岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 岡田直樹議員の御質問にお答えいたします。
復興への決意についてお尋ねがありました。
今般の震災では、厳しい状況が幾重にも重なり、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられています。政府としては、一日も早い復旧復興を進めていくため、先週には被災者の生活となりわいの支援のためのパッケージを決定し、政府を挙げて実行しています。
その上で、息の長い取組となることを踏まえ、能登半島地震復旧・復興支援本部を新たに設置をし、できることは全てやるとの考え方の下、被災自治体と緊密に連携をし、そのニーズを受け止めながら、被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組んでまいります。
被災地復興に向けた方針と財政支援についてお尋ねがありました。
石川県の馳知事は、創造的復興という考え方で能登半島地震からの復興ビジョンを示そうとされています。再び能登に戻れないのではないかといった不安の声も聞かれます。そうした被災地の声にしっかりと寄り添い、復旧・復興支援本部を司令塔として、政府一丸となって被災地の復旧復興を全面的にバックアップしてまいります。
財政措置についても、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることがあってはならないという考え方の下、令和六年度予算案を変更し、一般予備費を一兆円に倍増する極めて異例な対応を行いました。その上で、被災自治体が被災者のきめ細かなニーズに対応しつつ、ビジョンに沿った復旧復興に取り組めるよう、復興基金の必要性も含め、適切に判断をいたします。
そして、能登における地方創生についてお尋ねがありました。
今般の災害対応では、能登の方々のきずなの力がデジタル、スタートアップ、官民連携などと組み合わされて生まれる新たな力を目の当たりにしました。能登には、議員の御指摘のとおり、すばらしい歴史、自然、生活、そして文化があります。これらを新たな力で再生し、馳知事も提唱されている創造的復興につなげることで、全国の地方創生のモデルと位置付けられるよう、あらゆる施策を総動員して能登の地方創生の取組を支援してまいります。
国土強靱化の取組についてお尋ねがありました。
今般の能登半島地震では、耐震化率が低い地域での木造家屋群の倒壊や火災、代替ルートが少ない山がちな半島の先という特性から来るインフラ、ライフラインの寸断、途絶など、今後、防災・減災を進める上で様々な教訓が得られました。
政府においては、現在、五か年加速化対策を始め、国土強靱化の加速化、そして深化を推進しているところですが、今回の災害の教訓を生かすためにも、また、来る巨大災害に備えるためにも、今回の被災・復旧過程の分析やこれまでの取組の効果の検証を行い、更なる防災・減災の取組につなげてまいります。
船舶活用医療についてお尋ねがありました。
御指摘の船舶活用医療推進法は、本年六月までに施行されるところ、法の施行後は、政府において船舶を活用した医療提供体制の整備推進計画を策定するとともに、私を本部長とする船舶活用医療推進本部において総合的かつ集中的に体制整備を推進することとされています。
これまで政府では、民間カーフェリーに医療用テント等を展開して、救護活動を行うための実証訓練を実施するなど、法の施行に向けた準備を着実に進めてまいりました。法の施行後は、船舶を活用した医療提供体制の速やかな構築に向けて、まずは既存の船舶を活用した活動マニュアルの策定等を進めるとともに、より効果的な体制の在り方について総合的な検討を不断に進めてまいります。
インフラ復旧に関してお尋ねがありました。
発災当初から、政府として、被害が甚大な幹線道路の道路啓開を自治体に代わって行うなど、インフラ、ライフラインの復旧に全力を挙げてきました。その結果、電力や携帯電話はおおむね復旧をしました。上水道については、おおむね浄水場までの復旧は完了しましたが、奥能登六市町の管路復旧は年度内まで、そして一部地域は四月以降まで時間を要する、こういった見通しであります。
被災者の帰還を実現するためには、インフラ復旧を加速化させる必要があり、御指摘の自動車専用道路を含め、二十六か所の道路、空港、港湾、海岸、漁港等について、国による権限代行等を速やかに実施をし、被災自治体と連携してインフラの早期復旧に全力で取り組んでまいります。
