佐藤正久の発言 (憲法審査会)
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○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
まず、参議院の緊急集会の開催が、平時、有事問わず、衆議院不存在時のための制度であることを改めて申し上げたいと思います。
本院憲法審査会では、衆議院議員の任期満了時でも内閣は参議院緊急集会を求め得るとの見解について、異なる会派意見はなかった旨、確認したいと思います。
また、本論点を含め、五月十五日の本審査会で法制局長から示された緊急集会に関わる四つの論点については、緊急集会が内閣の求めに応じて開かれ、参議院で決定した法律や予算措置は衆議院の事後承認が必要であることから、内閣、参議院、衆議院でその解釈をすり合わせ、その上での憲法改正や法律改正が必要ではないかとの見解が法制局長から示されました。これは、改正事項が後に裁判で憲法違反と言われないためにも重要な指摘だと思います。
次に、参議院の緊急集会での対象法案や予算の範囲について、首都直下地震等への対応から考えてみたいと思います。
都心南部直下地震想定では、震度六強となり、東日本大震災での仙台市の一部と同じ揺れとなります。東日本大震災では、地震発生から国会閉会までの百七十三日間で、緊急の法的措置等として三十二本の法律が成立、補正予算は二度編成、可決されています。期間七十日で区切れば、地方議会議員選挙の期日延期、被災者の負担軽減、国等による権限代行や一定の建築制限、さらには事業者等に対する特別の助成や応急復旧事業に必要な財政措置の確保などの法律十二本が成立、補正予算も一度編成、可決されました。
仮に首都直下地震等が衆議院解散時等に発生したとして、参議院の緊急集会であるがゆえに、審議対象法案や予算に制限を掛け、緊急の対応が停滞すれば、民主政治を徹底させて、生命、自由及び身体の安全に対する権利を含む国民の権利を十分に擁護するという憲法の趣旨に反するものと考えます。したがって、首都直下地震等発生に伴う参議院の緊急集会における審議の対象となる法案や予算の範囲は、緊急の必要がある限り制限はないと考えます。
次に、議員が発議できる議案の範囲ですが、東日本大震災を例とすれば、発生から百七十三日間で、衆議院議員提出法案で九本、参議院議員提出法案で三本、計十二本の議員立法が成立しています。そのうち、発災後七十日で成立した議員立法は歳費減額特例法律のみです。
しかし、私が参議院から発議した、原発事故の被害者に対し国が仮払金を支払うこととし、そのための約五千億円の予算を伴う緊急措置法案の成立は、七十日を超えてはいますが、被災地からの要望は発災直後から出されており、まさに応急対策として緊急に講じた立法措置であることから、仮に衆議院の解散中であれば、参議院の緊急集会を意識した時間軸で対応したはずです。
となれば、衆議院解散時等における大災害発生時の緊急集会における審議対象法案や予算の範囲の際と同じ考え方で、参議院の緊急集会において議員が発議できる議案の範囲についても、国会法に規定する内閣総理大臣から示された案件に関連のあるものという要件を幅広く解釈し、緊急の必要がある限り、予算関連法案を含め広く発議を行うことができると考えます。
その上で、首都直下地震の際に内閣からの参議院の緊急集会の求めに十分に応じられるよう、参議院の機能維持に関わる議事堂の強靱化や議事堂が使用不能な場合の代替施設等の整備、併せて緊急集会開催に必要な定足数の確保策等について、参議院を挙げて取り組むことも含めて議論してはどうかと考えます。
発言は以上です。