柳ヶ瀬裕文の発言 (本会議)
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○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柳ヶ瀬裕文です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、鈴木財務大臣に質問いたします。
自民党の裏金作りが発覚してから三か月、納得のいく説明は得られていません。脱税の嫌疑がある国会議員が八十名以上いる、そんな国会で審議した税制が果たして国民の信頼を得られるでしょうか。
三月十五日、間もなく確定申告の期限を迎えます。国民の皆さんには申告漏れのないように必死で取り組んでいただいています。財務大臣におかれましては、税制改正法案の審議に当たり、脱税疑惑が出ている議員に対して自ら修正申告するよう求めるべきと考えますが、見解を伺います。信なくば立たず。自ら襟を正すことが必要ではないでしょうか。
我が国経済に少し薄日が差してきました。日経平均株価は一九九一年以来三十三年ぶりに史上最高値を更新。令和五年の物価変動率はプラス三・二%、名目賃金変動率はプラス三・一%となり、令和六年度の年金額はバブル経済以降最大の前年度プラス二・七%改定となりました。
一方で、内閣府が今週五日に公表した需給ギャップの最新の数値によると、昨年十月から十二月期はマイナス〇・七%、年換算で四兆円の需要不足があると公表しています。
岸田政権ではデフレからの完全脱却を目指すとありましたが、現下の状況をどのように評価しているのか、また今回の法改正が実質賃金の上昇にどれだけ寄与すると考えているのか、見解を伺います。
所得税の定額減税について伺います。
私たち日本維新の会は、国民の可処分所得を押し上げ、経済を活性化させるためには消費減税が必要であると主張してまいりました。この法案では、消費税ではなく所得税の減税、しかも一度きりの、一度限りの減税となっていますが、十分な効果が見込めるのか甚だ疑問であります。
二〇二二年版短期日本経済マクロ計量モデルの試算では、名目GDP比一%相当額の個人所得減税を継続的に実施した場合は実質GDPを一年目に〇・二一%、同様の消費減税では〇・四四%、それぞれ押し上げる、物価との関係では、所得減税では民間消費デフレーターにほとんど影響しないが、消費減税では一年目に一・〇三%押し下げると試算がされています。
つまり、所得減税よりも消費減税の方が現下の物価高対策及び長期的な需要の創出という面でマクロ経済に与えるプラスの効果が大きいことは明白でありますけれども、消費減税にかたくなに踏み込まず、所得税の定額減税にこだわる合理的な理由について明確に答弁をしていただきたいと思います。また、所得減税は単年度より複数年度の方が効果が高いという試算が出ていますが、次年度以降の所得減税の可能性について見解を伺います。
消費税に係るプラットフォーム課税の導入について伺います。
この改正は、デジタルサービスを提供する国外事業者に課されていた消費税納税義務をプラットフォーム事業者に課すものです。これによる増収見込額及びコンテンツを提供する国外事業者の主要な国籍についてお答えください。
ゲーム産業を始めとするコンテンツ産業は、我が国が牽引してきた競争力の高い分野です。一方で、かつての据置型筐体からスマホゲームに市場が移行してから様相は一変。角川アスキー総合研究所の調査によれば、二〇二二年の国内のゲームアプリの推定売上げトップテンのうち、三本が海外の事業者が販売元になっているとしています。そのため、公正な競争環境の確保という点からも今回の改正は重要だと考えています。
ゲームの開発と提供は、当たれば利益が大きいけれど、外れれば損失も大きいというリスクが高い事業です。国内事業者に対する外部環境の向上という観点から、改正の意義を御説明いただきたいと思います。
租税特別措置法について伺います。
租税特別措置は、本来、限定的に運用すべきものであります。しかし、租特での対応が通常になっているものが多くある。例えば、登録免許税の特別措置については、登録免許税法が施行された昭和四十二年以降、五十七年間、二十七回にもわたって延長されてきました。これは、単に税率を本則から変えるもので、本来、登録免許税法自体の改正で対応すべきものであります。何年も期限を延長している租税特別措置法の規定は、本来の個別の税法を改正するべきだと考えますが、見解を伺います。
法人税に係る賃上げ促進税制の強化について伺います。
賃上げ促進税制は、令和四年度税制改正で強化されたものですが、今回の改正案の提出に当たり、その効果が検証されたと承知をしています。その検証結果及び実際の賃上げにどの程度税制改正が寄与したかの分析結果について説明を求めます。
報道によると、TSMC熊本工場が示した大卒の初任給は二十八万円と、熊本県内の製造業の平均と比べ、約八万円、三割以上も高い水準とのことです。周辺企業では、大卒初任給を約十年ぶりに引き上げたにもかかわらず内定者の辞退が相次ぎ、危機感を持っているとのことでありました。
このように、賃上げは、本来、成長企業が人材を取り合って需給が逼迫することにより起こるものです。企業間で賃上げ競争をさせるには、企業の新陳代謝を促して成長産業に人材を移動させることが必要だと思いますが、今回の税制改正法案に雇用の更なる流動化を主眼とした改正は含まれているのか、伺います。
今回の法改正では、赤字企業にとっても賃上げインセンティブとなるよう繰越控除措置を創設するとしています。そのこと自体は否定するものではありませんが、経営状態が上向かない限り実効的な意味はありません。そもそも賃上げによる納税額の減少は単年度のものですが、上昇した賃金は将来にわたって支払うこととなります。納税額が恒久的に減少しない限り、経営基盤の弱い企業にとっては賃上げの決断は困難だと考えますが、繰越控除措置の実質的な効果についての見解を伺います。
私たちは、賃上げに当たっては、税制だけに依存するのではなく、マクロ経済政策によるべきだと考えています。
経済に金融、財政両面から政策的に働きかけ、経済を需要超過ぎみに運営する高圧経済の下においては、低成長企業はMアンドAを通じてむしろ減少していくことが指摘されています。
賃上げが困難な企業が適正に賃上げする成長企業に買収され、結果として人材移動と賃上げが進むという考え方について見解を伺いたいと思います。
今回の税制改正でMアンドA準備金積立制度が拡充されますが、損金計上した準備金を将来益金として計上する点は改正されていません。これでは単なる税の繰延べであって、買収会社の税負担は変わらないため、どの程度MアンドAが増えるか疑問であります。
MアンドA準備金取崩し金の益金不算入制度の創設や、経営陣とその親族が所有する株式の移転に係る税率の軽減等により、MアンドAによる創造的合併がしやすくし、継続的な賃上げを実現すべきと考えますが、見解を伺います。
私たち日本維新の会・教育無償化を実現する会は、しがらみのない規制改革を断行し、継続的なイノベーションを実現する。産業の成長と需要の創出、そして雇用の流動化による賃金の上昇を目指していきます。三十年にも及んだゼロ成長、マイナス成長社会と決別し、将来に再び希望の持てる国とするために全力で取り組むことをお約束し、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