内閣委員会
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会
会議録情報#0
令和六年五月七日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 阿達 雅志君
理 事
磯崎 仁彦君
酒井 庸行君
広瀬めぐみ君
石垣のりこ君
宮崎 勝君
委 員
衛藤 晟一君
太田 房江君
加藤 明良君
古賀友一郎君
高橋はるみ君
森屋 宏君
山谷えり子君
鬼木 誠君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
窪田 哲也君
片山 大介君
柴田 巧君
竹詰 仁君
井上 哲士君
大島九州男君
事務局側
常任委員会専門
員 岩波 祐子君
参考人
一般社団法人日
本経済団体連合
会常務理事 原 一郎君
弁護士 齋藤 裕君
東北大学名誉教
授 井原 聰君
─────────────
本日の会議に付した案件
○重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○経済施策を一体的に講ずることによる安全保障
の確保の推進に関する法律の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前十時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 阿達 雅志君
理 事
磯崎 仁彦君
酒井 庸行君
広瀬めぐみ君
石垣のりこ君
宮崎 勝君
委 員
衛藤 晟一君
太田 房江君
加藤 明良君
古賀友一郎君
高橋はるみ君
森屋 宏君
山谷えり子君
鬼木 誠君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
窪田 哲也君
片山 大介君
柴田 巧君
竹詰 仁君
井上 哲士君
大島九州男君
事務局側
常任委員会専門
員 岩波 祐子君
参考人
一般社団法人日
本経済団体連合
会常務理事 原 一郎君
弁護士 齋藤 裕君
東北大学名誉教
授 井原 聰君
─────────────
本日の会議に付した案件
○重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○経済施策を一体的に講ずることによる安全保障
の確保の推進に関する法律の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
阿
阿達雅志#1
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、一般社団法人日本経済団体連合会常務理事原一郎君、弁護士齋藤裕君及び東北大学名誉教授井原聰君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、原参考人、齋藤参考人、井原参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず原参考人からお願いいたします。原参考人。
この発言だけを見る →重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、一般社団法人日本経済団体連合会常務理事原一郎君、弁護士齋藤裕君及び東北大学名誉教授井原聰君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、原参考人、齋藤参考人、井原参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず原参考人からお願いいたします。原参考人。
原
原一郎#2
○参考人(原一郎君) 原でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
早速ですが、説明に入りたいと思います。
私の方から、資料三点、お手元にお配りをしておりますが、本日はこの横長のパワーポイントの資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
まず、一ページを御覧ください。
経団連は、二〇二二年二月の経済安全保障推進法に関する提言におきまして、相手国から信頼されるに足る実効性のある情報保全制度の導入を要望いたしました。その後、経済安全保障推進法成立時の附帯決議あるいは二〇二二年年末に改定されました国家安全保障戦略を踏まえまして、政府は二〇二三年二月にセキュリティークリアランス制度に関する有識者会議を立ち上げました。私もそのメンバーとして参加をしてまいりました。有識者会議は今年一月に最終とりまとめを公表いたしましたが、経団連はそれを踏まえまして、法制化に当たり留意すべき点などをまとめた提言を、これお手元にお配りしてあるものですが、二月二十日に公表するとともに、三月十九日には日本商工会議所とともに法案の早期成立を求める提言を公表いたしました。これも併せて配付させていただいております。本日は、それらに基づきまして、今次法案について我々の考えを説明させていただきます。
二ページは法案の目次でございますので省略をさせていただきまして、三ページを御覧いただきたいと存じます。
制度設計に当たっての経団連の基本的な考え方をこの一枚で示してございます。
まず、一番上にございます特定秘密制度を始めとする既存の制度との整合性や、その次のプライバシーへの配慮につきましては法文上も配慮されていると考えております。
三つ目の保全の対象となる情報につきましては、これまでの国会審議におきまして政府は政府保有情報が対象であると明言をされていると承知をしております。あとは、どこまでこの対象情報が限定されるのかということを注目していきたいと思います。
四つ目の情報の共有を受ける事業者につきましては、行政機関の長は当該事業者との契約に基づいて情報を提供することになっておりますので、共有を受ける意思のない者まで対象とすることはないものと考えております。
五つ目の企業のニーズにつきましては、法案の名称及び目的に使用されている活用という表現から明らかであると思いますが、実際に企業ニーズの受皿として有効に機能するか否かは法案成立後の下位法令あるいは運用基準などを見させていただきたいと思います。
また、相手国から信頼されるに足る実効性のある制度にしなければならないことは当然のことでありますが、この点につきましても実際の運用を見させていただく必要があると考えてございます。
全体としては以上のとおりでございますが、以降、法案の順番に沿いましてもう少し詳しく説明をさせていただきます。
四ページを飛ばしていただきまして五ページでございますが、五ページからの保全の対象となる情報につきましては、基本的に有識者会議及び経団連の意見に沿っていると考えておりますが、慎重を期して申し上げれば、六ページにございますとおり、対象が広がり過ぎないよう下位法令等を注視する必要があると考えております。
六ページを御覧ください。
米国では、一番左にありますように、セキュリティークリアランス制度の対象となるクラシファイドインフォメーションをトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャルの三つに区分していると承知をしております。一方、我が国の特定秘密制度は、トップシークレット、シークレット級の情報はカバーしている一方で、コンフィデンシャル級の情報はカバーしていないと承知をしてございます。
この点に関しまして有識者会議では、新たな制度においてはコンフィデンシャル級の情報を含めて制度の対象といたしましてクリアランスを実施すべきというふうにいたしました。経団連も同じ意見でございますけれども、政府は有識者会議の最終とりまとめの後、七ページの上の囲みの二番目の黒丸にございますように、新たな制度ではコンフィデンシャル級のみを対象とする方針が示されました。
そこで、国際共同研究開発等に参加する際にトップシークレット、シークレット級のクリアランスを求められた場合であっても対応が可能となるように、新制度と特定秘密制度とがシームレスに運用されるよう必要な措置を講じる必要があると考えております。岸田総理もそのような指示を出しておられるものと承知をしておりますが、経団連としてもそのような形で企業のニーズに対応していただきたいと考えております。
八ページからは、保全対象となる情報の提供を受ける事業者についてでございます。
そこにございますように、情報を提供する事業者とはまず契約を締結することになっておりまして、そのような契約を締結する意思のない者はクリアランスの対象にならないという意味で妥当であると考えております。
国会審議におきましても、岸田総理から、適合事業者として選定され、情報提供を受けるのは事業者自らが意思を示した場合に限るという御答弁がございましたし、高市大臣からは、契約関係に入る前の段階で、提供される可能性がある情報の概略や当該情報の活用方法などについて可能な範囲で伝えることになり、そのやり取りの中で事業者としてその情報の提供を受けるかどうかについて判断することになるという御答弁もございましたので、この点は満たされるものと考えております。
九ページは、保全情報の提供を受ける意思を示した者のクリアランス、適性評価についてでございます。
有識者会議の最終とりまとめでは、現行制度の運用や主要国の例も参照しつつ、我が国の企業等の実情や特定秘密保護法等の整合性も踏まえながら、実効的かつ現実的な制度を整備していくべきとされております。
経団連といたしましても、国内既存制度との整合性を踏まえて現実的な制度とするとともに、国際的にも通用する実効的な制度となるよう諸外国の理解を得ていくことを求めております。この点、法案では、事業者の保全体制について、法案成立後に策定される運用基準で適合事業者の認定等に関し定めることとしておりますので、そちらを注視させていただきたいと考えております。
十ページは取扱者の制限でございますけれども、ここは飛ばしていただきまして、十一ページからは共有された情報を取り扱う者のクリアランス、適性評価についてでございます。十三ページを具体的には御覧いただければと思います。
取扱者個人の信頼性の確認につきましては、法案では、調査は一元的に行う一方、評価は各省庁が実施することになっております。調査のみならず、評価結果も含めてポータビリティーを確保してほしいという企業の当初の要望からすれば、経団連としては調査、評価共に一元化が望ましいと考えておりましたけれども、保全すべき情報の指定が各行政機関において行われるという法案の立て付けに鑑みれば、評価については各行政機関が行うことに一定の合理性があると考えております。
いずれにいたしましても、信頼性の確認を受ける保全情報の取扱者個人の負担を減らしていくことが重要と考えてございます。
十四ページを御覧いただければと思います。
適性評価調査に同意しなかったことや、適性評価の結果及び取得した個人情報につきましては、不利益取扱いを含めて目的外の利用を禁止することは当然と考えております。法案におきましてもそのように規定されており、妥当な内容であると考えております。
十五ページの雑則は飛ばしていただきまして、十六ページからの保全情報の漏えい等に対する罰則につきまして考え方を述べさせていただきます。
十七ページにありますとおり、既存制度との整合性を取るべきと考えており、基本的には法案もそのようになっておると考えております。法人に対する罰則につきましては、法案では業務に関して違反行為をした際に罰するとなっておりますので、いわゆる組織ぐるみの違反の場合にのみ法人も罰則の対象となるものと理解しておりまして、その限りにおいてこの両罰規定もやむを得ないと考えてございます。
十八ページの附則は飛ばしていただきまして、十九ページを御覧ください。
これは法案の対象事項ではございませんが、経団連として、制度の分かりやすい説明、あるいは他国との情報共有をスムーズにする政府間協定の締結などを併せて求めてございます。いずれも衆議院内閣委員会の附帯決議に同趣旨が盛り込まれていると理解をしてございます。
最後、二十ページはクラシファイドインフォメーション以外の重要な情報の取扱いについてでございます。
これも法案の対象ではございませんが、有識者会議は、一定の保全措置を講ずる必要性について今後検討を進めていくべきとしております。この点も先ほどの附帯決議に同趣旨が含まれていたと理解をしておりますが、経団連としては、クラシファイドインフォメーション以外の重要な情報につきましても、民間事業者などが保有している情報までをも対象といたしますと、民間の自由な活動を阻害し、国力の重要な要素である経済力、技術力を毀損しかねないというおそれも抱いておりまして、仮に今後政府としてその取扱いを検討していく場合には改めて経団連としての意見を申し述べていきたいと考えております。
私からの説明は以上となります。
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
早速ですが、説明に入りたいと思います。
私の方から、資料三点、お手元にお配りをしておりますが、本日はこの横長のパワーポイントの資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
まず、一ページを御覧ください。
経団連は、二〇二二年二月の経済安全保障推進法に関する提言におきまして、相手国から信頼されるに足る実効性のある情報保全制度の導入を要望いたしました。その後、経済安全保障推進法成立時の附帯決議あるいは二〇二二年年末に改定されました国家安全保障戦略を踏まえまして、政府は二〇二三年二月にセキュリティークリアランス制度に関する有識者会議を立ち上げました。私もそのメンバーとして参加をしてまいりました。有識者会議は今年一月に最終とりまとめを公表いたしましたが、経団連はそれを踏まえまして、法制化に当たり留意すべき点などをまとめた提言を、これお手元にお配りしてあるものですが、二月二十日に公表するとともに、三月十九日には日本商工会議所とともに法案の早期成立を求める提言を公表いたしました。これも併せて配付させていただいております。本日は、それらに基づきまして、今次法案について我々の考えを説明させていただきます。
