対応として憲法審査会の責任においてその解決を図るべきものと考えます。
まず、そもそも衆議院の任期満了の際に緊急集会を開催できるのかという憲法五十四条の解釈問題があります。これについては、政府は、国会で議論して決めていただきたいとの内閣法制局長答弁をしていましたが、昨年の常会において、我が参議院憲法審査会のみならず、衆議院憲法審においても全会一致でこれを認めております。これは、衆議院で任期延長改憲を主張する会派における唯一の法の支配、立憲主義に反しない緊急集会に関する正しい解釈ではないかと思いますが、いずれにいたしましても、衆参で、任期満了時も緊急集会の開催は可能との憲法解釈が示されているわけでございます。
とすれば、あとは緊急政令などの法律レベルの問題となります。これらは、憲法の定める国会中心立法、議院内閣制の下の行政監督の限界制度であることから、まずはこれらの法律を参議院の議員立法によって法改正して、衆議院任期延長の際の緊急集会の統制を明確に条文上も位置付けるべきと考えます。また、万が一その法改正が間に合わない場合に、解釈によって任期満了の際も緊急集会の統制を働かすことができるのか、議論の必要があります。
実は、災害対策基本法の所管省庁においては、緊急政令の政策的な必要性とその際の緊急集会による統制の必要性の見地から、「国会が閉会中」の文言で衆議院任期満了の事態を読み、任期満了時も内閣による緊急集会の請求は可能との解釈を示しているところですが、こうした解釈の可否について、参議院法制局の見解を求めます。
最後に、運用面については、首都直下地震特措法に基づき参議院事務局が策定している緊急対策実施計画、BCPに基づきつつ、議員の認否確認、緊急集会の請求に際しての議員への通知、オンライン出席を含む議員の参集方法、耐震性が認められている国会議事堂、議員会館以外の開催場所の確保、議員版のいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を深めることは有意義であるというふうに考えます。
以上でございます。
この発言だけを見る →参議院憲法審では、昨年の常会で緊急集会の集中議論を行い、その成果として、緊急集会が大災害などの有事に国会機能を代行させるために創設されたという立法事実、戦前の反省に基づく権力暴走を防ぐためという根本趣旨、衆参同時開催の例外ではあるが、あくまでも二院制国会の趣旨を徹底するという制度趣旨などをほとんど全ての会派が共有することができたものと存じます。
また、同時に、衆議院憲法審で議員任期の延長改憲のために唱えられている憲法と法の支配、立憲主義に反する緊急集会に関する独自の見解とは異なる見解、言わばそれらを否定、批判などをする見解が示されているのは、良識の府の表れと敬意を表します。
我が会派は、この間、緊急集会の法制度は累次の国会法改正によって議院規則レベルまで必要な整備がなされていることを確認した上で、内閣、参議院、衆議院の権力均衡、抑制を図り、平時への優れた復元力、レジリエンスを有する緊急集会をより十全に機能させるために、緊急集会で取り扱う議案について、内閣による追加、参議院による追加の促しと、内閣の説明責任などを措置する国会法改正の提案もいたしました。
今国会では、実際の大規模災害などにおいて緊急集会が十全にその機能を発揮するため、制度面、運用面の更なる具体的検証をしたいと思います。
まず、制度面の課題として、臨時会、緊急集会とともに憲法の緊急事態法制の一翼を成す憲法七十三条六号の罰則付委任立法、すなわち、法制局資料の三ページにある災害対策基本法、インフルエンザ等特措法などの三つの緊急政令への緊急集会による統制の確保がございます。
武力攻撃事態等対処法の防衛出動の承認も含めて、これらは全て共通の条文で、「国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないとき」と規定されているところ、衆議院の任期満了時に内閣がこれらの緊急政令などを定めた際に法律の規定に基づき直ちに緊急集会の請求ができるのか、一見明白な書きぶりとまではいかないのではないかと存じます。
衆議院任期満了の際における緊急集会によるこれらの法律の緊急政令などへの統制は、現実の緊急事態対応として憲法審査会の責任においてその解決を図るべきものと考えます。
まず、そもそも衆議院の任期満了の際に緊急集会を開催できるのかという憲法五十四条の解釈問題があります。これについては、政府は、国会で議論して決めていただきたいとの内閣法制局長答弁をしていましたが、昨年の常会において、我が参議院憲法審査会のみならず、衆議院憲法審においても全会一致でこれを認めております。これは、衆議院で任期延長改憲を主張する会派における唯一の法の支配、立憲主義に反しない緊急集会に関する正しい解釈ではないかと思いますが、いずれにいたしましても、衆参で、任期満了時も緊急集会の開催は可能との憲法解釈が示されているわけでございます。
