本会議

2024-02-02 参議院 全33発言

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会議録情報#0
令和六年二月二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第四号
  令和六年二月二日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員辞任
  の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選
  挙
     ─────・─────
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尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男君。
   〔山口那津男君登壇、拍手〕
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山口那津男#2
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 私は、公明党を代表して、岸田総理の施政方針演説等に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 元日の夕刻、最大震度七を記録する大地震が石川県能登地方を襲いました。死者数は二百四十名となり、今もなお一万四千人以上の方々が不自由な避難生活を余儀なくされています。
 震災でお亡くなりになられた方々と御遺族に対し心から哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
 厳しい寒さの中、懸命に奮闘されている被災者の皆様に寄り添い、明日への希望をつなぐためにも、まずは、震災対応に政府一丸となって取り組まなければなりません。
 その上で、昨年発覚した自民党の政治資金問題によって失墜した政治への信頼をどう取り戻すことができるのか、今国会における最も重要な課題です。
 内外の重要課題が山積する中、国政の停滞は一刻の猶予も許されませんが、一方で、国民の信頼なくして政治を大きく前に進めることはできません。
 政治家自身が襟を正し、政治と金の問題を根絶する政治改革の断行をもって、国民の信頼回復を図りつつ、重要課題の解決に向けた力強い政策を前に進めるべきです。
 公明党は、被災地の復旧復興を始め、昨年来の課題である物価高を乗り越える賃上げや抜本的な少子化対策、国際社会の平和と安定に向けた取組など、国民生活の向上と安心につながる政策実現に全力を挙げてまいります。
 以下、具体的な質問に移ります。
 能登半島地震の発災から一か月がたちました。
 私は、先月二十一日、甚大な被害を受けた輪島市、穴水町、内灘町の調査に入りました。土砂崩れや家屋の倒壊などで道路は寸断され、長引く断水で不自由な生活が続く中、避難所や復旧の支援に当たる現場では、多くの方々が水道はいつ復旧するのか、いつ安心して住める家を確保して元の生活に戻れるかといった先が見えない不安を抱えていると痛感しました。
 総理、今大切なことは、被災者お一人お一人が生活の再建、なりわいの再建をイメージできるよう具体的な道筋を示し、不安を抱える被災者に希望を届けることです。
 地域の産業も壊滅的な被害を受けており、事業再建やなりわい支援、観光資源の再生に向け、中小企業の施設等の復旧支援や、事業再開、継続への金融支援、旅行需要喚起策を含めた観光の復興にスピード感を持って取り組むとともに、雇用の維持への支援にも万全を尽くしていただきたい。
 その観点を踏まえ、政府は先週、公明党の提言を盛り込んだ生活となりわい支援のためのパッケージを発表しましたが、現地のニーズは様々であり、また状況も刻々と変化しており、対策が現場とマッチしているか、自治体と緊密に連携しながら継続的にフォローアップしていくことが必要です。
 そして、今回の地震災害が、半島という地理的状況に加え、険しく入り組んだ地形での陸路の寸断など被害の特殊性に鑑み、東日本大震災や熊本地震のときと必ずしも同じ対応だけではなく、被災地の状況を踏まえた柔軟な支援が必要です。今後も、復旧復興の状況に応じて、被災者、被災地に寄り添った対策を累次に講じていただきたい。総理の答弁を求めます。
 石川県は、三月末までに仮設住宅や公営住宅など約一万八千戸を提供するとし、その一部が形を見せ始めました。希望される方が入居できるように、必要戸数の確保とともに、入居者のニーズとミスマッチがないように配慮しつつ、早急な建設を求めます。
 仮設住宅の建設に当たっては、過去の大規模災害の知見も踏まえ、入居者のニーズを取り入れた仕様が求められます。
 入居希望者には高齢者が多く、二年間での自立が難しいため、被災自治体の御要望を踏まえ、長期にわたって居住できる仕様にするとともに、コミュニティーを大切にする人々の気持ちに配慮した形態で進めることが重要です。
 また、降雪寒冷地仕様は当然のこと、高齢者、障害者等に配慮したバリアフリー型にすることも大切です。
 加えて、孤独死対策としての見守り体制の強化や集会所の建設等も検討が必要です。
 さらに、仮設を出た後の生活再建を焦点に、ワンストップ相談窓口の開設や、今後の生活、住まいの検討に役立つ再建プランのしおりの作成など、被災者に寄り添った再建支援が大切です。総理の御見解を伺います。
 能登半島地震は、被害の甚大さから本格的復旧復興に時間が掛かることが予想されます。国を挙げて万全な支援を講じていかなければなりません。
 現在、政府職員や全国の自治体職員、そして医療・保健分野を始めとした多くの専門家や民間の皆様が被災地に派遣されています。心より感謝を申し上げ、敬意を表します。
 輪島市を訪れた際、福祉事業者とボランティア団体が共同で福祉避難所を運営しており、被災者に寄り添った支援がなされていました。また、別の避難所ではDMATや介護職員の皆様が活動されている様子を拝見し、避難者方の安心感が伝わってきました。
 このような支援をする側の皆様は、寝泊まりする場所がないなど、心身共に負担が大きく、休息の時間、場所の確保や健康管理などの配慮が必要です。そのためにも、避難所運営体制を強化するとともに、応援職員の体制強化や支援拠点の確保など、支援に携わる全ての方への継続的な支援のためのサポートが極めて重要です。
 また、今後の被災地の復旧やきめ細かな被災者支援のためには、災害ボランティアや民間支援団体の力と知見は欠かせません。石川県の受入れが始まったところですが、被災自治体の円滑かつ十分な受入れ体制を支援するとともに、被災地への安全で十分な移動体制も構築すべきです。総理の答弁を求めます。
 羽田空港における航空機事故について伺います。
 今回の事故は、海上保安庁の航空機が被災地に物資を届ける最中に起きた痛ましい事故でした。お亡くなりになった職員の御冥福を心よりお祈りするとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
 こうした事故を防ぐためにも、まずは徹底的に事故の原因を究明し、再発防止策を確立していただきたい。また、今からでもできる対策は順次進めていくべきです。
 その上で、万が一、人的ミスが起きても事故につながらない仕組みの構築が重要です。そのために、航空機や航空管制へのデジタル技術の活用など新しいテクノロジーの導入が不可欠であり、技術開発に向けて民間や国際社会と連携しながら、支援が必要です。
 また、航空分野に限らず、あらゆる運輸事業者に対し自主的な輸送の安全性の向上を進める運輸安全マネジメント制度がありますが、今回の事故を教訓として、事業者の安全管理体制の評価や啓発の強化に一層取り組むべきです。その不断の取組が公共交通の安全、安心の確保とともに、防災・減災にも資すると考えます。国土交通大臣の答弁を求めます。
 政治資金の問題について伺います。
 現職国会議員が逮捕されるなど、今般の自民党の派閥による政治資金パーティーをめぐる問題は、国民の生活感覚から大きく懸け離れており、断じて許されるものではありません。
 国民の信頼を取り戻すためには、自民党内の派閥の在り方だけではなく、二度とこうした問題が起きないよう、政治資金規正法を改正して再発防止を徹底することが圧倒的な国民の声に応える道ではないでしょうか。総理のリーダーシップの下、今こそ自民党が自浄能力を発揮して、政治改革を主導すべきです。
 実効性ある法改正の実現に向け、衆議院で過半数を持つ自民党がどのような改革案を示すのか、国民は注目しています。総理が施政方針演説で私自身が先頭に立って実行すると述べたとおり、改めて、自民党の総裁である総理の断固たる決意をこの場で国民に示していただきたい。総理の答弁を求めます。
 持続的な賃上げについて伺います。
 デフレ脱却へ、物価高を上回る賃上げ、所得向上の流れをつくり、物価高を乗り越えられる家計を実現していくことが肝要です。
 その鍵は、更なるベースアップの実現であるとともに、地域経済を担い、雇用の七割を支えている中堅・中小企業が持続的な賃上げを行えるかどうかに懸かっています。そこで、公明党は、昨年十月に中小企業等の賃上げ応援トータルプランを提言し、既に多くの項目が前進しています。
 例えば、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の作成、最低賃金の引上げ支援や、省力化や生産性向上に効果がある製品を申請や手続なしにカタログから選ぶようにして導入するための補助金、さらには、赤字企業でも賃上げ促進税制を活用できるよう繰越控除制度を創設する方針も決定しました。
 こうした賃上げ支援策のメニューは出そろいましたが、最も大事なことは現場で活用していただくことです。そのために、我が党が主張し実現が決まった地方版政労使会議を有効に活用し、支援策の普及、活用を後押ししていただきたい。また、こうした支援策の相談から活用まで的確なアドバイスができる人材の育成を社会保険や税制の専門家の協力も得ながら進めていただきたい。国として現場で活用されるまで徹底的に寄り添った支援が必要です。
 力強い賃上げの流れを中小企業や地方にどう波及させていくのか、総理の答弁を求めます。
 医療・福祉従事者の処遇改善も重要です。
 公定価格で運営する医療や福祉分野では、物価高の影響を価格に転嫁できず、賃上げを求める切実な声が数多く公明党に寄せられました。私も、リハビリテーションを担う専門職の方から直接処遇改善に関する要望を受けました。
 こうした現場の声を踏まえ、さきの臨時国会における質疑や岸田総理への提言を通じて、医療・福祉分野の賃上げを確実に実施するよう強く要請しました。
 その結果、二〇二四年度の予算編成で焦点となっていた診療、介護、障害福祉サービスの報酬改定において、医療・福祉現場で働く人の賃上げを促すための措置が盛り込まれました。これを契機に、現場で働く皆様が物価に負けない賃上げを実感できるよう、取組を加速していただきたい。あわせて、今回の改定による処遇改善の効果や今後の物価、賃金上昇の状況を見極めながら、更なる対応も検討すべきです。医療・福祉従事者の賃上げ、処遇改善について、総理の御見解を伺います。
 年収の壁解消策について伺います。
 総理肝煎りで昨年十月に始まった支援強化パッケージですが、残念ながら導入をちゅうちょする事業所が多く見られます。
 その理由として、手当、助成金対象外の従業員に生まれる強い不公平感を挙げる事業所が多くあります。また、各コースの条件が細かく規定され過ぎており、社内制度の設計をどうすべきか人事部が苦慮している企業もあります。今回の措置は二年間限定なので、その後また元に戻るのであれば今導入する必要はないと判断した事業所もあります。
 民間の調査結果によると、扶養枠を意識して収入上限を設定する人の約三割が支援強化パッケージの利用を考えていますが、現状では、上記のような理由から、利用がなかなか進んでいません。
 制度の周知徹底や改善とともに、二年間の期間が過ぎても年収の壁を気にせず働けるよう、その後の見通しを示すなど、こうしたことを通じて利用を促進していくべきです。年収の壁の解消に向けた取組について、総理の答弁を求めます。
 子ども・子育て支援について伺います。
 政府は、昨年、こども未来戦略を決定し、今年からの三年間で実施する約三・六兆円規模の加速化プランとともに、財源確保の基本骨格を示しました。
 加速化プランには、児童手当の大幅拡充を始め若者世代の所得向上、こども誰でも通園制度の創設、育児休業制度の大幅拡充など、新たな取組が豊富に盛り込まれました。一昨年の十一月に公明党が提案した子育て応援トータルプランがベースとなっており、高く評価します。
 加えて、公明党が一貫して取り組んできた様々な困難を抱える子供や家庭への支援策もしっかり盛り込まれています。例えば、今年から、障害児の日常生活に欠かせない義肢や補聴器、車椅子など補装具費の支給制度の所得制限を撤廃することとなりました。一人親家庭への支援に欠かせない児童扶養手当も拡充します。
 大事なことは、未来に希望が持てるよう子育ての安心を届けることです。
 若者や子育て世帯に対し、取組の具体的内容や実施時期などについて、当事者の目線に立った分かりやすい説明をお願いしたい。総理の答弁を求めます。
 子ども・子育て政策の抜本強化に向けては、加速化プランの着実な実施に加え、高等教育の更なる負担軽減が必要と考えます。
 公明党は、経済的な理由で学びを諦めることがない社会を築くため、経済的負担が大きい家庭から段階的に大学等の高等教育の無償化を推進しています。
 第一弾として、令和六年度から給付型奨学金と授業料等の減免を多子世帯と理工農系の中間層への拡大、そして第二弾として、令和七年度から多子世帯の授業料等が無償化されることになりました。そして、二〇三〇年代の大学等の無償化を目指し、この開かれた無償化の道を決して後退させることなく、着実に進める決意です。
 高等教育の無償化について更なる対象拡大を強く求めるとともに、総理の御決意を伺います。
 昨年決定したこども未来戦略には、公教育の再生が盛り込まれました。公明党は、教育は子供の幸せのためであるとの理念の下、子供の可能性を開くことに焦点を当てた公教育の再生に取り組むべきと考えます。
 例えば、午前中は現行の集団学習形式の授業で友達と協力して学ぶことの良さを経験しながら社会性を身に付け、午後は個別学習形式で探求学習や文化芸術やスポーツ活動、企業実習、自然体験などの個々のニーズに合った学びで自分の強みや得意を伸ばします。
 学んだことが人や社会に役立つ喜びを体験し、探求心を深めながら、一人一人の可能性を開く公教育により、予測不可能な未来においても、学びを礎に自分の強みを持って他者と協働しながら、課題解決や新たな価値を生み出す大人に成長することを目指します。
 まずは、大人や社会が総出で子供の教育に関わり、多様なニーズ、子供のニーズに応えるチーム学校を確立し、多様で専門性が高い教職員の活躍を促進することが必要です。
 一人一人の幸せと持続可能な社会の構築に向けて、極めて重要な牽引力である公教育の再生について、総理のお考えを伺います。
 ヤングケアラー支援について伺います。
 現在、政府では、ヤングケアラーについて、早期発見・把握、支援策の推進、社会的認知度の向上の三つの柱を軸に様々な取組を進めています。一方、かねてより指摘されていた実態の把握や支援の取組についての自治体格差を解消することや、十八歳以降の切れ目のない支援などが求められます。
 そのため、ヤングケアラーを国や自治体等による子供、若者支援の対象として法律に位置付けるとともに、来年度から施行予定のこども家庭センターの全国展開によるきめ細かな支援を効果的に実施することで、地域での支援体制を抜本的に強化すべきです。総理の答弁を求めます。
 女性の活躍について伺います。
 公明党女性委員会が二〇〇八年に提言し、粘り強く取り組んできた女性の健康ナショナルセンターが本年四月に開設されます。女性の生涯にわたる健康は女性活躍の基盤であり、女性の健康、疾病に関する研究の司令塔である同センターがその機能を遺憾なく発揮することを期待します。
 また、昨年七月からは、従業員三百一人以上の企業において男女の賃金差の公表が義務付けられました。日本における男女の賃金差は二一・三%であり、OECD平均の一二・一%と比べると約二倍の開きがあります。男女の賃金差を是正するために、こうした情報公開をきっかけとして各企業による取組を推進することが重要です。同一労働同一賃金の徹底や、非正規雇用から正社員への転換、リスキリングなどの能力開発を推進するとともに、従業員三百人以下の企業についても男女間賃金格差に関する情報公開の義務化を検討すべきと考えます。
 また、公務員についても、昨年から男女の賃金差の公表がスタートしました。民間企業でも活用されている女性の活躍推進企業データベースを参考に、情報を集約して比較、検索できるウェブサイトを整備するなど、更なる見える化と賃金差の是正に取り組むべきです。女性の活躍に向けた施策について、総理の答弁を求めます。
 ロシアによる核兵器の威嚇や北朝鮮の核開発など、核兵器をめぐる安全保障環境は厳しさを増しています。総理も言及されたとおり、人間の尊厳を中心に据えた外交、国際協力が大事であり、唯一の戦争被爆国である日本がその取組を主導していくべきと考えます。
 その中で、核のない世界に向けた国際賢人会議の取組は重要です。昨年、長崎で開催された第三回会合では、二〇二六年NPT運用検討会議に向けた最終成果物の検討が開始されたと伺っており、核のない世界のビジョンとそこに至る現実的な道のりの議論がなされることを期待します。
 あわせて、政府には、核兵器の非人道性を伝える取組を加速させるとともに、新たに始まったユース非核リーダー基金の研修がこれから二〇三〇年まで着実に遂行され、被爆の実相を世界に伝えていく役割を担う多様な人材が輩出されることを強く期待します。
 先月、国際NGO、ICAN、いわゆる核兵器廃絶国際キャンペーンのメリッサ・パーク新事務局長と会談をしました。その中でパーク氏は、核兵器の被害者援助や環境修復における日本の貢献を始め、核保有国と非保有国の橋渡し役としての日本の役割に期待していました。
 公明党は、引き続き日本のオブザーバー参加を求めるとともに、議員派遣を続け、市民社会の皆様と力を合わせ、我が国が一刻も早く核禁止条約を締結できるよう、環境整備に全力を尽くしてまいります。
 核保有国と非保有国の橋渡し役として、今後、一層具体的な取組が必要です。核廃絶に向けた総理の決意を伺います。
 昨年十二月、日本で開催されたアジア・ゼロエミッション共同体首脳会合、AZECで、参加国がアジアの脱炭素化により世界の持続的な発展に貢献することを確認しました。まさに世界の排出量の約半分を占めるアジアの脱炭素化が焦点であり、日本のリードが重要です。
 本年一月、ベトナムで初めて日本企業による廃棄物発電施設が完成しました。我が国の高い技術による温室効果ガスの排出削減のみならず、現地での雇用創出や経済発展等の効果が期待されます。
 政府は、こうした二国間クレジット制度、JCMの拡大へ、関係国と協議の加速や日本企業が参加しやすい支援の充実に取り組むことが必要です。
 先日、公明党は、若者代表の皆様から政策提言をいただきましたが、若者の環境意識は非常に高く、その声をしっかりと政治に反映させていくことが重要だと痛感しました。地球は先祖から譲り受けたものではなく子孫から借りているものだとの格言にあるように、未来の世代の立場に立って地球環境を保全していくことが私たちの責任です。その意味において、政府の気候変動対策の政策決定プロセスにおいて、未来の代表たる若者の意見を積極的に取り入れるべきです。総理の御見解を伺います。
 気候変動やウクライナ情勢等の影響により世界の食料供給、農業生産が不安定化する中、我が国としても、食の安定供給体制の強靱化が急務です。
 公明党は、政府に対し、国民一人一人の食料安全保障の確立や環境に配慮した食料、農業生産の拡大など提案し、政府においては、四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法の改正等を行うこととしています。まずは、有事を含む新たな法整備を進めるなど、あらゆる施策を総動員して食料安全保障を確立すべきです。
 その上で、環境配慮型農業への転換が極めて重要です。徳島県の小松島市と阿南市では、生産者や行政等が連携し、有機農業の拡大や特別栽培米のブランド化を進めています。このような取組が農産物の付加価値を高めることになり、適正な価格形成や生産者の所得拡大、輸出額の増加、世界に誇れる農業への転換につながるものと期待します。
 そこで、来年度予算案を基に、有機農業拡大への支援を着実に実施するとともに、今後こうした施策の拡充に取り組み、環境や健康に優しい農業を我が国の主流とすべきです。食料安全保障の確立と環境配慮型農業への転換について、総理の答弁を求めます。
 結びに一言申し上げます。
 本年、結党六十年を迎える公明党は、大衆とともにという立党精神を胸に、国会議員と地方議員が連携して、生活現場の声を政治に届け、大衆福祉や清潔な政治の実現に全力で取り組んできました。
 これからも厳しい現実の中で生き抜く大衆とともに歩み、結党以来培ってきたこの議員のネットワーク力と現場発の政策実現力をより一層強化し、大衆の思いに応える政治の実現に全力を挙げることを改めてお誓いし、私の代表質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#3
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員の御質問にお答えいたします。
 被災地の復旧復興に向けた支援についてお尋ねがありました。
 今般の震災では、厳しい状況が幾重にも重なり、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられています。
 政府としては、一日も早い復旧復興を進めていくため、先週には被災者の生活となりわいの支援のためのパッケージを決定し、政府を挙げて実行しています。その上で、息の長い取組となることを踏まえ、能登半島地震復旧・復興支援本部を新たに設置し、できることは全てやるとの考えの下、被災自治体と緊密に連携し、そのニーズを受け止めながら、復旧復興の段階に合わせて数次にわたって機動的、弾力的に必要な対策と財政措置を講じ、被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組んでまいります。
 仮設住宅の建設についてお尋ねがありました。
 被災された方々の住まいの確保のため、仮設住宅を速やかに建設していくことが重要です。コミュニティーに配慮した集会所の設置、窓の複層ガラス化など積雪寒冷地向けの仕様、手すりやスロープの設置などのバリアフリー化を進めるとともに、能登半島の実情も踏まえ、仮設住宅としての利用後の活用も見据えて木造仮設住宅の建設等も進めてまいります。
 また、相談窓口の開設のほか、仮設住宅を出た後の生活再建に向け支援制度の周知を図るなど、被災者に寄り添った継続的な支援に取り組んでまいります。
 継続的な支援体制の強化についてお尋ねがありました。
 被災地では、DMAT、DHEATなど、避難所の健康管理の専門家を派遣するとともに、応援職員の体制強化、ボランティアとの連携に取り組んでいるところです。
 石川県が応援職員やインフラ事業者等の宿泊場所を確保した場合には、経費の八割について特別交付税によって措置することとしたところであり、県と連携して支援拠点の確保に努めているところです。
 さらに、被災地への円滑な交通の確保のため、道路の早期の復旧に努めるとともに、ボランティア車両の高速道路の無料化など移動体制の確保にも取り組んでいるところであり、今後とも被災地、被災者のニーズを踏まえた取組を進めてまいります。
 政治資金規正法の改正と政治改革の決意についてお尋ねがありました。
 政治資金規正法改正などの制度面については、自民党の政治刷新本部の中間とりまとめにも明記しているとおり、政治資金の透明化、公開性の向上、より厳格な責任体制の確立、厳格化などについて、各党との真摯な協議を行っていく方針です。
 御指摘の政治資金規正法等につきましても、今国会でしっかりと議論ができるよう、党として考え方を取りまとめてまいります。私が先頭に立って国民の信頼回復に向けて取り組んでまいります。
 賃上げの波及についてお尋ねがありました。
 賃上げは岸田政権の最重要課題であり、我が国全体で賃金を引き上げていくためには、我が国の雇用の七割を占める中小企業の賃上げが不可欠です。
 このため、賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁の指針の徹底、省力化投資の支援、よろず支援拠点によるサポート等を実施してまいります。その際、御指摘のように、地方版政労使会議を有効に活用することが重要であると考えており、積極的に開催し、賃上げ支援策を周知してまいります。
 このほか、各都道府県の働き方改革推進支援センターにおいて、中小企業等に対して社会保険労務士などの専門家による相談支援を行っているところであり、こうした支援策の相談に応じる人材の育成も進めながら、あらゆる施策を総動員して賃上げを後押ししてまいります。