二ページは法案の目次でございますので省略をさせていただきまして、三ページを御覧いただきたいと存じます。
制度設計に当たっての経団連の基本的な考え方をこの一枚で示してございます。
まず、一番上にございます特定秘密制度を始めとする既存の制度との整合性や、その次のプライバシーへの配慮につきましては法文上も配慮されていると考えております。
三つ目の保全の対象となる情報につきましては、これまでの国会審議におきまして政府は政府保有情報が対象であると明言をされていると承知をしております。あとは、どこまでこの対象情報が限定されるのかということを注目していきたいと思います。
四つ目の情報の共有を受ける事業者につきましては、行政機関の長は当該事業者との契約に基づいて情報を提供することになっておりますので、共有を受ける意思のない者まで対象とすることはないものと考えております。
五つ目の企業のニーズにつきましては、法案の名称及び目的に使用されている活用という表現から明らかであると思いますが、実際に企業ニーズの受皿として有効に機能するか否かは法案成立後の下位法令あるいは運用基準などを見させていただきたいと思います。
また、相手国から信頼されるに足る実効性のある制度にしなければならないことは当然のことでありますが、この点につきましても実際の運用を見させていただく必要があると考えてございます。
全体としては以上のとおりでございますが、以降、法案の順番に沿いましてもう少し詳しく説明をさせていただきます。
四ページを飛ばしていただきまして五ページでございますが、五ページからの保全の対象となる情報につきましては、基本的に有識者会議及び経団連の意見に沿っていると考えておりますが、慎重を期して申し上げれば、六ページにございますとおり、対象が広がり過ぎないよう下位法令等を注視する必要があると考えております。
六ページを御覧ください。
米国では、一番左にありますように、セキュリティークリアランス制度の対象となるクラシファイドインフォメーションをトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャルの三つに区分していると承知をしております。一方、我が国の特定秘密制度は、トップシークレット、シークレット級の情報はカバーしている一方で、コンフィデンシャル級の情報はカバーしていないと承知をしてございます。
この点に関しまして有識者会議では、新たな制度においてはコンフィデンシャル級の情報を含めて制度の対象といたしましてクリアランスを実施すべきというふうにいたしました。経団連も同じ意見でございますけれども、政府は有識者会議の最終とりまとめの後、七ページの上の囲みの二番目の黒丸にございますように、新たな制度ではコンフィデンシャル級のみを対象とする方針が示されました。
そこで、国際共同研究開発等に参加する際にトップシークレット、シークレット級のクリアランスを求められた場合であっても対応が可能となるように、新制度と特定秘密制度とがシームレスに運用されるよう必要な措置を講じる必要があると考えております。岸田総理もそのような指示を出しておられるものと承知をしておりますが、経団連としてもそのような形で企業のニーズに対応していただきたいと考えております。
八ページからは、保全対象となる情報の提供を受ける事業者についてでございます。
そこにございますように、情報を提供する事業者とはまず契約を締結することになっておりまして、そのような契約を締結する意思のない者はクリアランスの対象にならないという意味で妥当であると考えております。
国会審議におきましても、岸田総理から、適合事業者として選定され、情報提供を受けるのは事業者自らが意思を示した場合に限るという御答弁がございましたし、高市大臣からは、契約関係に入る前の段階で、提供される可能性がある情報の概略や当該情報の活用方法などについて可能な範囲で伝えることになり、そのやり取りの中で事業者としてその情報の提供を受けるかどうかについて判断することになるという御答弁もございましたので、この点は満たされるものと考えております。
九ページは、保全情報の提供を受ける意思を示した者のクリアランス、適性評価についてでございます。
有識者会議の最終とりまとめでは、現行制度の運用や主要国の例も参照しつつ、我が国の企業等の実情や特定秘密保護法等の整合性も踏まえながら、実効的かつ現実的な制度を整備していくべきとされております。
経団連といたしましても、国内既存制度との整合性を踏まえて現実的な制度とするとともに、国際的にも通用する実効的な制度となるよう諸外国の理解を得ていくことを求めております。この点、法案では、事業者の保全体制について、法案成立後に策定される運用基準で適合事業者の認定等に関し定めることとしておりますので、そちらを注視させていただきたいと考えております。
十ページは取扱者の制限でございますけれども、ここは飛ばしていただきまして、十一ページからは共有された情報を取り扱う者のクリアランス、適性評価についてでございます。十三ページを具体的には御覧いただければと思います。
取扱者個人の信頼性の確認につきましては、法案では、調査は一元的に行う一方、評価は各省庁が実施することになっております。調査のみならず、評価結果も含めてポータビリティーを確保してほしいという企業の当初の要望からすれば、経団連としては調査、評価共に一元化が望ましいと考えておりましたけれども、保全すべき情報の指定が各行政機関において行われるという法案の立て付けに鑑みれば、評価については各行政機関が行うことに一定の合理性があると考えております。
いずれにいたしましても、信頼性の確認を受ける保全情報の取扱者個人の負担を減らしていくことが重要と考えてございます。
十四ページを御覧いただければと思います。
適性評価調査に同意しなかったことや、適性評価の結果及び取得した個人情報につきましては、不利益取扱いを含めて目的外の利用を禁止することは当然と考えております。法案におきましてもそのように規定されており、妥当な内容であると考えております。
十五ページの雑則は飛ばしていただきまして、十六ページからの保全情報の漏えい等に対する罰則につきまして考え方を述べさせていただきます。
十七ページにありますとおり、既存制度との整合性を取るべきと考えており、基本的には法案もそのようになっておると考えております。法人に対する罰則につきましては、法案では業務に関して違反行為をした際に罰するとなっておりますので、いわゆる組織ぐるみの違反の場合にのみ法人も罰則の対象となるものと理解しておりまして、その限りにおいてこの両罰規定もやむを得ないと考えてございます。
十八ページの附則は飛ばしていただきまして、十九ページを御覧ください。
これは法案の対象事項ではございませんが、経団連として、制度の分かりやすい説明、あるいは他国との情報共有をスムーズにする政府間協定の締結などを併せて求めてございます。いずれも衆議院内閣委員会の附帯決議に同趣旨が盛り込まれていると理解をしてございます。
最後、二十ページはクラシファイドインフォメーション以外の重要な情報の取扱いについてでございます。
これも法案の対象ではございませんが、有識者会議は、一定の保全措置を講ずる必要性について今後検討を進めていくべきとしております。この点も先ほどの附帯決議に同趣旨が含まれていたと理解をしておりますが、経団連としては、クラシファイドインフォメーション以外の重要な情報につきましても、民間事業者などが保有している情報までをも対象といたしますと、民間の自由な活動を阻害し、国力の重要な要素である経済力、技術力を毀損しかねないというおそれも抱いておりまして、仮に今後政府としてその取扱いを検討していく場合には改めて経団連としての意見を申し述べていきたいと考えております。
私からの説明は以上となります。
阿
齋
齋藤裕#4
○参考人(齋藤裕君) 弁護士の齋藤裕でございます。
それでは、重要経済安保情報保護法案についての意見を資料一を基に説明させていただきます。
最初に、重要経済安保情報保護法案の主要な問題点と衆議院での修正についてということが資料に書いてございますが、これはお読みいただければと思います。
続きまして、二の秘密指定の適正化が果たされるのかということでございますけれども、本法案修正により指定状況等の国会への報告が規定されましたけれども、これでは秘密保護法と同じであります。秘密保護法でも秘密指定の適正化は図られておりません。
二〇一五年にアメリカで強制秘密解除制度により全体として秘密指定解除されたのは二十四万ページ以上、対して日本では、秘密指定要件を満たしていないということで独立公文書管理監や審査会が秘密指定を解除した事例というのはないわけでございます。重要経済安保情報を情報監視審査会がチェックすることになったことはいいことですけれども、だからといって秘密指定の適正が担保されるわけではありません。
情報監視審査会について、積極的に活動されておられることは理解しております。しかし、メンバーが専従でそれだけをしているわけではないこと、行政庁が必ずしも情報監視審査会にきちんと説明しているわけではないこと、特定秘密の提出要請について過半数で決することになっていることからして、その機能には限界がございます。高市大臣も参議院で、審査会での経験談として、限られた時間中で対処するには扱う情報が多過ぎた、十分に理解できなかった、審査会に提供される情報が不十分であったということを率直におっしゃっていたところでございます。
審査会で行政庁がきちんと説明をしていないことについては、衆議院情報監視審査会令和四年年次報告書に、指定等の適正性を説明するに当たっては、指定の三要件に該当するものを指定するといった説明に終始し、要件の充足性を十分に示さないなど、丁寧な説明とは言い難いケースもあったとされているところです。
特定秘密の提出要請について過半数を求めているというのが現行制度ですが、政府・与党側のメンバーが審査会の過半数を占めているため、政府・与党に批判的な観点から提出要請を活用することにはなりにくいことになってしまいます。結局、行政庁の方で見せてもよい特定秘密しか見ないでチェックするということになりがちだというふうに考えます。国会に報告がされ、仮に情報監視審査会がチェックをするようになったとしても、秘密指定について十分なチェックは不可能であります。
さらに、アメリカと日本における秘密概念の根本的な違いにも留意が必要です。日本においては、秘密指定が抽象的になされ、チェックも同様に抽象的になされるため、独立公文書管理監にしても情報監視審査会にしても十分なチェックが期待できません。アメリカでは、秘密指定は文書レベルでなされ、秘密指定解除も文書レベルでなされます。
ISOOの添付一の資料、添付二の資料を御覧いただければと思いますが、これはその資料一の添付資料ですね、資料一の添付資料ということでお付けしています。添付一と添付二というのをお付けしていますけれども、かいつまんで言いますと、秘密指定解除の請求をする場合には文書等を特定し、それを受けた機関はライン・バイ・ライン、一行ずつ秘密の要件を満たすかどうかチェックするというふうにしております。
他方、日本では秘密と文書とは厳密に区別されております。例えば国家安全保障会議の議事録については、例えば令和四年の国家安全保障会議の議事録の結論部分という形で包括的に秘密指定されるわけであります。何月、一月一日の議事録という単位では秘密指定されません。よって、例えばですが、一月一日の議事録に公知の情報が記載されていて秘密とするようなものでなかったとしても、一月一日の議事録の秘密指定は解除されないことになります。これでは具体的な内容に即して実効的に秘密指定をチェックすることはできません。
参議院情報監視審査会は、この点ですけれども、特定秘密の指定が適切であっても、対象情報の拡大解釈等により過剰に特定秘密文書とされていないかといった懸念があることを踏まえ、独立公文書管理監は検証・監察において、実際に当該特定秘密文書の提示を受け、特定秘密とされる情報が妥当な範囲に収まっているか確認することとの指摘を独立公文書管理監に対して行っておられます。
それに対し独立公文書管理監は、指定の検証・監察は、文書ではなく情報の問題ではあるが、審査会における御指摘も踏まえ、文書の確認を行うことにより特定秘密の指定の適否の判断がより的確になるような場合等には、実地調査を通じた積極的な文書の確認を行うこととしていると回答しています。これは要するに、文書はチェックはするけれども、文書単位で見た場合に秘密として保護すべきでないものが記載されている文書があったとしても、それを秘密解除すべきだということは言わないということであります。
秘密指定の適正化をするためには、大前提として、指定、解除される秘密を文書単位にするなど、具体的に秘密をチェックし、解除するという扱いにする必要があります。この点ですが、参議院の情報監視審査会は非常に鋭い御意見を述べられておられるわけです。ところが、独立公文書管理監はこの情報監視審査会の指摘を全く受け入れていない状況です。それにもかかわらず、この参議院においてこの法案を通すのでしょうか。私は大変懸念を持っているところであります。
さらに、運用基準などで指定範囲が適正化されるからよいという答弁が政府からされておりますけれども、人権に関わることは国会で決めるというのが法治主義であります。運用基準で決めればよいというわけではありません。
三つ目、適性評価による人権侵害を防ぐ対策について述べさせていただきます。