とすれば、あとは緊急政令などの法律レベルの問題となります。これらは、憲法の定める国会中心立法、議院内閣制の下の行政監督の限界制度であることから、まずはこれらの法律を参議院の議員立法によって法改正して、衆議院任期延長の際の緊急集会の統制を明確に条文上も位置付けるべきと考えます。また、万が一その法改正が間に合わない場合に、解釈によって任期満了の際も緊急集会の統制を働かすことができるのか、議論の必要があります。
実は、災害対策基本法の所管省庁においては、緊急政令の政策的な必要性とその際の緊急集会による統制の必要性の見地から、「国会が閉会中」の文言で衆議院任期満了の事態を読み、任期満了時も内閣による緊急集会の請求は可能との解釈を示しているところですが、こうした解釈の可否について、参議院法制局の見解を求めます。
最後に、運用面については、首都直下地震特措法に基づき参議院事務局が策定している緊急対策実施計画、BCPに基づきつつ、議員の認否確認、緊急集会の請求に際しての議員への通知、オンライン出席を含む議員の参集方法、耐震性が認められている国会議事堂、議員会館以外の開催場所の確保、議員版のいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を深めることは有意義であるというふうに考えます。
以上でございます。
川
川崎政司#13
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
御指摘の所管省庁による国会閉会中の文言による解釈での対応可能というのはどのような趣旨なのかつまびらかではありませんけれども、憲法解釈を受け、まずは、衆議院議員の任期満了後の総選挙の場合を法律上規定する必要について検討が行われることになるのではないかと思われます。
その上で、仮に、先ほども先生がおっしゃられたように、法改正が行われないまま衆議院の任期満了後の総選挙の期間中に緊急政令とそれに対する緊急集会での措置の必要が生じた場合には、災害対策基本法などの規定をどう解釈し、どう対応するかが問題になってくる可能性はあるというふうに考えているところです。
この発言だけを見る →御指摘の所管省庁による国会閉会中の文言による解釈での対応可能というのはどのような趣旨なのかつまびらかではありませんけれども、憲法解釈を受け、まずは、衆議院議員の任期満了後の総選挙の場合を法律上規定する必要について検討が行われることになるのではないかと思われます。
その上で、仮に、先ほども先生がおっしゃられたように、法改正が行われないまま衆議院の任期満了後の総選挙の期間中に緊急政令とそれに対する緊急集会での措置の必要が生じた場合には、災害対策基本法などの規定をどう解釈し、どう対応するかが問題になってくる可能性はあるというふうに考えているところです。
中
小
川
中
伊
伊藤孝江#18
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
大規模災害や感染症の蔓延などにより広範かつ長期にわたって選挙ができない場合でも、国会の権能を維持するため、参議院の緊急集会に関する規定が置かれています。
参議院の緊急集会は、衆議院が解散されて総選挙が挙行され、特別会が召集されるまでの間に、法律の制定、予算の改定、その他国会の開会を要する緊急の事態が生じたとき、それに応えて国会を代行する制度であり、参議院の基本的かつ重要な権能であるとともに、参議院の存在意義の一つとして位置付けられます。災害時に緊急事態が発生した場合に、参議院の緊急集会が国会の権能を代行するために議論を深める必要があるとされる点が様々指摘されています。
参議院の緊急集会に関しては、先ほども示されたとおり、手続及び運営が既に整備されており、これは緊急集会の特徴であり利点の一つと言えます。具体的には、国会法及び参議院規則において所定の規定の整備がなされているほか、過去二回の先例を踏まえた先例録も整理されており、これらにのっとった手続及び運営を通じてその権能が発揮されるものと考えます。
本日は、この流れに関連し、二点述べさせていただきます。
まず一点目として、参議院の緊急集会は、憲法五十四条二項では衆議院が解散されたときと規定されていますが、衆議院の任期満了による総選挙の場合にも開くことができると考えます。
その理由としては、憲法制定時には衆議院議員の任期満了時を参議院の緊急集会の対象から意図的に外したわけではないこと、衆議院の不存在という点においては解散の場合と根本的な差異はないことが挙げられ、近時の学説も、憲法五十四条二項の類推適用により参議院の緊急集会を求め得るとの見解が多く見られるようになっております。
二点目として、オンラインによる出席、国会審議や採決に参加できる制度を創設することの検討が必要と考えます。
緊急集会が開催される状況においては、参議院議員の全部ないしは一部が議場に参集することが困難であることを想定しておかなければなりません。参議院の緊急集会の流れによれば、参議院議長からの通知に基づき、参議院議員は指定された期日の午前十時に集会することになります。議院運営委員会理事会で本会議について協議し本会議が開かれるという流れですが、これらへの出席は現実に集合するという形で出席するしかないのでしょうか。この点は、各委員会の理事懇談会や理事会、委員会についても同様の問題があります。
