木村英子の発言 (本会議)

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○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
 本日は、会派を代表し、障害者の立場から質問いたします。
 元日に能登半島地震が起き、多くの方が犠牲になりました。心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 日本は今まで、幾たびも大きな地震に見舞われ、多くの尊い命が失われました。本来であれば失わなくて済む命があった。それが今、岸田総理に問われている問題です。迅速に陣頭指揮を執るべき岸田総理が被災地を訪れたのは、二週間もたってからでした。憤りを感じてなりません。
 東日本大震災では、障害者の死亡率は健常者の二倍と言われています。当時、地域で介護者を付けて独り暮らしをしていた重度障害者が、津波が来ると分かったとき、諦めましょうと言って、そのまま亡くなりました。危機を前にして諦めなければならなかった障害者の恐怖と無念、一緒に連れていけず、一人、障害者を置いてその場を立ち去らなければならなかった介護者の悔恨、これが自分で逃げられない私たち障害者の置かれた現実です。この現実を変えていかなければなりません。
 まず初めに、全ての被災者の方たちに必要な支援を早急に行っていくために、先日開かれた予算委員会での我が党の山本代表からの要請について確認いたします。
 私たちは、災害救助法の施行令を改正し、洋服や日常品などの生活必需品の支給金額を増額することや、災害救助法で支援する期間や数値を限定せず、災害の収束まで支援をすること、また、被災者生活再建支援法を改正し、住宅再建費用の五分の四を国が負担すること、そして、これらの支援について、半壊以下の被災者や過去の災害の被災者にも適用することなどを要請しました。
 それに対し、岸田総理が示した支援パッケージでは、私たちの要請は何一つ入っておらず、このままでは、半壊以下の被災者や過去の災害の被災者の方々を始め、多くの被災者が取り残されたままになってしまいます。
 岸田総理は、できることは全てやるとおっしゃっていますが、言葉だけでは何の意味もありません。我が党の要請は、被災者がお金の心配をせずに再建に立ち向かうために当然必要な支援策であり、今すぐ実行するべきです。岸田総理、お答えください。
 次に、避難所のバリアフリーについて質問します。
 能登半島全体で高齢化率が五割を超える地区が多く、障害者の方は一万人以上いますが、いまだに避難できる避難所が見付からず、余震が続く中、壊れて危険な自宅にいるしかない方も少なくありません。
 原因の一つに、一次避難所のバリアフリー化の遅れがあります。一次避難所にはバリアフリートイレなどの設備がないことが多く、周りに迷惑を掛けたくないとトイレや食事を我慢してしまうことで体を壊し、災害関連死を容易に引き起こす状態にあります。
 一次指定避難所は全国で約七万か所あり、そのうちの約四割が公立の小中学校ですが、主な避難所となる体育館にバリアフリートイレがある学校は約四割しかなく、避難所のバリアフリー化が進んでいません。
 今回被災した能登地方では、バリアフリートイレが設置された体育館が一つもない自治体も存在します。避難所のバリアフリー化は、障害者や高齢者だけでなく、子供のいる方や妊婦さんなど、誰にとっても必要なことです。
 そこで、各自治体に対し一次避難所のバリアフリー化を進めるよう働きかけるとともに、自治体が安心して取り組めるように、バリアフリー化の補助率を現行の二分の一から更に引き上げるべきだと思います。岸田総理の見解を求めます。
 また、福祉避難所では、介護する職員が足りず、新たな受入れができないところも出てきており、一次避難所や自宅で避難生活をしている方も同様に介護者不足で、先ほども申し上げたとおり、支援の必要な障害者や高齢者の方たちが災害関連死の危険と隣り合わせの状況です。
 支援の必要な方々には一刻の猶予もありません。国が予算を付けて責任を持って十分な数の介護者を被災地へ派遣しなければ、多くの方が犠牲になってしまいます。岸田総理、すぐに実行してください。
 そもそも、平時より全国で介護者が絶対的に不足しているため、災害などの緊急事態に人手不足が更に深刻になっています。私自身も常に介護者不足で、いつ国会に登院できなくなってもおかしくない状況を抱えています。災害時に支援の必要な方々の命を守るためにも、人手不足解消のための介護者の待遇改善を今すぐに行うべきです。
 先日発表された報酬改定では、スズメの涙ほどの賃金しか上がらず、それどころか、訪問介護の報酬に関しては減額されると聞き、耳を疑いました。全産業平均より年間七十五万円も低いとされる状況を激変させ、平時からのほかの業種と同等の賃金とすべきです。岸田総理、お答えください。
 支援の必要な障害者や高齢者にとって、設備などのハードのバリアだけではなく、差別的な言葉や扱いを受け、避難所に行けなくなったり、いられなくなったりする事例が後を絶ちません。
 今回の被災地でも、盲導犬を連れた視覚障害者の方が避難所で拒否されたり、知的障害者の子供が大声を出して怒られ、避難所にいづらくなって、倒壊のおそれのある危険な自宅に帰るしかない方もいます。
 そして、何よりも信じられなかったのは、被災者のために用意された仮設の入浴設備を利用しようとしたところ、車椅子の方や障害のある方、手の掛かる方は御遠慮くださいと入浴を断られた方がいたことです。
 このような差別や心のバリアは、障害者と健常者が幼いときから分けられ、同じ地域で出会う機会を奪われ、お互いを知らないことで生み出されてきています。そうした心のバリアを解消するために、国連を始めあらゆる意思決定の場で、私たち抜きに私たちのことを決めないでというスローガンが用いられるようになりました。
 東日本大震災で支援の必要な人たちが取り残されていたことを受けて、二〇一五年に日本で開かれた国連防災世界会議では、誰も排除されない、誰も排除しない、誰も排除させない、インクルーシブ防災という考えが新たに打ち出されました。この会議の中では、私たち抜きに私たちのことを決めないでという言葉が繰り返し強調され、当事者参画が重視されています。
 障害者を始めとする様々な当事者を排除せず、誰一人取り残さない防災、復興を実現するために、国連が提唱しているインクルーシブ防災の理念に基づき、今後あらゆる協議会や会議体には当事者を必ず参加させることを強く求めます。総理の御見解をお聞きします。
 岸田総理の言う、あしたは今日より良くなる日本に向かうという言葉が本当であるならば、今震災で苦しんでいる全ての被災者の方々が一日でも早く元の生活に戻れるように、私たちの提案を実行することをこの場で国民に対して約束してください。
 以上、私の質問は終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 木村英子

speaker_id: 31564

日付: 2024-02-02

院: 参議院

会議名: 本会議