二次避難等をされる方の不安解消に向けた取組についてお尋ねがありました。
安心して二次避難等をしていただくためには、再び住み慣れた土地に戻ってこられるという見通しを持っていただくことが極めて重要です。
私自身、被災地を視察し、被災者の方に安心して二次避難等をしていただけるよう、地元の仮設住宅の建設を始め、再び住み慣れた土地に戻ってくるための環境整備を並行して行うというお約束をしてまいりました。また、不安や懸念が解消されるよう、丁寧な情報提供に努めるよう指示をしてきたところです。
被災された方々が再び住み慣れた土地に戻ってこられるよう、そして一日も早く元の平穏な生活を取り戻すことができるよう、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づき、政府として被災地の復旧復興を強力に推進してまいります。
被災地で仮設住宅を建設する際の農地関連の手続についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、地方公共団体による仮設住宅建設の際には農地転用許可を不要としています。さらに、企業等が仮設住宅を建てるために農地を一時転用する際には、通常であれば、農用地区、農用地区域からの除外が必要であるところ、これを不要とした上で、転用手続についても緊急性等を考慮して迅速に行うこととしております。
能登の基幹産業である農業の復旧復興に向けて、優良農地の維持にも配慮、留意しつつ、被災地において仮設住宅建設が円滑に進むよう対応してまいります。
応急仮設住宅についてお尋ねがありました。
応急仮設住宅には、民間賃貸住宅を借り上げる方式や新たに建設する方式等があり、被災者のニーズに応えつつ、迅速な提供を図るため、国としても、災害救助法に基づく財政負担だけでなく、人的支援、空き室の提供など、様々な支援を行っています。
今回の災害では、家屋倒壊により自宅に戻れない被災者が極めて多いため、まずは一刻も早く応急的な住まいを希望者に提供していくことが最優先ですが、入居者数の増加や健康状態の変化などの事情があれば住み替えは可能であり、その旨を被災自治体に周知徹底してまいりますし、そのための人的支援等も行ってまいります。
そして、被災者生活再建に向けた追加支援についてお尋ねがありました。
被災により住宅の被害を被った被災者への経済的支援の在り方については、被災地のニーズやその実情、さらには現下の経済情勢も踏まえて、能登の実情に合わせた追加的な方策を検討すると申し上げてきました。
その具体的な内容について、昨日開催した令和六年能登半島地震復旧・復興支援本部の第一回会合において私からお示ししたところであります。
特に、高齢化が著しく進み、半島という地理的制約から地域コミュニティーの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域六市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設けます。
その際、半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大百万円、住宅の再建支援に最大二百万円、合計最大三百万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう早急に制度設計を進め、この追加策の成案を得たい、得てまいります。
また、同制度の対象とならない若者、子育て世帯についても、遜色のない対応が必要であり、足下の物価、金利情勢を踏まえた住宅融資の金利負担助成など、地域の実情を踏まえたきめ細かな事業を行うことが可能となるよう、その方策について石川県と調整を進めてまいります。馳石川県知事からは謝意を示していただいたところですが、制度設計の検討、調整、加速してまいります。
地震と火災に強い町づくり及び災害廃棄物処理の自治体負担軽減についてお尋ねがありました。
これまでの継続的な取組の結果、耐震化率と密集市街地の改善が進み、市街地の安全性は向上しましたが、今回の地震では、高齢化が進み、耐震化率、防火性が低い地域での木造住宅群の倒壊、火災等の被害が顕著であり、今後、この教訓を踏まえ、耐震化の促進、防火性の向上に更に取り組んでまいります。
災害廃棄物の処理については、特定非常災害の指定により、全壊家屋に加えて半壊家屋も高い国負担で被災自治体が公費解体撤去を行えるよう措置をいたしましたが、被災状況を踏まえた上で、更なる負担軽減を含め必要な支援を検討してまいります。