無辜で違法行為を行う危険性があるとも想定されていない、多くの民間人の機微情報を収集する戦後日本で初めての国家機関をつくろうと、この法案を作ろうとしているわけです。それにもかかわらず、どのようにその権限濫用を防ぐのか、全く規定がありません。情報監視審査会も、適性評価の対象人数など概況的な聞き取りはしていますけれども、具体的にどのような調査が適性評価のためになされているのか等について突っ込んだ調査はしていません。そもそも法律上権限がなく、やろうとしてもできないわけであります。
さらに、独立公文書管理監には適性評価についての権限がそもそもありません。法律に基づき適性評価についてチェックする第三者機関を設けて、立入り、報告聴取、資料提出要求権限を与える必要があります。このような権限を与えるには法律に書き込む必要があります。
さらに、適性評価の関係ですけれども、附帯決議四項で労使の意思疎通のためのガイドラインということが言われていますけれども、それでも労使協定などが適性評価導入の前提として法律で位置付けられておりません。労働者の権利を守る措置が不十分であります。参議院でも、労働者は上司から適性評価を受けるよう言われても拒否できないのではないかということがさんざん言われているわけです。
個々の労働者は弱いものであります。だからこそ、憲法は団体交渉権や団体行動権を保障しているわけです。個々の労働者は弱くて、労働組合など集団になることでやっと使用者と対等に近づけるというのが日本国憲法の思想であり、世界共通の認識であります。そこから考えると、適性評価を受ける受けないを単純に個人の選択の問題とするのでは不十分であります。労働協約や労使協定の問題にしなければなりません。そうしないと、労働者の自由な選択などというのは絵に描いた餅でしかありません。
次に、四番目、中小企業など民間にとっての負担感について述べさせていただきます。
現行の法案では、誰が適性評価を受けるのか、範囲が曖昧であります。代表者まで適性評価をしないといけないのかどうか有識者会議で議論していましたが、そこら辺が決して詰められているわけではありません。このまま法律が通ってしまいますと、企業としては予測もしていなかった社長さんの適性評価を求められるなど、不測の事態が生ずる可能性があるというふうに考えます。
そして、企業がこの制度で苦労する割には、企業にとってのメリットが見えにくいということもあります。アメリカでは、ISOOがコンフィデンシャル級の秘密の廃止を勧告し、原機密指定権者は二〇二一年度では三人しかいなくなっています。ほかの秘密区分でいえば数百人いるわけです。それが、コンフィデンシャル、三人しかいないというのは、ほぼコンフィデンシャル級というのは廃止に向かっているということなわけです。アメリカの行政機関もコンフィデンシャル級を廃止しつつある。それにもかかわらず、日本でコンフィデンシャル級に特化した法律を作る意味がどこにあるのか、大変疑問であります。
高市大臣は、ほかの国では秘密の三層構造を持っているということをおっしゃるわけです。しかし、そもそも有識者会議は、アメリカは非常に公開される資料が多いのでアメリカを参考に議論しましょうと言っていて、ほかの国を余り参考にしていないんですね。それを今更、ほかの国が三層構造だと言うのは非常に矛盾した話だというふうに思っております。
さらに、有識者会議では適性評価の参考として六つの国が挙げられているわけでございますけれども、イギリス、フランスは三層構造を廃止している。アメリカも三層構造の廃止に向けて大きく動いている。そして、カナダでございますけれども、カナダ、有識者会議の資料を見ましても、少なくとも人的管理については二層構造なんですね、有識者会議の資料を見ても。そうしますと、純粋な三層構造を持っている国というのは、有識者会議の資料を見てもオーストラリアとドイツだけなんです。
そうすると、なぜ、六か国中アメリカを含む四か国が二層構造に向かっているにもかかわらず、六か国中のドイツ、オーストラリアというマイナーな国の三層構造に合わせた法律を作らなければならないのか、これは全く理解できないところであります。
さらに、アメリカではFOCIという外国による所有権の調査という制度がございますけれども、FOCIが秘密を共有する上で重視されますけれども、今回の法案については附帯決議十五項で検討するということにしかなっておりません。この点からも、法律を作ったら秘密をもらうことができるというのは非常に甘いと言わなくてはならないと思います。アメリカより規制が甘いわけですから、制度をつくったけれども情報がもらえないということは十分あり得るわけでございます。そうすると、企業のメリットはないということになりかねません。
なお、G7では経済安全保障のセキュリティー制度がないのは日本だけとも言われますけれども、政府の説明では秘密保護法は経済安保情報も取り扱うということでございますので、そうであれば、今でもG7で日本だけ経済安全保障のセキュリティー制度がないということにはなりません。
高市大臣は、本法案では秘密の範囲は適合事業者に示されるので、大川原化工機事件のような冤罪は発生しないというふうに言っています。しかし、ちょっと先生方お持ちかどうか分かりませんけど、青表紙の参考資料の二十三ページに図がありまして、それを基に言いますけれども、A社という会社があって、A社という会社がXという技術情報を持っていて、それを政府に提供したとします。で、政府がそれに少しだけ情報を加味して、そのA社が提供したXという情報に少し情報を加味してYという情報にして、それをほかの会社に、B社とかC社に提供したとします。で、A社にも提供したとします、Yという情報をA社にも提供して秘密指定したとします。そのA社は、元々持っていたXという技術情報はどう使うかは縛られないわけですけれども、Yという秘密指定された情報を提供すると犯罪になるわけです。そのA社がXという情報をD社というほかの会社と共同研究するために提供した場合、元々技術情報YというのはXに多少情報を加味したものなのですごく似ているわけです。それで、経済安保の領域で手柄を立てたい警察が、よく調査もしないで、政府からの情報であるYを漏えいしたということで業者を逮捕するということもあり得るというふうに思っています。
経済安保という名目が立つと起訴のハードルが下がるというのは、大川原化工機事件の教訓であります。政府は、国会においても大川原化工機事件について反省を示していません。外事警察の暴走を止める方策も検討していません。同じことが起こる危険性はあります。
なお、大川原化工機事件に比べても、本法案で逮捕などされた事件の方が逮捕された人は大変であります。それは、どのような秘密に関わる件で逮捕等をされたのか、弁護人が知り得ないからであります。まともな弁護はできません。なぜそうなるかというと、捕まった人が弁護人に秘密について話すと、それ自体、本法で懲役五年になってしまうということです。
そのほか、関連する点でございますが、一つは、陸自、海自での特定秘密漏えい事案というものが、令和六年四月、明らかになりました。再発防止検討委員会で検討するということになっています。その結果、秘密保護法の仕組みでは秘密漏えいを防止できないということになったらどうするんでしょうか。法律を作ったばかりでまた改正するんでしょうか。今この法案を成立させる時期ではないと思います。
次に、シームレスなのかどうかということです。
政府は、秘密保護法と本法案がシームレスだというふうに主張します。その上で、重要経済基盤保護情報のうち、漏えいが安全保障に支障を与えるおそれがあるものが重要経済安保情報、著しい支障を与えるものが特定秘密に該当するかのような説明をしますが、誤りです。その理由は、両方において安全保障という言葉の意味が違うからです。
内閣官房のホームページに秘密保護法の注釈がありますが、そこでは、安全保障とは国家及び国民の安全を守ることとされています。そして、国民の安全に関して言うと、国民の生命が守られることが安全保障だというふうにホームページでは言っているんですね、政府の。他方、そうしますと、国民の生命が害されないけれども国民生活や経済活動が害される場合については、秘密保護法では安全保障の問題ではありません。他方、本法案では、どうも国民生活や経済活動が害されるような場面も安全保障の問題と捉えているようであります。
そうしますと、例えば国民の生命に関わらない半導体のサプライチェーンに係るような情報は、本法案では経済活動に関わるものなので対象情報となるかもしれません。しかし、国民の生命には関わらないので、政府のホームページの記載からすると、秘密保護法で言うところの安全保障の問題ではないことになります。
ですから、政府の説明というのは間違っていて、重要経済基盤情報で漏えいが著しいものが特定秘密になるかのような説明は誤りです。そうしますと、法律の穴があることになりますので、この法律をそのまま通していいのかということを非常に心配しているところです。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →それでは、重要経済安保情報保護法案についての意見を資料一を基に説明させていただきます。
最初に、重要経済安保情報保護法案の主要な問題点と衆議院での修正についてということが資料に書いてございますが、これはお読みいただければと思います。
続きまして、二の秘密指定の適正化が果たされるのかということでございますけれども、本法案修正により指定状況等の国会への報告が規定されましたけれども、これでは秘密保護法と同じであります。秘密保護法でも秘密指定の適正化は図られておりません。
二〇一五年にアメリカで強制秘密解除制度により全体として秘密指定解除されたのは二十四万ページ以上、対して日本では、秘密指定要件を満たしていないということで独立公文書管理監や審査会が秘密指定を解除した事例というのはないわけでございます。重要経済安保情報を情報監視審査会がチェックすることになったことはいいことですけれども、だからといって秘密指定の適正が担保されるわけではありません。
情報監視審査会について、積極的に活動されておられることは理解しております。しかし、メンバーが専従でそれだけをしているわけではないこと、行政庁が必ずしも情報監視審査会にきちんと説明しているわけではないこと、特定秘密の提出要請について過半数で決することになっていることからして、その機能には限界がございます。高市大臣も参議院で、審査会での経験談として、限られた時間中で対処するには扱う情報が多過ぎた、十分に理解できなかった、審査会に提供される情報が不十分であったということを率直におっしゃっていたところでございます。
審査会で行政庁がきちんと説明をしていないことについては、衆議院情報監視審査会令和四年年次報告書に、指定等の適正性を説明するに当たっては、指定の三要件に該当するものを指定するといった説明に終始し、要件の充足性を十分に示さないなど、丁寧な説明とは言い難いケースもあったとされているところです。
特定秘密の提出要請について過半数を求めているというのが現行制度ですが、政府・与党側のメンバーが審査会の過半数を占めているため、政府・与党に批判的な観点から提出要請を活用することにはなりにくいことになってしまいます。結局、行政庁の方で見せてもよい特定秘密しか見ないでチェックするということになりがちだというふうに考えます。国会に報告がされ、仮に情報監視審査会がチェックをするようになったとしても、秘密指定について十分なチェックは不可能であります。
さらに、アメリカと日本における秘密概念の根本的な違いにも留意が必要です。日本においては、秘密指定が抽象的になされ、チェックも同様に抽象的になされるため、独立公文書管理監にしても情報監視審査会にしても十分なチェックが期待できません。アメリカでは、秘密指定は文書レベルでなされ、秘密指定解除も文書レベルでなされます。
ISOOの添付一の資料、添付二の資料を御覧いただければと思いますが、これはその資料一の添付資料ですね、資料一の添付資料ということでお付けしています。添付一と添付二というのをお付けしていますけれども、かいつまんで言いますと、秘密指定解除の請求をする場合には文書等を特定し、それを受けた機関はライン・バイ・ライン、一行ずつ秘密の要件を満たすかどうかチェックするというふうにしております。
他方、日本では秘密と文書とは厳密に区別されております。例えば国家安全保障会議の議事録については、例えば令和四年の国家安全保障会議の議事録の結論部分という形で包括的に秘密指定されるわけであります。何月、一月一日の議事録という単位では秘密指定されません。よって、例えばですが、一月一日の議事録に公知の情報が記載されていて秘密とするようなものでなかったとしても、一月一日の議事録の秘密指定は解除されないことになります。これでは具体的な内容に即して実効的に秘密指定をチェックすることはできません。
参議院情報監視審査会は、この点ですけれども、特定秘密の指定が適切であっても、対象情報の拡大解釈等により過剰に特定秘密文書とされていないかといった懸念があることを踏まえ、独立公文書管理監は検証・監察において、実際に当該特定秘密文書の提示を受け、特定秘密とされる情報が妥当な範囲に収まっているか確認することとの指摘を独立公文書管理監に対して行っておられます。
それに対し独立公文書管理監は、指定の検証・監察は、文書ではなく情報の問題ではあるが、審査会における御指摘も踏まえ、文書の確認を行うことにより特定秘密の指定の適否の判断がより的確になるような場合等には、実地調査を通じた積極的な文書の確認を行うこととしていると回答しています。これは要するに、文書はチェックはするけれども、文書単位で見た場合に秘密として保護すべきでないものが記載されている文書があったとしても、それを秘密解除すべきだということは言わないということであります。
