土屋品子の発言 (東日本大震災復興特別委員会)

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○国務大臣(土屋品子君) 東日本大震災復興特別委員会の開催に当たり、復興大臣として所信を申し上げます。
 東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から十三年が経過しました。
 震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々や被害に遭われた全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
 私は、大臣就任以降、福島県、宮城県、岩手県を頻繁に訪問し、被災地で活躍されている女性の方々を始め、多くの方とお話をすることで復興の現状を把握してまいりました。
 その中で、震災からの復興は被災地の方々の御努力や関係者の御尽力により着実に進んでいる一方で、地震・津波被災地域と原子力災害被災地域とでは状況が大きく異なり、また、原子力災害被災地域においても避難指示の解除の時期等により復興の状況が大きく異なっており、被災地の状況に応じたきめ細かな対応が必要と実感しております。
 こうした思いで復興の取組を進めておりますが、最近進展のあった三つの取組を申し上げます。
 一つ目は、帰還困難区域及び避難指示が解除された地域への取組についてであります。
 帰還困難区域について、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意の下、取組を進めてきており、昨年十一月までに全ての特定復興再生拠点区域の避難指示解除がなされました。
 また、拠点区域外に関しても、二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、昨年六月の福島復興再生特別措置法の改正により創設された特定帰還居住区域の制度により、昨年九月には大熊町及び双葉町の一部区域に係る特定帰還居住区域復興再生計画を認定し、昨年十二月には先行的な除染に着手しました。本年二月までには、大熊町の残りの区域のほか、富岡町、浪江町においても、各自治体が設定する特定帰還居住区域について計画を認定したところです。
 引き続き、認定された計画に従い、関係省庁と連携しながら、除染やインフラ整備等を始めとする避難指示解除に向けた取組を進めてまいります。
 あわせて、避難指示が解除された地域においては、帰還される方が安心して生活できる環境づくりが不可欠であり、政府としては、これまでに、医療、介護、買物、教育等の生活環境の整備を支援してまいりました。引き続き、こうした取組を通じて帰還の促進につなげていくとともに、事業再開の支援、営農再開の加速化、森林・林業の再生、漁業の本格的な操業再開等、産業、なりわいの再生、雇用の確保を図ります。
 また、地域に新たな活力を呼び込めるよう、地方自治体の自主性に基づく事業への支援や、移住、起業する方に対する個人支援等、移住、定住の促進にも取り組んでまいります。
 引き続き、福島の復興再生に向けて、国が前面に立って取り組んでまいる所存です。
 二つ目は、ALPS処理水放出についてであります。
 昨年八月からALPS処理水の海洋放出が開始されました。ALPS処理水の処分に先立ち、関係閣僚等会議において、政府全体として、安全確保、風評対策、なりわい継続支援策を講じ、今後も全責任を持って取り組むこととしており、関係省庁連名で水産業を守る五本柱の政策パッケージを取りまとめております。
 復興庁としては、これまでに引き続き風評対策に取り組んでまいります。私自身、タイ、ベトナムを訪問し、トップセールスをしてまいりました。現地では、日本食などへの関心の高さを感じ、三陸・常磐ものなどの地元産品の魅力発信に手応えを感じたところであります。引き続き、国内外に向けて、科学的根拠に基づいた正確な情報を分かりやすく発信するとともに、三陸・常磐ものを始めとする地元産品や地域の魅力を効果的に発信してまいります。
 また、ALPS処理水の海洋放出は息の長い取組になります。ALPS処理水の海洋放出後に身体汚染や水漏れの事案等が発生しております。東京電力には、一つのミスでも地元や社会の信頼を失いかねないため、最大限の緊張感を持って安全確保に万全を期して取り組んでいただきたいと考えています。
 三つ目は、F―REIの取組についてであります。
 福島浜通り地域等における新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、福島を始め東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の科学技術力、産業競争力の強化を牽引する福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIが昨年四月に設立されました。
 設立から約一年の間、研究開発については委託研究を中心に五分野で、五分野全てで開始するとともに、産業化を見据えて浜通り地域等の十五市町村ごとに市町村座談会を実施し、ニーズを把握してきました。加えて、F―REI役員が福島県内の大学生や高校生等を対象にトップセミナーを開催し人材育成に取り組むなど、着実にその歩みを進めています。
 二年目に向けて、研究代表者の公募を開始するとともに、秋に福島で開催する国際放射線防護委員会に併せてシンポジウムの開催も計画しています。
 また、F―REIの当初の本施設は国において整備することとしており、施設整備の方向性等を定める施設基本計画を本年一月に策定し、令和六年度より設計に着手する予定です。
 引き続き、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指すF―REIの取組を、関係大臣と連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。
 また、福島イノベーション・コースト構想につきましても、引き続き、地域における実証等の支援、地元企業との連携促進や、起業、創業を目指す方への支援等を推進してまいります。
 以上三つの取組のほかに、原子力災害被災地域、地震・津波被災地域共通の課題にも取り組んでおります。まず、被災者支援について、これまで心のケアやコミュニティー形成、見守り、生きがいづくりなどに取り組んできておりますが、被災者の方々の置かれた状況は様々であり、それぞれの状況に応じて必要な支援が受けられるよう、引き続き取り組んでまいります。また、被災地における中核産業である漁業及び水産加工業については、漁港や加工施設等の復旧はおおむね完了しており、今後も、漁業の収益性向上や担い手の確保、水産物の販路の回復、開拓等の取組を引き続き支援してまいります。
 東日本大震災の記憶と教訓を後世に継承することも重要です。
 そのため、これまでの復興施策を振り返り、政府の制度や組織の変遷等を取りまとめ、公表したところです。
 さらに、これまでに蓄積された効果的な復興の手法、取組や民間のノウハウなど、復興に係る知見を関係機関と共有し、各地の伝承施設等との連携を通じて普及、展開することで、令和六年能登半島地震のほか、将来の大規模災害からの復興に生かしてまいります。
 このほか、来年開催される二〇二五年日本国際博覧会など各種の機会を捉えて、多くの方に被災地まで足を運んでいただけるよう、原子力災害からの復興状況を始め、復興の進捗や被災地の状況について、正確な情報や被災地の魅力などを分かりやすく発信してまいります。
 令和三年度から令和七年度までの第二期復興・創生期間も今年度末で三年目となることから、令和七年度までを見据えて復興基本方針の中間的な見直しを行います。
 また、第二期復興・創生期間後となる令和八年度以降、復興庁設置期限である令和十二年度までの復興の在り方については、最終的には令和七年度中にその段階での復興の状況を踏まえて決定することになりますが、最終的な決定を待つことなく一定の方向性をお示しすることも視野に入れながら、今後、しっかりと関係者と意見交換を行うなど、必要な施策等についての検討を進めてまいります。
 冒頭にも述べたとおり、被災地を訪れた際、地域で活躍される女性の方々ともお話をし、女性の方々の前向きな底力が被災地の活性化に大きく貢献していることを実感しました。このような活躍をしている女性の声をこれまで以上に伺う場を設け、復興の取組に生かしてまいります。
 引き続き、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、復興の司令塔である復興大臣として、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。
 野田委員長を始め、理事及び委員各位の御理解と御指導をよろしくお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 土屋品子

speaker_id: 28254

日付: 2024-03-13

院: 参議院

会議名: 東日本大震災復興特別委員会