雇用調整助成金と施策パッケージについてお尋ねがありました。
雇用調整助成金については、過去の災害対応も参考としつつ、助成率や支給日数を引き上げる特例を設けました。日額上限額については、失業給付の上限額とのバランスを踏まえることが適当と考えていますが、今般の特例では従業員の出向や教育訓練も引上げの対象とするなど、きめ細かい配慮を行っており、被災地の雇用維持を支援してまいります。
また、支援パッケージでは、復旧復興段階まで幅広い施策を盛り込み、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところです。
政府として、被災者に寄り添いながら、切れ目なく、機動的、弾力的に必要な財政措置を講じてまいります。
建設産業の維持と発展につきましてお尋ねがありました。
地域の建設業は、災害が発生すれば応急復旧のために直ちに出動するなど、地域にとって不可欠な存在です。今回の能登半島地震においても、発災直後から道路啓開等に従事し、極めて厳しい環境の中で命をつなぐ緊急輸送ルートを確保していただきました。尽力いただいた事業者、作業員の皆様に心から敬意を表し申し上げます。
引き続きこうした役割を担っていただけるよう、適正な労務費が確保され、資材高騰が適切に価格転嫁された請負契約や働き方改革、生産性向上を促す法案を今国会に提出をし、担い手確保を通じた持続可能な建設業の健全な発展を実現してまいります。
能登半島地震で被災した農林水産業等の復旧復興についてお尋ねがありました。
被災地の農業、農林水産業については、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージに基づき、漁港などの生産インフラの復旧や機械等の再建、金融支援等の各種支援を重層的に講じ、復旧復興が成った暁には、我が国の食料安全保障と輸出戦略を支えるものとして持続的に発展していけるよう後押しをしてまいります。
また、世界農業遺産の能登の里山里海を代表とする白米千枚田や、日本三大朝市に数えられる輪島朝市、これらは地域の方々の誇りであります。なりわいの再生、観光復興に向け、その復興再生を全力で支援をしてまいります。
そして、北陸の観光地の復興及び鉄道を利用した、活用した能登観光復興の取組についてお尋ねがありました。
観光地の再生に向けて、国の権限代行や支援により、幹線道路、上下水道、能登空港、鉄道等のインフラ、ライフラインの本格復旧を迅速に進めてまいります。
その上で、地域の観光資源の復興再生に向けて、復興プラン策定段階から政府としての息の長い支援を行ってまいります。その際に、観光列車の活用や能登地域への旅行商品造成は復興の象徴となり得るものであり、観光需要喚起策と併せて、政府としても実現を後押ししてまいります。
また、北陸四県の比較的被災が少なかった地域については、風評対策として、三月の北陸新幹線延伸の機会も捉え、正確な情報発信と集中的な観光プロモーションを行いつつ、三月、四月を念頭に北陸応援割を実施してまいります。
北陸新幹線の全線開通についてお尋ねがありました。
北陸新幹線は、関東、関西と北陸との結び付きを更に強め、日本海側、太平洋側の二面活用や地域活性化に重要な役割を果たすのみならず、重層、多層、多重的な新幹線ネットワーク構築により災害に対するリダンダンシーを確保を図る重要な交通インフラです。
これまで長野、金沢まで段階的に開業し、北陸新幹線の発展に大きく寄与してきましたが、北陸地方の発展に大きく寄与してきましたが、震災からの復興に向けて、三月十六日の金沢―敦賀間の開業を予定どおり進めてまいります。残る敦賀―新大阪間については、着工に向けた諸条件について検討を深め、一日も早い全線開業を実現していきたいと考えております。
被災地の子供たちへの支援についてお尋ねがありました。
政府においては、現在、子供たちが置かれている様々な環境に応じた支援として、具体的には、学校施設の復旧支援、教科書や一人一台端末の提供、家計が急変した子供に対する修学支援、教職員やスクールカウンセラーの派遣などを行うとともに、二次避難を検討される保護者への情報提供、行っております。
政府としては、子供の環境に応じた学習支援や経済支援、そして心のケア等を行い、被災地の子供たちを全力で支えてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣松村祥史君登壇、拍手〕