秘密指定の適正化をするためには、大前提として、指定、解除される秘密を文書単位にするなど、具体的に秘密をチェックし、解除するという扱いにする必要があります。この点ですが、参議院の情報監視審査会は非常に鋭い御意見を述べられておられるわけです。ところが、独立公文書管理監はこの情報監視審査会の指摘を全く受け入れていない状況です。それにもかかわらず、この参議院においてこの法案を通すのでしょうか。私は大変懸念を持っているところであります。
さらに、運用基準などで指定範囲が適正化されるからよいという答弁が政府からされておりますけれども、人権に関わることは国会で決めるというのが法治主義であります。運用基準で決めればよいというわけではありません。
三つ目、適性評価による人権侵害を防ぐ対策について述べさせていただきます。
無辜で違法行為を行う危険性があるとも想定されていない、多くの民間人の機微情報を収集する戦後日本で初めての国家機関をつくろうと、この法案を作ろうとしているわけです。それにもかかわらず、どのようにその権限濫用を防ぐのか、全く規定がありません。情報監視審査会も、適性評価の対象人数など概況的な聞き取りはしていますけれども、具体的にどのような調査が適性評価のためになされているのか等について突っ込んだ調査はしていません。そもそも法律上権限がなく、やろうとしてもできないわけであります。
さらに、独立公文書管理監には適性評価についての権限がそもそもありません。法律に基づき適性評価についてチェックする第三者機関を設けて、立入り、報告聴取、資料提出要求権限を与える必要があります。このような権限を与えるには法律に書き込む必要があります。
さらに、適性評価の関係ですけれども、附帯決議四項で労使の意思疎通のためのガイドラインということが言われていますけれども、それでも労使協定などが適性評価導入の前提として法律で位置付けられておりません。労働者の権利を守る措置が不十分であります。参議院でも、労働者は上司から適性評価を受けるよう言われても拒否できないのではないかということがさんざん言われているわけです。
個々の労働者は弱いものであります。だからこそ、憲法は団体交渉権や団体行動権を保障しているわけです。個々の労働者は弱くて、労働組合など集団になることでやっと使用者と対等に近づけるというのが日本国憲法の思想であり、世界共通の認識であります。そこから考えると、適性評価を受ける受けないを単純に個人の選択の問題とするのでは不十分であります。労働協約や労使協定の問題にしなければなりません。そうしないと、労働者の自由な選択などというのは絵に描いた餅でしかありません。
次に、四番目、中小企業など民間にとっての負担感について述べさせていただきます。
現行の法案では、誰が適性評価を受けるのか、範囲が曖昧であります。代表者まで適性評価をしないといけないのかどうか有識者会議で議論していましたが、そこら辺が決して詰められているわけではありません。このまま法律が通ってしまいますと、企業としては予測もしていなかった社長さんの適性評価を求められるなど、不測の事態が生ずる可能性があるというふうに考えます。
そして、企業がこの制度で苦労する割には、企業にとってのメリットが見えにくいということもあります。アメリカでは、ISOOがコンフィデンシャル級の秘密の廃止を勧告し、原機密指定権者は二〇二一年度では三人しかいなくなっています。ほかの秘密区分でいえば数百人いるわけです。それが、コンフィデンシャル、三人しかいないというのは、ほぼコンフィデンシャル級というのは廃止に向かっているということなわけです。アメリカの行政機関もコンフィデンシャル級を廃止しつつある。それにもかかわらず、日本でコンフィデンシャル級に特化した法律を作る意味がどこにあるのか、大変疑問であります。
高市大臣は、ほかの国では秘密の三層構造を持っているということをおっしゃるわけです。しかし、そもそも有識者会議は、アメリカは非常に公開される資料が多いのでアメリカを参考に議論しましょうと言っていて、ほかの国を余り参考にしていないんですね。それを今更、ほかの国が三層構造だと言うのは非常に矛盾した話だというふうに思っております。
さらに、有識者会議では適性評価の参考として六つの国が挙げられているわけでございますけれども、イギリス、フランスは三層構造を廃止している。アメリカも三層構造の廃止に向けて大きく動いている。そして、カナダでございますけれども、カナダ、有識者会議の資料を見ましても、少なくとも人的管理については二層構造なんですね、有識者会議の資料を見ても。そうしますと、純粋な三層構造を持っている国というのは、有識者会議の資料を見てもオーストラリアとドイツだけなんです。
そうすると、なぜ、六か国中アメリカを含む四か国が二層構造に向かっているにもかかわらず、六か国中のドイツ、オーストラリアというマイナーな国の三層構造に合わせた法律を作らなければならないのか、これは全く理解できないところであります。
さらに、アメリカではFOCIという外国による所有権の調査という制度がございますけれども、FOCIが秘密を共有する上で重視されますけれども、今回の法案については附帯決議十五項で検討するということにしかなっておりません。この点からも、法律を作ったら秘密をもらうことができるというのは非常に甘いと言わなくてはならないと思います。アメリカより規制が甘いわけですから、制度をつくったけれども情報がもらえないということは十分あり得るわけでございます。そうすると、企業のメリットはないということになりかねません。
なお、G7では経済安全保障のセキュリティー制度がないのは日本だけとも言われますけれども、政府の説明では秘密保護法は経済安保情報も取り扱うということでございますので、そうであれば、今でもG7で日本だけ経済安全保障のセキュリティー制度がないということにはなりません。
高市大臣は、本法案では秘密の範囲は適合事業者に示されるので、大川原化工機事件のような冤罪は発生しないというふうに言っています。しかし、ちょっと先生方お持ちかどうか分かりませんけど、青表紙の参考資料の二十三ページに図がありまして、それを基に言いますけれども、A社という会社があって、A社という会社がXという技術情報を持っていて、それを政府に提供したとします。で、政府がそれに少しだけ情報を加味して、そのA社が提供したXという情報に少し情報を加味してYという情報にして、それをほかの会社に、B社とかC社に提供したとします。で、A社にも提供したとします、Yという情報をA社にも提供して秘密指定したとします。そのA社は、元々持っていたXという技術情報はどう使うかは縛られないわけですけれども、Yという秘密指定された情報を提供すると犯罪になるわけです。そのA社がXという情報をD社というほかの会社と共同研究するために提供した場合、元々技術情報YというのはXに多少情報を加味したものなのですごく似ているわけです。それで、経済安保の領域で手柄を立てたい警察が、よく調査もしないで、政府からの情報であるYを漏えいしたということで業者を逮捕するということもあり得るというふうに思っています。
経済安保という名目が立つと起訴のハードルが下がるというのは、大川原化工機事件の教訓であります。政府は、国会においても大川原化工機事件について反省を示していません。外事警察の暴走を止める方策も検討していません。同じことが起こる危険性はあります。
なお、大川原化工機事件に比べても、本法案で逮捕などされた事件の方が逮捕された人は大変であります。それは、どのような秘密に関わる件で逮捕等をされたのか、弁護人が知り得ないからであります。まともな弁護はできません。なぜそうなるかというと、捕まった人が弁護人に秘密について話すと、それ自体、本法で懲役五年になってしまうということです。
そのほか、関連する点でございますが、一つは、陸自、海自での特定秘密漏えい事案というものが、令和六年四月、明らかになりました。再発防止検討委員会で検討するということになっています。その結果、秘密保護法の仕組みでは秘密漏えいを防止できないということになったらどうするんでしょうか。法律を作ったばかりでまた改正するんでしょうか。今この法案を成立させる時期ではないと思います。
次に、シームレスなのかどうかということです。
政府は、秘密保護法と本法案がシームレスだというふうに主張します。その上で、重要経済基盤保護情報のうち、漏えいが安全保障に支障を与えるおそれがあるものが重要経済安保情報、著しい支障を与えるものが特定秘密に該当するかのような説明をしますが、誤りです。その理由は、両方において安全保障という言葉の意味が違うからです。
内閣官房のホームページに秘密保護法の注釈がありますが、そこでは、安全保障とは国家及び国民の安全を守ることとされています。そして、国民の安全に関して言うと、国民の生命が守られることが安全保障だというふうにホームページでは言っているんですね、政府の。他方、そうしますと、国民の生命が害されないけれども国民生活や経済活動が害される場合については、秘密保護法では安全保障の問題ではありません。他方、本法案では、どうも国民生活や経済活動が害されるような場面も安全保障の問題と捉えているようであります。
そうしますと、例えば国民の生命に関わらない半導体のサプライチェーンに係るような情報は、本法案では経済活動に関わるものなので対象情報となるかもしれません。しかし、国民の生命には関わらないので、政府のホームページの記載からすると、秘密保護法で言うところの安全保障の問題ではないことになります。
ですから、政府の説明というのは間違っていて、重要経済基盤情報で漏えいが著しいものが特定秘密になるかのような説明は誤りです。そうしますと、法律の穴があることになりますので、この法律をそのまま通していいのかということを非常に心配しているところです。
以上でございます。ありがとうございました。
阿
井
井原聰#6
○参考人(井原聰君) 御紹介にあずかりました井原聰と申します。
この度、本法案に対する意見を申し述べる機会を与えていただき、感謝申し上げます。
私は、科学とは何か、技術とは何かを問うために科学史、技術史を研究してまいりました。科学者が戦争に協力した歴史を振り返ると、二度と過ちを繰り返さないために、科学者は常にいかにあり、いかになすべきかを問わなければなりません。
先端分野の革新的技術、AI、量子、宇宙航空、海洋、生命科学分野は、欧米ではデュアルではありますが、れっきとした軍事用として位置付けられています。しかし、日本ではデュアルと称して民生用技術の側面があえて強調されてきました。無論、民生用として機能しないわけではありませんから、軍事に転用される危険性のあることを認識していないと危険です。とりわけ、憲法に戦争権限が定められた軍隊を持つ米国で発達してきた軍事制度の一部とも言えるセキュリティークリアランス制度を日本では軍事には関係ないと殊更に強調されるので、私は警戒心を持たざるを得ません。
これまでの衆参内閣委員会の御議論では、法案成立以降、有識者に意見を聴いた上で運用基準を策定し、閣議決定するというフレーズが政府側答弁で多出しました。参院内閣委員会のこれまでの審議時間二十数時間のうちに、政府と議員の間で運用基準という文言が実に二百二十回を超えて飛び交いました。本法案の肝ともいうべき重要な内容が具体的に示されず、運用基準や政省令が決めていくという議会制民主主義を形骸化するような法案審議に驚きを禁じ得ません。政府に丸投げの法案ではありませんかと詰問する議員もおられました。
本法案は、法案の枠組みだけが示され、政府の恣意的な運用を可能にする立て付けになっています。十年前の特定秘密保護法、以下、特秘法と呼びます、の折には、それでも、曲がりなりにも法案の概要が事前に公表され、僅か二週間ではありましたけれども、パブリックコメントにかけられてから国会へ法案が提出されましたが、本法案にはそうした手続もなく、批判の声が上がるいとまも与えないスピード感があります。
さて、政府に秘密情報があることを私も否定するものではありません。安全保障とはレベルが違いますが、学術分野でも秘密があります。研究のプライオリティーを確保したり、各種共同研究実施に関わって秘密保持契約が結ばれることがあります。また、利益相反を管理したり、研究の公正性、透明性を確保するために研究インテグリティーを自律的に確保していく取組がなされています。内外の共同研究や研究交流にあっては、大学や研究機関がガイドラインを作っています。そのために、秘密保持契約、共同研究か否かにかかわらず、成果有体物移転契約、宣誓書、誓約書などが作られたりしますが、違約すれば損害賠償の対象になり、研究者生命が絶たれることもあります。
大学や研究機関にとって、どのような内容を秘密保持に盛り込むのかは個別具体的です。研究機関名、予算額、研究計画、研究課題名、研究成果の発表、博士論文の審査、ノウハウ情報、契約情報などが検討の対象となります。安全保障とレベルが違うとはいえ、ガイドラインに具体的な基準もなく手を突っ込むことになるセキュリティークリアランス制度は、学術研究体制に大いなる攪乱をもたらすことになるでしょう。大学や研究機関の当事者の意見を聴取しないまま本法案を成立させては、禍根を残すことになります。
ところで、国が機微情報を提供する適合事業者はどのようにピックアップするのでしょうか。また、どのように研究者をピックアップし、あなたは適性評価の対象者になりましたと告知するのでしょうか。シンクタンクによって集約、選別がなされ、政府がより取り見取りで指定するとでも言うのでしょうか。その手続や基準も示されておらず、一部の研究目利きにげたを預けるとすれば、先端分野の食い散らかしが起き、結果としてますます日本の研究力の劣化が進行するでしょう。加えて、特許非公開や研究を機密の中に囲い込んでしまえば、健全な産業の発達にも重大な影響が出てくるものと考えられます。
