寺田静の発言 (農林水産委員会)
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○寺田静君 ありがとうございます。
総人口も減っているというような御答弁もあったかと思うんですけれども、総人口の減り方に対してこの基幹的農業従事者の減り方、これ随分違うというふうに思うんですね。でも、大臣の認識では、確かに人は減ったけれども、この農地とこの産出額とか農業所得に関してはまあそこまで減っていないんだから、まあそこそこはうまくやってきたじゃないかという御認識なのかなということで承知をいたしました。大臣が上司として部下を、農水省の皆さんを大切に思っているという優しいお人柄なことは伝わってまいりました。
ただ、だとすれば、一度是非秋田を見に来ていただきたいなと思うんです。大臣は、弱体化との指摘に関して、稲作農家が減少したんだと、中山間地の高齢化と日本のこの全体の人口減少、高齢化というふうに午前中に御答弁をされています。稲作農家、米は売れないんだからそれなりに淘汰をされるのは当たり前なんだというようなことが言外にやっぱり含まれているんじゃないかなと思ってしまうんです。この弱体化の文脈で、この一部においてとか中山間地でというふうにおっしゃったんです。秋田のようなところはこの一部なんだなと、切り捨てられるような感覚を覚えてしまいました。
この少子高齢化が最も日本で進んでいるところ、それが秋田県です。でも、この秋田の姿というのは日本の多くの地方の未来の姿だろうとも私は感じています。中山間地だけではなくて、あちこちもう荒廃しているんです。この農村の疲弊を目の当たりにして是非感じていただきたいものが私にはあります。この遠心力が働いて若者がどんどん出ていく地方というのがどういう姿になっているのかと。国土交通省の十年前ぐらいのレポートでしたでしょうか、農村部では集落は維持できず、野生鳥獣に支配されるとされています。その足音が聞こえるのが残念ながら秋田なんです。
先日、佐藤委員もお話をされていたかなと思いますけれども、鳥獣被害、これも深刻で、これもまた中山間地で離農が進む原因の一つともなっています。個体数が減っても被害は変わらずというお話であったと思いますけれども、秋田も全く同じ状況で、県の熊対策専門官も、昨年は二千頭ほど捕獲したから今年は少し落ち着くのではないかと冬の間にお話をされていましたけれども、春から再び被害も出て、毎日、農地や住宅地、先日は高校の敷地内でまで目撃をされております。我が家の筋向かいの家でも庭に熊のふんが出ました、ありました。これ、本当にごみ出しも怖いですし、子供だけで外で遊ばせるということはちゅうちょをします。自然が豊かであるということは本当に有り難いことではありますし、気持ちがいいということもありますけれども、これからもこうした野生動物の被害におびえながら日常を暮らすのかと思います。
以前も委員会で新聞記事などを資料として共有をさせていただきましたけれども、熊に襲われた被害者の多くの治療に当たってきた医師によれば、この熊によるけがというのは頭部に集中をしています。命は助かっても失明をするという方も出てきています。昨年一年間だけでこの住宅地や農地に出てきた二千頭の熊が捕獲をされたという厳しい場所を是非この大臣の目で見ていただきたいと思うんです。
徳永先生も同じような指摘をされていたと思いますが、気候変動のために、この食料を将来自給をできる可能性があるのは、北海道、青森、秋田だけだというふうに指摘をしている有識者の方もあります。残念ながら、山形は含まれておりません。そのような場所、この可能性がある農地、農村が荒廃をしているという現状を是非見ていただきたいんです。私が言うまでもなく、一旦荒れてしまえば、農地を元に戻すにはかなり時間が掛かります。世界的には食料需給が逼迫をするのではと言われている中で、自給ができる可能性があると言われている土地、農地を放置をしている余裕などどこにあるのかというふうに思います。
是非一度この秋田に来ていただけないでしょうか。秋田に来てこの現場を見て、せめて農業の現場をよく知って、政策で様々努力をしてきている、農業をやっている県議の方々のお話だけでもいいので、直接聞いていただけないでしょうか。一言、いかがでしょうか。