岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 榛葉賀津也議員の御質問にお答えいたします。
 自民党の政策集団の政治資金の問題に関する真相究明と政治責任についてお尋ねがありました。
 まずは、関係者において明確な説明責任を果たすことが重要であり、党としても説明責任を果たすようしっかりと促してまいります。同時に、党としても、政治資金収支報告書の訂正状況を把握するとともに、事実関係の把握に向けて関係者への聞き取りを行い、不記載の実態の把握に努めてまいります。
 そして、その上で、あるべき政治責任については、こうした事実関係の可能な限りの把握などの手順を踏みながら、党として対応を考えます。
 そして、能登半島地震の被災者支援についてお尋ねがありました。
 災害関連死を防ぐため、生活環境の整った旅館、ホテル等への二次避難を支援しているほか、避難所への衛生用品等のプッシュ型支援や健康管理を行う保健師らの派遣等を行っています。また、感染症の関係学会の専門チームと連携した避難所等における感染対策の支援や、関係団体と連携した被災地の社会福祉施設等への介護職員等の応援派遣、そしてDMAT等の救護班による福祉施設利用、病院利用者の受入れ調整、また緊急小口資金の災害時特例の迅速な貸付け等、これを進めております。
 なお、この御指摘の議員立法については、まずは国会において御議論いただくべきものであると考えております。
 そして、被災者の働く環境整備についてお尋ねがありました。
 被災された方々が一日も早く平穏な生活を取り戻すことができるよう、一月二十五日に、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ、取りまとめました。
 本パッケージに基づき、なりわいの再建に向け、雇用保険の特例措置、雇用調整助成金の助成率引上げ等の地域の雇用対策を実施しているほか、なりわい補助金を始めとした中小・小規模事業者の支援などの施策にも早急に取り組んでまいります。
 引き続き、被災地の声、しっかりと耳を傾けながら、被災者の生活となりわいの再建支援にスピード感を持って取り組んでまいります。
 今般の震災への予算面での対応についてお尋ねがありました。
 生活、なりわい再建やインフラ復旧を含め、今般の震災対応に必要となる財政需要については、残額が三千億円を超える今年度予備費と、一兆円に倍増した来年度予備費を活用し、復旧復興の段階に合わせ、数次にわたって機動的、弾力的に財政措置を講じていくこととしており、現時点で補正予算の提出は想定しておりません。
 先月二十五日に決定した支援パッケージを実行するため、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところですが、今後とも、切れ目なく、機動的、弾力的に財政措置を講じていく方針であり、令和六年度予算案の速やかな成立をお願いいたします。
 そして、被災地の復興に向けた人材確保についてお尋ねがありました。
 被災地の復興を担う建設業や物流業においては、二〇二四年問題に直面をしており、人材の確保が喫緊の課題です。建設業については、幹線道路などの大規模事業は国が代行して、国の協定事業者も積極的に活用するなどとともに、プレハブ仮設建設などで全国展開するメーカーの協力を得て、全国から必要な人材を確保してまいります。
 物流業においても、被災県と提携している県トラック協会のほか、全国団体にも協力を要請しつつ、物資支援や復興工事に支障のないようドライバー等の確保、進めています。こうした取組を通じて、被災地の復旧復興に支障がないよう人材確保に万全を期してまいります。
 電力を始めとしたエネルギーの安定供給についてお尋ねがありました。
 エネルギーの安定供給は国民生活や経済活動の基盤です。政府としても、災害に強い広域的な電力供給システムの構築や、電力の供給力を確実に確保するための市場の整備等を実施してまいりました。二〇二五年三月までに取りまとめる予定の電力システム改革に関する包括的な検証や、災害時の対応も含めたエネルギーシステムの在り方の不断の検討なども踏まえ、今後、エネルギー基本計画の見直しの中でエネルギーの安定供給についても議論されるものと承知をしております。
 災害時における関係機関の情報共有についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、災害時に迅速に通信障害等の復旧を進めるに当たっては、民間の取組を促進するのみならず、国としても復旧作業に資する情報を、デジタル技術も活用しながら、関係機関、団体等で効果的に、そして効率的に共有するための環境を整備すること、これが重要であると考えます。