また、適合事業者となるには管理運営のどのレベルの承認が必要となるのでしょうか。ある程度上意下達のある企業と違って、大学ではどこまでがセキュリティークリアランスを必要とするのか、研究の自由や種々のガイドラインとも関わり問題が少なくありません。政府による大学のガバナンス強化とも関わり、学長、副学長、担当理事、部局長なのか、それ自体が大学運営を変質させるものとなるでしょう。
これまで度々指摘されてきましたが、適性評価に不同意の場合、不利益にならない保証はなく、適性評価を受けた研究者が研究遂行途中で研究の方針を変えるような場合、離脱の自由があるとはいえ、大学と政府、研究者と政府との間の秘密保持契約の内容に規制されてしまうおそれが危惧されます。秘密保持契約の内容、その枠組みさえ示されていません。当事者任せだとすれば、情報を提供する政府側の要請が強く働き、受ける側が不利になることも考えられ、政府の恣意的な運用を規制する仕組みが不可欠です。
ところで、提供される経済安保秘密情報は明示されるのでしょうか。その定義は極めて抽象的でしかなく、自衛隊で起きた秘密漏えい事件では、当事者たちは何が秘密であったのかが分からなかったとさえ言われていますので、自覚のないままに漏えいする危険性が排除できないつくりとなっています。
適性評価を得られなかった事業者所属の研究者を受入れ可能な研究機関に移籍することもあり得るとまで有識者会議では語られています。先端科学技術分野で起きるこうした制度的攪乱は、日本の学術研究体制に大きな影響を及ぼすことになりかねません。機微情報を受け入れた先端科学技術分野は、閉鎖的研究環境となり、研究交流を遮断され、研究の批判者がなく、独善的な研究の迷宮に入り込む危険性があり、かつての核兵器のようなモンスターを先端分野で出現させないとも限りません。
先頃話題になった映画「オッペンハイマー」は、そうそうたる現代史家が書いた「アメリカン・プロメテウス」が基になっていますので、史実としては確かな部分も多いものです。この映画にはたくさんの方の批評がなされています。朝日新聞デジタル版に竹田ダニエルさんが、科学者がいかに政治に絡め取られ、自分の意図とは懸け離れた形でいかに政治が冷酷に、者がいかに政治に絡め取られ、自分の意図とは懸け離れた形でいかに政治が冷酷に進んでいくかをこの映画が描いている点も興味深かった、今の科学分野におけるアカデミアと軍事の密接なつながりの問題にも通底していると述べています。これに呼応して増田ユリヤさんが、私が一番恐ろしいと思ったのは竹田氏も指摘している政治と研究との関係だ、研究成果を生かすも殺すも、それを決めるのは研究者ではなく政治家なのだと言い、さらに、毎日新聞社の映画情報サイトで記者千葉紀和さんは、映画「オッペンハイマー」は、科学者の倫理とともに、科学と政治のありようも問いかけている、あの時代の米国の話ではなく、現代を生きる私たちの問題として受け止めたいとも述べて、今日の研究者の在り方に言及しています。真摯に受け止めなければと改めて感じました。
五十年ほど前になりますが、マンハッタン計画資料が解禁されるとすぐに関係資料を取り寄せて調査したことがあります。竹田さんや増田さんが鋭く洞察されたように、マンハッタン計画の研究者たちは軍部と一部の権限を持った政治家の統治の下にあり、それから一歩も外に出ることができませんでした。マンハッタン計画では、厳しい情報管理と秘密保全体制が取られ、機微情報に関わる内容が含まれていると判明した書籍だと知られると、秘密全体、秘密保全体制、あっ、その書籍は図書館から姿を消したばかりか、過去に誰が借り出したか、閲覧履歴まで調査されました。今日の日本でいえば、図書館の自由宣言を侵し、知る権利の剥奪の見本のようなものでした。歯止めのない本法案では、適性評価で時にはどのような書籍を読んでいたのかまで調査されないとも限りません。何しろ、事件をでっち上げて冤罪事件を起こしても、大川原化工機事件のように関係者の処罰さえ行わない現状があるからです。
さて、本法案は軍事研究とは関係がないと政府は述べていますが、米国重要・新興技術国家戦略二〇二〇に示された重要技術分野をそっくり取り込んだ日本の特定重要技術開発はまさに日米の国家戦略の線上にあり、岸田・バイデン共同声明による日米共同研究開発はそのことを明瞭に示すものとなりました。シームレスな共同研究のためにも、それに参入しようとするスタートアップ企業や軍需工業部門にとってセキュリティークリアランスが不可欠となっていると言えます。
ちなみに、有識者会議に報告された企業側の二社の声です。一社目、相手国の国防調達に相手国企業の下請として参加しようとしたが、セキュリティークリアランスを保有していなかったため詳細な情報が渡されずに苦労した。もう一社は、相手国の国防省関係のビジネスは増加傾向であり、更なる業務獲得、円滑化のためにはクリアランスが必要とする。軍事産業への参入を希望する企業の声なのです。
ところが、特秘法とシームレスに運用することが語られ、運用基準も特秘法を参考にして作ると言われています。その運用基準は、当時の世論に配慮してか、まず、拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道、取材の自由の尊重などるる述べられていますが、しかしこれを担保する仕掛けはありません。行政文書の書換え、捏造、消去はおろか、憲法すら閣議決定で踏みにじってしまう政権があるとすれば、恣意的運用に待ったを掛け、違反者を罰する権限を持った仕組みが不可欠で、これを欠落させた法律は危険極まりなく、廃案にすべきです。
適性評価では、プライバシーの保護、目的外利用の禁止の項目が挙げられています。本法案の第十二条二項では七項目の調査項目が示されていますが、内心の自由を調査する究極のプライバシー侵害、基本的人権の侵害のおそれがあり、侵害を監査する権限を持った機関が欠落しています。個人情報保護法では要配慮個人情報とされている項目です。その上、適性評価を希望する本人の承諾が得られれば、家族、親族、同僚、隣人その他の承諾は必要なく個人情報を申告させるという、戦前の密告社会をほうふつとさせる仕組みになっています。
本法案は、コンフィデンシャル、取扱注意、マル秘級まで秘密情報にしてしまう一方、経済安保情報でもトップシークレット、シークレットに相当するものは特秘法の運用基準を改定して特秘、特定秘密として扱うとしています。
本法案は特秘法の大幅な拡大版と言えるもので、研究者が引き返せないような危険な仕掛けと、学術体制を攪乱し、研究力は言うに及ばず、産業の健全な発展をも阻害することが危惧されます。また、多くの事業者の経営情報を報告させ、内閣府に一手集約する前代未聞の仕組みは、経済の国家統制への仕掛けともなり得る危険をはらんだもので、廃案を強く求めるものです。
以上で私の発言を終わります。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →この度、本法案に対する意見を申し述べる機会を与えていただき、感謝申し上げます。
私は、科学とは何か、技術とは何かを問うために科学史、技術史を研究してまいりました。科学者が戦争に協力した歴史を振り返ると、二度と過ちを繰り返さないために、科学者は常にいかにあり、いかになすべきかを問わなければなりません。
先端分野の革新的技術、AI、量子、宇宙航空、海洋、生命科学分野は、欧米ではデュアルではありますが、れっきとした軍事用として位置付けられています。しかし、日本ではデュアルと称して民生用技術の側面があえて強調されてきました。無論、民生用として機能しないわけではありませんから、軍事に転用される危険性のあることを認識していないと危険です。とりわけ、憲法に戦争権限が定められた軍隊を持つ米国で発達してきた軍事制度の一部とも言えるセキュリティークリアランス制度を日本では軍事には関係ないと殊更に強調されるので、私は警戒心を持たざるを得ません。
これまでの衆参内閣委員会の御議論では、法案成立以降、有識者に意見を聴いた上で運用基準を策定し、閣議決定するというフレーズが政府側答弁で多出しました。参院内閣委員会のこれまでの審議時間二十数時間のうちに、政府と議員の間で運用基準という文言が実に二百二十回を超えて飛び交いました。本法案の肝ともいうべき重要な内容が具体的に示されず、運用基準や政省令が決めていくという議会制民主主義を形骸化するような法案審議に驚きを禁じ得ません。政府に丸投げの法案ではありませんかと詰問する議員もおられました。
本法案は、法案の枠組みだけが示され、政府の恣意的な運用を可能にする立て付けになっています。十年前の特定秘密保護法、以下、特秘法と呼びます、の折には、それでも、曲がりなりにも法案の概要が事前に公表され、僅か二週間ではありましたけれども、パブリックコメントにかけられてから国会へ法案が提出されましたが、本法案にはそうした手続もなく、批判の声が上がるいとまも与えないスピード感があります。
さて、政府に秘密情報があることを私も否定するものではありません。安全保障とはレベルが違いますが、学術分野でも秘密があります。研究のプライオリティーを確保したり、各種共同研究実施に関わって秘密保持契約が結ばれることがあります。また、利益相反を管理したり、研究の公正性、透明性を確保するために研究インテグリティーを自律的に確保していく取組がなされています。内外の共同研究や研究交流にあっては、大学や研究機関がガイドラインを作っています。そのために、秘密保持契約、共同研究か否かにかかわらず、成果有体物移転契約、宣誓書、誓約書などが作られたりしますが、違約すれば損害賠償の対象になり、研究者生命が絶たれることもあります。
大学や研究機関にとって、どのような内容を秘密保持に盛り込むのかは個別具体的です。研究機関名、予算額、研究計画、研究課題名、研究成果の発表、博士論文の審査、ノウハウ情報、契約情報などが検討の対象となります。安全保障とレベルが違うとはいえ、ガイドラインに具体的な基準もなく手を突っ込むことになるセキュリティークリアランス制度は、学術研究体制に大いなる攪乱をもたらすことになるでしょう。大学や研究機関の当事者の意見を聴取しないまま本法案を成立させては、禍根を残すことになります。
ところで、国が機微情報を提供する適合事業者はどのようにピックアップするのでしょうか。また、どのように研究者をピックアップし、あなたは適性評価の対象者になりましたと告知するのでしょうか。シンクタンクによって集約、選別がなされ、政府がより取り見取りで指定するとでも言うのでしょうか。その手続や基準も示されておらず、一部の研究目利きにげたを預けるとすれば、先端分野の食い散らかしが起き、結果としてますます日本の研究力の劣化が進行するでしょう。加えて、特許非公開や研究を機密の中に囲い込んでしまえば、健全な産業の発達にも重大な影響が出てくるものと考えられます。
また、適合事業者となるには管理運営のどのレベルの承認が必要となるのでしょうか。ある程度上意下達のある企業と違って、大学ではどこまでがセキュリティークリアランスを必要とするのか、研究の自由や種々のガイドラインとも関わり問題が少なくありません。政府による大学のガバナンス強化とも関わり、学長、副学長、担当理事、部局長なのか、それ自体が大学運営を変質させるものとなるでしょう。
これまで度々指摘されてきましたが、適性評価に不同意の場合、不利益にならない保証はなく、適性評価を受けた研究者が研究遂行途中で研究の方針を変えるような場合、離脱の自由があるとはいえ、大学と政府、研究者と政府との間の秘密保持契約の内容に規制されてしまうおそれが危惧されます。秘密保持契約の内容、その枠組みさえ示されていません。当事者任せだとすれば、情報を提供する政府側の要請が強く働き、受ける側が不利になることも考えられ、政府の恣意的な運用を規制する仕組みが不可欠です。
ところで、提供される経済安保秘密情報は明示されるのでしょうか。その定義は極めて抽象的でしかなく、自衛隊で起きた秘密漏えい事件では、当事者たちは何が秘密であったのかが分からなかったとさえ言われていますので、自覚のないままに漏えいする危険性が排除できないつくりとなっています。
適性評価を得られなかった事業者所属の研究者を受入れ可能な研究機関に移籍することもあり得るとまで有識者会議では語られています。先端科学技術分野で起きるこうした制度的攪乱は、日本の学術研究体制に大きな影響を及ぼすことになりかねません。機微情報を受け入れた先端科学技術分野は、閉鎖的研究環境となり、研究交流を遮断され、研究の批判者がなく、独善的な研究の迷宮に入り込む危険性があり、かつての核兵器のようなモンスターを先端分野で出現させないとも限りません。
先頃話題になった映画「オッペンハイマー」は、そうそうたる現代史家が書いた「アメリカン・プロメテウス」が基になっていますので、史実としては確かな部分も多いものです。この映画にはたくさんの方の批評がなされています。朝日新聞デジタル版に竹田ダニエルさんが、科学者がいかに政治に絡め取られ、自分の意図とは懸け離れた形でいかに政治が冷酷に、者がいかに政治に絡め取られ、自分の意図とは懸け離れた形でいかに政治が冷酷に進んでいくかをこの映画が描いている点も興味深かった、今の科学分野におけるアカデミアと軍事の密接なつながりの問題にも通底していると述べています。これに呼応して増田ユリヤさんが、私が一番恐ろしいと思ったのは竹田氏も指摘している政治と研究との関係だ、研究成果を生かすも殺すも、それを決めるのは研究者ではなく政治家なのだと言い、さらに、毎日新聞社の映画情報サイトで記者千葉紀和さんは、映画「オッペンハイマー」は、科学者の倫理とともに、科学と政治のありようも問いかけている、あの時代の米国の話ではなく、現代を生きる私たちの問題として受け止めたいとも述べて、今日の研究者の在り方に言及しています。真摯に受け止めなければと改めて感じました。