 医療・福祉従事者の賃上げ、そして処遇改善についてお尋ねがありました。
 令和六年度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の同時改定については、医療、介護、障害福祉の現場で物価高に負けない賃上げを実現するため、昨年末、加算措置を含めて必要な水準の報酬の改定率を決定したところです。
 加算措置部分の報告を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備することなどにより、実効性を高め、確実に賃上げを実現してまいりますが、なお、今後の物価の動向等を見極めていく必要があるという御指摘については、そのとおりであると考えます。
 また、年収の壁対策についてお尋ねがありました。
 若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から当面の対応策として取りまとめた年収の壁・支援強化パッケージについては、パート、アルバイトの方々や事業主の皆様にその支援策を広く知っていただき、実際に御活用いただくことが重要であり、引き続き本パッケージを周知徹底し、その活用拡大に取り組んでまいります。
 その上で、壁を意識していた労働者が希望どおり働くことができるよう、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組むこととし、次期年金制度改正に向けて議論を行っており、今後も関係者の意見を伺いながら丁寧に議論を行ってまいります。
 こども・子育て支援の加速化プランの当事者目線に立った情報発信についてお尋ねがありました。
 加速化プランは、今後三年間に集中的に取り組むものです。取組の具体的な内容や実施時期については、例えば、出産育児一時金の引上げなどは既に実施中のものです。児童手当の抜本的拡充などは来年度から実施が予定されています。こども誰でも通園制度のように、再来年度以降の制度化を目指しているものもあります。今国会に必要な法案を提出し、スピード感を持って取組を進めてまいります。
 また、社会全体で子ども・子育て世帯を応援する機運を高めるべく広報活動を強化しているところであり、その中で取組の具体的な内容や実施時期などについても丁寧に説明をしてまいります。
 高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
 子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況は三人以上を理想とする夫婦で特に顕著であることから、この現状を打破していく必要があります。
 令和六年度から給付型奨学金等の多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行い、さらに、令和七年度からは、子供三人以上を扶養している場合、一定の額まで大学等の授業料、入学料を無償といたします。
 これらこども未来戦略の加速化プランに基づく施策を着実に進めた上で、その実施状況や効果等を検証しつつ、高等教育費の負担軽減を中心に、ライフステージを通じた経済的支援の更なる強化や、若い世代の所得向上に向けた取組について適切に見直しを行ってまいります。
 公教育の再生についてお尋ねがありました。
 子供たちの実態が多様化する中、これからの学校教育では、子供の学習状況や興味、関心等を適切に把握し、一人一人の可能性を最大限伸ばす学びを実現していくことが重要です。
 このため、政府としては、教職員や多様な支援スタッフ等が協働してきめ細かく教育に関わるチーム学校の考えの下、不登校・いじめ対策や教師を取り巻く環境の整備、GIGAスクール構想の更なる推進など、公教育の再生に向けた取組を着実に進めてまいります。
 ヤングケアラー支援についてお尋ねがありました。
 ヤングケアラーについては、今国会に子ども・若者育成支援推進法を改正するための法案を提出し、国及び地方公共団体等が支援に努めるべき対象に明記することで、自治体間の取組格差の是正や十八歳前後での切れ目のない支援につなげてまいります。その際、本年四月から全国展開を進めることとしている市町村のこども家庭センターが学校等と連携してヤングケアラーを把握し必要な支援につなげる重要な役割を担うことにより、地域の支援体制をしっかり強化してまいります。
 男女の賃金差の是正についてお尋ねがありました。
 男女の賃金差を是正するため、同一労働同一賃金の遵守徹底やリスキリング等の能力開発の環境整備により女性活躍の取組を強化してまいります。
 また、岸田政権では、令和四年に従業員三百一人以上の民間企業を対象に男女間賃金差異の情報公表を義務化したところであり、その施行状況を踏まえて公表義務の対象拡大を検討してまいります。さらに、公務員についても、国や地方の各機関の公表内容が一覧性、そして検索性を持って閲覧できるサイトを整備し、各機関の取組を支援してまいります。
 核廃絶に向けた決意についてお尋ねがありました。
 ロシアの核兵器による威嚇や北朝鮮の核・ミサイル開発等により、核軍縮をめぐる情勢は一層厳しさを増しています。しかし、だからこそ、核軍縮に向け機運を反転させ、現実的かつ実践的な取組を一歩一歩着実に進めていく必要があります。
 そのためにも、G7広島サミットで核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書として取りまとめた核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンに基づいて、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させる形で、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を継続、強化してまいります。
 気候変動対策についてお尋ねがありました。
 世界の排出量の約半分を占めるアジアの脱炭素化に向けた支援は重要です。二国間クレジット制度、JCMを通じ、我が国としてアジア地域の脱炭素及び持続可能な開発に貢献していくに当たって、実施体制を強化し、パートナー国拡大に取り組むとともに、日本企業への資金及び技術面での支援を拡充することとしています。
 また、若者の意見については、二〇二一年の地球温暖化対策計画の策定に当たって若い世代からもヒアリングを行いました。次回以降の取組プロセスにおいても、積極的にそういった若者の声を聞いてまいります。
 食料安全保障の確立と環境配慮型農業への転換についてお尋ねがありました。
 今国会に、食料・農業・農村基本法の改正案と併せ、不測の事態に備えた対策や生産性向上のためのスマート農業の振興などを進めるための関連法案を提出することとしており、食料安全保障の確立に向けて関連施策を総動員して取り組んでまいります。
 また、新たな基本法の下、環境に配慮した持続可能な農業への転換を図ってまいります。来年度予算では、有機農業の促進や化学肥料の使用低減に資する栽培体系への転換など、所要の予算を計上しているところであり、現場の取組を強力に後押ししてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
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斉藤鉄夫#4
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 山口那津男議員から羽田空港における航空機事故についてお尋ねがありました。
 改めて、事故で亡くなられた海上保安庁職員五名とその御家族に対し、心からお悔やみを申し上げます。また、今回の事故に遭遇された方とその御家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 今回のような痛ましい事故が二度と発生しないよう、運輸安全委員会の事故調査報告を待たず、一月九日には直ちに取り組むことができる安全、安心対策を緊急対策として取りまとめました。既に羽田空港においては全ての緊急対策を実施済みであり、その他の空港においてもほぼ全ての緊急対策を実施しております。
 加えて、一月十九日には検討委員会における議論を開始し、本年夏の中間取りまとめを目指して、外部有識者の御知見や海外の取組事例を踏まえ、万が一、人的ミスが起きても事故につながらない仕組みの構築に向けたデジタル技術の一層の活用など、更なる安全、安心対策の検討を精力的に進めてまいります。
 また、議員御指摘のとおり、今回の事故を踏まえ、航空分野だけでなく、あらゆる交通モードにおいて運輸事業者の構築する安全管理体制を一層強化していくことが重要です。
 このため、国土交通省としては、事業者が実施する安全に関する取組の評価や取組の見直し改善を支援するなど、運輸安全マネジメント制度をより積極的に活用し、事業者の安全管理体制を一層強化するとともに、安全意識の構築、定着を図ってまいります。拍手
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尾辻秀久#5
○議長(尾辻秀久君) 浅田均君。
   〔浅田均君登壇、拍手〕
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浅田均#6
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、総理に質問いたします。
 初めに、能登半島地震で犠牲になられた方々と御遺族に謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 被災地で救助、復旧に尽力されている自衛隊、警察、消防、自治体など、関係の皆様に深く敬意を表し、感謝申し上げます。
 羽田空港で被災地へ飛び立つ直前に衝突事故で命を落とされた海上保安庁職員の御冥福をお祈りいたします。
 あわせて、在日米軍による物資輸送等の支援をしていただいたアメリカや、市民から寄附金を募っていただいている台湾を始め、世界各国、地域政府、関係機関の御厚意に深く感謝申し上げます。
 さて、今回の震災において、被災者が将来に向けて希望を持てる復興策と生活再建支援策が待たれていますが、そもそも補正予算を組まなかったのはなぜでしょうか。総理、理由をお答えください。
 現在、国の被災者生活再建支援金制度による支援額は、改正された二十年前に比べ建築資材などの高騰により不十分であり、生活再建の呼び水として拡充は不可欠です。我が会派は、一月二十六日に、立憲民主党、国民民主党とともに被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を衆議院に提出いたしましたが、総理は賛同していただけますか。
 また、能登地域の交通環境を考慮すれば、自動車は生活必需品と言えます。地震や津波でなくした自動車の再取得のための支援も必要だと思いますが、併せて総理の見解を伺います。
 災害対応においても、デジタル技術の導入など、デジタルトランスフォーメーション、DX化が求められています。
 マイナ保険証の普及促進は被災者支援のための重要課題です。
 特に災害時においては、処方箋がなくても必要な薬を受け取れることを始め、被災地における疾患の症状や必要な薬などの情報が迅速に把握でき、医療支援がスムーズに行えることが期待できます。防災DXとも呼ぶべき災害対応デジタル化の核になり得るマイナ保険証の普及をどのように進めていくのか、具体的にお示しください。
 文科省所管の防災科研が昨年七月に二〇二三年基準の地震動予測地図を公表しました。この地図によると、千葉県から紀伊半島、四国にかけての太平洋岸が二六%以上一〇〇%以下の紫色に塗られているのに対し、能登半島は黄色に薄い黄色が点在しているように見えます。薄い黄色は確率論的地震動予測はゼロから〇・一%、黄色は〇・一から三%です。耐震化率が低かった等報道されていますが、こういう地図を見せられたら耐震補強のインセンティブは下がると思われます。
 総理はこのような地震動予測地図はこれからも必要であるとお考えですか。今後は、災害に対する人、物、金は、予測から即応体制の確立強化にシフトさせるべきと考えますが、見解をお聞かせください。
 次に、地方制度改革について質問します。
 能登半島地震の発災当日深夜、大阪市消防局を始め多くの消防が石川県に派遣され、人命救出に大きな役割を果たしました。その迅速な活動に敬意を表したいと思います。
 しかし、消防局では体制や規模に限界があることは事実です。今後、西日本の大規模災害に対する危機対応を強化するために、東京消防庁と並びの規模や装備を持つ大阪消防庁を設置し、双方で日本全国をカバーする危機対応体制を考えていますが、総理の見解をお示しください。
 また、能登半島地震では、水道、電気、通信、道路などのライフラインの遮断を防ぐことはできませんでした。首都直下型地震への備えを一層加速すべきです。
 総理は首都のバックアップ機能をどのように考えていますか。関西圏に副首都を構築し、政府機能の維持を図るべきではないですか。
 副首都の構築にとどまらず、東京と大阪の二極型国家を経由して多極分散型の国家を実現し、リスク分散と同時に地域の課題に地域が自主的かつ創造的に関与できるようにすることは、災害対応を始め広域行政課題への取組のみならず、日本経済を牽引するエンジンを増やすことにつながります。
 総理を本部長とする道州制特別区域推進本部は長く実質休眠状態ですが、地域主権型道州制を実現することの必要性についてどうお考えですか。認識をお聞かせください。
 一方で、国家の自立という理念の実現には、基礎自治体レベルで自立できる地方制度を確立することが欠かせません。十年、二十年先の地方の人口減少を見据えると、地方の統治機構改革も先延ばしできない課題です。
 そもそも市町村は、人口三百七十万人の政令指定都市である神奈川県横浜市から人口百六十人を下回る東京都青ケ島村まで、多様な人口、環境を持ち、事務負担や財政上の能力も全く異なりながら、二元代表制と同一の地方財政制度の上で、地方自治法に規定された枠内で事務を実施しています。
 翻って、海外に目を向ければ、建国当初からの自治の伝統を持つ米国では、自治体の執政制度に複数の型があり、合併や新設も行われています。警察と消防以外の行政サービスを民間に全て委託した例すらあります。
 人口減少が続く日本においても、多様な自治制度を整備すべきではないですか。同時に、基礎自治体の住民サービスを持続可能なものにするためには市町村合併は不可避と考えますが、併せてお考えを伺います。
 次に、自民党の裏金について質問いたします。
 自民党の政治と金の問題をめぐっては、派閥の政治資金パーティーのパーティー券をノルマ以上に販売した議員が派閥からキックバックを受け取り、それを政策活動費とかたって裏金化した例が相次いで発覚しました。
 現行の税法上、政治資金パーティーの収益は政治資金として非課税であり、これ自体が議員特権となっています。このまま非課税扱いとすることは納得できないという声が多いですが、どのように受け止めておられますか。
 幾ら政治資金パーティーの収益が非課税とはいえ、政治資金収支報告書に記載していないのであれば政治資金ではなく、その収入は雑収入であり、民間であれば無申告による脱税にほかならないと考えますが、どう認識されていますか。併せて自民党総裁として答弁を求めます。
 次に、成長戦略について質問いたします。
 私たちが目指す方向は、小さな行政機構と大きな民間経済です。そのために、民営化と規制改革を徹底し、成長の果実が分配され、循環する経済の確立が必要です。
 昨年十二月十三日に発表された資産運用立国実現プランでは、資産運用業の改革に資する施策として金融・資産運用特区を創設するとしています。
 しかしながら、国際金融都市の競争相手となる欧米各国と比べ、我が国には課題が山積しています。その一つが競争の不足です。
 米欧各国では、国内で多数の金融市場がしのぎを削り、世界の投資家のニーズに沿えるよう多様な金融商品を提供しています。これに対し、日本の市場は事実上、日本取引所グループの寡占状態です。競争原理が働かない環境下では世界と伍していくことはできません。
 取引所に対して過度に規制する状況を速やかに是正して、世界に評価されるよう金融市場を早期に育てていくべきだと考えますが、見解を伺います。
 次に、同一価値労働同一賃金について質問します。
 これまでの終身雇用や年功賃金を特徴とする日本型雇用慣行は、もはや社会の潮流に乗り遅れた遺物でしかありません。一人一人の豊かさの実現のためにも、日本経済の成長発展のためにも、今こそアウトプットベースの評価である同一価値労働同一賃金を掛け声だけでなく実社会で実現し、結果を出した人には立場によらず相応の評価をすることで民間経済の力を引き出す必要があると考えます。総理のお考えをお聞かせください。
 日本経済を持続的に成長させていくために鍵となるのは、イノベーションと人材です。そして、その両方を担うのが大学です。ところが、日本の大学の競争力は低く、これが日本経済全体の停滞を招いてきた重大要因だと考えますが、総理はどのように認識されていますか。
 問題は、まともな経営をしていない大学が生き残れる仕組みになっていることだと考えます。大学が優れた教育や研究を競い合い、切磋琢磨する環境にするためには、どのような改革が必要だとお考えですか。
 総理がライドシェアの解禁を唱えたのを受けて政府の検討がなされましたが、タクシー会社の人材確保を少し容易にする措置のみで、真にライドシェアと呼ぶに値しない結論しか出ておりません。供給と成長の原動力にすべく、タクシー業界以外からも新規参入可能な仕組みの導入と新法制定が必須です。タクシー不足危機が不可避な来年四月開幕の大阪・関西万博をにらめば、助走期間を踏まえて年内に本格解禁への法整備をなすべきだと思料しますが、総理のお考えを伺います。
 次に、農業改革について伺います。
 総理は施政方針演説で、地域の成長へとつなげていくべく農政を抜本的に見直すと述べました。農業を成長産業にするという目標は私どもも共有しておりますが、具体策では大きく懸け離れていると言わざるを得ません。
 第一に、政府は米消費の減少を理由に水田から畑地への転換を進めようとしていますが、これは形を変えた生産調整、減反政策にほかなりません。畑地化政策は中止し、平時において米を原料とする商品の開発と普及、高品質で高く売れる米への品種改良など、米の需要拡大に本腰を入れて取り組むことこそ不測の事態に際しても国民に主食を提供できる食料安保体制であると考えますが、見解をお示しください。
 第二に、農業の効率化、高収益化に向けての農地の集約化です。農地バンクへの貸付けを更に推進することにより、本格的農業経営者への農地の集約を加速させることが必要です。農地バンク登録農地については、農家の負担金なしに全額公費で大区画化等の土地改良事業を実施するとともに、固定資産税の減免など登録推進のインセンティブを付与すべきと思いますが、見解を求めます。
 第三に、企業等の農業への新規参入の促進です。法人農地取得を日本全国で推進するためにどのような政府のイニシアティブを取るのか、明確にお示しください。その際、外国資本や外国人による農地、森林、水源地などの土地取得の制限、農地転用の厳格化、自治体等による買戻し制度など、国民と農家が安心できる仕組みを創設することが必要だと思いますが、見解を伺います。
 第四に、農協改革です。地域農協から金融部門の分離を促し、農協が農業者の所得向上を全力支援できるように、生産者の売る力、販路づくりをサポートする組織に変えていくべきではないですか。また、農家の選択の幅を広げるため、農協の独占禁止、同一地域内での第二農協の設立自由化に踏み出すべきとも考えますが、併せて所見を伺います。
 金融政策について質問します。
 今年から始まった新NISAでは制度の抜本的な拡充が図られ、利用者が増加するものと考えます。一方で、海外株を組み込む投資信託に人気が集まっており、円売りドル買いによる流出規模は二兆円に及ぶとする民間の試算もあります。
 これらの円売りドル買いの動きは輸入物価の高騰を誘発し、消費の減少を通じて景気の減速原因となりかねません。金利ある世界が普通の世界です。そして、金利は成長率を上回る、金利が成長率を下回るのはあり得ないというのがピケティの意見でした。金利と成長率に関する総理のお考えを伺います。
 また、貯蓄から投資の流れを推進することは金融機関の安定性を支える粘着性の預金が減少することにつながりますが、金融システムの安定性への影響をどのようにお考えですか。
 年金改革について質問します。
 今年は公的年金の財政検証を控えています。前回、令和元年の財政検証は、出生率が一・四四とバラ色の前提を基に、年金が健全であると結論付けました。しかし、出生数は毎年三%の減少を続け、令和四年は七十七万人にとどまりました。将来も出生率は一・三六までしか回復しない見通しです。
 金融庁は、夫婦で年金のほかに二千万円の老後資金が必要であると公表しましたが、今年の検証で必要金額は更に膨らむでしょう。
 正確でないデータを前提にした検証はごまかしであり、意味がありません。前回の検証をどのように反省されますか。今年の財政検証では、年金の実情をありのまま、率直に反映すべきではないですか。
 賦課方式は世代間格差が大き過ぎて公平ではなく、積立方式に転換すべきです。いずれ転換する事態になるのであれば直ちに検討を始めるべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
 次に、医療制度改革について質問します。
 医療と介護の改革で問題なのは、医療・介護報酬が公定であるため、経済状況に即した賃金設定にならないことです。
 不適切に低い賃金は従事者のモチベーションにも影響します。笑顔で働くために、市場に合わせた仕組みにすべきです。医療・介護分野において、労働の対価は経済状況に応じて適切に反映させるべきではないですか。
 医療、介護の報酬制度は、わざわざコストを掛けて政府が実現したい方向に誘導することをやめ、市場に合わせた仕組みに改めてしかるべきではないですか。併せて見解を伺います。
 薬事行政にも改革のメスを入れる必要があります。
 新型コロナのワクチン開発で後れを取ったことを踏まえ、日本の医薬品の開発力をいかに評価していますか。また、政府として新薬開発を具体的にどのようにサポートしていくお考えですか。
 令和六年度診療報酬改定で薬価引下げが決まりました。薬価は平成二年以降引下げが続いています。低過ぎる薬価設定では製薬業界にとって日本市場の魅力がなくなり、日本に新薬の薬事申請をしなくなれば、海外で使われている薬が日本で使えるようになるまでの数年の時間が掛かるいわゆるドラッグラグへとつながります。
 日本国民が最新医療を受けるために、日本が製薬業界にとって魅力ある市場であり続ける必要があり、そのために薬価制度を改革すべきと考えますが、見解を求めます。
 次に、司法制度改革について質問します。
 司法制度改革を前に進めなければなりません。
 昭和四十一年に発生したいわゆる袴田事件の再審開始が決定されました。再審請求した袴田巌さんは現在八十七歳ですが、これまで四十年以上を死刑囚として過ごしてきました。冤罪であるならば、これほどむごいことはありません。
 再審の手続を定める刑事訴訟法の第四編は、明治時代に作られた規定をほぼそのまま引き継いだものです。戦前は確定した判決は変えないという法的安定性が真実の発見よりも優先されていましたが、現代においての再審は冤罪被害者の救済のための制度として位置付けられています。
 直ちに明治時代の刑事訴訟法を改正し、戦後の民主主義と人権尊重の時代にふさわしい冤罪救済の再審制度を確立すべきではありませんか。
 再審申請から再審開始まで数十年という異常な年月が掛かっている一番の原因は、検察が即時抗告、特別抗告を繰り返すことにあります。仮に不当な申請であっても、その真相は法廷で明らかにすべきであり、検察が再審を阻む理由にはなりません。
 日本弁護士連合会は検察の不服申立てを禁止すべきだと主張していますが、不服申立てによって再審開始がいたずらに遅延することのないように、再審に関しての検察による抗告を制限すべきだと考えますが、認識を伺います。
 政治家の不正など、巨悪を告発する組織として国民の検察への期待は大きいものがありますが、検察そのものも国家権力である以上、国民による監視、規制が必要です。近年目立つのは、立件前の捜査情報が検察からマスコミ等にリークされていると思われることです。これは、司法の大原則である推定無罪をないがしろにするものです。
 検察からの情報リークは守秘義務に反し、国家公務員法違反の疑いがあります。厳しく監督し、是正すべきではないですか。
 夫婦の離婚後の子の親権について、現行民法では父母のどちらか一方しか認めない単独親権となっており、実の子供に会うことができないとの訴えや、別居親が同居親から子供を無理やり連れ去ってしまう実子誘拐とも呼ばれる悲劇が全国で起きています。離婚後も両親共に我が子に関われるように、民法に共同親権の規定を取り入れてほしいとの要望が多くあります。
 DVや虐待などの場合を除き、離婚後も父母が共に子の養育に責任を負うべきことを民法に明記する改正が必要だと思いますが、見解を求めます。
