岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田村智子議員にお答えいたします。
能登半島地震における避難所運営についてお尋ねがありました。
避難所の生活環境の改善のため、御指摘の段ボールベッドのほか、和式の仮設トイレを洋式と同じように使うための便座、プライベート空間を確保するためのパーテーションなど、様々な物資をプッシュ型で支援しているところです。また、避難所の運営に関し、女性の視点からの避難所チェックシートの活用を促すなど、男女共同参画の視点に立った災害対応についても取り組んでおります。
今後とも、被災地の状況をきめ細かく把握しながら、避難所の良好な生活環境の確保に取り組んでまいります。
上下水道の復旧対応についてお尋ねがありました。
上下水道施設の復旧に当たっては、発災当初から全国自治体の上下水道技術者等を派遣するなど、国が関係機関と協力して、被災自治体に代わり、上下水道一体となった復旧支援を行っています。こうした技術的支援とともに、災害復旧事業における四月以降の水道施設の補助率のかさ上げを前倒しして適用することで、応急復旧としての仮設管や仮設浄水施設の設置に加え、上下水道の本格復旧に迅速に進むよう、水道事業の主体である自治体に対し必要な財政面の支援、これも行ってまいります。
そして、被災者生活再建支援金についてお尋ねがありました。
被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものではなく、見舞金的な性格のものとして被災者を側面的に支援するものと位置付けられています。このため、被災者生活再建支援金については迅速に支給することといたします。
その上で、被災により住宅の被害を被った被災者への追加的な支援の在り方については、様々な他の支援制度を俯瞰した上で、税制上の対応を含め、総合的に必要な施策を検討いたしました。
その結果、今般、生活福祉資金貸付について、災害援護費、住宅補修費の特例措置を導入するに当たり、高齢者の割合が著しく高い地域では長期の貸付けという従来の手法がなじみにくい、こういったことを勘案して、特に高齢化が著しく進み、半島という地理的な制約から地域コミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度、これを創設いたします。
その際、半壊以上の被災をした高齢者のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、成案を得てまいります。
また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても、過疎地が多い能登半島からの人口流出を防ぐ観点から被災地に住み続けていただくことが重要であり、遜色のない対応、これが必要です。
このために、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担の助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、石川県と調整を進めてまいります。
そして、原発についてお尋ねがありました。
先般の原子力規制委員会において、志賀原発については原子力施設の安全機能に異常はなく、その他の原発についても安全確保に影響のある問題は生じていない、このようにされたと承知をしております。
志賀原発及び柏崎刈羽原発の立地地域においては、既に自然災害と原子力災害との複合災害を想定し、地震と原子力災害が同時に発生した際には、まずは地震に対する安全確保を優先するという防災基本計画の考え方も踏まえながら、緊急時対応の取りまとめに向けて取り組んでいるところであり、今般の地震で得られた教訓をしっかり踏まえて取りまとめを行ってまいります。
いずれにせよ、高い独立性を有する規制委員会が新規制基準に適合する、このように認めない限り原発の再稼働は認められることはない、これが政府方針であり、今後ともこの方針は変わりません。それを前提として、個別の原子力発電所を廃炉するかどうかはそれぞれの事業者が判断することとなります。
自民党における政治資金収支報告書の不記載の問題に関する調査方法についてお尋ねがありました。
現在、自民党の各政策集団、議員側の政治団体において政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、党としても、私の指示の下、これらの状況を把握するとともに、関係者の聞き取りを行ってまいります。そして、この聞き取りの進捗状況を踏まえながら、党として必要な説明責任を果たしてまいります。
そして、私の政治資金管理団体における政治資金パーティーについてお尋ねがありました。
お尋ねの政治資金パーティーについては、諸般の事情により当初の予定日である開催が困難となったものですが、私の政治活動のために支出していただいた方々の心遣いに可能な限り応えるため、一度延期することといたしました。
なお、支出いただいている方の御負担を考え、会費については、この延期後の開催分に充てる旨御連絡をいたしましたが、参加困難との御連絡をいただいた方については当然返金を行う方針であり、御批判は全く当たらないと考えております。
企業・団体献金についてお尋ねがありました。
企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を有する、こうした最高裁判決があるにもかかわらず、企業・団体献金は金の力で政治をゆがめ、そして国民の参政権を侵害するというのは論理の飛躍があると考えています。
企業・団体献金については、各党各派による長年の議論を経て現在の姿になっているものであり、政党等がその受取を行うこと自体が不適切なものとは考えません。
いずれにせよ、企業・団体献金の在り方については、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関連をしている問題です。民主主義のコストを社会全体でどのように負担していくかという観点も踏まえつつ、各党各派に、会派における真摯な議論を経て結論を得ていくべき問題であると認識をしております。