五十年ほど前になりますが、マンハッタン計画資料が解禁されるとすぐに関係資料を取り寄せて調査したことがあります。竹田さんや増田さんが鋭く洞察されたように、マンハッタン計画の研究者たちは軍部と一部の権限を持った政治家の統治の下にあり、それから一歩も外に出ることができませんでした。マンハッタン計画では、厳しい情報管理と秘密保全体制が取られ、機微情報に関わる内容が含まれていると判明した書籍だと知られると、秘密全体、秘密保全体制、あっ、その書籍は図書館から姿を消したばかりか、過去に誰が借り出したか、閲覧履歴まで調査されました。今日の日本でいえば、図書館の自由宣言を侵し、知る権利の剥奪の見本のようなものでした。歯止めのない本法案では、適性評価で時にはどのような書籍を読んでいたのかまで調査されないとも限りません。何しろ、事件をでっち上げて冤罪事件を起こしても、大川原化工機事件のように関係者の処罰さえ行わない現状があるからです。
さて、本法案は軍事研究とは関係がないと政府は述べていますが、米国重要・新興技術国家戦略二〇二〇に示された重要技術分野をそっくり取り込んだ日本の特定重要技術開発はまさに日米の国家戦略の線上にあり、岸田・バイデン共同声明による日米共同研究開発はそのことを明瞭に示すものとなりました。シームレスな共同研究のためにも、それに参入しようとするスタートアップ企業や軍需工業部門にとってセキュリティークリアランスが不可欠となっていると言えます。
ちなみに、有識者会議に報告された企業側の二社の声です。一社目、相手国の国防調達に相手国企業の下請として参加しようとしたが、セキュリティークリアランスを保有していなかったため詳細な情報が渡されずに苦労した。もう一社は、相手国の国防省関係のビジネスは増加傾向であり、更なる業務獲得、円滑化のためにはクリアランスが必要とする。軍事産業への参入を希望する企業の声なのです。
ところが、特秘法とシームレスに運用することが語られ、運用基準も特秘法を参考にして作ると言われています。その運用基準は、当時の世論に配慮してか、まず、拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道、取材の自由の尊重などるる述べられていますが、しかしこれを担保する仕掛けはありません。行政文書の書換え、捏造、消去はおろか、憲法すら閣議決定で踏みにじってしまう政権があるとすれば、恣意的運用に待ったを掛け、違反者を罰する権限を持った仕組みが不可欠で、これを欠落させた法律は危険極まりなく、廃案にすべきです。
適性評価では、プライバシーの保護、目的外利用の禁止の項目が挙げられています。本法案の第十二条二項では七項目の調査項目が示されていますが、内心の自由を調査する究極のプライバシー侵害、基本的人権の侵害のおそれがあり、侵害を監査する権限を持った機関が欠落しています。個人情報保護法では要配慮個人情報とされている項目です。その上、適性評価を希望する本人の承諾が得られれば、家族、親族、同僚、隣人その他の承諾は必要なく個人情報を申告させるという、戦前の密告社会をほうふつとさせる仕組みになっています。
本法案は、コンフィデンシャル、取扱注意、マル秘級まで秘密情報にしてしまう一方、経済安保情報でもトップシークレット、シークレットに相当するものは特秘法の運用基準を改定して特秘、特定秘密として扱うとしています。
本法案は特秘法の大幅な拡大版と言えるもので、研究者が引き返せないような危険な仕掛けと、学術体制を攪乱し、研究力は言うに及ばず、産業の健全な発展をも阻害することが危惧されます。また、多くの事業者の経営情報を報告させ、内閣府に一手集約する前代未聞の仕組みは、経済の国家統制への仕掛けともなり得る危険をはらんだもので、廃案を強く求めるものです。
以上で私の発言を終わります。御清聴ありがとうございました。
阿
阿達雅志#7
○委員長(阿達雅志君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
高
高橋はるみ#8
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみと申します。
本日は、質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。各参考人からはそれぞれ意義深い御発言いただき、心から御礼をいたします。
それでは、それぞれの参考人に御質問してまいりたいと思います。
まず、原参考人によろしくお願いをいたします。
日本を取り巻く国際情勢が一層複雑化、不透明化していく中、十年前に整備された特定秘密保護法に加え、経済活動に関する分野でも情報保全に国として万全を期していく必要があると、私自身このように考える立場であります。また、こうした制度創設によりまして、同盟国等との連携の強化や他国政府調達への参加、あるいは国際共同研究にも道が開かれてくると、このようなことも期待するところであります。
そういった中で、原参考人は、法案の閣議決定に先立ち行われた政府の有識者会議の委員を務められて、経済界の立場から本法案の制定に推進の方向で議論に参加されたと理解をいたします。
今回の法案が成立した場合、私は、実はむしろ今後の運用面が大変だろうなというふうに考えるところであります。すなわち、制度の必要性については理解をするところでありますが、我が国においてこういった制度を初めて施行し、運用するわけでありますので、運用基準を民間の方々、今多様な御意見もいただきました、民間の方々にどう分かりやすいものとするかという工夫であるとか、あるいは民間の事業者、従業員の方々に対する適性評価のやり方、時間も掛かるでしょうし、どれぐらいの対象者かということもあります。また、この適性評価の対象企業がスタートアップなど中小規模な企業の場合には、技術力はあっても資金力は乏しいと思われますので、支援も必要かなとなどなど、本当にこれからの、法律ができた場合ですけれども、運用面の課題が多々あるかと思うわけでありますが、原参考人の今後の本法案、運用面へのお考えをお願いをいたします。
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それでは、それぞれの参考人に御質問してまいりたいと思います。
まず、原参考人によろしくお願いをいたします。
日本を取り巻く国際情勢が一層複雑化、不透明化していく中、十年前に整備された特定秘密保護法に加え、経済活動に関する分野でも情報保全に国として万全を期していく必要があると、私自身このように考える立場であります。また、こうした制度創設によりまして、同盟国等との連携の強化や他国政府調達への参加、あるいは国際共同研究にも道が開かれてくると、このようなことも期待するところであります。
そういった中で、原参考人は、法案の閣議決定に先立ち行われた政府の有識者会議の委員を務められて、経済界の立場から本法案の制定に推進の方向で議論に参加されたと理解をいたします。
今回の法案が成立した場合、私は、実はむしろ今後の運用面が大変だろうなというふうに考えるところであります。すなわち、制度の必要性については理解をするところでありますが、我が国においてこういった制度を初めて施行し、運用するわけでありますので、運用基準を民間の方々、今多様な御意見もいただきました、民間の方々にどう分かりやすいものとするかという工夫であるとか、あるいは民間の事業者、従業員の方々に対する適性評価のやり方、時間も掛かるでしょうし、どれぐらいの対象者かということもあります。また、この適性評価の対象企業がスタートアップなど中小規模な企業の場合には、技術力はあっても資金力は乏しいと思われますので、支援も必要かなとなどなど、本当にこれからの、法律ができた場合ですけれども、運用面の課題が多々あるかと思うわけでありますが、原参考人の今後の本法案、運用面へのお考えをお願いをいたします。
原
原一郎#9
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
それでは、ただいま御指摘の点につきまして、先ほど御参照いただいた資料三ページを御覧いただければと思います。
今、高橋先生の方から御指摘のあった点ですね、私も全く異存ございません。この表を見ていただきましても、一番右側、法案等への我々の意見の反映状況、丸あるいは注釈が付してありますけれども、丸のところは基本的には今の法案の段階で問題ないだろうというふうに考えているものでございまして、法案の枠組みとしては問題がないと考えておりますけれども、今先生が御指摘のとおり、運用が大事であるというところに我々も着目をいたしまして、例えば対象となる、その保全の対象となる情報につきましては、政府保有情報であることはもう明確になってきておりますけれども、どのような情報が対象になるのか、全てがこの種の情報ですから明らかにならないとは思いますけれども、一定の運用基準の中で類型が示されるものというふうに考えておりますので、それを見させていただく必要があるかなということで引き続き下位法令等を注視と書かせていただいている次第でございます。
また、企業側のニーズにつきましても、まさに法案の名称、目的に活用と書いてありますように、企業側と共有をするということは明確なわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、既存の制度、特に特定秘密保護制度とのシームレスな運用というところにつきましては引き続き下位法令等を注視していかなければいけないなというふうに考えております。
また、これ、諸外国から信頼をされ、あるいはされませんと実効のあるものになりませんので、これはまさに公式的には、法案が成立した後、諸外国とこのような制度を導入するということでコミュニケーションを取るものと考えておりますので、その結果としてこの法案が、法律が企業のニーズにとって非常に受皿となるものと、十分な受皿となるものかどうかは今後の運用を見させていただく必要があるというふうに考えておりまして、総体におきまして先生の御指摘と同感でございます。ヤジ
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今、高橋先生の方から御指摘のあった点ですね、私も全く異存ございません。この表を見ていただきましても、一番右側、法案等への我々の意見の反映状況、丸あるいは注釈が付してありますけれども、丸のところは基本的には今の法案の段階で問題ないだろうというふうに考えているものでございまして、法案の枠組みとしては問題がないと考えておりますけれども、今先生が御指摘のとおり、運用が大事であるというところに我々も着目をいたしまして、例えば対象となる、その保全の対象となる情報につきましては、政府保有情報であることはもう明確になってきておりますけれども、どのような情報が対象になるのか、全てがこの種の情報ですから明らかにならないとは思いますけれども、一定の運用基準の中で類型が示されるものというふうに考えておりますので、それを見させていただく必要があるかなということで引き続き下位法令等を注視と書かせていただいている次第でございます。
また、企業側のニーズにつきましても、まさに法案の名称、目的に活用と書いてありますように、企業側と共有をするということは明確なわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、既存の制度、特に特定秘密保護制度とのシームレスな運用というところにつきましては引き続き下位法令等を注視していかなければいけないなというふうに考えております。
また、これ、諸外国から信頼をされ、あるいはされませんと実効のあるものになりませんので、これはまさに公式的には、法案が成立した後、諸外国とこのような制度を導入するということでコミュニケーションを取るものと考えておりますので、その結果としてこの法案が、法律が企業のニーズにとって非常に受皿となるものと、十分な受皿となるものかどうかは今後の運用を見させていただく必要があるというふうに考えておりまして、総体におきまして先生の御指摘と同感でございます。ヤジ
阿
高
高橋はるみ#11
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
それでは、引き続き齋藤参考人にお話をお伺いしたいと思います。
齋藤参考人におかれましては、衆議院に引き続き参議院でも意見をお述べいただき、誠にありがとうございます。国民のプライバシーの保護、知る権利など、大変重要なテーマについて御指摘をいただきました。
私は、先ほど申しましたとおり、現在の激動し不透明感が高まっていく我が国を取り巻く国際情勢を考えた場合には、本法案は必要との立場ではありますが、参考人御指摘の点の重要性について、この法案が成立した場合においても今後の運用面への対応を注視していかなければならないと思う立場であります。
参考人は意見陳述の中で、国会における情報監視の在り方、そしてその役割についても言及をされました。全く同感であります。こういった国会における情報監視、法律ができた場合の話でありますが、どのような点を目指していくべきとお考えかということ。それからもう一つは、衆議院における修正項目の一つとして、重要経済安保情報の提供を受ける国会における、我々国会議員における、その保護に関する方策については国会が必要な措置を講ずるとあるところであります。このこともその情報監視の在り方と同様に重要だと思うわけでありますが、参考人におかれては、この国会における情報保全のため、どのような仕組みづくりが必要かについて御意見をいただきたいと思います。
以上であります。
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齋藤参考人におかれましては、衆議院に引き続き参議院でも意見をお述べいただき、誠にありがとうございます。国民のプライバシーの保護、知る権利など、大変重要なテーマについて御指摘をいただきました。
私は、先ほど申しましたとおり、現在の激動し不透明感が高まっていく我が国を取り巻く国際情勢を考えた場合には、本法案は必要との立場ではありますが、参考人御指摘の点の重要性について、この法案が成立した場合においても今後の運用面への対応を注視していかなければならないと思う立場であります。
