岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員の御質問にお答えいたします。
被災地の復旧復興に向けた支援についてお尋ねがありました。
今般の震災では、厳しい状況が幾重にも重なり、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられています。
政府としては、一日も早い復旧復興を進めていくため、先週には被災者の生活となりわいの支援のためのパッケージを決定し、政府を挙げて実行しています。その上で、息の長い取組となることを踏まえ、能登半島地震復旧・復興支援本部を新たに設置し、できることは全てやるとの考えの下、被災自治体と緊密に連携し、そのニーズを受け止めながら、復旧復興の段階に合わせて数次にわたって機動的、弾力的に必要な対策と財政措置を講じ、被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組んでまいります。
仮設住宅の建設についてお尋ねがありました。
被災された方々の住まいの確保のため、仮設住宅を速やかに建設していくことが重要です。コミュニティーに配慮した集会所の設置、窓の複層ガラス化など積雪寒冷地向けの仕様、手すりやスロープの設置などのバリアフリー化を進めるとともに、能登半島の実情も踏まえ、仮設住宅としての利用後の活用も見据えて木造仮設住宅の建設等も進めてまいります。
また、相談窓口の開設のほか、仮設住宅を出た後の生活再建に向け支援制度の周知を図るなど、被災者に寄り添った継続的な支援に取り組んでまいります。
継続的な支援体制の強化についてお尋ねがありました。
被災地では、DMAT、DHEATなど、避難所の健康管理の専門家を派遣するとともに、応援職員の体制強化、ボランティアとの連携に取り組んでいるところです。
石川県が応援職員やインフラ事業者等の宿泊場所を確保した場合には、経費の八割について特別交付税によって措置することとしたところであり、県と連携して支援拠点の確保に努めているところです。
さらに、被災地への円滑な交通の確保のため、道路の早期の復旧に努めるとともに、ボランティア車両の高速道路の無料化など移動体制の確保にも取り組んでいるところであり、今後とも被災地、被災者のニーズを踏まえた取組を進めてまいります。
政治資金規正法の改正と政治改革の決意についてお尋ねがありました。
政治資金規正法改正などの制度面については、自民党の政治刷新本部の中間とりまとめにも明記しているとおり、政治資金の透明化、公開性の向上、より厳格な責任体制の確立、厳格化などについて、各党との真摯な協議を行っていく方針です。
御指摘の政治資金規正法等につきましても、今国会でしっかりと議論ができるよう、党として考え方を取りまとめてまいります。私が先頭に立って国民の信頼回復に向けて取り組んでまいります。
賃上げの波及についてお尋ねがありました。
賃上げは岸田政権の最重要課題であり、我が国全体で賃金を引き上げていくためには、我が国の雇用の七割を占める中小企業の賃上げが不可欠です。
このため、賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁の指針の徹底、省力化投資の支援、よろず支援拠点によるサポート等を実施してまいります。その際、御指摘のように、地方版政労使会議を有効に活用することが重要であると考えており、積極的に開催し、賃上げ支援策を周知してまいります。
このほか、各都道府県の働き方改革推進支援センターにおいて、中小企業等に対して社会保険労務士などの専門家による相談支援を行っているところであり、こうした支援策の相談に応じる人材の育成も進めながら、あらゆる施策を総動員して賃上げを後押ししてまいります。
医療・福祉従事者の賃上げ、そして処遇改善についてお尋ねがありました。
令和六年度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の同時改定については、医療、介護、障害福祉の現場で物価高に負けない賃上げを実現するため、昨年末、加算措置を含めて必要な水準の報酬の改定率を決定したところです。
加算措置部分の報告を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備することなどにより、実効性を高め、確実に賃上げを実現してまいりますが、なお、今後の物価の動向等を見極めていく必要があるという御指摘については、そのとおりであると考えます。
また、年収の壁対策についてお尋ねがありました。
若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から当面の対応策として取りまとめた年収の壁・支援強化パッケージについては、パート、アルバイトの方々や事業主の皆様にその支援策を広く知っていただき、実際に御活用いただくことが重要であり、引き続き本パッケージを周知徹底し、その活用拡大に取り組んでまいります。
その上で、壁を意識していた労働者が希望どおり働くことができるよう、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組むこととし、次期年金制度改正に向けて議論を行っており、今後も関係者の意見を伺いながら丁寧に議論を行ってまいります。
こども・子育て支援の加速化プランの当事者目線に立った情報発信についてお尋ねがありました。