 次に、NHK改革について伺います。
 報道によると、政府は放送法の改正を検討しているとのことですが、NHKは民放各社と比較して予算が高い水準で推移しており、過大な受信料負担につながっています。組織を合理化し、抜本的な改革を行う必要があります。
 日本維新の会は、令和四年に衆議院に提出した日本放送協会改革推進法案で、NHKは公共部門のみ担い、民間部門は民営化し、国民負担を軽減するよう求めています。我々の主張を取り入れ、真に国民から信頼される公共放送となるようNHKを再建すべきではないですか。所見を伺います。
 最後に、外交、安保関係について質問いたします。
 総理は、政治の安定こそが外交政策とおっしゃっています。政治と金の問題の余波で日本の政治が内向きであり続ければ、中国やロシア、北朝鮮といった周辺の専制主義国家が核をかざして一層傍若無人に振る舞いかねません。
 防衛力の抜本的強化によってそれら諸国への抑止力、対処力を高めるとともに、毅然とした外交姿勢で隙を見せないという覚悟をお示しください。
 昨年十月から始まったイスラエルとハマスの軍事衝突について、日本政府は、発端となったハマスによるテロ攻撃と以前から続くイスラエルの東エルサレム、ヨルダン川西岸での入植活動については、国際法違反としています。
 イスラエルの反撃について、日本政府は自衛権として認めていますが、イスラエルが深刻な人道危機を引き起こしているガザ地区での過剰な軍事攻撃について、国際法違反とは明言しません。明らかにダブルスタンダードであり、アラブ諸国はこの日本の姿勢に不満を募らせていると聞いております。
 総理、無辜の住民の犠牲も問わないイスラエルのガザへの非情な攻撃が自衛権の範囲と言えるのですか。明らかに国際法違反ではないですか。認識をお示しください。
 報道によると、自民党副総裁である麻生元総理が先月、訪問先の米国ワシントンで、台湾有事について、日本の存立危機事態だと日本政府が判断する可能性が極めて大きいと述べ、日本は中国の台湾侵攻時に集団的自衛権を発動する可能性が高いという考えも示されました。
 政府は、中国が主張する一つの中国の原則について十分理解し尊重するという立場を取っていますが、麻生元総理の見解と政府の方向性にそごはないですか。仮定のこととして逃げるのではなく、トップとして真摯にお答えいただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#7
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員の御質問にお答えいたします。
 今般の震災への予算面での対応についてお尋ねがありました。
 今般の震災対応については、必要となる個々の施策の内容や予算額について網羅的に確定させることが今の段階で困難であるということ、そして、三月末までの財政需要には発災時点で残高が四千六百億円を超えていた今年度予備費を活用することにより十分対応が可能であると考えられたこと、また、来年度予算について国会開会までに所要の概算決定の変更を行うことが可能であったこと、これらを踏まえて、予算、補正予算では、予算の編成ではなく、最もスピード感のある財政面での対応として、今年度予備費の活用に加えて来年度予備費を増額することにより、震災対応に万全を期すこととしたものであります。
 そして、被災者生活再建支援法に関する議員立法及び自動車再取得のための支援についてお尋ねがありました。
 議員立法については、まずは国会において御議論いただくべきものであると考えますが、その上で、被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものとしてではなく、見舞金的な性格のものとして被災者を側面的に支援するものと位置付けられています。このため、被災者生活再建支援金については迅速に支給することとしております。
 その上で、被災により住宅の被害を被った被災者への追加的な支援の在り方については、様々な他の支援制度を俯瞰した上で、税制上の対応を含め総合的に必要な施策を検討したところです。
 そして、その結果、今般、生活福祉資金貸付について災害援護費、住宅補修費の特例措置を導入するに当たり、高齢者の割合が著しく高い地域では長期の貸付けという従来の手法がなじみにくいことも勘案し、特に高齢化が著しく進み、半島という地理的制約からコミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設けることといたします。
 その際、半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、成案を得ます。
 また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても、過疎地が多い能登半島からの人口流出を防ぐ観点から、被災地に住み慣れて、住み続けていただくことが重要であり、遜色のない対応が必要です。このため、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、その方策について石川県と調整を進めてまいります。
 なお、新たな交付金制度においては、半壊以上の被災をした対象となる世帯に対し定額で五十万円、被災により自動車を喪失し、新たに購入する場合には別途定額五十万円、合計百万円を目安とした支援が行われる予定であります。
 マイナ保険証の普及についてお尋ねがありました。
 今般の震災において被災地では、服薬履歴の確認などオンライン資格確認システムが活用され、マイナ保険証を始めとする医療DX基盤が大いに役立っていると聞いております。医療DX基盤と個人をつなぐマイナ保険証の普及は重要な課題であると考えており、緊急医療での利用拡大を図るとともに、本年度の補正予算で設けた医療機関への支援金のほか、令和六年度診療報酬改定において利用実績に応じた評価を検討するなど、マイナ保険証の利用促進を積極的に推進してまいります。
 地震動予測地図についてお尋ねがありました。
 全国地震動予測地図は、その時々の最新の科学的知見に基づき、一定の期間内に強い揺れの地震に見舞われる確率を示しています。本地図が示しているのは、日本国内で強い揺れに見舞われる確率がゼロとなる地点は存在せず、その確率が数%未満の場合であっても、事故死などと比べ決して低い確率ではないと承知をしております。
 このため、地震は国内どこでも発生し得ることを念頭に防災対策を行っていただくよう、今後も丁寧な情報発信を行ってまいります。予測に基づく分かりやすい情報提供と発生した地震に速やかに対応する即応とを組み合わせて、引き続き国民の安全、安心の確保に努めてまいります。
 大阪消防庁についてお尋ねがありました。
 人口減少が進んでいる一方、今回の令和六年能登半島地震など大規模災害が頻発している現状を踏まえると、緊急消防援助隊の充実による広域的な応援体制の強化が重要であると認識をしています。また、消防本部の体制強化に向け、消防の広域化を推進しており、大阪府においても消防本部の体制や規模について地元市町村等と議論を進めていただくことが重要であると認識をしております。
 首都直下地震への備えや道州制についてお尋ねがありました。
 昨年七月に閣議決定した国土形成計画において、首都直下地震等の巨大災害リスクの軽減に向けて、政府機能等の中枢管理機能のバックアップの強化等を図ることとしております。これに基づいて、政府機能の維持については、首都直下地震における緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る検討をしっかりと推進してまいります。
 地域主権型の道州制については、地方経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の一つであると承知していますが、国と地方の在り方を大きく変更するものであり、国会における議論も踏まえつつ対応する必要があると承知をしております。
 多様な自治制度の整備と市町村合併についてお尋ねがありました。
 政府としては、これまで、複数の自治体が連携して事務を行う定住自立型、自立圏などの広域連携施策を推進するとともに、他の地方自治体に対する事務の委託などの制度を設けてきたところです。
 市町村が将来の人口減少や高齢化を見据えて行財政基盤の維持強化を図るため、市町村間の広域連携、都道府県による補完、自主的な市町村合併などの多様な手法の中から最も適したものを自ら選択をし、持続可能な行政サービスの提供体制を構築していくことが重要であると認識をいたします。
 政治資金の課税関係についてお尋ねがありました。
 一般論として、政治団体が行う政治資金パーティーの収入については、法人税法上の収益事業に該当せず、法人税の課税関係は生じません。他方、政治家個人が政治資金を受領した場合は、一般論として、所得税法上雑所得の収入となり、必要経費を控除した後、残額がある場合には確定申告が必要となります。
 いずれにせよ、政治資金については、法令等にのっとり適切に取り扱われることが必要であると考えております。
 金融市場の競争についてお尋ねがありました。
 証券取引所については、欧米はもとより、アジア各国の証券取引所との間でグローバルに競争が展開されています。各取引所が上場企業や投資家にとっての魅力を高めるための取組を実施しているところであり、日本の証券取引所が競争原理の働かない環境にあるとの指摘は当たらないと考えています。
 実際、東京証券取引所は、市場区分をコンセプトごとに再編をする上場企業に対して、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請し、また企業の取組状況を開示するなど、市場としての魅力を高める取組を進めており、政府としてもそれを後押しすることで我が国金融市場の国際競争力、これを高めてまいります。
 同一労働、同一価値労働同一賃金の実現や労働市場改革についてお尋ねがありました。
 岸田政権の最大の使命は経済の再生であり、持続的な賃上げを可能とするための人への投資を進めるとともに、個々の企業の実態に応じた職務給の導入も含め、三位一体の労働市場改革を早期かつ着実に進めてまいります。
 また、同一労働同一賃金については、非正規雇用労働者の処遇改善に向けて更なる遵守徹底に取り組んでまいります。こうした取組を進めることで、持続的な賃上げとともに公正な待遇の確保、実現してまいります。
 大学の教育研究環境の改革についてお尋ねがありました。
 大学は、人材育成とイノベーション創出の基盤として我が国の社会や経済を支えており、日本の国際競争力の向上にも貢献することが期待されています。政府としては、個々の大学が自律的、戦略的に経営改革を進める中で教育や研究力の向上が実現することが望ましいと考えています。
 我が国全体の教育研究力の抜本的な強化に向け、引き続き、基盤的経費の措置や成果を中心とする実績状況に基づくめり張りある配分、そして世界最高水準の研究大学や地域の中核大学等への支援、こうした取組を進めてまいります。
 ライドシェアについてお尋ねがありました。
 地域交通の担い手や移動の足の不足といった深刻な社会問題の解決に向けて、昨年のデジタル行財政改革会議及び規制改革推進会議での議論を踏まえ、地域の自家用車や一般ドライバーを活用した新たな運送サービスが四月から実装されるよう、制度の具体化と支援を進めてまいります。
 あわせて、これらの施策の実施効果を検証しつつ、ライドシェア事業に係る法制度について、デジタル技術を活用した新たな交通サービスといった観点も含め、六月に向けて議論を進めてまいります。
 米の需要拡大についてお尋ねがありました。
 主食用米の需要減少が続く中、その需要拡大を図るため、引き続き、パック御飯や米粉製品の生産、利用拡大、多様なニーズに対応した米の品種開発等を推進するとともに、米の輸出拡大に向けて取り組んでまいります。
 ただし、主食用米の需要拡大だけでは国内の主食用米の需要減少に対応できない現実もあります。このため、食料安全保障の観点から、過度に輸入に依存している麦、大豆等の国内生産の拡大を一層進めることが重要であり、これら畑作物の生産拡大にも取り組んでまいります。
 農地の集約についてお尋ねがありました。
 農業を成長産業化するため、担い手に農地を集積、そして集約することが重要であるとの問題意識は共有をいたします。
 政府としては、農地バンクの活用促進に向け、農地バンクに貸し付けた農地について、御提案のように、既に農家負担を伴わずに大区画化等の基盤整備を行うとともに、固定資産税の軽減措置を行っています。
 これらの施策も活用しながら、農地の集積、集約化、加速してまいります。
 法人の農地取得についてお尋ねがありました。
 農地を取得、所有する農地所有適格法人については、出資割合等により経営面における農業者の主体性を確保することを前提としております。
 今般、経営基盤を強化し、活動の幅が広がることができるよう、農地転用の際の農林水産大臣による確認など一定の措置を講じた上で、食品事業者等による出資の割合を増やすことができる特例を設けることとし、所要の法案を今国会に提出をいたします。
 また、特区による法人の農地取得の特例については、全国の希望する自治体が申請できるよう構造改革特別区域法で特例を設けたところですが、その際、農地売買に市町村が介在するなど、農地の適正利用の点で安心感ある制度としております。
 農協改革についてお尋ねがありました。
 農協は、組合員の農業所得の向上を最大の使命とし、輸出も含めた販売力の強化など、自己改革を不断に進めていると承知をしています。
 御指摘の農協の信用事業の譲渡や、地区が重複する農協の設立については、これまでの農協法の改正によりいずれも制度上可能となっており、実績もあります。
 政府としては、農協が組合員との対話を重ねながら取り組んでいる自己改革を引き続き後押ししてまいります。
 貯蓄から投資へと金融システムなどについてお尋ねがありました。
 新NISAにより貯蓄から投資へのシフトが進む中、外国資産への投資が増加するという面はあるものの、資産運用立国に向けた取組を通じて国内の金融市場の魅力を高め、国内投資も呼び込んでまいります。
 また、貯蓄から投資へのシフトにより預金が減少しても、日本の金融機関は足下において総じて充実した資本、預金基盤を有しており、金融システムの安定性に影響が出るとは考えておりません。
 なお、金利と成長率については、様々な要因によって決まるものであり、その大小関係について一概に言えるものではないと解されていると承知しております。
 年金の財政検証と制度改革についてお尋ねがありました。
 年金の財政検証においては、出生率や被保険者数、運用利回り等の実態を踏まえつつ、専門家による検討を経た上で適切に実施してきております。今年行われる財政検証においても、これまでと同様、直近までの実態を反映し、適切に実施をしてまいります。
 年金制度の積立方式への切替えについては、若い世代を含む全世代が自身の積立てに加えて現在の高齢者の給付を賄うこととなるいわゆる二重の負担の問題があり、これを克服するには難しい課題があると考えております。
 医療、介護の報酬制度についてお尋ねがありました。
 診療報酬や介護報酬等の公定価格の仕組みは、国民皆保険制度の下で、経済状況等を踏まえつつ、制度の持続可能性の確保にも配慮しながら、全ての国民に公平に一定の質を担保した医療サービス等を保障するために必要なものであると考えております。
 その上で、令和六年度の診療報酬、介護報酬等の同時改定では、医療、介護の現場で働く方々の物価に負けない賃上げの実現に必要な水準の報酬の改定率を昨年末に決定したところであり、フォローアップの仕組みをしっかりと整備するなど、実効性を高め、確実に賃上げを実現してまいります。
 医薬品の開発と薬価制度改革についてお尋ねがありました。
 日本を起源とする医薬品の世界市場でのシェアが低下する中、ベンチャー、アカデミア、製薬企業等が相互に協力して創薬に取り組むエコシステムを構築し、創薬基盤を再構築することが重要です。
 このため、昨年十二月、創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議を立ち上げるなど、エコシステム構築に向け、政府一丸となって取組を進めています。
 また、令和六年度薬価改定では、革新的医薬品のイノベーションの適正な評価を推進する観点から、薬価上の措置を講じました。
 引き続き、創薬力の強化に向け、政府を挙げて取り組んでまいります。
 検察官の抗告の制限を含む再審制度の改正についてお尋ねがありました。
 再審制度の在り方は、確定判決による法的安定性の要請と個々の事件における是正の必要性、この双方を考慮しつつ、様々な角度から慎重に検討すべき問題です。
 その上で、再審開始決定に対する検察官の抗告の制限は、違法、不当な決定の是正を困難にするおそれがあり、慎重な検討を要すると考えます。
 いずれにしましても、この問題については、法務省において現在開催中の改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会での議論等も踏まえ、適切に対応するものであると考えております。
 検察当局における情報、捜査情報の管理についてお尋ねがありました。
 捜査の内容に関わる事柄が外部に明らかになれば、捜査、公判の遂行に重大な支障を生じたり、関係者の名誉やプライバシーに重大な影響を与えたりすることになりかねません。
 捜査上の秘密について、これを外部に漏らすことはあってはならないものであり、検察当局においても、そのような認識の下、厳正に対応されるものと考えております。
 父母の離婚後の子の養育の在り方についてお尋ねがありました。
 父母の双方が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことは、子の利益の観点から重要です。
 お尋ねの民法改正については、法制審議会で審議中であり、法務大臣に答申された場合には、所要の法案を提出すべく政府として準備を進めてまいります。
 NHKの改革についてお尋ねがありました。
 我が国の放送は、公共放送と民間放送による二元体制の下で、お互いが切磋琢磨することによって発展してきたものと認識をしております。
 NHKにおいては、広告主の意向や視聴率にとらわれることなく、報道や教養を始めとする豊かで良い番組を放送すること等により公共放送としての基本的役割を果たしており、NHKを分割する必要があるとは考えておりません。
 国民負担の軽減については、本年一月にNHKが公表した次期中期経営計画で、昨年十月に一割値下げを行った受信料額を堅持しつつ、事業支出の削減などの経営改革を進めるとされており、こうした方針が着実に実施されるようNHKに求めてまいります。
 そして、我が国の外交・安全保障政策についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くことは政府の最も重要な責務です。
 このため、まずは、首脳レベルを含め、多層的に積極的な外交を展開することによって、我が国にとって望ましい安全保障環境を実現していきます。同時に、外交の裏付けとなる防衛力の抜本的強化を実現し、抑止力、対処力を高めてまいります。
 こうした外交力、防衛力を含む総合的な国力を結集して、我が国を断固として守り抜いてまいります。
 イスラエルの軍事行動についてお尋ねがありました。
 事実関係を十分に把握しておらず、確定的な法的評価を行うことは困難ですが、自国及び自国民を守る権利に基づくものであれ、全ての行動はいかなる場合でも国際人道法を含む国際法に基づいて行わなければならず、均衡性の要件も満たされなければならないと考えます。
 引き続き、全ての当事者に国際法の遵守を求めつつ、人道状況の改善及び事態の早期鎮静化に向けて外交努力を粘り強く続けてまいります。
 台湾についてお尋ねがありました。
 麻生副総裁の発言に逐一政府としてコメントすることは控えますが、台湾海峡の平和と安定が国際社会全体の安定にとり重要であり、台湾をめぐる問題は対話により平和的に解決されることが、解決されることを期待するというのが我が国の一貫した立場であり、これについてはこれまで明確に説明、発信をしてきております。
 なお、いかなる事態が存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即し情報を総合して判断することとなるため、一概に述べることは困難であります。拍手
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尾辻秀久#8
○議長(尾辻秀久君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
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長浜博行#9
○副議長(長浜博行君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。榛葉賀津也君。
   〔榛葉賀津也君登壇、拍手〕
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榛葉賀津也#10
○榛葉賀津也君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました政府四演説に対し、岸田総理に質問します。
 まず冒頭、元旦に発生した能登半島地震でお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈りし、被災に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。そして、今なお復旧復興に全力を尽くされている全ての関係者に心から感謝を申し上げます。
 総理、我が国は今、震災対応を始め、内政、外交共に極めて重要な局面に立っています。しかし、自民党の政治と金の問題がその課題解決の急ブレーキになっています。前代未聞の不祥事への対応策として、総理は、突如、岸田派の解散を宣言しましたが、それは問題の本質ではありません。
 政治資金規正法は、資金が報告書に記載されているからこそ政治資金と認定され、収入とみなされず、税の免除をされているのです。記載がなかった多額の資金は事実上脱税状態であったことになります。論点をすり替えるべきではありません。対決より解決は国民民主党の基本姿勢ですが、その前提にあるのが正直な政治です。正直な政治を貫く我々は、不正や税金の無駄遣いとは徹底的に闘います。
 総理、総理の責務は、過ちの真実を究明し、それを正し、責任の所在を明らかにすること、それに尽きます。問われているのは改革の実効性です。総理は、どのように真相を究明し、この問題をどう正し、誰がどのような政治責任を取るべきと考えますか。国民に正直に説明してください。
 能登半島地震への緊急対策についてお伺いします。
 時間の経過とともに優先すべき事項は変化しますが、発災後、特に迅速な対応が求められるのが災害関連死を防ぐことです。熊本地震では、災害関連死のうち約六割の方が一か月以内にお亡くなりになりました。被災地の外への二次、三次避難のケア、避難所における感染症対策の徹底、高齢者、障害者などの福祉施設利用者及び疾病者、妊産婦などの病院利用者の受入先の確保、生活資金の円滑な貸付けなど、被災地に寄り添った支援を速やかに講じるべきですが、政府の対応策について、その現状説明を求めます。
 我々は被災者生活再建支援法を野党三党で共同提出しました。政府・与党に賛同を求めます。総理、いかがでしょうか。
 次に、被災地における当面の緊急雇用、労働対策についてお伺いします。
 生活再建のため、被災者の働く環境の整備が重要です。被災による休業、一時的離職に対する雇用保険の失業給付特例措置や被災に関連する雇用調整助成金の特例措置の確実な実施、安易な雇い止めや内定取消しを防止するための監督指導の強化や労働局での総合的な労働相談の実施、被害を受けた中小企業など施設の復旧整備、修繕に対するグループ補助金、なりわい補助金などによる支援の実施、そして移住希望者を対象とした就労と住宅のパッケージ支援などが求められますが、スピード感ある施策の実施状況について総理の説明を求めます。
 政府は、先日、年度をまたいで切れ目のない財政支援のために二〇二四年度予算案の予備費を倍増しました。しかし、生活基盤や経済基盤の回復、具体的には電力や水道、通信、道路、交通機関などのインフラ整備や耐震化の促進、さらには、今回のように幹線道路が寸断された場合の海上輸送など、広域的な支援体制の構築に向けた中長期的な課題に取り組むためには、補正予算を編成して機動的かつ柔軟な対応を取ることこそが必要だと考えますが、総理の認識をお伺いします。
 今後、住宅等建築物の再建や耐震化など、町の再整備へのインフラ投資が国の責任で行われることになります。その際、重要なことは、トラックドライバーの二〇二四年問題などを踏まえた人材の確保です。復旧に向けた人材確保について、その具体策を総理にお伺いします。
 災害のたびに痛感するのは、インフラ、特に生活、経済の基盤となる電力を始めとしたエネルギー供給体制の強靱化や安定供給について、行政が事業者の使命感に頼り過ぎているという点です。電力の安定供給は国の責務であり、政府主導の下で強力に進めるべきです。総理の見解を求めます。