参考人は意見陳述の中で、国会における情報監視の在り方、そしてその役割についても言及をされました。全く同感であります。こういった国会における情報監視、法律ができた場合の話でありますが、どのような点を目指していくべきとお考えかということ。それからもう一つは、衆議院における修正項目の一つとして、重要経済安保情報の提供を受ける国会における、我々国会議員における、その保護に関する方策については国会が必要な措置を講ずるとあるところであります。このこともその情報監視の在り方と同様に重要だと思うわけでありますが、参考人におかれては、この国会における情報保全のため、どのような仕組みづくりが必要かについて御意見をいただきたいと思います。
以上であります。
齋
齋藤裕#12
○参考人(齋藤裕君) 御質問ありがとうございます。
まず一点目でございますが、国会による情報監視をどうするかということでございますが、先ほど申し上げたところとも重なるんですけれども、参議院の情報監視審査会においては、秘密指定、独立公文書管理監による秘密指定のチェックについてもうちょっときめ細かくやってくれという指摘をされているわけですね。
要するに、今の法律の運用の下では、秘密というのは言わば箱のようなものなんですね。秘密という箱がある、その箱が要件を満たしているかどうかというのを独立公文書管理監がチェックしているだけということなんです。ただ、その箱の中に現実にはいろんなボールが入っている。例えば、国家安全保障会議の議事録でいえば一年分包括して指定されますけど、そういう箱の中にその日その日の議事録というボールが入るようなものだと思うんですよね。今の運用というのは、箱が秘密の要件を満たしているかどうかだけをチェックしているんですが、そうじゃなくて、箱の中に本来は入るべきボールじゃないものが入っているんじゃないかというのが参議院の審査会の指摘だと思うんです。
非常にこれ重要な問題だと思うんですよね。箱を審査するだけじゃなくて、その一つ一つのボールについて秘密の要件を満たしているのかどうか、そしてそれが、本来箱に入っちゃいけないものが入っているんじゃないか、そこをきちんと審査してくれということを情報監視審査会、情報監視審査会の方はおっしゃっています。
そういう監視ができるようになる、独立公文書管理監もそういう監視をするようにするし、独立公文書管理監だけじゃなくて情報監視審査会もそういう観点で個々の秘密について監視できるようにする、これが非常に大事なんだと思います。これは法律を変えなくても、運用によって可能なレベルの話だと思っていますので、そこは情報監視審査会の努力だけではいかんともし難いので、政府とも一体となってそこはきちんと変えていっていただければと思っています。
あと、保全の対策につきましては、これは、私の方は、申し訳ないんですが、特に特段今の段階で申し上げられるところはなくて、この点に関しては秘密保護法の運用においても適切に、非常に厳密になされているというふうに思っておりますので、今回、その議院における保全の措置ですね、は非常に適切に、厳格になされているというふうには理解していますので、今回の法案についても同じように厳格にされるということが重要だろうと思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず一点目でございますが、国会による情報監視をどうするかということでございますが、先ほど申し上げたところとも重なるんですけれども、参議院の情報監視審査会においては、秘密指定、独立公文書管理監による秘密指定のチェックについてもうちょっときめ細かくやってくれという指摘をされているわけですね。
要するに、今の法律の運用の下では、秘密というのは言わば箱のようなものなんですね。秘密という箱がある、その箱が要件を満たしているかどうかというのを独立公文書管理監がチェックしているだけということなんです。ただ、その箱の中に現実にはいろんなボールが入っている。例えば、国家安全保障会議の議事録でいえば一年分包括して指定されますけど、そういう箱の中にその日その日の議事録というボールが入るようなものだと思うんですよね。今の運用というのは、箱が秘密の要件を満たしているかどうかだけをチェックしているんですが、そうじゃなくて、箱の中に本来は入るべきボールじゃないものが入っているんじゃないかというのが参議院の審査会の指摘だと思うんです。
非常にこれ重要な問題だと思うんですよね。箱を審査するだけじゃなくて、その一つ一つのボールについて秘密の要件を満たしているのかどうか、そしてそれが、本来箱に入っちゃいけないものが入っているんじゃないか、そこをきちんと審査してくれということを情報監視審査会、情報監視審査会の方はおっしゃっています。
そういう監視ができるようになる、独立公文書管理監もそういう監視をするようにするし、独立公文書管理監だけじゃなくて情報監視審査会もそういう観点で個々の秘密について監視できるようにする、これが非常に大事なんだと思います。これは法律を変えなくても、運用によって可能なレベルの話だと思っていますので、そこは情報監視審査会の努力だけではいかんともし難いので、政府とも一体となってそこはきちんと変えていっていただければと思っています。
あと、保全の対策につきましては、これは、私の方は、申し訳ないんですが、特に特段今の段階で申し上げられるところはなくて、この点に関しては秘密保護法の運用においても適切に、非常に厳密になされているというふうに思っておりますので、今回、その議院における保全の措置ですね、は非常に適切に、厳格になされているというふうには理解していますので、今回の法案についても同じように厳格にされるということが重要だろうと思っております。
以上でございます。
高
高橋はるみ#13
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
それでは、井原参考人、お伺いをいたします。
井原参考人のお話、科学と技術、そして政治との関係など、歴史も踏まえてのお話、大変勉強になりました。ありがとうございました。
事前に参考人からいただいた論文を拝読をさせていただきまして、私は北海道を選挙区とする議員なんでありますが、若干感じたことを申し上げさせていただければと思う次第であります。
一つは、ロシア・ウクライナ事案であります。
二年前の二月から始まったロシアのウクライナ侵略に、私たちどさんこは衝撃を受けました。まさに、あり得ないと思ったことがあり得るのだなと、あらゆることが起こり得るのだなということを感じました。また、時としてロシアの高官が核兵器の使用に言及するという現実にも恐ろしさを感じているところであります。地図で見ていただければお分かりになるとおり、ロシアの西側に位置するのはウクライナであります。そして、私たち北海道はロシアの東側に隣り合っているという現実であります。
また、北朝鮮のミサイル発射も我々北海道民にとっては現実の脅威であります。たしか七年前、私がまだ道庁で仕事をしておりました頃、早朝だったと思います、未明だったと思いますが、北朝鮮のミサイルが道南の渡島半島の上空を通過し、そして日高の襟裳岬を越えて落下したということがありました。北海道内へのミサイル本体の落下、あるいはそのパーツの一部でも渡島地方に落下したらと考えると、本当に背筋が凍る思いを感じたところでありました。こうした最近の我が国を取り巻く国際環境の激変が今回の法案提出の背景にあると私自身は思う次第であります。
そうした中、井原参考人におかれては、本法案が成立した場合、運用面において特にどういった点に留意すべきとお考えか、御意見をいただければと思います。
この発言だけを見る →それでは、井原参考人、お伺いをいたします。
井原参考人のお話、科学と技術、そして政治との関係など、歴史も踏まえてのお話、大変勉強になりました。ありがとうございました。
事前に参考人からいただいた論文を拝読をさせていただきまして、私は北海道を選挙区とする議員なんでありますが、若干感じたことを申し上げさせていただければと思う次第であります。
一つは、ロシア・ウクライナ事案であります。
二年前の二月から始まったロシアのウクライナ侵略に、私たちどさんこは衝撃を受けました。まさに、あり得ないと思ったことがあり得るのだなと、あらゆることが起こり得るのだなということを感じました。また、時としてロシアの高官が核兵器の使用に言及するという現実にも恐ろしさを感じているところであります。地図で見ていただければお分かりになるとおり、ロシアの西側に位置するのはウクライナであります。そして、私たち北海道はロシアの東側に隣り合っているという現実であります。
また、北朝鮮のミサイル発射も我々北海道民にとっては現実の脅威であります。たしか七年前、私がまだ道庁で仕事をしておりました頃、早朝だったと思います、未明だったと思いますが、北朝鮮のミサイルが道南の渡島半島の上空を通過し、そして日高の襟裳岬を越えて落下したということがありました。北海道内へのミサイル本体の落下、あるいはそのパーツの一部でも渡島地方に落下したらと考えると、本当に背筋が凍る思いを感じたところでありました。こうした最近の我が国を取り巻く国際環境の激変が今回の法案提出の背景にあると私自身は思う次第であります。
そうした中、井原参考人におかれては、本法案が成立した場合、運用面において特にどういった点に留意すべきとお考えか、御意見をいただければと思います。
井
井原聰#14
○参考人(井原聰君) 井原でございます。ありがとうございます。
これまでも政府は、まさにウクライナ、好機と言わんばかりに危機をあおり立ててきたというふうに私は見ております。心配な、住民が心配な点は十分理解できますが、だからといって武力を、軍事力を強化すればそれを防ぐことができるかというと、現実には、ウクライナもそうですし、あちこちで起きている紛争で必ずしも軍事力を増大させれば止めることができるというふうにはなっていません。
私はやっぱり、国際協調主義といいますかね、まさに民主的外交を展開するということが非常に重要で、危機感をあおるような政策を避けるべきだというふうに考えております。特にやっぱり、これは北海道だけじゃなくて日本のあちこちにそういう危険なところがあるとすれば、市民と連帯する形でどう対応していくかというのをやっぱりこれから考えなきゃいけない、そういう問題だろうというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →これまでも政府は、まさにウクライナ、好機と言わんばかりに危機をあおり立ててきたというふうに私は見ております。心配な、住民が心配な点は十分理解できますが、だからといって武力を、軍事力を強化すればそれを防ぐことができるかというと、現実には、ウクライナもそうですし、あちこちで起きている紛争で必ずしも軍事力を増大させれば止めることができるというふうにはなっていません。
私はやっぱり、国際協調主義といいますかね、まさに民主的外交を展開するということが非常に重要で、危機感をあおるような政策を避けるべきだというふうに考えております。特にやっぱり、これは北海道だけじゃなくて日本のあちこちにそういう危険なところがあるとすれば、市民と連帯する形でどう対応していくかというのをやっぱりこれから考えなきゃいけない、そういう問題だろうというふうに思っております。
以上でございます。
高
石
石垣のりこ#16
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこでございます。
三人の参考人の皆様、今日は貴重な御意見、誠にありがとうございました。
まずは原参考人からお伺いしたいと思いますが、経団連の、今日は経団連の原参考人にまずは伺います。
セキュリティークリアランス制度が導入されることによって、運用を注視するという条件はございましたけれども、例えば他国の政府調達への参加ですとか国際共同開発への参加が進むようになると、各企業にとってみると、社員の中にクリアランスホルダーの社員がいることによって更に契約がしやすくなっていくというように考えてよいんでしょうか。
この発言だけを見る →三人の参考人の皆様、今日は貴重な御意見、誠にありがとうございました。
まずは原参考人からお伺いしたいと思いますが、経団連の、今日は経団連の原参考人にまずは伺います。
セキュリティークリアランス制度が導入されることによって、運用を注視するという条件はございましたけれども、例えば他国の政府調達への参加ですとか国際共同開発への参加が進むようになると、各企業にとってみると、社員の中にクリアランスホルダーの社員がいることによって更に契約がしやすくなっていくというように考えてよいんでしょうか。
原
原一郎#17
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
基本的にはそのような方向になることを期待しているということでございまして、それには、先ほど申し上げましたように、下位法令あるいは運用基準、それからそれに基づく運用ですね、実際の、それから、相手のある話でございますので、相手国にこの日本がつくった新たな制度が非常に実効的なものであるということを認めていただくことが大事なので、そういう条件が満たされれば、そういう形で新たなビジネスにつながっていくことを期待していると、そういうことでございます。
この発言だけを見る →基本的にはそのような方向になることを期待しているということでございまして、それには、先ほど申し上げましたように、下位法令あるいは運用基準、それからそれに基づく運用ですね、実際の、それから、相手のある話でございますので、相手国にこの日本がつくった新たな制度が非常に実効的なものであるということを認めていただくことが大事なので、そういう条件が満たされれば、そういう形で新たなビジネスにつながっていくことを期待していると、そういうことでございます。
