原一郎の発言 (内閣委員会)
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○参考人(原一郎君) 原でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
早速ですが、説明に入りたいと思います。
私の方から、資料三点、お手元にお配りをしておりますが、本日はこの横長のパワーポイントの資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
まず、一ページを御覧ください。
経団連は、二〇二二年二月の経済安全保障推進法に関する提言におきまして、相手国から信頼されるに足る実効性のある情報保全制度の導入を要望いたしました。その後、経済安全保障推進法成立時の附帯決議あるいは二〇二二年年末に改定されました国家安全保障戦略を踏まえまして、政府は二〇二三年二月にセキュリティークリアランス制度に関する有識者会議を立ち上げました。私もそのメンバーとして参加をしてまいりました。有識者会議は今年一月に最終とりまとめを公表いたしましたが、経団連はそれを踏まえまして、法制化に当たり留意すべき点などをまとめた提言を、これお手元にお配りしてあるものですが、二月二十日に公表するとともに、三月十九日には日本商工会議所とともに法案の早期成立を求める提言を公表いたしました。これも併せて配付させていただいております。本日は、それらに基づきまして、今次法案について我々の考えを説明させていただきます。
二ページは法案の目次でございますので省略をさせていただきまして、三ページを御覧いただきたいと存じます。
制度設計に当たっての経団連の基本的な考え方をこの一枚で示してございます。
まず、一番上にございます特定秘密制度を始めとする既存の制度との整合性や、その次のプライバシーへの配慮につきましては法文上も配慮されていると考えております。
三つ目の保全の対象となる情報につきましては、これまでの国会審議におきまして政府は政府保有情報が対象であると明言をされていると承知をしております。あとは、どこまでこの対象情報が限定されるのかということを注目していきたいと思います。
四つ目の情報の共有を受ける事業者につきましては、行政機関の長は当該事業者との契約に基づいて情報を提供することになっておりますので、共有を受ける意思のない者まで対象とすることはないものと考えております。
五つ目の企業のニーズにつきましては、法案の名称及び目的に使用されている活用という表現から明らかであると思いますが、実際に企業ニーズの受皿として有効に機能するか否かは法案成立後の下位法令あるいは運用基準などを見させていただきたいと思います。
また、相手国から信頼されるに足る実効性のある制度にしなければならないことは当然のことでありますが、この点につきましても実際の運用を見させていただく必要があると考えてございます。
全体としては以上のとおりでございますが、以降、法案の順番に沿いましてもう少し詳しく説明をさせていただきます。
四ページを飛ばしていただきまして五ページでございますが、五ページからの保全の対象となる情報につきましては、基本的に有識者会議及び経団連の意見に沿っていると考えておりますが、慎重を期して申し上げれば、六ページにございますとおり、対象が広がり過ぎないよう下位法令等を注視する必要があると考えております。
六ページを御覧ください。
米国では、一番左にありますように、セキュリティークリアランス制度の対象となるクラシファイドインフォメーションをトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャルの三つに区分していると承知をしております。一方、我が国の特定秘密制度は、トップシークレット、シークレット級の情報はカバーしている一方で、コンフィデンシャル級の情報はカバーしていないと承知をしてございます。
この点に関しまして有識者会議では、新たな制度においてはコンフィデンシャル級の情報を含めて制度の対象といたしましてクリアランスを実施すべきというふうにいたしました。経団連も同じ意見でございますけれども、政府は有識者会議の最終とりまとめの後、七ページの上の囲みの二番目の黒丸にございますように、新たな制度ではコンフィデンシャル級のみを対象とする方針が示されました。
そこで、国際共同研究開発等に参加する際にトップシークレット、シークレット級のクリアランスを求められた場合であっても対応が可能となるように、新制度と特定秘密制度とがシームレスに運用されるよう必要な措置を講じる必要があると考えております。岸田総理もそのような指示を出しておられるものと承知をしておりますが、経団連としてもそのような形で企業のニーズに対応していただきたいと考えております。
