福山哲郎の発言 (法務委員会)

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○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山哲郎です。
 本日は、佐々木委員長を始め理事の先生方、法務委員会の先生方に御理解をいただき、また自民党、与党の国対にも御了解をいただいて質疑をさせていただきますことに、心から感謝申し上げる次第でございます。恐らく十数年ぶりの法務委員会での質疑でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 もちろん私は今日参議院議員として質問させていただきますが、この共同親権の法律に対しては当事者としても質問させていただきたいと考えていますので、法務大臣、またそれぞれの閣僚の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
 身内の恥をさらすようですが、最も幼いときの私の記憶は、父の母への暴力を止めている自分の姿です。何度も母の背中に背負われ、逃げました。当時はDV防止法もありません。配偶者暴力相談支援センターもシェルターもなかった時代です。
 逃げるたびに、父は母の実家で土下座をし、もう絶対に手を出さない、酒も飲まないと約束し、何度も何度もうそをつき続けました。逃げていた数日間がどれほど心穏やかだったか分かりません。また、十数度の入退院を繰り返しましたが、そのたびに医者や看護師さんに、良いお父さんじゃない、もうお酒も飲まないし、酒を飲みたくて飲んでいるわけでもないし、暴力を振るいたくて振るっているわけではないと言っておられますよ、大丈夫だと思いますよと言われ、そんなことは信じられない、あなた方はだまされていると子供心に思ったものでした。
 治療を受け、酒の抜けた父は、病院帰りに酒を買い、数日のうちには、よくも俺をアル中扱いしたなと、いつものように暴れ出しました。ちゃぶ台返しは日常茶飯事でした。割れた茶わんやコップ、散らばった料理の残骸を片付けながら、いかに母と情けない惨めな思いをしたか、今思い出してもぞっとします。
 行き着く先は、商売を失敗し、債権者から逃れるために、父は行方不明になりました。母と私と小学校一年の弟は、生活のため住み込みで働くことになりまして、何と父とは思い掛けなく別居状態になりました。金もなく貧乏で将来も不安でしたけど、あの父から離れて生きることがこんなにも心穏やかで前向きになれるんだと母と話し合っていたことを思い出します。
 中退した高校の先生にだけはどこにいるかを伝えていましたが、父は必ず高校の先生に私たちの居場所を問い合わせる、そう思い、先生には行き先を伝えないでほしいとお願いをしていました。父は何度か高校に問合せに来たようですが、いよいよ先生に対して脅し文句で、父親に教えなければ学校を訴える等の発言をし出し、先生からSOSの電話が入りました。母は、これ以上迷惑は掛けられないと、先生に私たちの居場所を伝えていただいて結構ですと涙ながらに電話で話していたことが思い出されます。そのときから、いつ父が私たちのところに来るのだろうか、またあの地獄のような日々が始まるのかと暗たんたる気持ちになったことを覚えています。案の定、少したってから父は私たちのところに来て、何もなかったかのようにまた酒を飲み、暴れる毎日でした。父はインテリで外づらが良くて、周囲はそんな父の姿を想像できなかったと思います。
 今回の共同親権の審議に際して、多くのDV被害者当事者の方、そして弁護士、支援者の声を聞きました。その声は本当に法務省に届いているのだろうか、与党にも届いているのだろうか、そして法制審議会は適切に運営されたんだろうか、そういう、申し訳ありませんが、疑問が湧いてきました。
 法務大臣、例えば、今回の民法改正で、せっかく離婚が成立して子供と再出発をしているDV被害者の皆さんが、親権変更の申立てを受けるかもしれない、また加害者と向き合わなければならない、裁判の行方も分からない、お金も掛かる、そして、もし共同親権が認められたらと不安に思っている皆さんの気持ちは、法務大臣、御理解いただけますでしょうか。私は少しは理解するつもりです。
 私は、法務省の官僚の皆さんに、説明に来られたときにこう申し上げました。親権の変更の申立てがあることを考えただけで、本当に、先ほどの私が申し上げた気持ちではありませんが、暗たんたる思いで不安になっている人たちがたくさんいます、そういう法律の審議だと。
 じゃ、この親権変更の申立てを簡単にできない、そう簡単ではないみたいなことがあればいいけど、この審議の中で、衆参で、他も含めて、いろいろ不明な点が多過ぎる。是非、慎重審議をしていただきたいし、修正できる点は修正していただきたいし、与党にもそのことを是非御理解いただいて審議に当たっていただきたいと、まずは私から申し上げたいと思います。
 まず、法務大臣、よろしくお願いします。

発言情報

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発言者: 福山哲郎

speaker_id: 23476

日付: 2024-05-09

院: 参議院

会議名: 法務委員会