石
石垣のりこ#18
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
続いても原参考人に伺いますけれども、適性評価で信頼性を確認できなかった社員、いわゆるノーの評価が出た社員に関して、不利益な扱いを受けないかという懸念がやはりございます。企業の立場で考えますと、国が重要経済安保情報と定めた情報以外の情報でも、もちろん企業にとって重要な情報はたくさんあるわけですから、そういう漏えいがあったら困るわけです。
政府によってこの重要経済安保情報でさえ漏えいのおそれがあると評価されてしまった社員を重要な役職に就かせるわけにはいかないというふうに考えるのが結構自然なように思うんですが、経済界として、適性評価でノーとなった社員をどのように処遇していこうとお考えなのか、また、不利益取扱いをしないと言い切れるのか、見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →続いても原参考人に伺いますけれども、適性評価で信頼性を確認できなかった社員、いわゆるノーの評価が出た社員に関して、不利益な扱いを受けないかという懸念がやはりございます。企業の立場で考えますと、国が重要経済安保情報と定めた情報以外の情報でも、もちろん企業にとって重要な情報はたくさんあるわけですから、そういう漏えいがあったら困るわけです。
政府によってこの重要経済安保情報でさえ漏えいのおそれがあると評価されてしまった社員を重要な役職に就かせるわけにはいかないというふうに考えるのが結構自然なように思うんですが、経済界として、適性評価でノーとなった社員をどのように処遇していこうとお考えなのか、また、不利益取扱いをしないと言い切れるのか、見解を伺いたいと思います。
原
原一郎#19
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
不利益な処分はこの法案では禁止されておりますので、企業としては当然、決まった法律に対してコンプライアンスしていくのは当然でありまして、禁止されているものは禁止されているものとして対応していくということだと思います。
企業としては、具体的には配置転換ですとか、あるいは同じ部署でありましてもセキュリティークリアランスを受けずに取扱いができる業務というのは多分あるはずですので、そういった形で対応していくということになるんではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →不利益な処分はこの法案では禁止されておりますので、企業としては当然、決まった法律に対してコンプライアンスしていくのは当然でありまして、禁止されているものは禁止されているものとして対応していくということだと思います。
企業としては、具体的には配置転換ですとか、あるいは同じ部署でありましてもセキュリティークリアランスを受けずに取扱いができる業務というのは多分あるはずですので、そういった形で対応していくということになるんではないかというふうに思っております。
石
石垣のりこ#20
○石垣のりこ君 続いては、齋藤参考人に伺います。
今の原参考人の回答を受けて、不利益扱いなどが起こったときに、その社員の相談に乗ったり、実際に訴訟を請け負うことになる可能性があるという、日弁連の齋藤参考人ということで、経団連の回答について、これ実効性があるというふうにお考えになるかどうか、また懸念すべきところ、あとは政府が行うべきことについてお願いします。
この発言だけを見る →今の原参考人の回答を受けて、不利益扱いなどが起こったときに、その社員の相談に乗ったり、実際に訴訟を請け負うことになる可能性があるという、日弁連の齋藤参考人ということで、経団連の回答について、これ実効性があるというふうにお考えになるかどうか、また懸念すべきところ、あとは政府が行うべきことについてお願いします。
齋
齋藤裕#21
○参考人(齋藤裕君) ありがとうございます。
実効性につきましては、もちろん、経団連さんは大きい会社の集まりですのでこういう答えになるんだろうなと思っていますけれども、今回の法案というのはベンチャーも含めて対象になりますので、適性評価が通らなかったら働く場がない、配置転換のしようのない会社というのはあると思うんですよね。そういう場合は、じゃ、整理解雇にせざるを得ない。けれども、整理解雇をしてしまうとこの法律に反することになるのかと。かといって、じゃ、働かせることもできないのに賃金を払い続ける、あるいは労働者の首を切る、もう非常に厳しい二律背反に陥る可能性というのはあるというふうに思っております。特に、中小企業についてはその懸念はあると思っています。
政府がどういうふうにすべきかということなんですけれども、やはり不利益取扱いについて、この法案がこのままで通ってしまうとなかなか厳しいなとは思っていますけど、ただ、やはり本来は不利益取扱いについて罰則を設けるとか、あるいは適性評価についてきちんと不利益取扱いがなされないかどうかということも含めてチェックする第三者機関というものをつくる、ちゃんと調査権限を、法律で与えられた第三者機関をつくるというのが本来はなすべきことなんだろうというふうに思っております。
この発言だけを見る →実効性につきましては、もちろん、経団連さんは大きい会社の集まりですのでこういう答えになるんだろうなと思っていますけれども、今回の法案というのはベンチャーも含めて対象になりますので、適性評価が通らなかったら働く場がない、配置転換のしようのない会社というのはあると思うんですよね。そういう場合は、じゃ、整理解雇にせざるを得ない。けれども、整理解雇をしてしまうとこの法律に反することになるのかと。かといって、じゃ、働かせることもできないのに賃金を払い続ける、あるいは労働者の首を切る、もう非常に厳しい二律背反に陥る可能性というのはあるというふうに思っております。特に、中小企業についてはその懸念はあると思っています。
政府がどういうふうにすべきかということなんですけれども、やはり不利益取扱いについて、この法案がこのままで通ってしまうとなかなか厳しいなとは思っていますけど、ただ、やはり本来は不利益取扱いについて罰則を設けるとか、あるいは適性評価についてきちんと不利益取扱いがなされないかどうかということも含めてチェックする第三者機関というものをつくる、ちゃんと調査権限を、法律で与えられた第三者機関をつくるというのが本来はなすべきことなんだろうというふうに思っております。
石
石垣のりこ#22
○石垣のりこ君 これまでの質疑を通して、政府は、評価対象者やその家族などについても重要経済基盤毀損活動に関係することであれば調査を行うことができるというふうに、私自身も受け止めているわけなんですけれども、同意を取らない家族などに関してはプライバシーの侵害に当たるのではないかと考えています。
今回、本人の同意は、本人の同意は取るけれども、家族の同意を得る必要はないということで、重要経済基盤毀損活動に関する範囲での調査対象になり得るのであればやはり家族の同意も取る必要があると考えるんですが、その点はいかがでしょうか。
この発言だけを見る →今回、本人の同意は、本人の同意は取るけれども、家族の同意を得る必要はないということで、重要経済基盤毀損活動に関する範囲での調査対象になり得るのであればやはり家族の同意も取る必要があると考えるんですが、その点はいかがでしょうか。
齋
齋藤裕#23
○参考人(齋藤裕君) ありがとうございます。全くおっしゃるとおりだというふうに思っております。
政府の方は、その適合事業者で働く従業員などの同意を取ればいいというふうに言っていますけれども、昔の家父長制ではございませんので、家族のメンバーはそれぞれ独立した人格でありますので、ほかの人の同意を勝手に誰かがするということはできません。もちろん、同意があればプライバシー権を放棄することができると考える余地はありますけど、特に家族については全く同意を求められていない。それにもかかわらず、可能性としては結構機微な調査もされる可能性はあると思っておりますので、そういう意味ではプライバシー侵害の可能性が非常に高いんだろうなというふうに思っています。
この発言だけを見る →政府の方は、その適合事業者で働く従業員などの同意を取ればいいというふうに言っていますけれども、昔の家父長制ではございませんので、家族のメンバーはそれぞれ独立した人格でありますので、ほかの人の同意を勝手に誰かがするということはできません。もちろん、同意があればプライバシー権を放棄することができると考える余地はありますけど、特に家族については全く同意を求められていない。それにもかかわらず、可能性としては結構機微な調査もされる可能性はあると思っておりますので、そういう意味ではプライバシー侵害の可能性が非常に高いんだろうなというふうに思っています。
石
石垣のりこ#24
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
続いて、ちょっと一点、また原参考人に伺いますが、適性評価の審査期間、いつまでにというこの期間ですね、が定められていないということで、国会での答弁でも政府は、個々の事情が違うので一概に期間を定めることはできないと答弁しています。
適性評価の結果がなかなか出ない社員がいる場合、契約ができないなど企業にとっての不利益があると考えますが、いかがでしょうか。あとまた、標準審査期間というのを定める必要があると考えますが、その場合どの程度が合理的だというふうにお考えになるか、見解をお願いいたします。
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適性評価の結果がなかなか出ない社員がいる場合、契約ができないなど企業にとっての不利益があると考えますが、いかがでしょうか。あとまた、標準審査期間というのを定める必要があると考えますが、その場合どの程度が合理的だというふうにお考えになるか、見解をお願いいたします。
原
原一郎#25
○参考人(原一郎君) ありがとうございます。
ただいまの件ですけれども、いろんなケースがあり得て標準処理期間みたいなものを設けるのはなかなか難しいという政府の御答弁、これは理解できるところであります。
ただ、企業の立場としては、全くいたずらに長い期間掛かったりしますと、これは当然、国際共同研究開発、いつ答えを出してくれるのかということに、相手にも求められることになりますし、あるいは競争入札であればこれ期間が当然決まっておりますので、そういう意味ではなるべく早く速やかに処理をしていただきたいと、結論を出していただきたいと、そういう希望になるかと思います。
この発言だけを見る →ただいまの件ですけれども、いろんなケースがあり得て標準処理期間みたいなものを設けるのはなかなか難しいという政府の御答弁、これは理解できるところであります。
ただ、企業の立場としては、全くいたずらに長い期間掛かったりしますと、これは当然、国際共同研究開発、いつ答えを出してくれるのかということに、相手にも求められることになりますし、あるいは競争入札であればこれ期間が当然決まっておりますので、そういう意味ではなるべく早く速やかに処理をしていただきたいと、結論を出していただきたいと、そういう希望になるかと思います。
石
原
原一郎#27
○参考人(原一郎君) ケース・バイ・ケースということですので、私からこの期間というのはないと思いますけど、これは恐らく年単位ではなくて月単位になろうかというふうに思います。
この発言だけを見る →石
石垣のりこ#28
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
その人の信頼に関わる重要な調査でございますので、中途半端な結果を出すわけにもいかないということも重々承知はしておるんですが、適性評価の結果がなかなか出ない社員はやはり不利益な取扱いを受ける可能性が高いのではないかと考えます。
そこで、齋藤参考人に見解を伺いますが、この結果が出ないというような場合、どのような問題が生じ得るでしょうか。
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そこで、齋藤参考人に見解を伺いますが、この結果が出ないというような場合、どのような問題が生じ得るでしょうか。
齋
齋藤裕#29
○参考人(齋藤裕君) ありがとうございます。
結果が出ないということは、結果については、差別扱いというか、利用、目的外利用しちゃいけないわけですけど、結果が出ないということで、じゃ、不利益扱いしていけないのかどうかというのが法案でははっきりしていないんだろうと思うんですよね。
ですから、そういう意味ではそこら辺は、余りにも長くて企業として現実的にはなかなかその従業員をちゃんと配置できないみたいな話になっちゃうと、ああ、やっぱりこの人はちょっと怪しげなところがあるんじゃないかみたいに見られて合法的に不利益扱いされてしまうとか、そういうことは十分あり得るんだろうと思っています。そこは法律の穴だなというふうに思っています。
この発言だけを見る →結果が出ないということは、結果については、差別扱いというか、利用、目的外利用しちゃいけないわけですけど、結果が出ないということで、じゃ、不利益扱いしていけないのかどうかというのが法案でははっきりしていないんだろうと思うんですよね。
ですから、そういう意味ではそこら辺は、余りにも長くて企業として現実的にはなかなかその従業員をちゃんと配置できないみたいな話になっちゃうと、ああ、やっぱりこの人はちょっと怪しげなところがあるんじゃないかみたいに見られて合法的に不利益扱いされてしまうとか、そういうことは十分あり得るんだろうと思っています。そこは法律の穴だなというふうに思っています。