私は、一定の要件の下で例外的にオンライン参加を認めることは、憲法五十六条一項の議事の定足数、五十七条一項の会議の公開の趣旨に反するとは言えず、各議院の自律権、憲法五十八条二項の範囲内であり、憲法上も許容されるものと考えます。
ただ、検討すべき課題も多くあります。オンライン国会を実施するには、議場への参集が難しく困難な客観的状況であるかどうかの認定が必要であり、オンライン国会の実施の要件と手続を具体的に定めておく必要があります。また、本会議、委員会、理事会などを同じに扱うことができるのかどうか、また、憲法五十七条一項の公開原則に反することがないよう、会議の公開性や可視性が確保される方策が取られることや、システムのセキュリティーや投票の真正性が確保されなければならないことなどの課題についても検討する必要があると考えます。
参議院の緊急集会に求められる役割を十分に果たすことができるよう、参議院の緊急集会の流れに関連する論点の整理は、まず参議院として主体的に行うべきと考えます。憲法審査会において、積極的に真摯に議論を重ねていくべきと申し上げ、私の発言といたします。
この発言だけを見る →大規模災害や感染症の蔓延などにより広範かつ長期にわたって選挙ができない場合でも、国会の権能を維持するため、参議院の緊急集会に関する規定が置かれています。
参議院の緊急集会は、衆議院が解散されて総選挙が挙行され、特別会が召集されるまでの間に、法律の制定、予算の改定、その他国会の開会を要する緊急の事態が生じたとき、それに応えて国会を代行する制度であり、参議院の基本的かつ重要な権能であるとともに、参議院の存在意義の一つとして位置付けられます。災害時に緊急事態が発生した場合に、参議院の緊急集会が国会の権能を代行するために議論を深める必要があるとされる点が様々指摘されています。
参議院の緊急集会に関しては、先ほども示されたとおり、手続及び運営が既に整備されており、これは緊急集会の特徴であり利点の一つと言えます。具体的には、国会法及び参議院規則において所定の規定の整備がなされているほか、過去二回の先例を踏まえた先例録も整理されており、これらにのっとった手続及び運営を通じてその権能が発揮されるものと考えます。
本日は、この流れに関連し、二点述べさせていただきます。
まず一点目として、参議院の緊急集会は、憲法五十四条二項では衆議院が解散されたときと規定されていますが、衆議院の任期満了による総選挙の場合にも開くことができると考えます。
その理由としては、憲法制定時には衆議院議員の任期満了時を参議院の緊急集会の対象から意図的に外したわけではないこと、衆議院の不存在という点においては解散の場合と根本的な差異はないことが挙げられ、近時の学説も、憲法五十四条二項の類推適用により参議院の緊急集会を求め得るとの見解が多く見られるようになっております。
二点目として、オンラインによる出席、国会審議や採決に参加できる制度を創設することの検討が必要と考えます。
緊急集会が開催される状況においては、参議院議員の全部ないしは一部が議場に参集することが困難であることを想定しておかなければなりません。参議院の緊急集会の流れによれば、参議院議長からの通知に基づき、参議院議員は指定された期日の午前十時に集会することになります。議院運営委員会理事会で本会議について協議し本会議が開かれるという流れですが、これらへの出席は現実に集合するという形で出席するしかないのでしょうか。この点は、各委員会の理事懇談会や理事会、委員会についても同様の問題があります。
私は、一定の要件の下で例外的にオンライン参加を認めることは、憲法五十六条一項の議事の定足数、五十七条一項の会議の公開の趣旨に反するとは言えず、各議院の自律権、憲法五十八条二項の範囲内であり、憲法上も許容されるものと考えます。
ただ、検討すべき課題も多くあります。オンライン国会を実施するには、議場への参集が難しく困難な客観的状況であるかどうかの認定が必要であり、オンライン国会の実施の要件と手続を具体的に定めておく必要があります。また、本会議、委員会、理事会などを同じに扱うことができるのかどうか、また、憲法五十七条一項の公開原則に反することがないよう、会議の公開性や可視性が確保される方策が取られることや、システムのセキュリティーや投票の真正性が確保されなければならないことなどの課題についても検討する必要があると考えます。
参議院の緊急集会に求められる役割を十分に果たすことができるよう、参議院の緊急集会の流れに関連する論点の整理は、まず参議院として主体的に行うべきと考えます。憲法審査会において、積極的に真摯に議論を重ねていくべきと申し上げ、私の発言といたします。
中
柴
柴田巧#20
○柴田巧君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柴田巧です。
緊急集会等について考え方を述べさせていただきます。
我が党は憲法第五十四条が定める参議院の緊急集会の重要性はもちろん認めていますが、緊急集会の開催には明確な限界があります。
一点目は、何といっても長期にわたる場合を想定していないということです。