 本年、第七次エネルギー基本計画の策定に向けた政策検討が始まる予定ですが、基本計画には以前から議論されているレジリエンス強化を再度しっかりと盛り込むべきであり、そのためにも、東日本大震災以降行われてきた電力を始めとするエネルギーシステム改革の課題等を徹底的に検証し、災害時においても安定供給が果たされるような持続可能なエネルギーシステム、エネルギー供給体制の構築に向けた議論が必要だと考えますが、総理の見解を求めます。
 災害時には携帯電話の通信障害も大きな課題となります。現在、事業者による船上基地局や衛星通信スターリンクの提供が迅速になされ、孤立集落との連絡に活用されています。災害時におけるデジタルの脆弱性について、これまで以上に国が責任を持ち、災害に強いデジタル化を推進する必要があると考えます。例えば、災害時の速やかな復旧に貢献し得る、地形やインフラ、地下埋設物の状況をデジタル空間上で再現するデジタルツインを実現し、災害時には関係機関で速やかに情報が共有される仕組みの構築が重要だと考えますが、総理の認識をお伺いします。
 全国の皆さんには自粛をしないで元気に日本経済を回してほしい、そして、北陸の被災をしていない地域にも観光に来ていただきたいし、いずれ能登が元気になったら、そのときにはみんなで能登にも来てください。これは、思いやりがあり、我慢強いと言われる奥能登出身の知人の言葉です。
 総理、我が国にとって今ほど政治の力量が問われているときはありません。被災地のためにも、日本経済回復の歩みを止めてはなりません。
 この春は、賃金も経済も安定的に上昇する社会の実現に向けてステージ転換を図る正念場です。連合が目標としているベアで三%以上、定昇と合わせて五%以上の賃上げ実現のためには、政治と経済界と労働組合が昨年以上に力を合わせなくてはなりません。過日、総理は経済界に対して、自分が先頭に立って賃上げを働きかけると明言されました。改めて、賃上げへの総理の覚悟と政労使会議の継続的な実施について意向をお伺いします。
 総理が昨年言及した税収上振れ分の納税者への還元は、国民との約束です。電気代、ガス代の値下げ、ブラケットクリープへの対応など、可処分所得を増やすための政策実現は待ったなしです。中でも、被災地を始め地方の生活の足となっているガソリン減税に直結するトリガー条項の凍結解除を国民は切望しています。ガソリン高騰対策の補助金期限は四月末で、トリガー条項の凍結を解除するには二月初旬の法案提出が必須です。
 総理は三党での協議を指示されましたが、トリガー条項の凍結を解除するか否かはトップの政治決断に懸かっています。誰にも相談することなく派閥の解消を政治決断された総理ですから、国民のためのトリガー条項凍結解除こそ決断してください。実現への総理の覚悟をお伺いします。
 加えて、重量税としての車両本体にも掛かる当分の間税率は、当初、暫定と言われながらも五十年間継続されており、これは速やかに撤廃されるべき税です。そもそも、自動車に係る税金は九種類もあり、世界に類を見ない複雑かつ過重な税制となっています。集めた税金を使う側ではなくて、働いて税金を払う側に立って自動車税制を見直すべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 賃金と物価の好循環を持続させる上で、雇用の七割を支える中小企業や約四割を占める非正規雇用の賃上げは極めて重要です。また、医療、介護、保育など公定価格で働く方々を含め、社会全体に賃上げの裾野を広げていくことも必要です。中小企業への支援策としては、賃金を引き上げた企業に対し固定資産税等の減免措置などが有効だと考えますし、非正規雇用の処遇改善として、政府は同一労働同一賃金を徹底していくとの方針ですが、正社員登用の推進、最低賃金の引上げなど、更なる取組の強化が必要です。総理の認識をお伺いします。
 また、政府は、今回の報酬改定で、医療・介護従事者に対して二年間で四・五%のベースアップの実現を見込んでいますが、今後、介護や医療施設での賃上げを確実にするためにも、政府が責任を持って実態を把握することが必要だと考えますが、総理の見解をお伺いします。
 十一月に内閣官房と公正取引委員会から発信された労務費の適正な転嫁のための価格交渉に関する指針で、賃上げの前提となる労務費の価格転嫁を進めるために発注者が取るべき行動が示されました。しかし、既に現場からは、指針にある公的指標を使おうにも実態との乖離があると問題視をする声が出ており、価格交渉の難航も予想されます。今回のガイドラインが確実な賃上げにつながるよう、現場の実態をフォローアップし、実効性を高めていく必要があると考えますが、総理の認識をお伺いします。
 また、国内の多くの企業は、グローバルに事業を展開しています。発注者が海外企業である場合も多々あります。日本企業だけでなく海外企業に対しても、この指針に基づいた対応を取るように周知すべきと考えますが、総理の見解を求めます。
 また、受注から納品までのリードタイムが長く、物価水準の変動により、発注時の価格では契約額が不適当になるケースがあります。既に国交省所管の公共事業においては、賃金や物価の高騰に対するスライド条項が設定され、民間事業に対してもスライド条項を適用するように通知されています。この取組を建築、土木の公共事業に限らず、システム調達などのあらゆる政府調達や地方自治体での事業においても実施すべきと考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 次に、地方の産業と生活を支える鉄道行政についてお伺いします。
 我が国の鉄道予算は約一千億円。一・六兆の道路予算の十六分の一です。総理、政府は鉄道政策により目を向けるべきです。物流の二〇二四年問題で、トラックドライバーの不足が深刻な問題となっています。今こそ、貨物鉄道へのモーダルシフトを進める絶好の機会であり、カーボンニュートラルの実現にも絡めた大胆な政策誘導が必要だと思いますが、総理の見解をお伺いします。
 また、昨年秋、改正地域交通法が施行され、地域公共交通の再構築に国が関与する枠組みができました。これは、JRが路線廃止をしやすくするためのものではなく、地域の活性化に向けてあるべき地域交通の姿をみんなで考え、構築するための枠組みでなくてはなりません。全ての関係者のより一層の理解促進を求める必要がありますが、実行への具体策を総理にお伺いします。
 次に、被災地の経済復興にも不可欠の北陸新幹線などについてお伺いします。
 三月十六日に金沢駅から敦賀駅まで北陸新幹線が延伸しますが、敦賀以西の整備は未定であります。言うまでもなく、新幹線ネットワークは隅々までつながってこそ意味があり、北陸新幹線に加え、北海道新幹線、西九州新幹線、中央新幹線などの未開通区間の早期開通に向けた関係者のより一層の協力を求めるべきだと考えますが、総理の見解をお伺いします。
 次に、外交についてお伺いします。
 今年は、台湾総統選挙に始まり、三月のロシア、四月の韓国、五月のインド、六月のEU議会、そして十一月のアメリカ大統領選挙と、世界の選挙イヤーとなります。特にバイデン大統領対トランプ氏の戦いが確実視されるアメリカ大統領選挙は、どちらが勝利しても選挙後に政治空白が生じ、世界の秩序に大きな影響を与える可能性があります。スイングステートでの世論調査はトランプ氏が有利とされており、トランプ・リスクも懸念されています。
 総理は、大統領選挙に向けた候補者選びの山場である三月のスーパーチューズデーの後に国賓待遇で訪米されるとのことですが、トランプ氏再選も想定した総理の対米外交戦略をお聞かせください。
 北朝鮮の金正恩総書記から、先月五日、能登半島地震の被害に対し、岸田総理宛てに見舞いの電報が送られました。専門家からは、トランプ大統領の当選を想定した北朝鮮の対米外交の一手であり、また、良好な日韓関係に水を差し、尹政権を孤立させる高等戦術だとの分析がある一方で、拉致問題の解決を考慮し、この機を逃すべきではないとの声も聞こえます。
 総理御自身は、北朝鮮最高指導者からの初めてのメッセージに対し、どのような政治的意図を読み取りますか。お答えください。
 米国の一部の専門家は、仮にトランプ氏が大統領に返り咲いた際には、トランプ氏は北朝鮮の核保有を容認する可能性があると分析しています。仮にそうなれば、日本が継続してきた対北朝鮮外交が根本から覆ることになります。
 総理は、トランプ氏の北朝鮮の核に対する考えについてどのように分析をされていますか。お答えください。
 最後に、憲法について一言申し上げます。
 私たちは、思考の多様性こそ問題解決の源だと信じる。国民の良識と判断力を信じ、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を追求していく。これは、我々国民民主党の結党宣言の一文です。憲法は、主権者である国民一人一人のものです。だからこそ立法府は、国民を信じ、国民と協働して、憲法についてしっかりと議論すべきだと考えます。
 政治家が議論を後回しにしがちな憲法九条一つ取っても、国民の中には様々な意見があります。国防の最前線や被災地で任務を遂行している自衛官は、入隊に当たり、自衛隊法の規定に基づいて服務の宣誓を行います。そこには、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」という一文があります。これは、命を賭してでも国を守ることを国家国民に対して誓うものであり、全ての自衛官はその覚悟で勤務しています。しかし、この服務の宣誓の中には、「日本国憲法及び法令を遵守し、」という一文も含まれています。自らの立場が曖昧な憲法を遵守しつつ、自己の命を懸けてでも国を守ろうとするこの耐え難い矛盾に対して、苦悩しながらも、誇りと矜持を持って我が子は国防の任に邁進しています。ある自衛官の御家族のお言葉です。
 国家として自衛隊員に命を懸けろと言うなら、その自衛隊員や家族の気持ちを理解し、あるべき姿を議論することこそが立法府の責任ではないでしょうか。
 思考の多様性こそ問題解決の源なのですから、主権者たる国民の良識と判断力を信じ、対決より解決の精神で憲法議論を深めることを提起して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#11
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 榛葉賀津也議員の御質問にお答えいたします。
 自民党の政策集団の政治資金の問題に関する真相究明と政治責任についてお尋ねがありました。
 まずは、関係者において明確な説明責任を果たすことが重要であり、党としても説明責任を果たすようしっかりと促してまいります。同時に、党としても、政治資金収支報告書の訂正状況を把握するとともに、事実関係の把握に向けて関係者への聞き取りを行い、不記載の実態の把握に努めてまいります。
 そして、その上で、あるべき政治責任については、こうした事実関係の可能な限りの把握などの手順を踏みながら、党として対応を考えます。
 そして、能登半島地震の被災者支援についてお尋ねがありました。
 災害関連死を防ぐため、生活環境の整った旅館、ホテル等への二次避難を支援しているほか、避難所への衛生用品等のプッシュ型支援や健康管理を行う保健師らの派遣等を行っています。また、感染症の関係学会の専門チームと連携した避難所等における感染対策の支援や、関係団体と連携した被災地の社会福祉施設等への介護職員等の応援派遣、そしてDMAT等の救護班による福祉施設利用、病院利用者の受入れ調整、また緊急小口資金の災害時特例の迅速な貸付け等、これを進めております。
 なお、この御指摘の議員立法については、まずは国会において御議論いただくべきものであると考えております。
 そして、被災者の働く環境整備についてお尋ねがありました。
 被災された方々が一日も早く平穏な生活を取り戻すことができるよう、一月二十五日に、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ、取りまとめました。
 本パッケージに基づき、なりわいの再建に向け、雇用保険の特例措置、雇用調整助成金の助成率引上げ等の地域の雇用対策を実施しているほか、なりわい補助金を始めとした中小・小規模事業者の支援などの施策にも早急に取り組んでまいります。
 引き続き、被災地の声、しっかりと耳を傾けながら、被災者の生活となりわいの再建支援にスピード感を持って取り組んでまいります。
 今般の震災への予算面での対応についてお尋ねがありました。
 生活、なりわい再建やインフラ復旧を含め、今般の震災対応に必要となる財政需要については、残額が三千億円を超える今年度予備費と、一兆円に倍増した来年度予備費を活用し、復旧復興の段階に合わせ、数次にわたって機動的、弾力的に財政措置を講じていくこととしており、現時点で補正予算の提出は想定しておりません。
 先月二十五日に決定した支援パッケージを実行するため、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところですが、今後とも、切れ目なく、機動的、弾力的に財政措置を講じていく方針であり、令和六年度予算案の速やかな成立をお願いいたします。
 そして、被災地の復興に向けた人材確保についてお尋ねがありました。
 被災地の復興を担う建設業や物流業においては、二〇二四年問題に直面をしており、人材の確保が喫緊の課題です。建設業については、幹線道路などの大規模事業は国が代行して、国の協定事業者も積極的に活用するなどとともに、プレハブ仮設建設などで全国展開するメーカーの協力を得て、全国から必要な人材を確保してまいります。
 物流業においても、被災県と提携している県トラック協会のほか、全国団体にも協力を要請しつつ、物資支援や復興工事に支障のないようドライバー等の確保、進めています。こうした取組を通じて、被災地の復旧復興に支障がないよう人材確保に万全を期してまいります。
 電力を始めとしたエネルギーの安定供給についてお尋ねがありました。
 エネルギーの安定供給は国民生活や経済活動の基盤です。政府としても、災害に強い広域的な電力供給システムの構築や、電力の供給力を確実に確保するための市場の整備等を実施してまいりました。二〇二五年三月までに取りまとめる予定の電力システム改革に関する包括的な検証や、災害時の対応も含めたエネルギーシステムの在り方の不断の検討なども踏まえ、今後、エネルギー基本計画の見直しの中でエネルギーの安定供給についても議論されるものと承知をしております。
 災害時における関係機関の情報共有についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、災害時に迅速に通信障害等の復旧を進めるに当たっては、民間の取組を促進するのみならず、国としても復旧作業に資する情報を、デジタル技術も活用しながら、関係機関、団体等で効果的に、そして効率的に共有するための環境を整備すること、これが重要であると考えます。
 政府においては、通信障害エリアのほか、復旧工事を迅速に進めるに当たって必要となる道路の通行止めに関する情報等を共有し、国、自治体、民間等が一体となった災害対応を行うための次期総合防災情報システムを開発しているところです。このシステムを含め、デジタル技術も十分に活用しながら、災害時における関係機関等の情報共有を推進することにより、通信障害等の復旧の一層の迅速化を図ってまいります。
 そして、賃上げと政労使の意見交換についてお尋ねがありました。
 賃上げは、岸田政権の最重要課題です。先月も政労使の意見交換を開催し、私から昨年を上回る賃上げを強く呼びかけ、春季労使交渉ではこれに呼応する動きが広がっています。
 政府としても、賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁の指針の徹底活用、省力化投資の支援等、あらゆる政策を総動員するとともに、引き続き労使の方と丁寧にコミュニケーションを取りながら賃上げを強力に後押ししてまいります。
 トリガー条項の凍結解除についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、中小企業や地方における賃上げや被災地における生活、なりわい再生などのためにも、燃油価格の安定、これは不可欠です。
 このため、燃料油価格の激変緩和措置は四月末まで継続しますが、その後の出口戦略としては様々な手法があると考えており、御指摘のトリガー条項の凍結解除についても、与党と国民民主党の政策責任者の下で、国際エネルギー情勢、脱炭素に向けた国際的な潮流なども総合的に勘案して検討を進めていただいております。
 そして、本日も三党の検討チームによる協議が行われたと報告を受けております。実務上の混乱を解決するための課題や能登地方でのサービスステーションの負担回避等について精力的に御議論をいただきましたが、まだ解決策を見出すには至っていない、こうした報告を受けております。
 引き続き、真摯に協議が行われることを期待しており、その協議における実務的課題の整理の状況を踏まえつつ、政府として適切に対応をいたします。
 そして、自動車税制についてお尋ねがありました。
 自動車重量税の当分の間税率については、国、地方の財政状況や環境負荷に応じた税率を設定していること等を踏まえれば、その廃止については慎重であるべきであると考えています。
 その上で、今後の自動車関連諸税の在り方については、与党税制改正大綱において、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、インフラの維持管理、機能強化の必要性等を踏まえつつ、国、地方を通じた財源の安定的な確保を前提に中長期的な視点に立って検討を行うとされており、与党での議論を踏まえ、政府としても検討を進めてまいります。
 そして、中小企業の賃上げや、非正規雇用労働者、そして医療・介護従事者の処遇改善についてお尋ねがありました。
 中小企業の賃上げ実現に向けて、労務費転嫁の指針の活用など価格転嫁の促進や省力化投資などの生産性向上支援、これを進めてまいります。また、令和五年度から既に賃上げを推進する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置を講じています。さらに、今般、賃上げ促進税制を拡充することとしています。
 非正規雇用労働者の賃上げについては、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守徹底を図っていくとともに、希望する方の正社員化に向けた支援に引き続き取り組んでまいります。
 また、医療、介護等の分野における賃上げについては、昨年末、必要な水準の報酬の改定率を決定したところであり、加算措置部分の報告を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備するなど、確実な賃上げの実現につなげてまいります。
 御指摘のような様々な施策を総動員して、成長と賃上げの好循環を実現してまいります。
 そして、労務費の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
 先月の政労使の意見交換でも、私から労務費転嫁の指針に沿った行動の徹底を産業界に強く要請をいたしました。
 また、各産業等を所管する省庁から、千八百七十三の業界団体を通じて海外企業も含む会員企業に対し、幅広くこの指針の周知徹底とフォローアップを行うこと、また、特に対応が必要な二十二業種には自主行動計画の策定や転嫁状況の監査、改善を行うことも要請しており、官房副長官の主導する関係省庁連絡会議を通じてフォローアップを行うことで、指針の実効性、これを高めてまいります。
 政府調達や地方自治体の事業におけるスライド条項の設定についてお尋ねがありました。
 国交省の公共工事においては、契約締結後の物価動向を踏まえ、スライド条項を用いた契約変更を行っており、地方自治体に対しても同様の対応を促すとともに、元請事業者と下請事業者の間での変更契約による価格転嫁も促しております。
 公的な物品、サービスの調達についても、官公需法に基づき毎年閣議決定をしている国等の契約の基本方針において、原材料費等の上昇や最低賃金額の改定等があった場合、契約金額の変更の検討など適切に対応する旨が定められており、これを国の各機関や地方自治体に対し適切に周知してまいりたいと思います。
 そして、貨物鉄道へのモーダルシフトについてお尋ねがありました。
 貨物鉄道へのモーダルシフトは、物流の二〇二四年問題への対応やカーボンニュートラルの観点からも重要であり、政府では、昨年十月に取りまとめた物流革新緊急パッケージにおいて、貨物鉄道の輸送量と輸送分担率を今後十年程度で倍増させることを目標として掲げたところです。目標達成に向けて、大型トラックと同じ規格のコンテナを貨物鉄道で積載できるよう貨物駅を改良するなど、モーダルシフトに必要な施設整備の支援にしっかりと取り組んでまいります。
 そして、地域公共交通の再構築についてお尋ねがありました。
 改正地域交通法によって、地域の将来像に合わせたローカル鉄道の再構築に向けて、鉄道交通事業者や沿線自治体などの地域の関係者の合意形成に国が積極的に関与し、予算面でも力強い支援を行う枠組みが導入されました。ローカル鉄道を含む地方の公共交通は、人口減少による長期的な需要減によって苦しい状況にありますが、新しい枠組みの下でその地域にふさわしい公共交通サービスの利便性、持続可能性、そして生産性の向上にしっかりと取り組んでまいります。
 新幹線の整備についてお尋ねがありました。
 新幹線ネットワークは、地域相互の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の促進、地方創生に重要な役割を果たすとともに、災害時における代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要な意義を有しているものと認識をしています。
 こうした効果を最大限発揮できるよう、北海道新幹線、北陸新幹線などの整備新幹線の着実な整備に取り組むとともに、リニア中央新幹線の整備に向けた環境を整えるなど、地方自治体等の関係者と連携協力をし、幹線鉄道ネットワークの整備、これを推進してまいります。
 対米外交戦略についてお尋ねがありました。
 米大統領選への言及がありましたが、日本外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤である日米同盟の重要性については、米国でも党派を超えた強力な認識が存在していると認識をしております。私自身、四月に予定している公式訪米の機会に両国の緊密な連携を一層深め、強固な日米同盟、世界に示す機会にしたいと考えております。
 そして、金正恩委員長からのメッセージについてお尋ねがありました。
 今般の能登半島地震による被害に対しては、多くの国、地域からお見舞いや支援のメッセージを受けており、日本政府として感謝をしています。御指摘の金正恩委員長からのお見舞いのメッセージについても感謝の意を表明したところであります。
 御指摘のような北朝鮮側の政治的意図についてお答えする立場にはありませんが、いずれにせよ、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すとの立場には変わりはありません。諸懸案の解決に向け、金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めてまいります。
 そして、米国大統領選挙を念頭に置いた北朝鮮問題についてのお尋ねがありました。
 米国大統領選挙における個々の候補の立場について、様々な分析はなされていますが、私の立場でコメントすることは控えます。
 いずれにせよ、北朝鮮の核・ミサイル開発は我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、米国大統領選挙の結果にかかわらず、引き続き、米国を始めとする国際社会とも協力しながら、国連安保理決議の完全な履行を進め、米国の核、失礼、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求め続けてまいります。拍手
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長浜博行#12
○副議長(長浜博行君) 田村智子君。
   〔田村智子君登壇、拍手〕
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田村智子#13
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、岸田首相に質問いたします。
 初めに、能登半島地震で亡くなられた方々へ心より哀悼の意を表し、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 発災から一か月、避難所での生活はなお過酷を極めています。段ボールベッドや、男女別で洋式の仮設トイレもない、プライバシーが保障され安心して休める場所もない。一か月がたってなおこうした実態が残されていることを総理はどう受け止めているのでしょうか。災害関連死を防ぐためにも、またジェンダーの視点からも、直ちに改善を図るべきではありませんか。