中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
賃上げ促進税制を拡充したところであり、税額控除の繰越措置は、赤字でも優秀な人材確保のために賃上げに挑戦する中小企業の後押しになると考えています。あわせて、労務費の価格転嫁や省力化投資の支援等の施策を総動員することにより、中小企業の賃上げ、後押ししてまいります。
御指摘の社会保険料の負担軽減については、医療や年金給付の保障を通じた就労基盤の整備が事業主の責任であり、働く人の健康保持や労働生産性の推進を通じ事業主の利益にも資することから事業主負担が求められているものであること、また、内部留保への課税については、二重課税に当たるという指摘があることから慎重な検討が必要であると考えております。
また、最低賃金については、公労使三者構成の最低賃金審議会で毎年の賃上げ額についてしっかりと御議論をいただき、その積み重ねにより、二〇三〇年代半ばまでに全国加重平均が千五百円となることを目指してまいります。
そして、公務の非常勤職員の給与改善についてもお尋ねがありました。
国及び地方公共団体の非常勤職員の給与については、常勤の職員や民間との均衡を考慮し、随時改善してまいりました。例えば、国の非常勤職員のうち職務内容等が常勤職員に類似する非常勤職員に関して、基本となる給与について、職務内容を踏まえ、知識、技術及び職務経験等を考慮して決定することとしております。
今後とも、非常勤職員の適切な採用プロセスを経た上での常勤採用も含め、処遇改善に取り組むとともに、賃上げ促進税制や最低賃金の引上げといった取組を通じて、中小企業やパート、非正規で働く方々の賃上げを後押しし、物価高に負けない賃上げ、これを実現してまいります。
そして、学校給食費や高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
学校給食費の無償化については、全国ベースの実態調査を行い、その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等を含めた課題を整理し、速やかに結論を出してまいります。
また、令和七年度以降の多子世帯における大学等の授業料等の無償化については、対象となる学生等の割合は一五%前後と見込んでおります。
御指摘の国際人権規約で定められている高等教育の漸進的無償化については、これまで実施してきた低所得世帯向けの大学授業料等の無償化に加えて、令和六年度や令和七年度の無償化の対象を拡大すること、こうした取組を行い、今後とも高等教育費の負担軽減、これは着実に進めてまいりたいと考えております。
そして、防衛費及び子ども・子育て予算についてお尋ねがありました。
子ども・子育て政策については、前例のない規模で抜本的な強化を図り、こども未来戦略の加速化プランの実現に全力で取り組んでまいります。
また、現在も我が国の安全保障環境が厳しい状況にあることに何ら変わりはなく、国民の命と平和な暮らしを守るため、必要な予算を令和六年度に計上し、防衛力の抜本的強化、これを実現してまいります。
このように、岸田政権は、防衛力の抜本的強化と子ども・子育て政策の抜本的強化、どちらか一方という二者択一の問題とするのではなく、政府の責任として、共に必要な予算、しっかりと措置をしてまいります。
我が国の安全保障政策についてお尋ねがありました。
まず、三文書に基づく取組は、あくまで国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要となるものであり、憲法の範囲内で専守防衛の考え方を堅持しております。
その上で、自衛隊及び米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動するため、日米一体で軍事介入するという御指摘は当たりません。
我が国が戦後最も厳しい安全保障のただ中にあることを踏まえて、我が国自身の努力として防衛力の抜本的強化、これ着実に進めてまいります。
普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
代執行については、沖縄県知事が司法判断に従った対応を行わなかったため、国土交通大臣が法令にのっとり必要な対応を取ったところです。
その上で、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思っています。
政府としては、辺野古移設か普天間飛行場、辺野古移設が普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去するための唯一の解決策であると考えています。
今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様へ丁寧な説明を行いながら辺野古への移設工事を進めてまいります。
ASEANの中心性及びASEANとの協力についてお尋ねがありました。
我が国は、一貫してASEANの中心性並びにインド太平洋に関するASEANアウトルック、AOIPを支持しており、昨年十二月の特別首脳会議においても、私自らASEANの首脳との間でこの点を改めて確認をいたしました。
引き続き、ASEANが中心となった地域協力の取組を尊重しつつ、その他の国、地域とも連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の推進及びこれを通じた地域の平和と安定に向け、積極的な外交を展開してまいります。
そして、選択的夫婦別氏制度についてお尋ねがありました。
現行の夫婦同氏制度については、平成二十七年及び令和三年の最高裁大法廷において、性別に基づく法的な差別的取扱いを定めるものではなく、憲法十四条第一項には違反しない旨判断されていると承知をしています。
いずれにせよ、選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、しっかりと議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えております。(拍手)
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