改めて言うまでもありませんが、参議院の緊急集会の要件は、衆議院の解散中であること、国の緊急の必要があること、そして内閣の求めによることの三つです。このうち、衆議院の解散中であることは、換言すれば、解散中にしか緊急集会を開けないということです。ゆえに、大規模災害の発生、感染症や戦争の拡大などの緊急事態にはそぐわないと考えます。
また、衆議院議員が不在となる期間として想定されているのは、先ほどもありましたが、最長でも解散から選挙までの四十日プラス特別国会が開かれるまでの三十日、合わせて七十日です。それ以上の長期にわたる期間まで参議院が単独で国会機能を担えるということを現行憲法で認められると解釈するには、かなりの無理があります。
なおまた、この解散要件については衆議院の任期満了に類推適用ができるという意見もありますが、仮にそうだとしても、直後に衆議院の議決を求めることからも、長期の緊急事態まで想定されているとは考えられません。緊急集会が想定しているのは、国政選挙を通常どおりに行える程度の状況、つまり近いうちに国会が開会されることを前提にしています。
したがって、長期にわたる緊急事態が発生し、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において選挙の適正な実施が七十日を超えて困難であることが明白な場合には、参議院の緊急集会だけでは対処が極めて困難になります。
第二の限界は、緊急集会の権能です。
国会法第九十九条第一項は、「内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から、集会の期日を定め、案件を示して、参議院議長にこれを請求しなければならない。」とあります。そして、第百一条には、参議院の緊急集会においては、議員は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連あるものに限り、議案を発議することができるとあります。つまり、緊急集会で議員が発議できるのは、内閣の請求の際に総理が示した案件に絞られることになります。
しかし、長期にわたる緊急事態が生じた場合、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りなくなることが容易に予想されます。このように、緊急集会で取り扱える案件はあらかじめ総理が示した案件に限るとされており、長期にわたる緊急事態において参議院が包括的に対応することは想定されておりません。
したがって、これまで申し上げてきた点を踏まえれば、いかなる緊急事態にあったとしても、国会の機能や二院制の大原則を維持し、恣意的な権力の統制を図り、加えて、選挙が実施不可能なことによって国会議員が不在となる事態を避けるには、緊急事態条項が必要と考えます。
我が党は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置、自衛隊明記、そして緊急事態条項創設の五項目について、既に条文案を示しています。このうち、緊急事態条項の創設では、衆議院において、我が党のほか、自民、公明、国民民主、有志の会との五党派によって、緊急時には必要に応じて議員任期を延長できる条項を設ける必要性などで一致をしました。さらに、維新、国民民主、有志の会の三党派で独自に条文案をまとめています。
私どもは、これらの緊急事態条項を設けることにより、たとえ緊急事態が長期化した場合でも、国政選挙が適正に実施されるまでの間、国民の代表たる議員が存続し、国家の運営が継続でき、かつ行政の暴走をストップさせることが保障されると確信をしています。
このような三党派が条文化している案に基づいて、緊急事態条項の導入に向けた議論が早期にこの審査会で行われることを強く求めたいと思います。
最後に申し上げます。
日本国憲法は施行七十七年を迎えました。この間、一言一句の改正も行われていません。国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは、まさにブラックジョークであります。国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは、国会議員に課せられた重大な責務です。
憲法を国民の手に本当に取り戻す、そのために我が会派は参議院においても主導的役割を果たしていくことを強調し、意見表明とさせていただきます。
この発言だけを見る →緊急集会等について考え方を述べさせていただきます。
我が党は憲法第五十四条が定める参議院の緊急集会の重要性はもちろん認めていますが、緊急集会の開催には明確な限界があります。
一点目は、何といっても長期にわたる場合を想定していないということです。
改めて言うまでもありませんが、参議院の緊急集会の要件は、衆議院の解散中であること、国の緊急の必要があること、そして内閣の求めによることの三つです。このうち、衆議院の解散中であることは、換言すれば、解散中にしか緊急集会を開けないということです。ゆえに、大規模災害の発生、感染症や戦争の拡大などの緊急事態にはそぐわないと考えます。