八ページからは、保全対象となる情報の提供を受ける事業者についてでございます。
そこにございますように、情報を提供する事業者とはまず契約を締結することになっておりまして、そのような契約を締結する意思のない者はクリアランスの対象にならないという意味で妥当であると考えております。
国会審議におきましても、岸田総理から、適合事業者として選定され、情報提供を受けるのは事業者自らが意思を示した場合に限るという御答弁がございましたし、高市大臣からは、契約関係に入る前の段階で、提供される可能性がある情報の概略や当該情報の活用方法などについて可能な範囲で伝えることになり、そのやり取りの中で事業者としてその情報の提供を受けるかどうかについて判断することになるという御答弁もございましたので、この点は満たされるものと考えております。
九ページは、保全情報の提供を受ける意思を示した者のクリアランス、適性評価についてでございます。
有識者会議の最終とりまとめでは、現行制度の運用や主要国の例も参照しつつ、我が国の企業等の実情や特定秘密保護法等の整合性も踏まえながら、実効的かつ現実的な制度を整備していくべきとされております。
経団連といたしましても、国内既存制度との整合性を踏まえて現実的な制度とするとともに、国際的にも通用する実効的な制度となるよう諸外国の理解を得ていくことを求めております。この点、法案では、事業者の保全体制について、法案成立後に策定される運用基準で適合事業者の認定等に関し定めることとしておりますので、そちらを注視させていただきたいと考えております。
十ページは取扱者の制限でございますけれども、ここは飛ばしていただきまして、十一ページからは共有された情報を取り扱う者のクリアランス、適性評価についてでございます。十三ページを具体的には御覧いただければと思います。
取扱者個人の信頼性の確認につきましては、法案では、調査は一元的に行う一方、評価は各省庁が実施することになっております。調査のみならず、評価結果も含めてポータビリティーを確保してほしいという企業の当初の要望からすれば、経団連としては調査、評価共に一元化が望ましいと考えておりましたけれども、保全すべき情報の指定が各行政機関において行われるという法案の立て付けに鑑みれば、評価については各行政機関が行うことに一定の合理性があると考えております。
いずれにいたしましても、信頼性の確認を受ける保全情報の取扱者個人の負担を減らしていくことが重要と考えてございます。
十四ページを御覧いただければと思います。
適性評価調査に同意しなかったことや、適性評価の結果及び取得した個人情報につきましては、不利益取扱いを含めて目的外の利用を禁止することは当然と考えております。法案におきましてもそのように規定されており、妥当な内容であると考えております。
十五ページの雑則は飛ばしていただきまして、十六ページからの保全情報の漏えい等に対する罰則につきまして考え方を述べさせていただきます。
十七ページにありますとおり、既存制度との整合性を取るべきと考えており、基本的には法案もそのようになっておると考えております。法人に対する罰則につきましては、法案では業務に関して違反行為をした際に罰するとなっておりますので、いわゆる組織ぐるみの違反の場合にのみ法人も罰則の対象となるものと理解しておりまして、その限りにおいてこの両罰規定もやむを得ないと考えてございます。
十八ページの附則は飛ばしていただきまして、十九ページを御覧ください。
これは法案の対象事項ではございませんが、経団連として、制度の分かりやすい説明、あるいは他国との情報共有をスムーズにする政府間協定の締結などを併せて求めてございます。いずれも衆議院内閣委員会の附帯決議に同趣旨が盛り込まれていると理解をしてございます。
最後、二十ページはクラシファイドインフォメーション以外の重要な情報の取扱いについてでございます。
これも法案の対象ではございませんが、有識者会議は、一定の保全措置を講ずる必要性について今後検討を進めていくべきとしております。この点も先ほどの附帯決議に同趣旨が含まれていたと理解をしておりますが、経団連としては、クラシファイドインフォメーション以外の重要な情報につきましても、民間事業者などが保有している情報までをも対象といたしますと、民間の自由な活動を阻害し、国力の重要な要素である経済力、技術力を毀損しかねないというおそれも抱いておりまして、仮に今後政府としてその取扱いを検討していく場合には改めて経団連としての意見を申し述べていきたいと考えております。
私からの説明は以上となります。