 水が欲しい、切実な要求です。水がないために、入浴、洗濯、温かい食事の提供も困難、復旧工事や自治体への職員派遣も、現地に滞在できず、片道二時間、三時間掛かるなど、生活にも被災地支援にも大きな支障をもたらしています。本格復旧には相当な時間が掛かるとされており、応急水道の設置が必要です。これを進めるためにも、応急水道の設置、それに続く上下水道の本格復旧、どちらの費用も国が全額負担することを明確にすべきではありませんか。
 輪島朝市の皆さんが朝市を応援する会を立ち上げて、復興のために来られる全国の皆さんに食事を提供することから始めて事業を再開していこうと語っておられます。前を向いて頑張ろうという皆さんに希望となる思い切った支援が必要です。
 政府が示したパッケージは、半壊、一部損壊にも家屋解体の費用は出す、しかし、住宅再建の費用は従来のままです。異例の措置を講ずるというのですから、被災者生活再建支援金を少なくとも六百万円以上に引き上げ、対象を拡大することが不可欠ではありませんか。
 以上、被災地の皆さんの希望となる答弁を求めます。
 今回の地震によって、志賀原発は原子炉を冷却する外部電源の損傷など、重大なトラブルが相次ぎました。柏崎刈羽原発も使用済核燃料プールから大量の冷却水があふれ出ました。稼働中であったらどうなっていたのか。
 しかも、原発再稼働の前提となる避難計画は、地震・津波災害に対応できないことがいよいよ明瞭となりました。避難計画にある道路は破損、土砂崩れが多発し、集落は孤立状態になりました。逃げようにも逃げられません。また、避難計画は屋内退避が原則ですが、倒壊の危険性がある建物にとどまれというのか、津波から逃げずにとどまれというのか、命を守ることと根本的に矛盾します。
 ところが、総理はこの問題に一言も触れず、原子力発電について安全優先で引き続き活用を進めると表明された。一体、地震による原発の重大トラブル、避難計画の破綻をどう認識しているのでしょうか。
 既に福島第一原発の事故で明らかなように、地震・津波国で安全な原発などない、大災害時に避難計画は全く機能しない、この事実を認めるべきではありませんか。志賀原発、柏崎刈羽原発を直ちに廃炉とし、原発ゼロを決断すべきです。答弁を求めます。
 自民党の政治資金パーティーをめぐる巨額の裏金事件は、主要派閥がそろって政治資金収支報告書を偽造していた自民党ぐるみの違法行為です。
 昨日、安倍派は、二〇二〇年からの三年分で四億二千七百二十六万円もの不記載があったとして政治資金収支報告書を訂正し、五年で六億八千万円近い不記載を認めました。これが事務的ミスですか。悪質極まりない組織的犯罪ではありませんか。
 橋本聖子参議院議員は、五年間で二千五十七万円のキックバックを受けていたと御自身が説明しましたが、訂正された三年間では僅か二百八十九万円です。安倍派は、改選を迎える参議院議員に売上分を全額キックバックしていたと指摘されており、いつキックバックが行われたのか、裏金が何に使われたのか、いつからシステム化されたのかなど、全容解明が不可欠です。
 総理、自民党国会議員の四分の一以上が関わった組織的犯罪についてその全容を洗いざらい明らかにすることは、自民党総裁たるあなたの責任ではありませんか。
 しんぶん赤旗日曜版は二月四日号で、昨年十二月十五日に開催予定の岸田総理の政治資金パーティーが延期されたと報じています。総理、なぜ中止しないのですか。まだ政治資金パーティーを開くつもりですか。
 中止すればパーティー券の返金が必要となり、一万円を超えるものは返金先、返金額を支出として全て政治資金報告書に記載しなければなりません。総理、どの企業が幾ら購入したか、返金によって明らかになることを逃れるために中止ではなく延期としたのですか。開催せず返金もしなければ、パーティー券収入は寄附そのものです。企業、団体の購入分は、政治家個人への違法な企業・団体献金になるのではありませんか。
 総理自身の疑惑について全てを明らかにすることなしに政治刷新を語る資格はありません。明確な答弁を求めます。
 金権腐敗の根本にある企業・団体献金を、パーティー券購入を含め全面的に禁止することが必要です。ところが、岸田総理は、企業にも政治活動の自由があるとして背を向けています。企業が献金によって行う政治活動とは、金の力で政治を動かそうという利権政治そのものではありませんか。
 例えば、消費税をめぐって、国民の大多数が導入、増税に反対したにもかかわらず、企業献金を提供する経済界の意向に応え、自民党などの数の力で庶民増税が強行され、併せて法人税が減税されました。企業が金の力で政治をゆがめてきたことは明らかであり、投票権を持たない企業の政治献金は国民の参政権を侵害するものではありませんか。総理の見解をお示しください。
 九四年の政治改革では、企業・団体献金の禁止といいながら、政党と政党支部への献金、企業、団体によるパーティー券の購入を認めるという二つの抜け穴をつくり、その上、政党助成金を導入しました。
 日本共産党は、企業・団体献金の全面禁止、政党助成金の廃止を一貫して主張し、そのための法案を繰り返し提出してきました。
 国民が一票を投じて政治に参加する、これが議会制民主主義の大原則です。政治資金規正法は、政治資金について、民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとしています。主権者である国民一人一人の自覚的な献金を政治資金としてこそ、健全な民主政治の発達がもたらされます。
 今、他の政党も企業・団体献金の禁止を主張しています。金権腐敗政治を一掃するため、自民党が企業・団体献金の禁止を決断すべきではないのか、総理の答弁を求めます。
 国民の暮らしと経済の立て直しが緊急に必要です。
 総理は、昨年は三十年ぶりの高い賃上げ水準と胸を張りましたが、昨年十一月の名目賃金は前年同月比僅か〇・七%増、実質賃金は十九か月連続でマイナスです。労働者数で七割を占める中小企業の賃上げが足踏み状態だからではありませんか。
 賃上げ減税は、日本経団連傘下の一部大企業の賃上げを支援しても、赤字企業には何の恩恵もありません。赤字で苦しむ中小企業への賃上げ直接助成になぜ踏み切らないのか、その必要はないという認識なのですか。
 我が党は、大企業の内部留保の一部に課税して、これを財源に社会保険料減額などで全ての中小企業・小規模事業者の賃上げを直接支援し、全国一律で最低賃金を時給千五百円に引き上げることを二年にわたって提案しています。なぜ検討さえ拒否するのか。これ以上に効果のある賃上げ政策があるというのか、お答えください。
 非正規ワーカーの大幅賃上げが求められます。ところが、施政方針演説ではパートの年収の壁解消支援策が示されただけです。
 我が党は、非正規ワーカー待遇改善の法案を提起しています。理不尽な雇い止めをなくして雇用の安定を図る、不当な格差や差別をやめさせ、均等待遇の実現を図るというものです。この中でハローワークの職員、保育士、図書館司書、消費者相談員など公務の専門職の多くが非正規であり、国の責任で賃金格差の是正と安定雇用を保障し、民間企業に範を示すよう求めています。これらの非正規ワーカーは、既に国家資格や専門的スキルを持つ職員です。直ちに正規職員との賃金格差の是正を行うべきではありませんか。
 中小企業・小規模事業者、非正規ワーカー、ここへの直接の賃上げ政策なしに労働者全体の賃上げは進まない、その認識があるのかも含め、総理の答弁を求めます。
 子育て支援、若い世代への政策として、教育費の無償化に進むのかどうかが問われています。今年度、学校給食無償化が自治体に大きく広がりました。市民の切実な要求に何とか応えようという自治体の努力があってのことです。今度は、国が要求に応えて給食無償化に踏み出すべきではありませんか。
 大学など高等教育の学費無償化に向けて、まず入学金の廃止と授業料半額をと我が党は提案しています。ところが、岸田政権が打ち出したのは多子世帯の学費無償化、子供三人が同時に扶養家族であるときだけという余りにも狭い政策で、歓迎どころか批判の声が吹き荒れています。一体この政策で全学生の何割が無償化となるのでしょうか。子供が一人であろうと、大学に進学した途端に貯金が一気に百万円単位で減っていく、この衝撃がどれほど大きいかが分からないのでしょうか。
 日本政府は、高等教育の漸進的無償化という国際人権規約を批准しています。学費を値下げし、無償化に向かうということです。この約束を実現するつもりがあるのか、それともほごにするつもりなのか、総理、明確にお答えください。
 社会保障の予算を抑え付け、教育無償化は棚上げ、その一方で、岸田政権は軍事費の二倍化に突き進んでいます。安保三文書の閣議決定後、軍事費増額は二・五兆円規模です。これは、学校給食無償化、高校授業料の完全無償化、大学、専門学校の入学金廃止と学費半額、これら全てを実現できる予算規模です。軍事費二倍化と子育て支援は絶対に両立しない、このことが来年度予算案ではっきりと示されたのではありませんか。総理の答弁を求めます。
 軍事費の大幅増額で何を進めるのか。周辺諸国を直接攻撃するための長射程ミサイルの更なる配備と量産です。陸海空三自衛隊の統合作戦司令部をつくり、自衛隊を米軍の指揮下に深く組み込む体制づくりです。これらは、アメリカの戦略に付き従い、中国包囲網づくりを進め、いざというときには日米一体で軍事介入するためのものではありませんか。しかも、相手国からの反撃を受けた下でも戦闘を継続するという想定で、全国の自衛隊施設の強靱化、日米共同訓練が行われています。まさに戦争の準備です。その上、国際紛争を助長しないという憲法の理念を投げ捨て、殺傷武器の輸出を閣議決定しました。
 侵略戦争への痛苦の反省の上に立ち、政府の行為によって再び戦争の惨禍を繰り返さないという決意の下に制定された日本国憲法に、真っ向から反するものではありませんか。
 米軍辺野古新基地建設は、沖縄県民の圧倒的な民意に背き、県知事から軟弱地盤工事の設計変更の承認権限を取り上げ、国交大臣による代執行という前代未聞の乱暴なやり方で強行しています。
 玉城デニー知事が求め続けた対話に応じず、代執行を強行してから林官房長官が知事と会うとは、余りにも不誠実ではありませんか。しかも、岸田政権は、沖縄県民からの根本的な問いに答えていません。普天間基地の一日も早い返還が必要といいますが、それはいつなのか。辺野古新基地建設は政府の見込みでさえ十二年も掛かるという、これでは日米合意から四十年間、普天間基地は一ミリも動かないではありませんか。そもそも軟弱地盤を抱える辺野古新基地建設は不可能です。完成しなければ、延々と普天間基地は使用されるというのでしょうか。
 総理、沖縄県民の民意を無視し、辺野古に固執する政府の姿勢が普天間基地を固定化している最大の要因ではありませんか。危険極まりない普天間基地は直ちに閉鎖、撤去し、辺野古新基地建設を中止すべきです。答弁を求めます。
 米中対立が強まる下で、アメリカに言われるままに軍事的対応を強めれば、結局、北東アジアでの軍事的緊張は高まる一方です。
 我が党は、ASEANとの国々との協力こそ、戦争の心配のない北東アジアをつくる道だと考えます。昨年十二月、私は、インドネシアのASEAN本部を訪問し、長年の外交努力をお聞きしました。国家体制も経済力も異なる十か国が年間一千五百回もの会議を行い、今や対話せずにはいられない、対話の習慣がつくられている。平和と安定があってこそ繁栄するという立場で、平和の地域協力を東アジア全体に広げようと東アジア・サミットという枠組みをつくり、対抗でなく対話と協力の東アジアを目指すASEANインド太平洋構想、AOIPを推進する。実にダイナミックで粘り強い平和外交です。
 米中対立の下で、ASEANは、どちらか一方の側に立つことも、一方を排除することもせず、自主独立の立場を貫いています。大国に積極的に関与し、大国の関与も歓迎する、しかし、どの国の言いなりにもならず、ASEANの中心性を貫く、ここに学ぶべき外交努力があるのではないでしょうか。アメリカ言いなり、アメリカの顔色をうかがうのではなく、ASEANと協力して、平和の地域協力を進める自主独立の外交へ転換が必要ではありませんか。総理の答弁を求めます。
 最後に、ジェンダー平等についてお聞きします。
 一月十七日、日本経団連が女性活躍担当大臣との懇談で選択的夫婦別姓の導入を要望しました。自民党などが主張する通称使用は、とりわけ国際機関では通用せず、現に深刻な不利益を被る女性たちがいることも具体的に示しての要望です。同姓にしなければ民法上の婚姻が認められず、結果として女性が姓を変える夫婦が九割以上、不利益を受け入れているのは圧倒的に女性、これは間接差別そのものではありませんか。
 既に若い世代を中心に、市民社会は選択的夫婦別姓に賛成が多数です。経済界も認識を発展させています。それでもまだ自民党は妨害するのか、それとも変わるのか、総理、お答えください。
 今、ジェンダー平等、個人の尊厳を掲げる大きなムーブメントは、日本社会を変える力となっています。この力に連帯し、誰もが自分を大切にして生きることのできる社会へと一気に動かす、この決意を述べ、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#14
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田村智子議員にお答えいたします。
 能登半島地震における避難所運営についてお尋ねがありました。
 避難所の生活環境の改善のため、御指摘の段ボールベッドのほか、和式の仮設トイレを洋式と同じように使うための便座、プライベート空間を確保するためのパーテーションなど、様々な物資をプッシュ型で支援しているところです。また、避難所の運営に関し、女性の視点からの避難所チェックシートの活用を促すなど、男女共同参画の視点に立った災害対応についても取り組んでおります。
 今後とも、被災地の状況をきめ細かく把握しながら、避難所の良好な生活環境の確保に取り組んでまいります。
 上下水道の復旧対応についてお尋ねがありました。
 上下水道施設の復旧に当たっては、発災当初から全国自治体の上下水道技術者等を派遣するなど、国が関係機関と協力して、被災自治体に代わり、上下水道一体となった復旧支援を行っています。こうした技術的支援とともに、災害復旧事業における四月以降の水道施設の補助率のかさ上げを前倒しして適用することで、応急復旧としての仮設管や仮設浄水施設の設置に加え、上下水道の本格復旧に迅速に進むよう、水道事業の主体である自治体に対し必要な財政面の支援、これも行ってまいります。
 そして、被災者生活再建支援金についてお尋ねがありました。
 被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものではなく、見舞金的な性格のものとして被災者を側面的に支援するものと位置付けられています。このため、被災者生活再建支援金については迅速に支給することといたします。
 その上で、被災により住宅の被害を被った被災者への追加的な支援の在り方については、様々な他の支援制度を俯瞰した上で、税制上の対応を含め、総合的に必要な施策を検討いたしました。
 その結果、今般、生活福祉資金貸付について、災害援護費、住宅補修費の特例措置を導入するに当たり、高齢者の割合が著しく高い地域では長期の貸付けという従来の手法がなじみにくい、こういったことを勘案して、特に高齢化が著しく進み、半島という地理的な制約から地域コミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度、これを創設いたします。
 その際、半壊以上の被災をした高齢者のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、成案を得てまいります。
 また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても、過疎地が多い能登半島からの人口流出を防ぐ観点から被災地に住み続けていただくことが重要であり、遜色のない対応、これが必要です。
 このために、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担の助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、石川県と調整を進めてまいります。
 そして、原発についてお尋ねがありました。
 先般の原子力規制委員会において、志賀原発については原子力施設の安全機能に異常はなく、その他の原発についても安全確保に影響のある問題は生じていない、このようにされたと承知をしております。
 志賀原発及び柏崎刈羽原発の立地地域においては、既に自然災害と原子力災害との複合災害を想定し、地震と原子力災害が同時に発生した際には、まずは地震に対する安全確保を優先するという防災基本計画の考え方も踏まえながら、緊急時対応の取りまとめに向けて取り組んでいるところであり、今般の地震で得られた教訓をしっかり踏まえて取りまとめを行ってまいります。
 いずれにせよ、高い独立性を有する規制委員会が新規制基準に適合する、このように認めない限り原発の再稼働は認められることはない、これが政府方針であり、今後ともこの方針は変わりません。それを前提として、個別の原子力発電所を廃炉するかどうかはそれぞれの事業者が判断することとなります。
 自民党における政治資金収支報告書の不記載の問題に関する調査方法についてお尋ねがありました。
 現在、自民党の各政策集団、議員側の政治団体において政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、党としても、私の指示の下、これらの状況を把握するとともに、関係者の聞き取りを行ってまいります。そして、この聞き取りの進捗状況を踏まえながら、党として必要な説明責任を果たしてまいります。
 そして、私の政治資金管理団体における政治資金パーティーについてお尋ねがありました。
 お尋ねの政治資金パーティーについては、諸般の事情により当初の予定日である開催が困難となったものですが、私の政治活動のために支出していただいた方々の心遣いに可能な限り応えるため、一度延期することといたしました。
 なお、支出いただいている方の御負担を考え、会費については、この延期後の開催分に充てる旨御連絡をいたしましたが、参加困難との御連絡をいただいた方については当然返金を行う方針であり、御批判は全く当たらないと考えております。
 企業・団体献金についてお尋ねがありました。
 企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を有する、こうした最高裁判決があるにもかかわらず、企業・団体献金は金の力で政治をゆがめ、そして国民の参政権を侵害するというのは論理の飛躍があると考えています。
 企業・団体献金については、各党各派による長年の議論を経て現在の姿になっているものであり、政党等がその受取を行うこと自体が不適切なものとは考えません。
 いずれにせよ、企業・団体献金の在り方については、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関連をしている問題です。民主主義のコストを社会全体でどのように負担していくかという観点も踏まえつつ、各党各派に、会派における真摯な議論を経て結論を得ていくべき問題であると認識をしております。
 中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
 賃上げ促進税制を拡充したところであり、税額控除の繰越措置は、赤字でも優秀な人材確保のために賃上げに挑戦する中小企業の後押しになると考えています。あわせて、労務費の価格転嫁や省力化投資の支援等の施策を総動員することにより、中小企業の賃上げ、後押ししてまいります。
 御指摘の社会保険料の負担軽減については、医療や年金給付の保障を通じた就労基盤の整備が事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の推進を通じ事業主の利益にも資することから事業主負担が求められているものであること、また、内部留保への課税については、二重課税に当たるという指摘があることから慎重な検討が必要であると考えております。
 また、最低賃金については、公労使三者構成の最低賃金審議会で毎年の賃上げ額についてしっかりと御議論をいただき、その積み重ねにより、二〇三〇年代半ばまでに全国加重平均が千五百円となることを目指してまいります。
 そして、公務の非常勤職員の給与改善についてもお尋ねがありました。
 国及び地方公共団体の非常勤職員の給与については、常勤の職員や民間との均衡を考慮し、随時改善してまいりました。例えば、国の非常勤職員のうち職務内容等が常勤職員に類似する非常勤職員に関して、基本となる給与について、職務内容を踏まえ、知識、技術及び職務経験等を考慮して決定することとしております。
 今後とも、非常勤職員の適切な採用プロセスを経た上での常勤採用も含め、処遇改善に取り組むとともに、賃上げ促進税制や最低賃金の引上げといった取組を通じて、中小企業やパート、非正規で働く方々の賃上げを後押しし、物価高に負けない賃上げ、これを実現してまいります。
 そして、学校給食費や高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
 学校給食費の無償化については、全国ベースの実態調査を行い、その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等を含めた課題を整理し、速やかに結論を出してまいります。
 また、令和七年度以降の多子世帯における大学等の授業料等の無償化については、対象となる学生等の割合は一五%前後と見込んでおります。
 御指摘の国際人権規約で定められている高等教育の漸進的無償化については、これまで実施してきた低所得世帯向けの大学授業料等の無償化に加えて、令和六年度や令和七年度の無償化の対象を拡大すること、こうした取組を行い、今後とも高等教育費の負担軽減、これは着実に進めてまいりたいと考えております。
 そして、防衛費及び子ども・子育て予算についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て政策については、前例のない規模で抜本的な強化を図り、こども未来戦略の加速化プランの実現に全力で取り組んでまいります。
 また、現在も我が国の安全保障環境が厳しい状況にあることに何ら変わりはなく、国民の命と平和な暮らしを守るため、必要な予算を令和六年度に計上し、防衛力の抜本的強化、これを実現してまいります。
 このように、岸田政権は、防衛力の抜本的強化と子ども・子育て政策の抜本的強化、どちらか一方という二者択一の問題とするのではなく、政府の責任として、共に必要な予算、しっかりと措置をしてまいります。
 我が国の安全保障政策についてお尋ねがありました。
 まず、三文書に基づく取組は、あくまで国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要となるものであり、憲法の範囲内で専守防衛の考え方を堅持しております。
 その上で、自衛隊及び米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動するため、日米一体で軍事介入するという御指摘は当たりません。
 我が国が戦後最も厳しい安全保障のただ中にあることを踏まえて、我が国自身の努力として防衛力の抜本的強化、これ着実に進めてまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 代執行については、沖縄県知事が司法判断に従った対応を行わなかったため、国土交通大臣が法令にのっとり必要な対応を取ったところです。
 その上で、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思っています。
 政府としては、辺野古移設か普天間飛行場、辺野古移設が普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去するための唯一の解決策であると考えています。
 今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様へ丁寧な説明を行いながら辺野古への移設工事を進めてまいります。
 ASEANの中心性及びASEANとの協力についてお尋ねがありました。
 我が国は、一貫してASEANの中心性並びにインド太平洋に関するASEANアウトルック、AOIPを支持しており、昨年十二月の特別首脳会議においても、私自らASEANの首脳との間でこの点を改めて確認をいたしました。
 引き続き、ASEANが中心となった地域協力の取組を尊重しつつ、その他の国、地域とも連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の推進及びこれを通じた地域の平和と安定に向け、積極的な外交を展開してまいります。
 そして、選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