また、衆議院議員が不在となる期間として想定されているのは、先ほどもありましたが、最長でも解散から選挙までの四十日プラス特別国会が開かれるまでの三十日、合わせて七十日です。それ以上の長期にわたる期間まで参議院が単独で国会機能を担えるということを現行憲法で認められると解釈するには、かなりの無理があります。
なおまた、この解散要件については衆議院の任期満了に類推適用ができるという意見もありますが、仮にそうだとしても、直後に衆議院の議決を求めることからも、長期の緊急事態まで想定されているとは考えられません。緊急集会が想定しているのは、国政選挙を通常どおりに行える程度の状況、つまり近いうちに国会が開会されることを前提にしています。
したがって、長期にわたる緊急事態が発生し、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において選挙の適正な実施が七十日を超えて困難であることが明白な場合には、参議院の緊急集会だけでは対処が極めて困難になります。
第二の限界は、緊急集会の権能です。
国会法第九十九条第一項は、「内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から、集会の期日を定め、案件を示して、参議院議長にこれを請求しなければならない。」とあります。そして、第百一条には、参議院の緊急集会においては、議員は、第九十九条第一項の規定により示された案件に関連あるものに限り、議案を発議することができるとあります。つまり、緊急集会で議員が発議できるのは、内閣の請求の際に総理が示した案件に絞られることになります。
しかし、長期にわたる緊急事態が生じた場合、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りなくなることが容易に予想されます。このように、緊急集会で取り扱える案件はあらかじめ総理が示した案件に限るとされており、長期にわたる緊急事態において参議院が包括的に対応することは想定されておりません。
したがって、これまで申し上げてきた点を踏まえれば、いかなる緊急事態にあったとしても、国会の機能や二院制の大原則を維持し、恣意的な権力の統制を図り、加えて、選挙が実施不可能なことによって国会議員が不在となる事態を避けるには、緊急事態条項が必要と考えます。
我が党は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置、自衛隊明記、そして緊急事態条項創設の五項目について、既に条文案を示しています。このうち、緊急事態条項の創設では、衆議院において、我が党のほか、自民、公明、国民民主、有志の会との五党派によって、緊急時には必要に応じて議員任期を延長できる条項を設ける必要性などで一致をしました。さらに、維新、国民民主、有志の会の三党派で独自に条文案をまとめています。
私どもは、これらの緊急事態条項を設けることにより、たとえ緊急事態が長期化した場合でも、国政選挙が適正に実施されるまでの間、国民の代表たる議員が存続し、国家の運営が継続でき、かつ行政の暴走をストップさせることが保障されると確信をしています。
このような三党派が条文化している案に基づいて、緊急事態条項の導入に向けた議論が早期にこの審査会で行われることを強く求めたいと思います。
最後に申し上げます。
日本国憲法は施行七十七年を迎えました。この間、一言一句の改正も行われていません。国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは、まさにブラックジョークであります。国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは、国会議員に課せられた重大な責務です。
憲法を国民の手に本当に取り戻す、そのために我が会派は参議院においても主導的役割を果たしていくことを強調し、意見表明とさせていただきます。
中
礒
礒崎哲史#22
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。意見を述べさせていただきます。
憲法審査会において、これまでも緊急集会をテーマに意見交換が行われてきました。リスクに備えるとの観点から、具体的な運用や論点について更に深掘りして議論を行うことは、大変意義あることと考えます。一連の議論を通じ具体的な結論を見出せることを心から期待しつつ、法制局から説明のあった論点を中心に、以下、意見を述べます。
まず、緊急集会における審議の対象や期間についてです。
国に緊急の事態が発生した際に、国会機能維持の一つとして憲法第五十四条の第二項に参議院の緊急集会の規定が置かれていることは非常に重要なことです。一方で、緊急集会に関する規定は二院制の例外であることから、その運用については限定的と受け止めることが自然であると考えます。
また、五十四条第三項には、前項のただし書の緊急集会においてとられた措置は、臨時的のものであって、次の国会開会の後十日以内に衆議院の同意がない場合には、その効力を失うとあります。この条文からも、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、長期間を想定していないものと考えます。
