高市早苗の発言 (本会議)
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○国務大臣(高市早苗君) 磯崎仁彦議員から、まずは、重要経済安保情報の範囲と有識者会議の最終とりまとめで示された情報との関係についてお尋ねがありました。
重要経済安保情報については、本法案三条一項で、重要経済基盤保護情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものという三要件に該当するものを指定すると規定しています。
ここで言う重要経済基盤保護情報については、二条三項において我が国にとって重要なインフラと重要な物資のサプライチェーンの二つを重要経済基盤と定義した上で、同条四項でその保護に関わる四つの情報類型を明示し、対象を絞り込んでいます。
お尋ねのあった有識者会議の最終とりまとめにおいて示した四つの候補類型も、例えば、基幹インフラなどへのサイバー攻撃の脅威情報やそれに対応する政府の対応策、経済安保推進法の基幹インフラ制度の審査の蓄積を通じて得られた規制当局としての判断に関する情報、重要物資のサプライチェーンを調査分析して得た脆弱性情報、半導体などの重要物資の国際共同研究などで海外政府からもたらされた情報などが重要経済基盤保護情報に該当し得ると考えられます。
対象になる情報については、法案成立後、有識者に意見を聴いた上で作成し閣議決定する運用基準において、一層の明確化に努めてまいりたいと思います。
次に、情報指定の際限ない拡張や恣意的な指定についてお尋ねがありました。
重要経済安保情報として指定するのは、ただいま申し上げた三つの要件に該当する場合に限られ、この要件に該当しない情報は指定することができません。
情報の指定及び解除については、先ほど申し上げた運用基準を定めることに加え、制度を所管する内閣府において各行政機関が運用基準に従って適切に指定や解除を行っているかをチェックし、必要があれば内閣総理大臣が勧告などを行うこととしています。また、重要経済安保情報の指定や解除が適切になされているかは、独立公文書管理監が独立した立場で検証、監察することとなります。
以上のような重層的なチェック体制により、法の要件を満たさない指定がなされないよう徹底してまいります。
次に、任意かつ真摯な本人同意、また適性評価における不利益取扱いの防止についてお尋ねがありました。
本法案における適性評価の同意については、事業者などにおいて上司が適性評価を受けることを求めた場合においても、それに同意しないことが許される状況が実質的に確保されるということが重要だと考えます。そのため、事業者の場合には、適性評価を受けることの同意をしなかった事実の目的外使用を禁止する十六条二項の実効性を担保することが重要であります。
禁止の趣旨を事業者及び本人の双方に十分説明して理解を得るとともに、行政機関が十二条三項による同意の確認をする際に、同意は任意であることを説明し、強要などを受けていないか確認することなどが考えられます。さらに、同意をしなかった方が、その後これを理由として不利益な措置を受けることがないよう、今後策定する運用基準などにおいて、目的外利用禁止に違反する行為となる不利益な措置を具体的に明示するとともに、各行政機関がこの規定の遵守を適合事業者との契約などでも求めることなどの措置を検討してまいります。
こうした措置を通じて、目的外利用の禁止に違反する不利益な取扱いの防止を徹底してまいります。
次に、特定秘密保護法と今回の法案における法定刑や法人の両罰規定の有無に関する違いについてお尋ねがありました。
本法案における漏えい罪の法定刑は、特定秘密保護法の法定刑の半分の五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科としており、罰金刑のみの選択も可能としております。これは、特定秘密がその漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報であるのに対し、本法案の重要経済安保情報は、著しい支障まで至らないその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがある情報を念頭に置いていることから、結果の重大性の程度などに鑑みて差を設けたものです。
また、本法案にいわゆる法人両罰規定を置いたのは、本法案では、特定秘密保護法に比べ事業者への情報提供の要件を緩和しており、事業者が対象情報を取り扱うケースがより広く想定される上、重要経済安保情報には企業の事業活動に関連するものも多くなると考えられ、その結果、法人がその業務に関して重要経済安保情報を不正に取得しようとする場合や、適合事業者がその業務に関して漏えいする場合も想定し得ると考えられるからです。
次に、本法案の射程外である情報の取扱いや、適合事業者が実質的な外国支配となった事態への対処など、更に検討すべき課題についてお尋ねがありました。
重要経済安保情報の指定要件を満たさない機微度の情報については、まず、政府においては公文書管理法等に基づき厳格に管理することになります。また、民間が保有する情報の保全については、本法案のような政府の情報保全制度ではなく、不正競争防止法や外為法による保護、管理を含め、別途検討していくべき課題であると考えております。
その上で、民間事業者等が保有している情報であって国として保全が必要と考えられる情報の取扱いについては、有識者会議の最終とりまとめにおいて、政府として民間事業者等が真に必要な情報保全措置を講じられる環境を整えていけるよう、明確な指針等を示していくことの妥当性も含め検討を進める必要がある旨の御指摘をいただいているところであり、こうした御指摘も踏まえて今後検討を行ってまいります。
また、お尋ねのように、適合事業者が買収などにより実質的な外国支配となった場合は、その時点で適合事業者の基準を満たすかどうか、政府との契約関係を続けることが適当かどうか、個別具体的に判断していくことが想定されます。
その上で、適合事業者の組織的要件については、有識者会議の最終とりまとめにおいて、主要国の例も参照しつつ、我が国の企業の実情や関係法令との整合性も踏まえながら実効的かつ現実的な制度を整備していくべきとされていることを踏まえて、今後検討してまいります。
最後に、経済安全保障推進法の改正法案の内容や基幹インフラ制度への追加の考え方についてお尋ねがありました。
今回の改正法案については、推進法の制定以降に名古屋港や大阪の病院において大規模サイバー攻撃事案が発生したことも踏まえ、港湾分野と医療分野について基幹インフラ制度の対象事業に追加するかどうか検討いたしました。
港湾分野につきましては、港湾における物流機能の安定的な提供の確保を図る観点から、今回の改正法案において基幹インフラ制度の対象事業に一般港湾運送事業を追加することといたしました。
一方、医療分野については、厚生労働省における検討によれば、仮にシステム障害が生じても周辺医療機関との連携により必要な医療提供が可能であることなどから、今回の改正法案では基幹インフラ制度の対象としないこととなりました。
基幹インフラ制度の対象事業については、事案を受けてから後追い的に議論するのみではなく、平時から安定的な提供を阻害する要因となり得るリスクなど脆弱性を幅広く点検、把握し、その対応策の検討を行うなどの取組を通じて不断の見直しを行ってまいります。(拍手)
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