 現行の夫婦同氏制度については、平成二十七年及び令和三年の最高裁大法廷において、性別に基づく法的な差別的取扱いを定めるものではなく、憲法十四条第一項には違反しない旨判断されていると承知をしています。
 いずれにせよ、選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、しっかりと議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えております。拍手
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長浜博行#15
○副議長(長浜博行君) 田島麻衣子君。
   〔田島麻衣子君登壇、拍手〕
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田島麻衣子#16
○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。会派を代表し、質問をいたします。
 冒頭、能登半島地震において犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、御遺族に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災されました方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 まず、震災復興について総理に伺います。
 人として生きるために必要なものは、水です。石川県発表による水道の復旧時期の見通しは、今も珠洲市の一部地域や七尾市街では四月以降とあります。これから二か月以上も水道が使えない暮らしを我々は想像ができるでしょうか。
 総理は、能登半島地震への支援について、できることは全てやるとの考えをおっしゃいましたが、少なくとも年度内には被災地全ての水道を復旧させるべきではないでしょうか。いま一度、政府の水道復旧に懸ける決意を総理に伺います。
 災害救助や復興支援の要諦は、被災地、被災者へのアクセス確保です。今回の能登半島地震でも多くの孤立地区が発生し、まだ道路は直らないのかとの声が相次ぎました。
 県が独自でできることには限りがあります。国道二百四十九号線など主要道路の復旧について、県から国への権限代行の依頼が石川県から出されず、総理の現地入りした一月十四日まで権限代行の総理指示及び国と県の調整が始まらなかった理由は何でしょうか。また、道路に関する国の本格的な災害復旧の代行の決定が一月二十三日まで時間を要した理由は何か、総理、お答えください。
 震災復興に与党や野党は関係ありません。各党の皆様とともに、立憲民主党は復興支援に貢献してまいります。
 次に、大阪・関西万博について伺います。
 能登半島地震の被災地はいまだに深刻な状況にある一方で、大阪・関西万博の工事では建設スケジュールの大幅な遅れが指摘されています。
 万博の関連工事により震災復興に必要な人材、資材、機材が不足し、震災復興が遅れてしまうことがあってはなりません。能登半島地震で助かった命を守ることを最優先し、被災地の支援事業をまず優先させるべきではありませんか。総理の見解を伺います。
 費用が増え続ける万博にはいまだ厳しい国民の目が向けられています。総理、今後万博に関する国費負担が更に増えるようなことはないと、この場で我々にお約束ください。
 昨年、西村前経産大臣は、参議院の経産委員会で、大阪・関西万博の運営赤字を国が穴埋めすることはないと明言しました。万博の運営費に赤字が出た場合、国は補填をしないという従来の方針は、大臣が交代しても変わりはないとこの場で明言いただけますか。総理、お答えください。
 次に、総理が主導する、余りに不完全、そして余りに甘い政治改革について質問します。
 国民は今怒っています。聞く力をアピールされてきた総理に伺います。国民はなぜ、今の政治資金問題に関する一連の報道について、驚き、落胆し、そして怒っているとお考えですか。総理御自身の見解をお聞きします。
 これまでも、岸田政権では多くの閣僚が辞任してきました。旧統一教会の問題などでは山際経済再生担当大臣や秋葉復興大臣が、失言問題では葉梨法務大臣が、政治資金問題では寺田総務大臣が辞任をしました。公職選挙法違反では柿沢法務副大臣が、また、税金の滞納では神田財務副大臣が辞任をしています。鈴木総務大臣、宮下農水大臣、西村経産大臣、松野内閣官房長官も辞任されました。まさに異次元とも言える交代の数です。
 加えて、おとといは、安倍派の小森総務政務官と加藤復興政務官が突如辞任をしました。余りに辞任が多いのではないでしょうか。
 総理に伺います。総理が政権を担われた二年四か月の間に、これだけ多くの政務三役が辞任をしています。改めて、総理の任命責任について伺います。
 現在、岸田内閣を支える政務三役は全て政治資金関連の問題とは無縁であるとの理解で正しいでしょうか。今後、総理は、岸田内閣を支える政務三役に脱税や政治資金関連の問題が指摘された場合には、それぞれにどのような責任を取らせ、また御自身はどのような責任を取られるか、お答えください。
 裏金の定義について伺います。
 総理は、昨年十一月二十一日の衆議院予算委員会で、派閥による政治資金パーティーの収入不記載を問われ、裏金云々という指摘は当たらないと答弁されました。しかし、今年に入っては、裏金ということの定義はしっかり確認しなければなりませんと答弁を変えておられます。総理が考える裏金と国民が考える裏金の意味が異なっては、問題解決は不可能です。裏金とは何を指すのでしょうか。違法にためたお金であっても、銀行口座に残っていたり、事務所の金庫に保管されていれば裏金とは言わないのでしょうか。
 昭和五十七年一月二十日に坂田国務大臣が答弁したように、今回も裏金の定義は分からないとはおっしゃらないでください。御自身も国会で使用された裏金の定義について、総理に明快な答弁を求めます。
 総理、検察は、この社会で正義を実現してほしいという国民の願いに正面から応えられているでしょうか。国税庁の報告によれば、令和四年における国民の平均年収は四百五十八万円と言われています。収支報告書に記載のない、いわゆる裏金が四千万円以上の裏金議員は起訴され、議員本人は起訴され、収支報告書の不記載額が例えば二千万円以上や一千万円以上の議員は検察に起訴されないという今の現実は、一般の市民感情にかなっていると総理はお考えですか。
 総理に伺います。自民党政治刷新本部の中間とりまとめに政策活動費の廃止はありません。私も若手役員の一員として議論した立憲民主党の政治改革案は、政策活動費の禁止を明確にうたっています。総理は、政策活動費の廃止を決断しない理由として、一月二十九日の衆議院予算委員会では、立憲民主党の階議員に対して、政策活動費については政治活動の自由そのものに関わる問題でありますと答弁されました。憲法二十一条一項で認められる政治家の政治活動の自由は、政治家がお金の使い道を明らかにしない自由も含むのでしょうか。総理、お答えください。
 昨年の今頃、国会は、旧統一教会と政治家の癒着の問題に揺れていました。旧統一教会との関係が指摘された山際大臣や秋葉大臣が辞任したのは、皆さんの記憶にも新しいと思います。そのときに総理が繰り返した言葉を覚えておられますか。それは説明責任という言葉でした。各議員がその接点につきまして説明責任を果たしていく、これを地方にも徹底させる、こうした総理御自身の言葉は、その後、どれだけ旧統一教会と関係を持った議員によって誠実に実行されたと考えておられるのでしょうか。総理、お答えください。
 その上で、今回の政治と金の問題において、今後どのように党所属議員や政策集団に説明責任を総理は全うさせるおつもりか、御答弁ください。
 皆さん、裏金政治はもう終わりにしようではありませんか。疑惑が指摘される一人一人に裏金の実態の解明を求め、その検証の上で、各党しっかり協議をし、本物の政治改革案を作る必要があるのではないでしょうか。
 立憲民主党は、一月二十六日、本気の政治改革実現に向けてと題し、他党の提案にも通じる政治改革案を発表しました。
 まず、私たちは、政治家本人の処罰を強化します。すなわち、会計責任者のみに罪を着せない、いわゆる連座制を導入し、政治家による政治資金隠匿罪を創設します。
 そして、私たちは、政治資金の透明性を確保します。これまでの時代錯誤とも言えるPDF形式による収支報告書の公開をやめ、全ての国会議員の関係政治団体、そして政党、政策集団、派閥の政治資金報告書を検索可能な形でデジタル化し、オンラインで提出するように義務付けます。
 加えて、私たちは、一部の党幹部に五十億円近くも支出されてきた政策活動費を禁止し、政策をゆがめる可能性のある企業、団体の政党及び政党支部に対する寄附を禁止します。
 各党の皆様、そして国民の皆様、今年こそ国会から裏金政治を一掃しようではありませんか。何としてもこの国会で、金が力を握る政治に終止符を打つ政治改革を実現しようではありませんか。
 先日、喜ばしい報道がありました。それは、天皇皇后両陛下の御長女、愛子様が大学卒業後、就職されるというニュースです。
 能登半島の震災被害に心を痛める中で、愛子様に励まされ、希望を取り戻す国民も決して少なくないのではないでしょうか。
 二〇一七年に国会が附帯決議を通じて政府に要請したのは、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等でした。しかし、二〇二一年の有識者会議報告書では、それが皇族数の確保に変わりました。
 総理に伺います。政府の報告書では、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する一方で、配偶者の夫と子は一般国民のままとする案が示されました。国民統合の象徴であり、国政上の権能を有さない天皇、皇室の憲法上の地位と、その皇室を構成する女性皇族が、参政権も含め国民としての自由、権利を保障される配偶者及び子と一つの世帯を営む制度は果たして整合性を持ち得るのか、見解を伺います。
 加えて、総理は、二〇二一年の総裁選を含め、SNS等でも、皇室の歴史や伝統、そして国民の皇室に対する見方などを考えれば、女系天皇は考えるべきではありませんと述べられておられます。総理が指摘される皇室の歴史の中で、男系男子の天皇はいつからの伝統なのか、総理の御見解を伺います。
 一九九六年に法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正を答申してから二十八年。以降、国会での議論は全く進まず、いまだに法改正の見通しは立っていません。
 先日、仕事である方とLINE交換をさせていただきました。彼女のLINEの第一声は、私のアイコンについて、職場では旧姓使用のため、表示は戸籍名と旧姓の併記になっていますでした。日本の約九五%の夫婦は女性が改姓しています。女性の活躍を全力で後押しするという総理は、毎回初対面の仕事相手にこうした説明をしなければならない全国の働く女性たちの苦労や負担を総理はどのように考えていますか。
 女性活躍に関連して伺います。麻生元総理が上川外務大臣について、俺たちから見てもこのおばさんやるね、そんなに美しい方とは言わぬけれどもと年齢や容姿に関連するコメントを行いました。
 上川外務大臣に伺います。大臣は、日本外交のトップとしてジェンダー主流化や女性・平和・安全保障、いわゆるWPSを推進するお立場にあります。私は以前、貧困撲滅や人道支援のためにアジア、アフリカ、ヨーロッパの国際機関で働いてまいりました。職場では容姿や年齢に関するコメントはタブーとされ、そうしたコメントを耳にしたことは一切ありませんでした。
 上川大臣、大臣は、おばさんと年齢をやゆするかのような発言及び容姿をやゆするかのような発言を公の場でされたことをどのようにお感じになっていますか。
 こうしたコメントについて、大臣は、有り難く受け止めると返されていますが、この同調圧力の強い日本社会で、同じ境遇にある女性たちも大臣と同じような対応をしなければならないと感じてしまうリスクはないでしょうか。上川大臣、問題があるとすればそれぞれ何が、それは何であるか、そしてなぜ大臣は抗議をされないのか、お答えください。
 総理に伺います。一般論として、職場で同僚や部下に対して、年齢や容姿をやゆする発言を行うことは許されるのでしょうか。行政府の長として、政府見解を総理に伺います。
 DVや性被害は明らかにこの国の大きな課題の一つです。配偶者暴力相談支援センターに寄せられた配偶者からの暴力に関する相談件数は、令和四年度は女性が約十二万件、男性が約三千件と、十二万件を超えました。このように大きな問題であるにもかかわらず、総理の施政方針演説に成人に関する性被害やDVへの対応について述べられた箇所は一切なかったのはなぜでしょうか。総理、理由を御説明ください。
 各自治体の日常生活支援事業など、一人親家庭への生活支援の起点は、いまだに離婚の時点とする自治体があると言われています。こうした自治体では、離婚調停中の実質一人親家庭は受給要件の対象外となり、支援を受けることができません。国は既に実質一人親の定義を広げる通知を出していると理解しますが、全国市町村への周知徹底が不十分なのではないか。こども担当大臣の御見解を伺います。
 いつまでたっても国民が変わったと実感できないDVや性被害の諸課題、児童虐待への対応、子供の貧困対策、奨学金返済に苦しむ若者たちへの対応、望まぬ妊娠をした女性たちへの支援、そして医療的ケア児や多胎児も含めた子育て支援。総理、パーティー券が売れない分野や企業・団体献金の集まりにくい分野は、いつも予算や制度面での支援が後回しになると指摘されているのを御存じですか。この国の政策立案や運用の在り方は、岸田政権下では党や政治資金団体への献金やパーティー券購入の多寡でゆがめられたことはなく、今後もないと明言ください。
 最後に、イギリスでは二〇〇九年に政界を大きく揺るがした経費不正請求事件がありました。経費不正請求の中身は、鳥小屋の設置、ガーデニング用肥料、自宅プールの清掃費、果ては有料動画の視聴料まであったといいます。これによって、イギリス議会では、下院議長、閣僚六名、政務次官四名が相次いで辞任し、数十名もの議員が罷免され、百四十人以上の議員が次期選挙への不出馬に追い込まれたといいます。
 それに比べ、我が国の裏金問題では、裏金を受けたと言われる議員の多くは十分な説明責任を果たしていません。派閥幹部は、議員辞職もしなければ離党すらしません。責任の取り方について甘過ぎる認識ですが、総理、いかがでしょうか。
 今の自民党に政治改革は無理なのではないでしょうか。総理の御見解を伺います。
 国民の皆様は、今まさに政治の浄化を求めています。自分の政治資金を大事にする政治から、国民生活を大事にする政治へ、数千万単位の献金ができなくても、苦しむ一人一人の声がきちんと国政に届く政治へ、我々が変えていく必要があります。
 政治改革を実行しようとする野党の皆様、そして、今、政治と金の問題に内心うんざりされている良識ある公明党や自民党の皆様、是非とも我々とともに裏金政治を今年こそ終わらせようではありませんか。
 人へ、未来へ、真っ当な政治へ。国民の皆様、どうか共に立ち上がってください。立憲民主党は、あなたとともに政治を変えます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#17
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田島麻衣子議員の御質問にお答えいたします。
 被災地における水道復旧の見通しについてお尋ねがありました。
 現在、石川県内の主な浄水場の復旧はおおむね完了し、浄水場から市街部に送水する基幹管路やその先の末端管路の復旧作業に移行しています。これにより県の水道用水の復旧が早まり、御指摘の地域のうち、七尾市では、一月二十七日時点で、能登島を除き、復旧の見通しが二月末から三月末とされています。
 国としては、全国の水道技術者の派遣による人的支援や補助率の、補助率かさ上げの前倒し適用などの財政支援を行っているところであり、引き続き被災地の水道施設の早期復旧に全力で取り組んでまいります。
 そして、国による主要幹線道路の復旧の代行決定の経緯についてお尋ねがありました。
 災害時の道路復旧に当たっては、発災初期の段階で、障害物除去や段差解消等の道路啓開により緊急輸送ルートを確保し、その後、災害応急対策が落ち着いてきた段階で本格復旧を行います。
 今回の地震の場合、発災当初から石川県等と連携しながら、幹線道路については国が自治体に代わって道路啓開作業を行い、約二週間後には約九割で当面の輸送ルートを確保したところです。
 私が一月十四日の現地視察時に石川県知事から要望を受けたのは、本格復旧の国による代行であり、道路啓開から本格復旧へ切れ目なく移行できるよう、所要の手続を経て、国土交通省が一月二十三日に正式に代行を決定したところであります。
 そして、万博についてお尋ねがありました。
 能登復興に万全を期すこと、これは当然であり、支援パッケージを実施し、令和六年度予算、いや、六年度予備費を一兆円に倍増するなど、復旧復興の段階に合わせた機動的、弾力的な財政措置を行うこととしております。
 先般、齋藤経産大臣に対して、資材等の需給を丁寧に把握し、復興に支障のないよう万博関連の調達を計画的に進めるよう指示したところであり、早速経産省では窓口を設置し、石川県と連携体制を構築したと承知をしています。
 また、私として、会場建設費の更なる増額を認めるつもりはないということはこれまでも申し上げてきたとおりであります。会場建設費を含めた万博の主要な費用について、齋藤大臣を中心に、先月設置された有識者委員会も活用しながら、計画との乖離による費用の上振れが生じないよう、継続的なモニタリング、これを行っていくとしています。
 そして、運営費の方ですが、運営費については閣議了解において国庫による負担や助成は行わないこととしており、運営を担う博覧会協会が赤字にならないよう計画を具体化していくものと承知をしております。
 そして、自民党の政策集団の政治資金の問題に関する国民の皆様の受け止めについてお尋ねがありました。
 一連の問題について国民の皆様から厳しい声を頂戴していること、このことを重く受け止めております。厳しい声の理由は様々であると認識しておりますが、今回の一連の問題のそもそもの原因は、現行の法律ですら遵守が徹底されていなかったということ、すなわちコンプライアンスの欠如にあり、このような点からも、国民の皆様の怒り、これはもっともであると考えます。
 自民党として、真摯に反省するとともに、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。改めて、政治は国民のものとの自民党立党の原点に立ち返り、解体的な出直しを図るとの覚悟で信頼回復に向けた取組を進めてまいります。
 私の政権における政務三役人事についてお尋ねがありました。
 一般論として、人事については所管分野の状況や本人の経験、手腕、他の候補者との比較を踏まえて行うこととなりますが、結果として閣僚等の辞任が続いたことについては、任命責任者としてその責任を重く受け止めております。政務三役であるかないかにかかわらず、政治資金の取扱いに疑念を持たれることがないようにすることは当然であり、問題があることを前提とした人事は行っておりません。
 なお、仮定の質問についてお答えを差し控えますが、いずれにせよ、我々国会議員は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないよう常に襟を正していかなければならないと考えており、内閣としても今後一層の緊張感を持って与えられた課題に全力で取り組んでまいります。
 そして、裏金の定義についてお尋ねがありました。
 この裏金の定義については、文脈に応じてこの意味内容が異なっている、また異なり得るものでありますから、一概に定義をお答えすることは困難でありますが、多額のパーティー収入が政治資金収支報告書で不記載となっている中でこの裏金との指摘がされていること、このことについては真摯に受け止めなければならないと考えております。
 そして、検察当局における事件処理についてお尋ねがありました。
 お尋ねは個別事件における検察当局の事件処理に関わる事柄であり、お答えは差し控えなければなりません。その上で、あくまで一般論として申し上げれば、検察当局においては、個々の事案の真相を解明するために、必要な捜査を尽くした上で、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処しているものと承知をしております。
 政策活動費についてお尋ねがありました。
 御指摘の答弁については、政策活動費の使途の公開などについては政党等の政治活動の自由とも密接に関連する旨、お答えしたものであります。
 いずれにせよ、政治活動の使途を明らかにする場合には、各党各会派の真摯な議論を経て、共通のルールに基づき行うべきものであると考えております。
 説明責任の在り方についてお尋ねがありました。
 自民党においては、旧統一教会及びその関連団体と一切関係を持たない方針であり、各議員は旧統一教会との過去の関係については必要に応じて説明責任を果たしているものと考えています。
 いずれにせよ、自民党の政策集団の政治資金の問題については、現在、自民党の各政策集団、議員側の政治団体において政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、まずは関係者において明確な説明責任を果たすことが重要です。党としても、説明責任を果たすよう、しっかりと促してまいります。そして、その上で、党としても、これらの状況を把握するために関係者の聞き取りを行います。そして、その聞き取りの進捗状況を踏まえながら、必要な説明責任を党としても果たしてまいります。
 そして、安定的な皇位継承に関する政府の報告の内容についてお尋ねがありました。
 女性皇族の婚姻後の配偶者と子については、有識者会議において、御指摘のような点も踏まえつつ、皇族とする考え方も含めて比較検討が行われた上で、皇族という特別の身分を有しないこととする考え方が示されたものと承知をしています。政府としては、こうした有識者会議の報告書を尊重しているところであります。また、我が国の皇位継承については、男系継承が古来例外なく維持されてきたところであります。
 そして、選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
 夫婦の別氏の、失礼、夫婦の氏の在り方については様々な意見があることを承知しておりますが、選択的夫婦別氏制度の導入については、直近の令和三年の世論調査を見ても国民の意見が分かれているところです。家族の在り方の根幹に関わる問題であり、最高裁判決においても、国会で論じられ、判断されるべき事柄であるという指摘がなされているところです。
 いずれにせよ、議員から御紹介いただいたような声も真摯に受け止め、国会において議論を進めていただき、その中で具体的な制度の在り方を含め建設的な議論をしていただくことは重要なことであると認識をしております。
 年齢や容姿に関する発言についてお尋ねがありました。
 性別や立場を問わず、年齢や容姿をやゆし、相手を不快にさせるような発言をすることを慎むべきである、このことは当然のことであります。
 岸田内閣においても、全ての方が生きがいを感じられ、その尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される包摂的な共生社会を実現していく、この基本方針を掲げております。この基本方針に基づいて政策を進めてまいります。
 性被害やDVへの対応についてお尋ねがありました。
 DVや性暴力は、個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。施政方針演説において、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての方が生きがいを感じられ、その尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される包摂的な共生社会を実現してまいる旨、決意を述べさせていただきました。
 そのような問題意識の下、本年四月に施行する改正配偶者暴力防止法の円滑な運用や性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針に基づく施策の着実な実施など、DVや性暴力の被害者支援の更なる強化、これを図ってまいります。
 そして、政策分野と献金等の関係についてお尋ねがありました。
 御指摘のような政策分野についても、政権としてそれぞれの課題に取り組んでいるところであり、決して後回ししているということはありません。党や政治資金団体への献金等の多寡により政策立案の在り方などがゆがめられるということは、これまでも、そしてこれからもありません。
 そして、自民党の政策集団の政治資金の問題に関する政治責任についてお尋ねがありました。