仮に、緊急事態が長期にわたることが想定される中、次年度予算の議決が必要になった場合、一年に及ぶ予算の議決は許容されるのでしょうか。あくまで臨時の予算措置のみ対応できるとした場合、暫定予算を繰り返し議決することは可能なのでしょうか。特に、五十四条三項に規定される衆議院による国会同意が得られない状況の中で繰り返しの議決は成立するのでしょうか。こうした点について整理が必要であると考えます。
この点に関しては、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、その権能、議員発議の範囲は限定的であるべきとの立場から、予算については臨時の予算編成のみとし、また衆議院の国会同意がない状態での繰り返しの議決も望ましくないと考えます。
緊急集会を開くことができる期間については様々御意見があると承知をしていますが、これもまた、緊急集会が臨時の措置であるとの立場及び先ほどの予算議決に対する課題認識などから、上限を設けるべきと考えます。
その日数については、衆議院解散後、総選挙までの四十日間と特別会召集までの三十日間の計七十日が妥当ではないかと考えています。仮に、七十日以上を可能とし、緊急的な事態の収束までとした場合、その期限の上限とは一体どの程度を想定しておけばよいのでしょうか。半年か一年か、それ以上でしょうか。緊急集会が緊急的な臨時の対応であるということを踏まえれば、リスクへの備えとして具体的な条件を定めておくことが必要と考えます。
また、期間に関しては、それ単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくると考えますので、例えば予算編成の期間としてどの程度まで許容されるのかなどについても整理をしておく必要があると考えます。
是非、こうした点についても具体的に議論を重ねていただけますことをお願い申し上げます。
次に、衆議院の任期満了により衆議院が不存在の場合に、参議院の緊急集会を開くことの可否についてです。
本論点については肯定、否定の両論がありますが、衆議院の任期満了においても緊急的な事態が発生する可能性は当然あり得ます。したがって、リスクへの備えとしては緊急集会を開くことを可能とするよう考え方を整理しておくことが重要であるというふうに考えます。
具体的な対応としては、個々に異なった解釈とならないよう条文を改正することが望ましいと考えますが、憲法改正をするのか、若しくは本審査会で意見をまとめ、解釈として整理すればよいのか等についても論点整理をいただきたく、お願いを申し上げます。
結びに、本審査会で述べられている多様な意見について、多くの国民の皆様により深く御理解をいただくことや今後の議論への活用を目的に、その内容について分かりやすく取りまとめていただけますことをお願い申し上げて、私の意見とさせていただきます。
この発言だけを見る →憲法審査会において、これまでも緊急集会をテーマに意見交換が行われてきました。リスクに備えるとの観点から、具体的な運用や論点について更に深掘りして議論を行うことは、大変意義あることと考えます。一連の議論を通じ具体的な結論を見出せることを心から期待しつつ、法制局から説明のあった論点を中心に、以下、意見を述べます。
まず、緊急集会における審議の対象や期間についてです。
国に緊急の事態が発生した際に、国会機能維持の一つとして憲法第五十四条の第二項に参議院の緊急集会の規定が置かれていることは非常に重要なことです。一方で、緊急集会に関する規定は二院制の例外であることから、その運用については限定的と受け止めることが自然であると考えます。
また、五十四条第三項には、前項のただし書の緊急集会においてとられた措置は、臨時的のものであって、次の国会開会の後十日以内に衆議院の同意がない場合には、その効力を失うとあります。この条文からも、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、長期間を想定していないものと考えます。
仮に、緊急事態が長期にわたることが想定される中、次年度予算の議決が必要になった場合、一年に及ぶ予算の議決は許容されるのでしょうか。あくまで臨時の予算措置のみ対応できるとした場合、暫定予算を繰り返し議決することは可能なのでしょうか。特に、五十四条三項に規定される衆議院による国会同意が得られない状況の中で繰り返しの議決は成立するのでしょうか。こうした点について整理が必要であると考えます。
この点に関しては、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、その権能、議員発議の範囲は限定的であるべきとの立場から、予算については臨時の予算編成のみとし、また衆議院の国会同意がない状態での繰り返しの議決も望ましくないと考えます。
緊急集会を開くことができる期間については様々御意見があると承知をしていますが、これもまた、緊急集会が臨時の措置であるとの立場及び先ほどの予算議決に対する課題認識などから、上限を設けるべきと考えます。
