磯崎仁彦の発言 (本会議)
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○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦です。
自民、公明を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問します。
質問に先立ちまして、能登半島地震により犠牲となられた方々の御霊に衷心より哀悼の誠をささげます。被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。復旧復興に向けて引き続き全力で対処してまいります。
台湾東部沖地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などで台湾の皆様からいただいた心温まる御支援を忘れることはありません。互いに助け合ってきた深いきずなの下、必要な支援をできる限り行ってまいります。
それでは、法案について質問します。
近年、安全保障の概念は、防衛や外交という伝統的な領域から経済、技術の分野にも拡大し、国家安全保障のための情報に関する能力の強化は一層重要になっています。
同時に、安全保障環境が地球規模で劇的に変化している中、民生レベルにおいても、我が国の経済安全保障を国際的な水準に合わせて、より一層強固にしなければなりません。
日本を除くG7各国やオーストラリアなどの先進国は、経済安保上の機微に触れる情報へのアクセスを官民の有資格者に限り、経済安保情報を保護する制度、いわゆるセキュリティークリアランス制度を保持しています。
片や日本は、平成二十六年十二月に特定秘密保護法が施行されましたが、特定秘密として指定できる情報の範囲が防衛、外交、特定有害活動の防止、テロの防止の四分野に限られており、経済安全保障に関する情報が必ずしも明示的に保全の対象とはなっておりません。
今回の法律により、ようやく我が国は同盟国、同志国と並ぶセキュリティークリアランス制度を有することとなりますが、情報保全の強化にとってどのような意義があるのでしょうか。また、今回の制度により、我が国の経済活動や技術開発においてどのような進展が期待できることとなるのでしょうか。総理にお伺いします。
重要経済安保情報の範囲は、スモールヤード・ハイフェンス、つまり、真に守るべき分野に限定して厳密に管理すべきです。
そこで、本法案においては、重要経済安保情報の範囲をどのような考え方の下で限定していくこととなるのでしょうか。
また、国家及び国民の安全を支える我が国の経済的な基盤の保護に関する情報として、有識者会議の最終とりまとめの中で示されたサイバー関連情報や規制制度関連情報、調査・分析・研究開発関連情報、国際協力関連情報が含まれるものと想定しているのでしょうか。担当大臣にお伺いします。
さらに、その指定は、日進月歩の先端技術の開発状況に対応できるよう臨機応変さが求められますが、情報指定の際限ない拡張や恣意的な指定により民間の事業への支障など不都合を来すことがないようにしなければなりません。この点について、担当大臣のお考えをお聞かせください。
本法案で、重要経済安保情報の取扱業務は、適性評価により漏えいのおそれがないと認められた者に制限されます。そして、適性評価については、行政機関の長が本人の同意を得た上で調査が行われることになりますが、その実施は本人同意が前提です。
仮に適性評価で重要経済安保情報の取扱業務が認められないこととなっても、不合理な配置転換や昇進への遅れなど、調査対象者への不利益な取扱いをしてはならないこととなっています。
そこで、本人同意が任意かつ真摯なものであることをどのように担保していくのか、さらに、適性評価により不利益な取扱いが生ずることがないよう、どのように実効性を持たせ、防止に努めていくお考えでしょうか。担当大臣にお伺いします。
重要経済安保情報の漏えい時等の罰則ですが、これについては五年以下の禁錮等、拘禁等の罰則が規定されております。また、法人の両罰規定も設けられています。一方、特定秘密保護法は十年以下で、法人の両罰規定がありません。
そこで、現行の特定秘密保護法と今回の法案において、このような違いがあることについてどのような理由があるのか、担当大臣にお伺いをいたします。
今回の法案により、我が国における経済安全保障上重要な情報の保護は大きく前進することとなります。
ただ、今回のセキュリティークリアランス制度の射程外ではありますが、情報の機微度は重要経済安保情報に指定するほどではないものの、厳密に管理した方がよいと考えられる政府情報や、民間事業者等が保有している情報であって国として保全が必要と考えられる情報の取扱いをどうするか、あるいは、重要経済安保情報の提供を受けたり、保有できる企業に外資が入り、実質的な外国支配となったような事態にどう対処するかなど、更に検討すべきところがございます。このような事項についても検討を進めるべきと考えますが、担当大臣の御所見をお伺いします。
経済安全保障推進法の基幹インフラ制度について伺います。
現行の法律に定める電気、ガス、石油、水道、鉄道、航空など十四の分野に加え、今回、港湾運送が追加されます。これは、昨年七月の名古屋港統一ターミナルシステムへの大規模なサイバー攻撃を踏まえたものと考えます。
片や、令和四年十月には、大阪府の急性期・総合医療センターへのランサムウエア攻撃など、様々な社会インフラへのサイバー攻撃が散見されますが、今回、基幹インフラ制度の対象分野の拡大が港湾運送のみとなっていることや、今後の更なる対象分野の追加に当たっての考え方について、担当大臣にお伺いします。
最後に、岸田総理の訪米に関連をしてお伺いをいたします。
今回の首脳会談では、米国、英国、オーストラリアによる安全保障の枠組み、AUKUSによる先端技術分野での日本との協力の検討、日米間での防衛装備品の共同生産、開発、半導体やAI、量子などの最先端技術の研究開発など、数多くの協力、協働が合意されました。
この背景には、特定秘密保護法の制定、施行以降、我が国においてセキュリティークリアランスへの社会での理解が深まり、国会においても本法案の審議が進んでいることとは無関係ではないと考えます。
この点について総理の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