 政府においては、通信障害エリアのほか、復旧工事を迅速に進めるに当たって必要となる道路の通行止めに関する情報等を共有し、国、自治体、民間等が一体となった災害対応を行うための次期総合防災情報システムを開発しているところです。このシステムを含め、デジタル技術も十分に活用しながら、災害時における関係機関等の情報共有を推進することにより、通信障害等の復旧の一層の迅速化を図ってまいります。
 そして、賃上げと政労使の意見交換についてお尋ねがありました。
 賃上げは、岸田政権の最重要課題です。先月も政労使の意見交換を開催し、私から昨年を上回る賃上げを強く呼びかけ、春季労使交渉ではこれに呼応する動きが広がっています。
 政府としても、賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁の指針の徹底活用、省力化投資の支援等、あらゆる政策を総動員するとともに、引き続き労使の方と丁寧にコミュニケーションを取りながら賃上げを強力に後押ししてまいります。
 トリガー条項の凍結解除についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、中小企業や地方における賃上げや被災地における生活、なりわい再生などのためにも、燃油価格の安定、これは不可欠です。
 このため、燃料油価格の激変緩和措置は四月末まで継続しますが、その後の出口戦略としては様々な手法があると考えており、御指摘のトリガー条項の凍結解除についても、与党と国民民主党の政策責任者の下で、国際エネルギー情勢、脱炭素に向けた国際的な潮流なども総合的に勘案して検討を進めていただいております。
 そして、本日も三党の検討チームによる協議が行われたと報告を受けております。実務上の混乱を解決するための課題や能登地方でのサービスステーションの負担回避等について精力的に御議論をいただきましたが、まだ解決策を見出すには至っていない、こうした報告を受けております。
 引き続き、真摯に協議が行われることを期待しており、その協議における実務的課題の整理の状況を踏まえつつ、政府として適切に対応をいたします。
 そして、自動車税制についてお尋ねがありました。
 自動車重量税の当分の間税率については、国、地方の財政状況や環境負荷に応じた税率を設定していること等を踏まえれば、その廃止については慎重であるべきであると考えています。
 その上で、今後の自動車関連諸税の在り方については、与党税制改正大綱において、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、インフラの維持管理、機能強化の必要性等を踏まえつつ、国、地方を通じた財源の安定的な確保を前提に中長期的な視点に立って検討を行うとされており、与党での議論を踏まえ、政府としても検討を進めてまいります。
 そして、中小企業の賃上げや、非正規雇用労働者、そして医療・介護従事者の処遇改善についてお尋ねがありました。
 中小企業の賃上げ実現に向けて、労務費転嫁の指針の活用など価格転嫁の促進や省力化投資などの生産性向上支援、これを進めてまいります。また、令和五年度から既に賃上げを推進する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置を講じています。さらに、今般、賃上げ促進税制を拡充することとしています。
 非正規雇用労働者の賃上げについては、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守徹底を図っていくとともに、希望する方の正社員化に向けた支援に引き続き取り組んでまいります。
 また、医療、介護等の分野における賃上げについては、昨年末、必要な水準の報酬の改定率を決定したところであり、加算措置部分の報告を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備するなど、確実な賃上げの実現につなげてまいります。
 御指摘のような様々な施策を総動員して、成長と賃上げの好循環を実現してまいります。
 そして、労務費の価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
 先月の政労使の意見交換でも、私から労務費転嫁の指針に沿った行動の徹底を産業界に強く要請をいたしました。
 また、各産業等を所管する省庁から、千八百七十三の業界団体を通じて海外企業も含む会員企業に対し、幅広くこの指針の周知徹底とフォローアップを行うこと、また、特に対応が必要な二十二業種には自主行動計画の策定や転嫁状況の監査、改善を行うことも要請しており、官房副長官の主導する関係省庁連絡会議を通じてフォローアップを行うことで、指針の実効性、これを高めてまいります。