 まず、関係者において明確な説明責任を果たすことが重要であり、党としても説明責任を果たすようしっかり促してまいります。同時に、党としても、政治資金収支報告書の訂正状況を把握するとともに、事実関係の把握に向けて関係者への聞き取りを行い、不記載の実態の把握に努めます。そして、あるべき政治責任については、こうした事実関係の可能な限りの把握などの手順を踏みながら、党として考えていく必要があります。
 いずれにしても、国民の皆様の厳しい声、これを重く受け止めるとともに、政治改革の結果、政治改革を結果でお示しできるよう、私自身先頭に立って信頼回復に向けた取組を進めてまいります。
 そして、残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
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上川陽子#18
○国務大臣(上川陽子君) 田島麻衣子議員にお答えいたします。
 私に関する麻生元総理の発言についてお尋ねがございました。
 私は、初当選以来、信念に基づきまして政治家としての職責を果たす、こうした活動に邁進してまいりました。今、女性・平和・安全保障、WPS、この新しい動きを主流化すべく、この根付かせるための取組に全力を注いでいるところでございます。
 世の中には様々な御意見や、また考え方があるということについては承知をしております。しかし、使命感を持って一意専心、緒方貞子さんのように、脇目も振らず着実に努力を重ねていく考えであります。
 田島議員、是非、WPS、一緒に頑張りましょう。拍手
   〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕
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加藤鮎子#19
○国務大臣(加藤鮎子君) 一人親家庭への支援の対象に関する周知についてお尋ねがありました。
 母子父子寡婦福祉法に基づく支援について、離婚前であっても父又は母による現実の扶養を期待することができない場合、具体的には、法に定める遺棄された時点から一年以上その状態が継続すると見込まれるときは一人親に当たることとしています。
 この取扱いについて昨年三月に改めて周知を行ったところであり、引き続き様々な機会を捉えて周知徹底に努めてまいります。拍手
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長浜博行#20
○副議長(長浜博行君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
    ─────────────
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長浜博行#21
○副議長(長浜博行君) 岡田直樹君。
   〔岡田直樹君登壇、拍手〕
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岡田直樹#22
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹です。
 私は、会派を代表して、岸田総理大臣の施政方針演説などについて、とりわけ令和六年能登半島地震を中心に政府の認識や対応を質問いたします。
 おのずと能登半島、石川県、北陸、日本海沿岸に関する項目が多くなりますが、地震、津波などの災害は日本全国どこでも生じる懸念があります。被災県の議員ではありますが、地域を超えた気持ちでお尋ねし、お訴えをしたいと存じますので、議員各位の何とぞ御理解をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 一月一日午後四時過ぎ、新年をふるさとで祝う人々を突然の悲劇が襲いました。
 昨日までに、震災関連で亡くなった方を含めて死者二百四十名に達しております。心から哀悼の誠をささげ、御縁のある皆様にお悔やみを申し上げます。
 また、今なお安否不明の方々がおられます。そして、負傷され、体調を崩された方々を始め、家や生活の基盤を失い、つらい日々を送っておられる全ての被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 地震発生の翌日、羽田空港から被災地に支援物資を運ぶ任務のさなか、職に殉じられた五名の海上保安官も忘れることができません。
 そして、被災者を、被災地を救うため献身的に奮闘していただいている全ての皆様、自らも被災されながら故郷を守るため懸命に力を尽くされている皆様を含め、深い敬意と感謝を表するものであります。
 全国各地から温かい御同情と義援のお志が寄せられております。多くの方々がボランティアに登録を行い、既に活動を開始されています。女性の支援者の方々からも大きなお力をいただいて、避難所の環境整備なども行われております。議員各位におかれましても、党派を超えて支援の輪を広げていただいておりますことに、被災県の一員として厚く厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。
 今この瞬間も被災者の皆様が厳しく不安な時を過ごしておられることに深く思いを致し、一日一刻も早く日常生活を取り戻すために、また、将来の再建に向けて質問に入らせていただきます。
 能登はやさしや土までも。岸田総理が施政方針で述べられたように、昔から石川には、能登はやさしや土までもという言葉があります。総理が外に優しく内に強靱と表現されたとおり、純朴で我慢強く、互いに支え合って生きてきた能登の人々の優しい気持ちは、その土にまでも深くしみ込んでいるという意味でしょう。
 しかし、一説には、やさしやはやせしや、つまり痩せているという意味ではないかとも言われております。日本海に突き出した能登半島の厳しい地理的条件、自然条件の中で過疎化が進み、高齢化率も半島先端の珠洲市では五〇%を超えております。あえて申せば、能登は地震前から厳しい土地柄でありました。
 皆様、能登はもちろん石川県にあります。しかし、石川県にだけあるのではありません。全国の半島、離島、そして人口減少や高齢化に悩む地域は全て能登と呼ぶことができると私は思います。今回の地震は、全国至る所の厳しい環境にある過疎地域に共通した大きな不安を投げかけております。
 人々は、故郷に戻り、住み続けることができるかの瀬戸際にいます。自治体も存続の危機に立たされております。能登の人々には今、将来の希望の光が必要です。まず、いかなる手段を用いても被災地の復旧復興を成し遂げる断固たる決意を岸田総理にお伺いいたします。
 ここまで政府は、矢継ぎ早に予備費を活用し、財政的支援を強力に行ってきました。先月二十六日には、被災者支援パッケージとして千五百五十三億円の予備費の支出を決定しました。先月十一日には激甚災害の指定が行われ、寸断された道路、水道、送電線などの復旧に向け、被災自治体の負担が大幅に軽減されます。さらに、大規模災害復興法に基づく非常災害指定が閣議決定され、道路、河川、砂防に加えて、漁港、港湾、海岸なども施設復旧の権限代行が可能となりました。当面の急務は、こうした復旧作業を迅速に進めることであります。
 しかし、それだけでは能登は再生できません。人口減少や高齢化に悩む能登においては、単に壊れたものを元に戻す復旧ではなく、将来にわたって住民が住み続けることができる大いなる復興が必要と考えます。第三回国連防災世界会議で採択されたビルド・バック・ベター、創造的復興を成し遂げねばなりません。
 それには、内閣に設置された復旧・復興支援本部の下、復旧復興に係る財政需要に対して、新たな補助制度の創設や既存制度の拡充、その裏付けとなる地方負担に対する十分な交付税措置などの強力な財政支援を講じていくことが必要です。同時に、この本部がしっかりと創造的復興を実現するには、省庁の垣根を越えて横断的なワンチーム的な組織でなければなりません。
 この強力な財政支援とバックアップ組織について、施政方針で示されたように、異例の措置でもためらわずに実行する、できることは全てやるという意気込みを実現するため、創造的復興、大いなる復興に向けた総理の方針を伺います。
 加えて、東日本大震災や熊本地震などに匹敵する甚大な被害を地域にもたらしたことから、被災者の方々のきめ細かなニーズや地域の再生に対応していくための復興基金の創設、そして規模感についても総理のお考えを伺います。
 コロナ禍で東京一極集中に変化の兆しが見えたものの、社会経済活動の回復とともに、再び地方から大都市への人の流れが戻ってきています。石川県内を見ても、金沢周辺と能登の格差は大きなものがあります。
 そのような中、能登の各自治体は、その持てる潜在力を生かして地方創生に懸命に努めてきました。例えば、珠洲市では、奥能登国際芸術祭を開き、また使われなくなった小学校の校舎に金沢大学のキャンパスを誘致。こうした新たな取組もあれば、輪島市の白米千枚田に象徴される世界農業遺産の指定、平安時代から続くという輪島の朝市、輪島塗や珠洲焼等の伝統工芸など、古き良きものも守ってきました。北朝鮮や中国の漁船と対峙しながら、日本海での漁業も続けてまいりました。
 地震により大打撃を受けましたが、こうした歴史、自然、生活、文化を守り、新しい息吹をもたらそうとする努力を助けることが創造的復興につながるのではないでしょうか。
 そこで、能登がこの大災害を克服し、地方創生を成し遂げることができるよう、全国的な地方創生のモデル地域あるいは地方創生復興特区などの位置付けを願いたく、総理の御所見をお伺いします。
 今回の能登半島地震は、日本全国に警鐘を打ち鳴らすものであります。南海トラフ地震、首都圏直下地震がもし起これば、その人的被害、経済的損失ははるかに巨大になると予想されます。
 そこで、南海トラフ地震、首都圏直下地震などの大災害に備えて、国土強靱化対策を加速度的に進め、最善の措置をあらかじめ講じていくことは政府の最も重大な責務であり、喫緊の課題と考えますが、現状の国土強靱化対策は十分と言えるでしょうか。更に一段の強靱化に向けた総理の見解を伺います。
 また、今回の地震に際して、防衛省の借り上げた民間貨客船の「はくおう」やナッチャンという船が七尾港に入港し、避難者の受入れや災害対策の拠点となりました。その取組を見るにつけ、被災地に海上から医療と物資を届けることができる災害時多目的船、いわゆる病院船の整備はやはり急がねばならないと実感をいたしました。令和三年に成立した議員立法では、船舶を活用した医療提供体制の推進に必要な計画の策定が義務付けられておりますが、災害時多目的船の早急な整備に総理はどう取り組むお考えでしょうか。
 今回の地震で道路や水道、送電施設などが大きな被害を受け、数多くの孤立集落が発生しました。道路網は寸断され、支援部隊や医療チームの派遣、生活物資の搬入は困難を極めました。
 そのような中、孤立集落支援のため、自衛隊は、空からはヘリ、海からは大型のホバークラフトを使って支援物資の陸揚げを行いました。また、自衛隊員は、土砂で埋まった車の通れぬ道を、支援物資を詰め込んだ大きな荷物を背負いながら、歩いて被災者に届けていただきました。住民の方々にとって、誰一人取り残さないという言葉を身をもって実践した自衛官の皆様は温かく、頼もしい存在であります。深い感謝をささげます。黙々と働く若い自衛官に報いるような処遇を切に望みます。
 また、消防庁長官の指示を受けて極めて短期間に全国から駆け付けていただいた緊急消防援助隊の皆様、住民の捜索活動や治安維持のために各都道府県から派遣された警察官の方々、道路の応急復旧などに尽力された国土交通省地方整備局のテックフォースの皆様、上下水道、電気などのライフラインの復旧を急いでおられる関係者の皆様、献身的に御努力いただいている医療、福祉、介護関係者の皆様、公務員はもとより、最前線で御苦労されている民間の皆様には本当に頭が下がります。
 総理は、一月十四日に被災地に入り、被災状況と現地の事情を直接見ていただきました。食料や飲料水、生活物資の供給支援や、電気や通信網、上下水道などのライフラインといったインフラの復旧について、一刻も早く実現するという意気込みを伺うとともに、できるだけ復旧の時期的見通しを示していただきたいと思います。とりわけ、能登にとって生命線、命の道というべき国道二百四十九号、のと里山海道、能越自動車道などの幹線道路は、今回表明された国の権限代行によって早期の復旧が切に望まれます。総理の意気込みをお伺いします。
 避難生活が長引く中、災害関連死が大変懸念されます。石川県では、避難者の身体的、精神的な負担を軽減し、災害関連死を食い止めるために、一・五次避難所を金沢市の石川県スポーツセンターに開設し、自宅の復旧や仮設住宅の準備が整うまでの間に活用するホテルや旅館といった二次避難所までのつなぎ対策を講じました。
 ただ、短期的な移動であっても、住み慣れた場所や家族、知人と離れることに大きな不安を示す方が多いことから、一・五次避難所や二次避難所の積極的な確保と併せて、被災者のコミュニティーにも配慮した対応が必要です。熊本地震の際、地元選出の国会議員として災害関連死の問題に直面した経験をお持ちである松村防災担当大臣に、いかにして一・五次避難、二次避難を迅速に実施していくのか、そのお考えをお伺いします。
 また、一・五次避難所や二次避難所への移動に伴う不安解消のために、必ず皆さんをふるさとに戻すと明言した石川県知事と同様、総理からも、国が責任を持ってできるだけ早く必ず住み慣れたところに戻ることができるようにするとの決意を込めて、改めて被災者に届くようお聞かせください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 現在、石川県や県内の市町は、プレハブや木造の応急仮設住宅の建設を急いでおり、三月末までに応急仮設住宅約三千戸を着工し、うち約一千三百戸で入居可能になると見込まれております。一月二十日現在で三万を超えた住宅被害棟数を考えると、更なる建設が必要です。
 ただ、能登半島の地理的な制約から、家屋を建設できる土地は極めて少ない状況です。自治体による仮設住宅建設の場合、農地の転用許可は不要とされましたが、それだけでも足りず、被災地の企業で家を失った従業員が他の地域に移ってしまうことも強く懸念されます。自治体だけでなく、企業が応急的な社宅を建てる場合なども含めて農地転用許可を不要とするなど、被災地からの働き手の流出を食い止めていただきたく、総理の御見解を伺います。
 また、民間賃貸住宅の活用により、短期間での提供が可能となる応急借り上げ住宅も供与が始まっています。
 東日本大震災では、約十二万戸の応急仮設住宅のうち、応急借り上げ住宅は約七万戸でした。被災者の暮らし再建の促進に大きな効果がある事業であると考えます。
 ただ、現行の応急借り上げ住宅の制度では、一旦割り当てられると、家族が増えるなど自己都合による転居が原則的に認められず、被災者のニーズの変化に対応できていないという指摘があります。
 そこで、応急仮設住宅や応急借り上げ住宅への財政的な支援、そして事務手続をサポートする人材的な支援、さらには、応急借り上げ住宅の一層の活用に向けた被災者のニーズの変化への柔軟な対応について、総理に伺います。
 家屋が倒壊し、衣服も履物も家財道具も、そして地方では移動のために不可欠な自動車も失ってしまった被災者が大勢おります。家屋の解体撤去費用については、全壊だけでなく半壊も自己負担ゼロとなりますが、これに加えて、生活の再建に向けた準備に掛かる費用を考えれば、被災者生活再建支援制度の拡充や追加的な支援が必要です。
 総理は、今国会で最大三百万円の被災者生活再建支援金の追加支援について具体的な対応を至急取りまとめると述べられましたが、追加支援を早急に示していただきたく、総理の答弁を求めます。
 今回、能登半島北部を中心に、木造住宅が多く倒壊し、犠牲者が多数発生しましたが、全国的にも過疎地では木造住宅の耐震化は遅れがちであります。既に申し上げた輪島市朝市通り周辺地域では、地震で倒壊した家屋から火災が発生し、約三百軒、ほぼ五ヘクタールが焼失しました。
 阪神・淡路大震災で神戸市長田区などで八十三ヘクタール、七千棟以上に及んだ火災を発生したことから、全国で密集市街地の火災対策を進めてきましたが、地震以外でも、平成二十八年、糸魚川市の大火もありました。今も全国には木造住宅密集地が点在し、東京都内にも八千六百ヘクタール、二十三区の一割強に相当する面積が残っております。
 今回の輪島市での延焼を教訓に、全国各地で地震時に発生し得る木造住宅密集地での大規模火災を防ぐ方策の強化が急がれます。
 能登半島の被災自治体、そして同様の状況にある全国の自治体でも、木造住宅の耐震化や群発地震による耐震力への影響の確認、防火性の向上を含む延焼を防ぐ地域づくりを進めることができるよう、国による財政支援や技術支援を厚くすべきです。さらに、膨大な災害廃棄物の処理に伴う被災自治体の負担の更なる軽減も必要です。
 より地震と火災に強い町づくりを根本的に進めていくことについて、総理の御所見を伺います。
 コロナ禍の苦しい時期をようやく乗り越えようとしていたやさき、震災被害に見舞われました。観光業では、旅館、ホテル、飲食店などの施設や周辺インフラへの重大な被害により、再開の見通しも立たないところも多く出ています。大きな風評被害も生じています。
 石川県の物づくり産業でも、建物や設備の損傷が多数発生。奥能登の酒造会社では酒蔵の倒壊などの大きな被害を受けました。伝統工芸品の工房も被災し、再建のめどが立ちません。
 港湾岸壁の被災により、生産・物流活動に影響が出た企業もあります。再建するにも、ゼロゼロ融資の返済の本格化に加えて、復旧費用や売上減少が重くのしかかります。考え得る方策を総動員し、悪循環を食い止めなければなりません。
 そこで、第一に雇用調整助成金などによる地域雇用の維持、第二になりわい再建支援事業や持続化補助金、伝統産業などの事業継続や商店街の再生のための補助金などによる事業者再建支援、第三に低利子の災害復旧貸付けや返済猶予、債権買取りや出資の可能な官民ファンドによる事業再生支援などの資金繰り支援、こうした三本柱を軸に、個々の事業に寄り添った対応が不可欠であります。
 その際、被災地から人と企業が流出しないような手だて、例えば雇用調整助成金の助成率上限額の思い切った引上げも必要と思いますが、総理の御所見をお聞かせください。
 あわせて、一月二十五日に取りまとめたパッケージの早期実行に加え、雇用となりわいを守るとともに、将来に向けて成長できる環境を整えていくためには、その実現までに何度でも施策パッケージを講じていく必要があります。総理の決意を伺います。
 国や地域は官の力だけで守れるものではありません。自衛隊、消防、警察、海保などに劣らず、建設産業の方々も、日頃から地域を守り、災害から地域住民を助けるヒーローであります。車中泊をしながら道路の復旧に当たる方々もおられます。
 しかし、地元の建設産業は、人手も足りず、全国的には資材高騰の深刻化で事業継続が厳しくなっています。真っ先に被災地の復旧復興に取りかかる、地域に密着する建設産業の維持と発展について、総理のお考えをお伺いします。
 石川県は、日本海沿岸の各県とともに豊富な海の幸に恵まれ、ブランド化を目指している農畜産物を産出していますが、その農林水産業も大きく被災しました。ため池や用水路、牛舎、農機格納庫などの損壊、多くの漁船の転覆や沈没、漁港の使用不能など、重大な被害が出ております。
 この被害の大きさを前にして、高齢化が進んでいる農山漁村では復旧復興を諦めてしまいかねず、一次産業存続の危機であります。
 そこで、政府には、農地や林道、漁港や漁場などの被災した施設の復旧復興、漁船や加工施設などの再建を急ぐとともに、日本の食料安全保障と輸出戦略を支える農林水産業の持続的な発展にもつながる支援策を講ずることが極めて重要と考えますが、総理の御所見を伺います。
 また、熊本地震の復興のシンボルである熊本城のように、能登半島地震にも復興のシンボルが必要です。世界農業遺産の中心的存在でありながらずたずたに引き裂かれた輪島の千枚田、長い歴史を持つ輪島朝市は、時間が掛かろうとも、国がてこ入れをして絶対に復興しなければならないと思いますが、総理にこの決意についてお伺いいたします。
 折しも来る三月十六日、北陸新幹線が金沢から福井県敦賀まで延伸開業されます。二〇一五年に予想を上回る効果を生んだ金沢開業に続いて、北陸における第二の開業効果を目指して準備を進めてまいりました。地震による影響を乗り越え、むしろ一体感を強めて、地元を挙げて進められてきた準備を止めてはなりません。
 大胆な北陸応援割を始めとして、観光業の支援が強く求められます。
 そこで、復旧復興、さらに地方創生を実現していくために、被災した文化財や美術館などの観光施設の修復、そしてこれらを生かした観光地の更なる魅力向上につながる復興プランの作成と実行にどう取り組むのか、そして被災地以外の風評被害をどう払拭するのか、総理にお尋ねします。
 さらに、生活はもちろん、観光の足となる能登空港やのと鉄道などの交通インフラの復旧、あわせて、被災した七尾市和倉温泉などの地域に再び多くの観光客が訪れることができるよう、国や鉄道事業者においては、JR七尾線やのと鉄道を活用した取組を強力に行うことは不可欠と考えますが、総理のお考えを伺います。
 そして、先人の苦心のたまものである北陸新幹線ですが、東海道新幹線の開業から既に六十年近く経過しております。北陸新幹線は、整備計画として決定されている東京と新大阪を日本海側経由で結ぶ総延長約七百二十キロのうち、敦賀までの延伸開業で約五百八十キロが開通することとなり、残るは敦賀―新大阪間の二割だけとなります。
 令和六年度予算案には、北陸新幹線の敦賀以西の整備に向けた調査費として、前年度比二億円増の十四億円が盛り込まれていますが、予定ルート上の環境影響評価、アセスメントが遅れており、敦賀から先の着工が見送られております。
 地元自治体や経済界は、北陸の成長基盤となる最重要インフラとして早期の全線開業を待ち望んでおります。これが完成すれば、東海道新幹線、北陸新幹線で東京と大阪を結ぶ環状ルートが日本の真ん中に出現いたします。国土の多重性が高まり、強靱化の点でも、地方創生の観点でも、極めて大きな意義があります。
 北陸新幹線の全線開業は、独り北陸のみならず、我が国の新たな国土軸を形成するものであり、国土強靱化と地方創生の中で今まで以上に重く位置付けられるべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。その上で、全線開業に向けた早期着工について総理の決意をお伺いいたします。
 未来の地域社会を担う青少年にも手厚い対応が求められます。
 被災した受験生のために、大学入学共通テストの追試験会場を東京、京都に限らず、金沢大学にも設けられたことに感謝をいたします。
 学習の機会を確保するため、様々な取組が進められております。大きな被害を受けた自治体では、保護者の同意が得られた希望者を一時的に県内の他の自治体に移す集団避難が実施をされています。それでも、避難の期間や学校再開までの長期化、それに伴う子供たちへの影響が懸念されます。災害の激しさが、子供たち、若者たちの心に残した影響も心配であります。
 被災地の子供たちを、学習環境の再建や経済的な支援、精神、身体のあらゆる面でのケアなどで国が全力で支えていくことが重要であります。総理のお気持ちをお聞かせください。
 結びに、この度は、国民の皆様に対して、政治不信を招きましたこと、大変申し訳なく存じ、信頼回復に努めるとともに、自らの責務を果たしてまいることをここにお誓いして、私の質問を終わらせていただきます。
 誠にありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#23
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 岡田直樹議員の御質問にお答えいたします。
 復興への決意についてお尋ねがありました。
 今般の震災では、厳しい状況が幾重にも重なり、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられています。政府としては、一日も早い復旧復興を進めていくため、先週には被災者の生活となりわいの支援のためのパッケージを決定し、政府を挙げて実行しています。
 その上で、息の長い取組となることを踏まえ、能登半島地震復旧・復興支援本部を新たに設置をし、できることは全てやるとの考え方の下、被災自治体と緊密に連携をし、そのニーズを受け止めながら、被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組んでまいります。
 被災地復興に向けた方針と財政支援についてお尋ねがありました。
 石川県の馳知事は、創造的復興という考え方で能登半島地震からの復興ビジョンを示そうとされています。再び能登に戻れないのではないかといった不安の声も聞かれます。そうした被災地の声にしっかりと寄り添い、復旧・復興支援本部を司令塔として、政府一丸となって被災地の復旧復興を全面的にバックアップしてまいります。
 財政措置についても、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることがあってはならないという考え方の下、令和六年度予算案を変更し、一般予備費を一兆円に倍増する極めて異例な対応を行いました。その上で、被災自治体が被災者のきめ細かなニーズに対応しつつ、ビジョンに沿った復旧復興に取り組めるよう、復興基金の必要性も含め、適切に判断をいたします。
