山添拓の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○山添拓君 日本共産党を代表し、民法等一部改定案に反対の討論を行います。
本法案の最大の問題は、離婚する父母が合意をしていなくても、裁判所が離婚後共同親権を定め得る点にあります。夫婦関係が破綻しても、父母間に子の養育だけは協力、共同して責任を果たそうとする関係性の下、親権の共同行使が真摯に合意され、それが子の利益にかなうケースはあるでしょう。しかし、父母間に真摯な合意がないのに親権の共同行使を求めれば、別居親による干渉や支配を復活、継続する手段となり、結果、子の権利や福祉が損なわれてしまう危険が否定できません。
法務大臣は、合意を促していくための仕組みとし、どうしても合意ができない場合には単独でいくと答弁しました。それは条文上明記すべきです。
また、単独での親権行使ができる事由が不明確な点も問題です。子の利益のため急迫の事情があるときや監護及び教育に関する日常の行為という文言が実際にはどこまで単独で決定できるのか不明確であり、後に親権行使の適法性が争われるなどの心配から適時適切な意思決定ができず、かえって子の利益を害するおそれがあります。
婚姻中、DVや虐待があったことを理由に子を連れて別居するケースが子の利益のため急迫の事情があるときに該当するのかどうか、DV、虐待等、被害者支援の観点から非常に重要ですが、明瞭とは言えません。少なくとも、離婚後に父母双方を親権者とする場合、監護者に父母の一方を定めることを義務付けることでこうした懸念を低減すべきです。
以上述べた点に加えて、衆議院で我が党は三点の修正を求めました。
まず、親権の見直し規定に関する検討の追加です。親権は、子供が安心、安全に暮らすための親の責務であり、社会による子供の権利と福祉の保障であるべきです。子供を主体とした親権の再定義が必要です。
次に、親権者の決定時や監護、面会交流など、あらゆる場面で子供の意思又は心情が尊重されることを明記すべきという点です。
さらに、裁判官、調査官の大幅増員など家庭裁判所の体制強化と、DV、虐待のケースで、児童精神科医など専門家による子供の意思の確認を義務付ける仕組みを明記することなど求めました。
親の資力などが要件となっている支援策や親の同意などが要件となっている手続は、法務省が今日までに把握しただけで三十二項目に上ります。本来、法案審議以前に確認しておくべきものです。審議すればするほど批判が広がる本法案は、採決の前提を欠くと言うべきです。
DVや虐待をめぐる数々の懸念について、訴えれば裁判所に通じると思うと大臣は答えました。しかし、その根拠が伺えません。
自らと子供の生活と命が懸かっている、だから諦めるわけにはいかないという当事者の訴えがあります。そうした声を置き去りに、親子関係と家族の在り方に関する戦後民法の根本に関わる改定を国民的合意なく押し切ることには断固反対であることを表明して、討論とします。