加速化プランは、今後三年間に集中的に取り組むものです。取組の具体的な内容や実施時期については、例えば、出産育児一時金の引上げなどは既に実施中のものです。児童手当の抜本的拡充などは来年度から実施が予定されています。こども誰でも通園制度のように、再来年度以降の制度化を目指しているものもあります。今国会に必要な法案を提出し、スピード感を持って取組を進めてまいります。
また、社会全体で子ども・子育て世帯を応援する機運を高めるべく広報活動を強化しているところであり、その中で取組の具体的な内容や実施時期などについても丁寧に説明をしてまいります。
高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況は三人以上を理想とする夫婦で特に顕著であることから、この現状を打破していく必要があります。
令和六年度から給付型奨学金等の多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行い、さらに、令和七年度からは、子供三人以上を扶養している場合、一定の額まで大学等の授業料、入学料を無償といたします。
これらこども未来戦略の加速化プランに基づく施策を着実に進めた上で、その実施状況や効果等を検証しつつ、高等教育費の負担軽減を中心に、ライフステージを通じた経済的支援の更なる強化や、若い世代の所得向上に向けた取組について適切に見直しを行ってまいります。
公教育の再生についてお尋ねがありました。
子供たちの実態が多様化する中、これからの学校教育では、子供の学習状況や興味、関心等を適切に把握し、一人一人の可能性を最大限伸ばす学びを実現していくことが重要です。
このため、政府としては、教職員や多様な支援スタッフ等が協働してきめ細かく教育に関わるチーム学校の考えの下、不登校・いじめ対策や教師を取り巻く環境の整備、GIGAスクール構想の更なる推進など、公教育の再生に向けた取組を着実に進めてまいります。
ヤングケアラー支援についてお尋ねがありました。
ヤングケアラーについては、今国会に子ども・若者育成支援推進法を改正するための法案を提出し、国及び地方公共団体等が支援に努めるべき対象に明記することで、自治体間の取組格差の是正や十八歳前後での切れ目のない支援につなげてまいります。その際、本年四月から全国展開を進めることとしている市町村のこども家庭センターが学校等と連携してヤングケアラーを把握し必要な支援につなげる重要な役割を担うことにより、地域の支援体制をしっかり強化してまいります。
男女の賃金差の是正についてお尋ねがありました。
男女の賃金差を是正するため、同一労働同一賃金の遵守徹底やリスキリング等の能力開発の環境整備により女性活躍の取組を強化してまいります。
また、岸田政権では、令和四年に従業員三百一人以上の民間企業を対象に男女間賃金差異の情報公表を義務化したところであり、その施行状況を踏まえて公表義務の対象拡大を検討してまいります。さらに、公務員についても、国や地方の各機関の公表内容が一覧性、そして検索性を持って閲覧できるサイトを整備し、各機関の取組を支援してまいります。
核廃絶に向けた決意についてお尋ねがありました。
ロシアの核兵器による威嚇や北朝鮮の核・ミサイル開発等により、核軍縮をめぐる情勢は一層厳しさを増しています。しかし、だからこそ、核軍縮に向け機運を反転させ、現実的かつ実践的な取組を一歩一歩着実に進めていく必要があります。
そのためにも、G7広島サミットで核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書として取りまとめた核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンに基づいて、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させる形で、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を継続、強化してまいります。
気候変動対策についてお尋ねがありました。
世界の排出量の約半分を占めるアジアの脱炭素化に向けた支援は重要です。二国間クレジット制度、JCMを通じ、我が国としてアジア地域の脱炭素及び持続可能な開発に貢献していくに当たって、実施体制を強化し、パートナー国拡大に取り組むとともに、日本企業への資金及び技術面での支援を拡充することとしています。
また、若者の意見については、二〇二一年の地球温暖化対策計画の策定に当たって若い世代からもヒアリングを行いました。次回以降の取組プロセスにおいても、積極的にそういった若者の声を聞いてまいります。
食料安全保障の確立と環境配慮型農業への転換についてお尋ねがありました。
今国会に、食料・農業・農村基本法の改正案と併せ、不測の事態に備えた対策や生産性向上のためのスマート農業の振興などを進めるための関連法案を提出することとしており、食料安全保障の確立に向けて関連施策を総動員して取り組んでまいります。
また、新たな基本法の下、環境に配慮した持続可能な農業への転換を図ってまいります。来年度予算では、有機農業の促進や化学肥料の使用低減に資する栽培体系への転換など、所要の予算を計上しているところであり、現場の取組を強力に後押ししてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