その日数については、衆議院解散後、総選挙までの四十日間と特別会召集までの三十日間の計七十日が妥当ではないかと考えています。仮に、七十日以上を可能とし、緊急的な事態の収束までとした場合、その期限の上限とは一体どの程度を想定しておけばよいのでしょうか。半年か一年か、それ以上でしょうか。緊急集会が緊急的な臨時の対応であるということを踏まえれば、リスクへの備えとして具体的な条件を定めておくことが必要と考えます。
また、期間に関しては、それ単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくると考えますので、例えば予算編成の期間としてどの程度まで許容されるのかなどについても整理をしておく必要があると考えます。
是非、こうした点についても具体的に議論を重ねていただけますことをお願い申し上げます。
次に、衆議院の任期満了により衆議院が不存在の場合に、参議院の緊急集会を開くことの可否についてです。
本論点については肯定、否定の両論がありますが、衆議院の任期満了においても緊急的な事態が発生する可能性は当然あり得ます。したがって、リスクへの備えとしては緊急集会を開くことを可能とするよう考え方を整理しておくことが重要であるというふうに考えます。
具体的な対応としては、個々に異なった解釈とならないよう条文を改正することが望ましいと考えますが、憲法改正をするのか、若しくは本審査会で意見をまとめ、解釈として整理すればよいのか等についても論点整理をいただきたく、お願いを申し上げます。
結びに、本審査会で述べられている多様な意見について、多くの国民の皆様により深く御理解をいただくことや今後の議論への活用を目的に、その内容について分かりやすく取りまとめていただけますことをお願い申し上げて、私の意見とさせていただきます。
中
山
山添拓#24
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
緊急集会について、本日の御説明を受け、法制局に伺います。
日本国憲法に参議院の緊急集会を導入することについて、憲法制定議会では、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するためと説明されています。明治憲法の緊急勅令や緊急財政処分といった政府の専断による処理を排除したのは明らかですが、同時に、当時の議論では、あらかじめ国会常置委員会を設置しておき対応するという案も排除しました。
こうした経緯を踏まえると、緊急集会が民主政治の徹底を趣旨とするのは、緊急時であっても民主的に選ばれた議員によることを要求するものと理解するべきではないか。国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するという憲法前文をも踏まえ、このように理解すべきと考えますが、見解を伺います。
この発言だけを見る →緊急集会について、本日の御説明を受け、法制局に伺います。
日本国憲法に参議院の緊急集会を導入することについて、憲法制定議会では、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するためと説明されています。明治憲法の緊急勅令や緊急財政処分といった政府の専断による処理を排除したのは明らかですが、同時に、当時の議論では、あらかじめ国会常置委員会を設置しておき対応するという案も排除しました。
こうした経緯を踏まえると、緊急集会が民主政治の徹底を趣旨とするのは、緊急時であっても民主的に選ばれた議員によることを要求するものと理解するべきではないか。国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するという憲法前文をも踏まえ、このように理解すべきと考えますが、見解を伺います。
川
川崎政司#25
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
民主政治の徹底ということを緊急事態の際の対応として政府の側が強調したのは、先生がおっしゃるとおり、旧憲法の緊急勅令、緊急財政処分などの制度が民主政治の運用上、遺憾な結果を生じたという反省に立ったものであり、国会をいつでも開き得る態勢を整え、それにより対応する必要があることを述べたものであると解することができます。そして、そのことが参議院の緊急集会制度の導入の理由ともなったのではないかと考えております。
なお、そこでは、参議院が国民代表であることも理由として挙げられているところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →民主政治の徹底ということを緊急事態の際の対応として政府の側が強調したのは、先生がおっしゃるとおり、旧憲法の緊急勅令、緊急財政処分などの制度が民主政治の運用上、遺憾な結果を生じたという反省に立ったものであり、国会をいつでも開き得る態勢を整え、それにより対応する必要があることを述べたものであると解することができます。そして、そのことが参議院の緊急集会制度の導入の理由ともなったのではないかと考えております。