 政府調達や地方自治体の事業におけるスライド条項の設定についてお尋ねがありました。
 国交省の公共工事においては、契約締結後の物価動向を踏まえ、スライド条項を用いた契約変更を行っており、地方自治体に対しても同様の対応を促すとともに、元請事業者と下請事業者の間での変更契約による価格転嫁も促しております。
 公的な物品、サービスの調達についても、官公需法に基づき毎年閣議決定をしている国等の契約の基本方針において、原材料費等の上昇や最低賃金額の改定等があった場合、契約金額の変更の検討など適切に対応する旨が定められており、これを国の各機関や地方自治体に対し適切に周知してまいりたいと思います。
 そして、貨物鉄道へのモーダルシフトについてお尋ねがありました。
 貨物鉄道へのモーダルシフトは、物流の二〇二四年問題への対応やカーボンニュートラルの観点からも重要であり、政府では、昨年十月に取りまとめた物流革新緊急パッケージにおいて、貨物鉄道の輸送量と輸送分担率を今後十年程度で倍増させることを目標として掲げたところです。目標達成に向けて、大型トラックと同じ規格のコンテナを貨物鉄道で積載できるよう貨物駅を改良するなど、モーダルシフトに必要な施設整備の支援にしっかりと取り組んでまいります。
 そして、地域公共交通の再構築についてお尋ねがありました。
 改正地域交通法によって、地域の将来像に合わせたローカル鉄道の再構築に向けて、鉄道交通事業者や沿線自治体などの地域の関係者の合意形成に国が積極的に関与し、予算面でも力強い支援を行う枠組みが導入されました。ローカル鉄道を含む地方の公共交通は、人口減少による長期的な需要減によって苦しい状況にありますが、新しい枠組みの下でその地域にふさわしい公共交通サービスの利便性、持続可能性、そして生産性の向上にしっかりと取り組んでまいります。
 新幹線の整備についてお尋ねがありました。
 新幹線ネットワークは、地域相互の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の促進、地方創生に重要な役割を果たすとともに、災害時における代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要な意義を有しているものと認識をしています。
 こうした効果を最大限発揮できるよう、北海道新幹線、北陸新幹線などの整備新幹線の着実な整備に取り組むとともに、リニア中央新幹線の整備に向けた環境を整えるなど、地方自治体等の関係者と連携協力をし、幹線鉄道ネットワークの整備、これを推進してまいります。
 対米外交戦略についてお尋ねがありました。
 米大統領選への言及がありましたが、日本外交、安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤である日米同盟の重要性については、米国でも党派を超えた強力な認識が存在していると認識をしております。私自身、四月に予定している公式訪米の機会に両国の緊密な連携を一層深め、強固な日米同盟、世界に示す機会にしたいと考えております。
 そして、金正恩委員長からのメッセージについてお尋ねがありました。
 今般の能登半島地震による被害に対しては、多くの国、地域からお見舞いや支援のメッセージを受けており、日本政府として感謝をしています。御指摘の金正恩委員長からのお見舞いのメッセージについても感謝の意を表明したところであります。
 御指摘のような北朝鮮側の政治的意図についてお答えする立場にはありませんが、いずれにせよ、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すとの立場には変わりはありません。諸懸案の解決に向け、金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めてまいります。
 そして、米国大統領選挙を念頭に置いた北朝鮮問題についてのお尋ねがありました。
 米国大統領選挙における個々の候補の立場について、様々な分析はなされていますが、私の立場でコメントすることは控えます。
 いずれにせよ、北朝鮮の核・ミサイル開発は我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、米国大統領選挙の結果にかかわらず、引き続き、米国を始めとする国際社会とも協力しながら、国連安保理決議の完全な履行を進め、米国の核、失礼、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求め続けてまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2024-02-02

院: 参議院

会議名: 本会議