 そして、能登における地方創生についてお尋ねがありました。
 今般の災害対応では、能登の方々のきずなの力がデジタル、スタートアップ、官民連携などと組み合わされて生まれる新たな力を目の当たりにしました。能登には、議員の御指摘のとおり、すばらしい歴史、自然、生活、そして文化があります。これらを新たな力で再生し、馳知事も提唱されている創造的復興につなげることで、全国の地方創生のモデルと位置付けられるよう、あらゆる施策を総動員して能登の地方創生の取組を支援してまいります。
 国土強靱化の取組についてお尋ねがありました。
 今般の能登半島地震では、耐震化率が低い地域での木造家屋群の倒壊や火災、代替ルートが少ない山がちな半島の先という特性から来るインフラ、ライフラインの寸断、途絶など、今後、防災・減災を進める上で様々な教訓が得られました。
 政府においては、現在、五か年加速化対策を始め、国土強靱化の加速化、そして深化を推進しているところですが、今回の災害の教訓を生かすためにも、また、来る巨大災害に備えるためにも、今回の被災・復旧過程の分析やこれまでの取組の効果の検証を行い、更なる防災・減災の取組につなげてまいります。
 船舶活用医療についてお尋ねがありました。
 御指摘の船舶活用医療推進法は、本年六月までに施行されるところ、法の施行後は、政府において船舶を活用した医療提供体制の整備推進計画を策定するとともに、私を本部長とする船舶活用医療推進本部において総合的かつ集中的に体制整備を推進することとされています。
 これまで政府では、民間カーフェリーに医療用テント等を展開して、救護活動を行うための実証訓練を実施するなど、法の施行に向けた準備を着実に進めてまいりました。法の施行後は、船舶を活用した医療提供体制の速やかな構築に向けて、まずは既存の船舶を活用した活動マニュアルの策定等を進めるとともに、より効果的な体制の在り方について総合的な検討を不断に進めてまいります。
 インフラ復旧に関してお尋ねがありました。
 発災当初から、政府として、被害が甚大な幹線道路の道路啓開を自治体に代わって行うなど、インフラ、ライフラインの復旧に全力を挙げてきました。その結果、電力や携帯電話はおおむね復旧をしました。上水道については、おおむね浄水場までの復旧は完了しましたが、奥能登六市町の管路復旧は年度内まで、そして一部地域は四月以降まで時間を要する、こういった見通しであります。
 被災者の帰還を実現するためには、インフラ復旧を加速化させる必要があり、御指摘の自動車専用道路を含め、二十六か所の道路、空港、港湾、海岸、漁港等について、国による権限代行等を速やかに実施をし、被災自治体と連携してインフラの早期復旧に全力で取り組んでまいります。
 二次避難等をされる方の不安解消に向けた取組についてお尋ねがありました。
 安心して二次避難等をしていただくためには、再び住み慣れた土地に戻ってこられるという見通しを持っていただくことが極めて重要です。
 私自身、被災地を視察し、被災者の方に安心して二次避難等をしていただけるよう、地元の仮設住宅の建設を始め、再び住み慣れた土地に戻ってくるための環境整備を並行して行うというお約束をしてまいりました。また、不安や懸念が解消されるよう、丁寧な情報提供に努めるよう指示をしてきたところです。
 被災された方々が再び住み慣れた土地に戻ってこられるよう、そして一日も早く元の平穏な生活を取り戻すことができるよう、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づき、政府として被災地の復旧復興を強力に推進してまいります。
 被災地で仮設住宅を建設する際の農地関連の手続についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、地方公共団体による仮設住宅建設の際には農地転用許可を不要としています。さらに、企業等が仮設住宅を建てるために農地を一時転用する際には、通常であれば、農用地区、農用地区域からの除外が必要であるところ、これを不要とした上で、転用手続についても緊急性等を考慮して迅速に行うこととしております。
 能登の基幹産業である農業の復旧復興に向けて、優良農地の維持にも配慮、留意しつつ、被災地において仮設住宅建設が円滑に進むよう対応してまいります。
 応急仮設住宅についてお尋ねがありました。
 応急仮設住宅には、民間賃貸住宅を借り上げる方式や新たに建設する方式等があり、被災者のニーズに応えつつ、迅速な提供を図るため、国としても、災害救助法に基づく財政負担だけでなく、人的支援、空き室の提供など、様々な支援を行っています。
 今回の災害では、家屋倒壊により自宅に戻れない被災者が極めて多いため、まずは一刻も早く応急的な住まいを希望者に提供していくことが最優先ですが、入居者数の増加や健康状態の変化などの事情があれば住み替えは可能であり、その旨を被災自治体に周知徹底してまいりますし、そのための人的支援等も行ってまいります。
 そして、被災者生活再建に向けた追加支援についてお尋ねがありました。
 被災により住宅の被害を被った被災者への経済的支援の在り方については、被災地のニーズやその実情、さらには現下の経済情勢も踏まえて、能登の実情に合わせた追加的な方策を検討すると申し上げてきました。
 その具体的な内容について、昨日開催した令和六年能登半島地震復旧・復興支援本部の第一回会合において私からお示ししたところであります。
 特に、高齢化が著しく進み、半島という地理的制約から地域コミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設けます。
 その際、半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、この追加策の成案を得たい、得てまいります。
 また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても、遜色のない対応が必要であり、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、その方策について石川県と調整を進めてまいります。馳石川県知事からは謝意を示していただいたところですが、制度設計の検討、調整、加速してまいります。
 地震と火災に強い町づくり及び災害廃棄物処理の自治体負担軽減についてお尋ねがありました。
 これまでの継続的な取組の結果、耐震化率と密集市街地の改善が進み、市街地の安全性は向上しましたが、今回の地震では、高齢化が進み、耐震化率、防火性が低い地域での木造住宅群の倒壊、火災等の被害が顕著であり、今後、この教訓を踏まえ、耐震化の促進、防火性の向上に更に取り組んでまいります。
 災害廃棄物の処理については、特定非常災害の指定により、全壊家屋に加えて半壊家屋も高い国負担で被災自治体が公費解体撤去を行えるよう措置をいたしましたが、被災状況を踏まえた上で、更なる負担軽減を含め必要な支援を検討してまいります。
 雇用調整助成金と施策パッケージについてお尋ねがありました。
 雇用調整助成金については、過去の災害対応も参考としつつ、助成率や支給日数を引き上げる特例を設けました。日額上限額については、失業給付の上限額とのバランスを踏まえることが適当と考えていますが、今般の特例では従業員の出向や教育訓練も引上げの対象とするなど、きめ細かい配慮を行っており、被災地の雇用維持を支援してまいります。
 また、支援パッケージでは、復旧復興段階まで幅広い施策を盛り込み、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところです。
 政府として、被災者に寄り添いながら、切れ目なく、機動的、弾力的に必要な財政措置を講じてまいります。
 建設産業の維持と発展につきましてお尋ねがありました。
 地域の建設業は、災害が発生すれば応急復旧のために直ちに出動するなど、地域にとって不可欠な存在です。今回の能登半島地震においても、発災直後から道路啓開等に従事し、極めて厳しい環境の中で命をつなぐ緊急輸送ルートを確保していただきました。尽力いただいた事業者、作業員の皆様に心から敬意を表し申し上げます。
 引き続きこうした役割を担っていただけるよう、適正な労務費が確保され、資材高騰が適切に価格転嫁された請負契約や働き方改革、生産性向上を促す法案を今国会に提出をし、担い手確保を通じた持続可能な建設業の健全な発展を実現してまいります。
 能登半島地震で被災した農林水産業等の復旧復興についてお尋ねがありました。
 被災地の農業、農林水産業については、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づき、漁港などの生産インフラの復旧や機械等の再建、金融支援等の各種支援を重層的に講じ、復旧復興が成った暁には、我が国の食料安全保障と輸出戦略を支えるものとして持続的に発展していけるよう後押しをしてまいります。
 また、世界農業遺産の能登の里山里海を代表とする白米千枚田や、日本三大朝市に数えられる輪島朝市、これらは地域の方々の誇りであります。なりわいの再生、観光復興に向け、その復興再生を全力で支援をしてまいります。
 そして、北陸の観光地の復興及び鉄道を利用した、活用した能登観光復興の取組についてお尋ねがありました。
 観光地の再生に向けて、国の権限代行や支援により、幹線道路、上下水道、能登空港、鉄道等のインフラ、ライフラインの本格復旧を迅速に進めてまいります。
 その上で、地域の観光資源の復興再生に向けて、復興プラン策定段階から政府としての息の長い支援を行ってまいります。その際に、観光列車の活用や能登地域への旅行商品造成は復興の象徴となり得るものであり、観光需要喚起策と併せて、政府としても実現を後押ししてまいります。
 また、北陸四県の比較的被災が少なかった地域については、風評対策として、三月の北陸新幹線延伸の機会も捉え、正確な情報発信と集中的な観光プロモーションを行いつつ、三月、四月を念頭に北陸応援割を実施してまいります。
 北陸新幹線の全線開通についてお尋ねがありました。
 北陸新幹線は、関東、関西と北陸との結び付きを更に強め、日本海側、太平洋側の二面活用や地域活性化に重要な役割を果たすのみならず、重層、多層、多重的な新幹線ネットワーク構築により災害に対するリダンダンシーを確保を図る重要な交通インフラです。
 これまで長野、金沢まで段階的に開業し、北陸新幹線の発展に大きく寄与してきましたが、北陸地方の発展に大きく寄与してきましたが、震災からの復興に向けて、三月十六日の金沢―敦賀間の開業を予定どおり進めてまいります。残る敦賀―新大阪間については、着工に向けた諸条件について検討を深め、一日も早い全線開業を実現していきたいと考えております。
 被災地の子供たちへの支援についてお尋ねがありました。
 政府においては、現在、子供たちが置かれている様々な環境に応じた支援として、具体的には、学校施設の復旧支援、教科書や一人一台端末の提供、家計が急変した子供に対する修学支援、教職員やスクールカウンセラーの派遣などを行うとともに、二次避難を検討される保護者への情報提供、行っております。
 政府としては、子供の環境に応じた学習支援や経済支援、そして心のケア等を行い、被災地の子供たちを全力で支えてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
   〔国務大臣松村祥史君登壇、拍手〕
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松村祥史#24
○国務大臣(松村祥史君) 岡田直樹議員から、一・五次避難及び二次避難の進め方についてお尋ねがございました。
 被災地では、冬の寒さと長引く避難生活により、厳しい環境が続いております。知事、市長、町長にとってはまさに苦渋の決断であったと思いますが、命と健康を守るため、地域外の環境の整ったホテル、旅館など、いわゆるみなし避難所への二次避難等を進めておられます。
 熊本地震の実態を踏まえ、災害関連死を何としても防止するため、みなし避難所の利用額の基準の特例的な引上げを行ってきたほか、地域のコミュニティーを維持したいといった多様なニーズにも応えられるよう、必要十分な二次避難先等の確保に努め、県が行います受入れ施設のマッチング等を支援してきたところでございます。
 引き続き、被災者お一人お一人の立場に寄り添いながら、県とも連携の上で、更に全力で支援してまいります。拍手
    ─────────────
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尾辻秀久#25
○議長(尾辻秀久君) 木村英子君。
   〔木村英子君登壇、拍手〕
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木村英子#26
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
 本日は、会派を代表し、障害者の立場から質問いたします。
 元日に能登半島地震が起き、多くの方が犠牲になりました。心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 日本は今まで、幾たびも大きな地震に見舞われ、多くの尊い命が失われました。本来であれば失わなくて済む命があった。それが今、岸田総理に問われている問題です。迅速に陣頭指揮を執るべき岸田総理が被災地を訪れたのは、二週間もたってからでした。憤りを感じてなりません。
 東日本大震災では、障害者の死亡率は健常者の二倍と言われています。当時、地域で介護者を付けて独り暮らしをしていた重度障害者が、津波が来ると分かったとき、諦めましょうと言って、そのまま亡くなりました。危機を前にして諦めなければならなかった障害者の恐怖と無念、一緒に連れていけず、一人、障害者を置いてその場を立ち去らなければならなかった介護者の悔恨、これが自分で逃げられない私たち障害者の置かれた現実です。この現実を変えていかなければなりません。
 まず初めに、全ての被災者の方たちに必要な支援を早急に行っていくために、先日開かれた予算委員会での我が党の山本代表からの要請について確認いたします。
 私たちは、災害救助法の施行令を改正し、洋服や日常品などの生活必需品の支給金額を増額することや、災害救助法で支援する期間や数値を限定せず、災害の収束まで支援をすること、また、被災者生活再建支援法を改正し、住宅再建費用の五分の四を国が負担すること、そして、これらの支援について、半壊以下の被災者や過去の災害の被災者にも適用することなどを要請しました。
 それに対し、岸田総理が示した支援パッケージでは、私たちの要請は何一つ入っておらず、このままでは、半壊以下の被災者や過去の災害の被災者の方々を始め、多くの被災者が取り残されたままになってしまいます。
 岸田総理は、できることは全てやるとおっしゃっていますが、言葉だけでは何の意味もありません。我が党の要請は、被災者がお金の心配をせずに再建に立ち向かうために当然必要な支援策であり、今すぐ実行するべきです。岸田総理、お答えください。
 次に、避難所のバリアフリーについて質問します。
 能登半島全体で高齢化率が五割を超える地区が多く、障害者の方は一万人以上いますが、いまだに避難できる避難所が見付からず、余震が続く中、壊れて危険な自宅にいるしかない方も少なくありません。
 原因の一つに、一次避難所のバリアフリー化の遅れがあります。一次避難所にはバリアフリートイレなどの設備がないことが多く、周りに迷惑を掛けたくないとトイレや食事を我慢してしまうことで体を壊し、災害関連死を容易に引き起こす状態にあります。
 一次指定避難所は全国で約七万か所あり、そのうちの約四割が公立の小中学校ですが、主な避難所となる体育館にバリアフリートイレがある学校は約四割しかなく、避難所のバリアフリー化が進んでいません。
 今回被災した能登地方では、バリアフリートイレが設置された体育館が一つもない自治体も存在します。避難所のバリアフリー化は、障害者や高齢者だけでなく、子供のいる方や妊婦さんなど、誰にとっても必要なことです。
 そこで、各自治体に対し一次避難所のバリアフリー化を進めるよう働きかけるとともに、自治体が安心して取り組めるように、バリアフリー化の補助率を現行の二分の一から更に引き上げるべきだと思います。岸田総理の見解を求めます。
 また、福祉避難所では、介護する職員が足りず、新たな受入れができないところも出てきており、一次避難所や自宅で避難生活をしている方も同様に介護者不足で、先ほども申し上げたとおり、支援の必要な障害者や高齢者の方たちが災害関連死の危険と隣り合わせの状況です。
 支援の必要な方々には一刻の猶予もありません。国が予算を付けて責任を持って十分な数の介護者を被災地へ派遣しなければ、多くの方が犠牲になってしまいます。岸田総理、すぐに実行してください。
 そもそも、平時より全国で介護者が絶対的に不足しているため、災害などの緊急事態に人手不足が更に深刻になっています。私自身も常に介護者不足で、いつ国会に登院できなくなってもおかしくない状況を抱えています。災害時に支援の必要な方々の命を守るためにも、人手不足解消のための介護者の待遇改善を今すぐに行うべきです。
 先日発表された報酬改定では、スズメの涙ほどの賃金しか上がらず、それどころか、訪問介護の報酬に関しては減額されると聞き、耳を疑いました。全産業平均より年間七十五万円も低いとされる状況を激変させ、平時からのほかの業種と同等の賃金とすべきです。岸田総理、お答えください。
 支援の必要な障害者や高齢者にとって、設備などのハードのバリアだけではなく、差別的な言葉や扱いを受け、避難所に行けなくなったり、いられなくなったりする事例が後を絶ちません。
 今回の被災地でも、盲導犬を連れた視覚障害者の方が避難所で拒否されたり、知的障害者の子供が大声を出して怒られ、避難所にいづらくなって、倒壊のおそれのある危険な自宅に帰るしかない方もいます。
 そして、何よりも信じられなかったのは、被災者のために用意された仮設の入浴設備を利用しようとしたところ、車椅子の方や障害のある方、手の掛かる方は御遠慮くださいと入浴を断られた方がいたことです。
 このような差別や心のバリアは、障害者と健常者が幼いときから分けられ、同じ地域で出会う機会を奪われ、お互いを知らないことで生み出されてきています。そうした心のバリアを解消するために、国連を始めあらゆる意思決定の場で、私たち抜きに私たちのことを決めないでというスローガンが用いられるようになりました。
 東日本大震災で支援の必要な人たちが取り残されていたことを受けて、二〇一五年に日本で開かれた国連防災世界会議では、誰も排除されない、誰も排除しない、誰も排除させない、インクルーシブ防災という考えが新たに打ち出されました。この会議の中では、私たち抜きに私たちのことを決めないでという言葉が繰り返し強調され、当事者参画が重視されています。
 障害者を始めとする様々な当事者を排除せず、誰一人取り残さない防災、復興を実現するために、国連が提唱しているインクルーシブ防災の理念に基づき、今後あらゆる協議会や会議体には当事者を必ず参加させることを強く求めます。総理の御見解をお聞きします。
 岸田総理の言う、あしたは今日より良くなる日本に向かうという言葉が本当であるならば、今震災で苦しんでいる全ての被災者の方々が一日でも早く元の生活に戻れるように、私たちの提案を実行することをこの場で国民に対して約束してください。
 以上、私の質問は終わります。拍手
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
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岸田文雄#27
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 木村英子議員の御質問にお答えいたします。
 生活必需品の提供と被災者生活再建支援金についてお尋ねがありました。
 災害救助法に基づく生活必需品の供与については、あらかじめ定められた救助期間や基準額では救助の適切な実施が困難な場合にはその延長や引上げが可能であり、今回の災害でも柔軟に対応してまいります。
 また、被災者生活再建支援金は、やむを得ない事情により期間内に申請することができないと都道府県が認める場合には期間延長が可能であり、政府としては引き続き丁寧に都道府県の相談に乗ってまいります。
 その上で、被災者生活支援、支援金は、災害による財産の損失を補填するものとしてではなく、見舞金的な性格のものとして被災者を側面的に支援するものと位置付けられておりますので、まずは被災者生活支援金については迅速に支給をいたします。
 その上で、被災により住宅の被害を被った被災者への追加的な支援の在り方について検討を行いました。
 高齢者、高齢化が著しく進み、半島という地理的制約から地域コミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設けます。
 その際に、半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、成果を得てまいります。
 また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても遜色のない対応が必要であり、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、石川県と調整を行います。
 避難所のバリアフリー化についてお尋ねがありました。
 公立学校のバリアフリー化については、説明会の実施や事例集の作成等により教育委員会への働きかけを実施しているところであり、引き続き取り組んでまいります。
 また、バリアフリー化されていない施設を避難所として開設した場合には、仮設の障害者用トイレやスロープの設置費用について災害救助法による国庫負担の対象としております。
 学校施設のバリアフリー化への国庫補助の割合については、令和三年度に三分の一から二分の一に引き上げたところですが、今後とも、障害者の、障害者や高齢者等の要配慮者の方々の視点に立ち、全ての人が安心して避難所を利用できるよう、避難所のバリアフリー化を促進してまいります。
 そして、被災地への介護職員の派遣についてお尋ねがありました。
 避難所等において介護を担う職員に不足が生じている状況を改善するため、関係団体と連携して、被災により従業員が不足する施設や避難者を受け入れる施設等への介護職員等の応援派遣を進めております。
 これに加えて、自治体職員や保健師などが巡回等を行い、在宅避難者等の状況の把握に努めているとともに、避難所にDWAT、災害派遣福祉チームを派遣して支援を行っています。
 必要な予算は確保しており、要配慮者の方が安心して避難生活を送ることができるよう、引き続き、県とも連携しながらこれらの取組を推進してまいります。
 介護者の処遇改善についてお尋ねがありました。
 介護、障害福祉分野における賃上げを始めとする人材確保への対応は重要な課題であり、岸田政権は、公的価格、公定価格の見直しを掲げ、これまで累次の処遇改善を講じています。
 今般の介護、障害福祉分野の報酬改定では、政府経済見通しで令和六年度の全産業平均の一人当たりの雇用者報酬の伸びが二・五%と、物価上昇率と同水準と見込まれている中、こうした見込みと整合的にベースアップを求めているところであり、物価高に負けない賃上げを実現することで人材確保を進めてまいります。
 インクルーシブ防災についてお尋ねがありました。
 障害者を始め、誰もが排除されず、誰一人取り残されない防災や復興を実現していくため、防災政策の検討過程等における障害者や女性、高齢者などの参画を促進し多様な視点を取り入れること、これは重要であると認識をしております。
 国の防災基本計画では、地方防災会議の委員への任命など、地域の防災に関する政策決定過程や防災の現場において障害者などの参画の必要性を明記するとともに、国においても、被災者支援の在り方を検討する会議等で、障害当事者団体の代表の方に委員として参画いただくなどの取組を進めています。
 今後とも、様々な立場の当事者の方が参画する意義を十分に踏まえ、インクルーシブ防災の推進を図ってまいります。拍手
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尾辻秀久#28
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
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尾辻秀久#29
○議長(尾辻秀久君) この際、お諮りいたします。
 浅尾慶一郎君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、赤池誠章君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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