なお、そこでは、参議院が国民代表であることも理由として挙げられているところでございます。
以上でございます。
山
山添拓#26
○山添拓君 国民代表、国民から選ばれるという点に意義があるだろうと思います。
選挙が長期間、広範囲で行えない場合は、緊急集会では対応し切れないと指摘されます。しかし、災害などで選挙が実施できない場合には、現行法上、繰延べ投票の制度があります。阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも全国的に選挙が困難となる事態は起きず、熊本地震では三か月後に参議院選挙が行われました。災害対応という点では、能登半島地震でいまだに深刻な被害が続き、政府の対応の遅さと不十分さが指摘されますが、だからこそ選挙で民意を問うことが一層重要です。
重ねて法制局に伺います。
最高裁判決は、選挙権の制限はやむを得ないと認められる事由がなければならないとしています。加えて、緊急集会は民主政治の徹底を趣旨とすることを踏まえると、緊急集会が必要となる事態においても、できるだけ速やかに衆議院議員の総選挙を実施し、選挙権行使を可能にした上で、民主政治の徹底を万全にすることを要求するのが憲法の趣旨と考えますが、見解を伺います。
この発言だけを見る →選挙が長期間、広範囲で行えない場合は、緊急集会では対応し切れないと指摘されます。しかし、災害などで選挙が実施できない場合には、現行法上、繰延べ投票の制度があります。阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも全国的に選挙が困難となる事態は起きず、熊本地震では三か月後に参議院選挙が行われました。災害対応という点では、能登半島地震でいまだに深刻な被害が続き、政府の対応の遅さと不十分さが指摘されますが、だからこそ選挙で民意を問うことが一層重要です。
重ねて法制局に伺います。
最高裁判決は、選挙権の制限はやむを得ないと認められる事由がなければならないとしています。加えて、緊急集会は民主政治の徹底を趣旨とすることを踏まえると、緊急集会が必要となる事態においても、できるだけ速やかに衆議院議員の総選挙を実施し、選挙権行使を可能にした上で、民主政治の徹底を万全にすることを要求するのが憲法の趣旨と考えますが、見解を伺います。
川
川崎政司#27
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
直接のお答えになっているかどうかは分かりませんけれども、憲法五十四条一項は、衆議院の解散の日から四十日以内の衆議院の総選挙、その選挙の日から三十日以内に国会を召集することを求めており、これはできるだけ速やかに選挙が行われ、新しい衆議院の構成や国会の成立などを求めるものであり、それは、選挙が物理的に可能である限り、状況のいかんを問わないものと解することができます。
また、選挙権を保障する憲法十五条一項の趣旨に照らしても、選挙権行使の機会が適切かつ確実に確保されることが重要になるということができます。
以上でございます。
この発言だけを見る →直接のお答えになっているかどうかは分かりませんけれども、憲法五十四条一項は、衆議院の解散の日から四十日以内の衆議院の総選挙、その選挙の日から三十日以内に国会を召集することを求めており、これはできるだけ速やかに選挙が行われ、新しい衆議院の構成や国会の成立などを求めるものであり、それは、選挙が物理的に可能である限り、状況のいかんを問わないものと解することができます。
また、選挙権を保障する憲法十五条一項の趣旨に照らしても、選挙権行使の機会が適切かつ確実に確保されることが重要になるということができます。
以上でございます。
山
山添拓#28
○山添拓君 ありがとうございます。
総選挙を広範囲で実施できない期間が長く続くことを殊更想定し、選挙権の制限を正当化する衆議院議員の任期延長論は、国民主権の基本を踏まえないものです。総選挙をいかに速やかに実施できるようにするか、その法整備の必要性や内容は選挙制度の抜本改革と併せて議論に値しますが、改憲の材料にするのは不当であり、必要でもありません。
加えて申し上げたいのは、憲法は国民が権力を縛るものです。憲法が制定以来変わることなく機能してきたのは、主権者である国民が変えるべきでないという選択をしてきたからにほかならないことを強調して、意見といたします。
この発言だけを見る →総選挙を広範囲で実施できない期間が長く続くことを殊更想定し、選挙権の制限を正当化する衆議院議員の任期延長論は、国民主権の基本を踏まえないものです。総選挙をいかに速やかに実施できるようにするか、その法整備の必要性や内容は選挙制度の抜本改革と併せて議論に値しますが、改憲の材料にするのは不当であり、必要でもありません。
加えて申し上げたいのは、憲法は国民が権力を縛るものです。憲法が制定以来変わることなく機能してきたのは、主権者である国民が変えるべきでないという選択をしてきたからにほかならないことを強調して、意見といたします。
中